戦姫絶唱シンフォギア 大地を照らす斉天の歌   作:先導

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1週間分ストックが溜まったら投稿と言いましたが・・・休憩中に偶然見つけたPicrewのキャラメーカーで日和ちゃんたちを作ってみました。せっかくと思ったので、本編1話と同時に投稿します。当然メインは小説ですが、少しでも目の保養になったり、イメージしやすくなったら幸いです。あ、投稿したら再度1週間分のストックが溜まるまで休憩に入ります。

8/21:よく確認していなかったために、ガイドラインに引っ掛かり、海恋ちゃんの画像が利用禁止になりました。それに伴い、またこのようなことが起らぬよう、そちらを削除、Picrewの画像は一旦全て非公開にしました。もう1度よく確認し、こちらで利用できる範囲で再び投稿します。お騒がせして申し訳ありませんでした。


平穏な生活と蠢く暗躍

どこかに存在する廃病院。この廃病院こそが武装組織フィーネの現在の潜伏拠点である。この施設の暗い一室にて、一週間前のクイーン・オブ・ミュージックの戦いを観測している老女性がいた。

この老女性の名はナスターシャ・セルゲイヴナ・トルスタヤ。世間ではナスターシャ教授と呼ばれ、マリアたちからはマムと呼ばれている。彼女は半身不随で車椅子に乗っており、右目には眼帯を着けている。マリアたちに指示を出していたのも、分裂増殖型のノイズを召喚させたのも彼女だ。

 

「皮肉なものだな。このような形で敵に手助けしてもらうとは」

 

「フォルテですか」

 

ナスターシャがクイーン・オブ・ミュージックの映像を見ていると、フォルテが入室してきた。フォルテはナスターシャに近づき、自分もモニターを確認する。

 

「この作戦、本来ならばマリアと風鳴翼の歌の力によって、フォニックゲインを高め、ネフィリムを起動させる予定だった。しかし、数値は結果を出さなかった。だから敵を利用した。違うかい?」

 

「さすがの観察力ですね」

 

「しかし、絶唱は装者に命を燃やすほどの負荷を齎す。だが彼女たちはそういったものが見られない。タネはなんだい?」

 

戦いに必要なシンフォギアの知識は頭に叩き込んであるフォルテはS2CAスクエアバーストの詳細を求めている。

 

「他者の絶唱と響き合うことでその威力を増幅したばかりか、生体と聖遺物のはざまに生じる負荷を低減せしめたのです」

 

「櫻井理論によれば、手にしたアームドギアの延長に絶唱の特性があると言われてはいたが・・・」

 

「ええ。誰かと手を繋ぐことに特化したこの性質こそ、まさしく立花響の絶唱。降下する月の欠片を砕くために絶唱を口にしても尚、装者たちが無事に帰還できた最大の理由がこれです」

 

「絶唱の四重奏ならばこそ計測される、爆発的なフォニックゲイン。これによって天より堕ちた巨人、ネフィリムを目覚めさせた・・・か」

 

ナスターシャがモニターを切り替えると、異形の化け物が映し出された。この化け物の名はネフィリム。驚くべきことにこの化け物も完全聖遺物の1つである。ただ、他の聖遺物とは違い、ネフィリムは命を宿しており、自立行動ができる異端ともいえる聖遺物である。ネフィリムはF.I.Sが所持する聖遺物を喰らっている。その姿を見てフォルテは義眼の黄色い瞳を抑える。

 

「・・・古傷が痛みますか?」

 

「気遣いは無用だ。僕のこの目こそ、僕の罪の象徴でもあるのだから」

 

ネフィリムに強い因縁を持っているフォルテは無表情で義眼を抑えながらそれを見つめる。だが、感情を露にしないフォルテにしては珍しく、片方の手に感情を乗せて力を込め、握りしめる。込めた力強すぎて、血が流れていることに気づかないほどに。

 

~♪~

 

クイーン・オブ・ミュージックから一週間、二課では行方をくらませた武装組織フィーネをオペレーターたちは全力を持って行方を追っていたが、何も進展がない。というのもこの一週間、武装組織フィーネはこれといった動きを見せていないのだ。

 

「ライブ会場の宣戦布告から、もう一週間ですね・・・」

 

「ああ。何もないまますぎた一週間だった」

 

「政府筋からの情報では、その後、フィーネと名乗るテロ組織の一切の恣意行動や、各国との交渉も確認されていないとのことですが・・・」

 

「つまり、連中の狙いはまるで見えて来やしないということだ」

 

武装組織フィーネ情報を集めているのだが、どれもこれも小さいものばかりで、情報というにはかなり程遠いものばかりで、二課の捜査も難航しているようだ。

 

「傍目には、派手なパフォーマンスで自分たちの存在を知らしめたくらいです。おかげで、我々二課も即応出来たのですが・・・」

 

「事を企むには、似つかわしくないやり方だ。案外、狙いはその辺りだろうが・・・」

 

二課は武装組織フィーネがただの武装組織ではないということを認識した。するとそこに、緒川からの通信が入った。

 

『風鳴司令』

 

「お?緒川か。そっちはどうなっている?」

 

『ライブ会場付近に乗り捨てられていたトレーラーの入手経路から遡っているのですが・・・』

 

緒川の通信には何やら他にも怒声が混じっていた。それもそのはずだろう。緒川がいる場所というのが、ヤクザの事務所だからだ。ヤクザたちに襲われようとも、緒川はヤクザたちをいなしながら調査報告を続けている。

 

『たどり着いたとある土建屋さんの出納帳に、架空の企業から大型医療器具や医薬品、計測機器が大量発注されている痕跡を発見しまして・・・』

 

「ん?医療機器が?」

 

『日付はほぼ2ヶ月前ですね。反社会的なこちらの方々は、資金洗浄に体よく使っていたようですが・・・この記録、気になりませんか?』

 

「うむ・・・追いかけてみる価値はありそうだな」

 

緒川が入手してきた情報・・・そこに武装組織フィーネが絡んでいる可能性を信じ、弦十郎はその情報を追及することにした。

 

~♪~

 

リディアン音楽院・・・音楽教育を中心にしたカリキュラムを特徴としているこの学校は、ルナアタック事変の際、過電粒子砲カ・ディンギルが起動したことにより、校舎が破壊され、もう使われないものとなってしまった。ゆえに、廃校となった別の学校を政府が買い取ったことにより、今ではその校舎が新生リディアン音楽院となっている。生徒も6割ほど減少してしまったが、混乱も収まっていき、今では心機一転して、新たな新生活が始まっていた。

 

「おはようございまーす」

 

「はい、おはようございます」

 

「海恋ちゃんおはよー」

 

「はい、おはよう」

 

そんな新リディアン音楽院の校門前では風紀委員による朝のあいさつ運動が行われていた。海恋も風紀委員に属しているため、当然あいさつ運動に参加している。登校してきた生徒たちに挨拶している中、ある学生が登校してきて、海恋は微笑む。

 

「おはよう、クリス」

 

その生徒というのが、クリスであった。ルナアタック事変後に、装者たちは事が収束するまでの3週間もの間、監禁状態になっていた。ようやくそれが解除された後に、クリスは二課の計らいによってリディアンに編入してきたのだ。しかも、日和と海恋と同じクラスである。

 

「お、おう・・・」

 

クリスはぶっきらぼうな返事をしている。それが気に入らない海恋は通り過ぎようとするクリスの首根っこを掴んで止める。

 

「うおっ⁉な、なんだよ⁉」

 

「日常生活において挨拶は基本!これができてないと後々苦労するわよ。ほら、もう1回!お・は・よ・う!」

 

「わ、わかったわかった!やりゃいいんだろやりゃ!」

 

一度風紀委員・・・というか海恋に絡まれたらキリがないと編入してから学んだクリスは少し恥ずかしそうに朝のあいさつをする。

 

「お・・・おはよぅ・・・」

 

「はい、おはよう」

 

クリスの挨拶に海恋は満足そうに笑顔になる。

 

「お前いちいち細かすぎだろ・・・」

 

「細かいことを風紀委員が気にするのは当たり前よ。ああ、それから、放課後秋桜祭の準備をするから必ず残ること。いい?」

 

「うっ・・・」

 

秋桜祭という単語を聞いて、クリスは若干渋った顔つきになる。というのも、編入してから今日まで、クリスは今までのこともあって、日和と海恋以外の生徒とはあまり馴染んでいない・・・というか、馴染もうとしていないで逃げ回っている。海恋はそれを改変がてら3日後に開催される秋桜祭の準備に参加させようとしている。

 

「嫌そうな顔してもダメよ。あんたもリディアン生なら、学校行事はきちんと参加なさい」

 

「フィーネを名乗る謎の武装集団も現れたんだぞ?そんなことをしてる暇はねぇだろ」

 

「だからこそ秋桜祭を楽しもう・・・て、日和なら言うんじゃない?」

 

「なんだそりゃ・・・」

 

秋桜祭の準備云々を話していると、クリスは思い出したように質問する。

 

「・・・そういやぁ・・・あいつはどうした?」

 

「・・・・・・・・・はぁ・・・」

 

クリスの質問に海恋は長い沈黙の後、ため息をこぼした。とどのつまり、また遅刻である。

 

「またかよ・・・」

 

「そうまたなのよ・・・。最近早起きできるようになったと思えばこれなんだから・・・」

 

もはや恒例といってもいいような日和の遅刻癖に海恋もクリスも呆れている。

 

~♪~

 

一方その頃日和はというと・・・

 

「・・・zzz・・・もう食べられないよ・・・zzz・・・」

 

絶賛爆睡中である。朝の登校時間になっても、授業が始まっても起きない。日和にとってはこれは日常茶飯事である。二課に入ってからはマシになったのだが、習慣というのはそう簡単には抜けきれないものだ。声をかけても眠り続け、無理やりに起こそうとしても寝相で被害にあう。普通なら常人はこれで起こすのを諦めるのだが、海恋は毎日、あいさつ運動をするギリギリまで起こそうと試みる。それでも眠り続けるのが日和である。

 

「・・・ん・・・んあ・・・?」

 

ようやく目が覚めた日和は寝ぼけた目をこすりながら目覚まし時計の時刻を確認して・・・そして、顔を青ざめる。

 

「だ、大遅刻だああああああああああ!!!!」

 

目が覚めた日和は慌ててベッドから起き、パジャマから制服に着替え、朝食に出されたパンを1枚くわえて寮を飛び出して学校へ向かう。だが、いくら頑張ったところで遅刻は確定している。そのため、学校についても・・・

 

「・・・東雲さん?私の言いたいこと・・・わかりますよね・・・?」

 

「・・・えーっと・・・寝坊しちゃった♪てへっ♪」

 

「東雲さん!!!!」

 

「ひぅ・・・」

 

「新校舎に移転して、学祭も3日後に控え、みんな新しい環境で新しい生活を送っているというのに!それなのにあなたは・・・いつもいつもいつも!!お昼前まで寝坊して・・・悪ふざけして!!」

 

「すいませんでしたーーー!!!」

 

先生の説教が待っているわけで、日和は先生に涙目ながらにぺこぺこと頭を下げながら謝罪している。

 

「ぷっ・・・ぷふふ・・・」

 

「やっぱりひよりんは期待を裏切らないね」

 

「今年分を合わせてもう100回くらいは怒られてるんじゃない?」

 

日和が先生に怒られてる姿にクラスメイト達はくすくすと笑いながらこそこそ話をしてる。

 

「はぁ・・・まったく・・・」

 

「懲りねぇ奴だ・・・」

 

日常茶飯事の光景に海恋もクリスも非常に呆れている。

 

~♪~

 

リディアンの放課後、生徒一同は3日後に開かれる秋桜祭の準備を進めていた。そして、日和のクラスも当然進めている。準備を取り仕切っているのは風紀委員の海恋だ。

 

「とりあえずみんな、自分の配役のセリフ、きちんと覚えたわね。じゃあ、今まで練習してきたことを、本番のように。小道具係は舞台で使う道具のチェックをお願いね」

 

日和たちが出す出し物はオペラ演劇に決まった。演目は白雪姫だ。ちなみに、海恋が主役の白雪姫役だ。

 

「うぅ・・・私、うまく演じられるかな・・・」

 

「大丈夫だよ乙女!こういうのは勢いとノリが大事だから!楽しんでやればきっとうまくいくよ!」

 

「ひよりんは本当に気楽だね・・・」

 

小人役になったメガネをかけた少女、鏑木乙女は少し不安そうだが、日和が元気づける。ポジティブに捉える日和にポニーテールの少女、五代由貴は苦笑する。

 

「というか、海恋ちゃんとひよりんは大丈夫?演劇の後、本番があるけど・・・」

 

そう言って日和と海恋を心配するカチューシャを着けた長髪の少女、綾野小路。小路が言っているのは演劇の後に行われるカラオケ大会のことだ。去年のカラオケ大会で悲しみを脱した日和がチャンピオンに選ばれ、そして今回は海恋とコンビを組んで参加する予定なのだ。

 

「モチのロン!今回も最高の演奏をして、チャンピオンの座を守り通すよ!」

 

「おー、さすがの意気込みだね、チャンピオン!」

 

小路、由貴、乙女の3人と日和と海恋は1年の時からよくセッションをしているので、特に仲のいいグループだというのが、会話でよく伝わる。ちなみに、3人がセッションを始めるようになったのは、日和の影響だったりする。

 

「ねぇ!そんなことよりクリスはどうしたのよ?」

 

「あれ?そういえば雪音さんは?」

 

「雪音さーん?」

 

「・・・いないね・・・」

 

海恋に指摘されてクリスがいないかクラス全員が見回すが、クリスは教室にどこにもいなかった。

 

「さてはクリス!逃げたなぁ~!せっかくの学祭なのに!」

 

「はぁ・・・放課後残るようにって言ったのに・・・」

 

「私、雪音さんを探してくるよ!」

 

「あたしも!」

 

「お願いね、小路、由貴」

 

小道具係の小路、由貴はクリスに学祭に参加してもらうために彼女を探しに教室を出ていった。

 

「海恋、私もいくよ!」

 

「あんたは王子役でしょうが」

 

日和もクリスを探そうと名乗りを上げた。しかし、日和は王子役に配役されている。本番の段取りで練習すると言った手前なので海恋は却下と言おうとしたら乙女が手を挙げた。

 

「あの、海恋ちゃん、私もいくよ。ダメ?」

 

「乙女まで・・・」

 

日和と乙女の名乗りに海恋は少し頭を抱え、仕方ないといった様子で口を開く。

 

「ふぅ・・・1回全部やってみて、気になるところがあればそこ中心に練習する。その間なら構わないから・・・今は残ってちょうだい」

 

「わ、わかった」

 

「ありがとう、海恋!」

 

ひとまずは1回だけ練習し、その後は好きにしていいとお墨付きをもらい、日和と乙女は顔を明るくさせた。

 

「はいはい、時間は有限。早く練習を始めちゃいましょう」

 

『はーい』

 

クラスメイト達は海恋の仕切りの下、舞台の道具作り、出演者は本番に近い練習を始める。1回の練習が終わった後、日和と乙女はクリスを探しに教室を出るのであった。

 

~♪~

 

武装組織フィーネの潜伏拠点のシャワールーム。そこで調と切歌はシャワーを浴びている。

 

「でね!信じられないのがフォルテがそれをご飯にざっばーっと!かけちゃったわけデスよ!絶対におかしいじゃないデスか!そしたらフォルテがこの一言デスよ・・・」

 

切歌は面白い話題を出しているが、調は反応していない。

 

「・・・まだ、あいつの事、デスか?」

 

「・・・何も背負ってないあいつが、人類を救った英雄だなんて・・・私は認めたくない・・・!」

 

調は響のことを思い返し、怒りが込み上げていたのだ。

 

「うん・・・本当にやらなきゃいけないことがあるなら、たとえ悪いとわかっていても、背負わなきゃいけないものだって・・・」

 

調はシャワーの元栓を閉じて、壁を殴りつけた。

 

「困っている人たちを助けるというのなら・・・どうして・・・」

 

響の言葉だけでも苛立っているが、日和の放った言葉も思い出し、さらに苛立ちを増す調。

 

『それはあなたの偏見だよ!!人の痛みを知ってるのは自分たちだけなんて思わないで!!人が目の前で殺されたところを、見たことないくせに!!!』

 

「・・・そっちだって・・・私たちの事、何も知らないくせに・・・!!」

 

怒りが増す調の手を、切歌は優しく包み、彼女を励ます。そこへマリアが入室し、元栓を開いてシャワーを浴びる。

 

「それでも私たちは、私たちの正義とよろしくやっていくしかない。迷って振り返ったりする時間なんてもう・・・残されていないのだから・・・」

 

「マリア・・・」

 

マリアたちが思いにふけってシャワーを浴びていると・・・

 

ヴゥー!ヴゥー!

 

突如として警報が鳴りだした。

 

~♪~

 

鳴り響く警報音はネフィリムが空腹から暴れた衝動によるものである。すぐに隔壁を閉じてネフィリムを隔離する。その様子をナスターシャとフォルテはモニターで見ていた。

 

(あれこそが伝承にも絵がかれし共食いすらいとわぬ飢餓衝動・・・。やはりネフィリムとは、人の身に過ぎた・・・)

 

「人の身に過ぎた、先史文明期の遺産・・・なんて言わないでくださいよ?」

 

するとそこに、ナスターシャの考えてること言い当てるように1人の男が入ってきた。

 

「・・・ドクターウェルか・・・」

 

その正体とは、岩国で行方不明となっていたはずのジョン・ウェイソン・ウェルキンゲトリクス、通称ウェルだった。

 

「たとえ人の身に過ぎていても、英雄たるものの身の丈にあっていれば、それでいいじゃないですか」

 

まるで英雄は自分であると言いたげな口ぶりであった。

 

「・・・果たして、君が英雄たる器であるかな」

 

そこにフォルテが表情を変えずにウェルにそう言い放った。

 

「・・・何が言いたいのです?」

 

「独裁者とはき違えるなと言っている。せいぜいそうならないよう、気を付けることだ」

 

フォルテの言い放った言葉にウェルは眉を歪ませる。フォルテは英雄を嫌っているのではなく、英雄が掲げる栄光や栄誉といったものが大嫌いなのである。そんなものがあるから争いはなくならない。だから自分は栄誉を求めない。自分が信じるもののためだけに戦う。それがフォルテのスタンスであるがため、英雄を求めるウェルを嫌っているのだ。そしてウェルもまた、そのことから英雄を軽視するフォルテが大嫌いなのだ。

 

「マム!フォルテ!・・・っ!」

 

そこへマリアたち3人が駆け付けてきた。マリアがウェルを見た時、不快感を露にする。

 

「・・・次の花は未だつぼみゆえ、大切に扱いたいものです」

 

ウェルはフォルテから受けた不快感を消し、平静に装ってマリアたちと対応する。

 

「心配してくれたのね?でも大丈夫。ネフィリムが少し暴れただけ。隔壁を下ろして食事を与えているから、時期に収まるはず」

 

ネフィリムの暴れた衝撃で施設が揺れる。

 

「マム!」

 

「対応措置は済んでいるので大丈夫です」

 

「それより、そろそろ視察の時間では?」

 

「フロンティアは計画遂行のもう一つの要・・・起動に先立って、その視察を怠るわけにはいきませんが・・・」

 

ナスターシャはウェルの野心を見抜いているがために信用していない。だが計画遂行のためには彼の能力が必要不可欠。ゆえに仲間として引き入れた、ただそれだけの関係である。

 

「こちらの心配は無用。留守番がてらにネフィリムの食糧調達の算段でもしておきますよ」

 

「では僕が君の護衛に付こう」

 

監視がてらにフォルテがウェルの護衛に出ようとしたが、ウェルはそれを拒む。

 

「こちらに荒事の予定はないから平気です。むしろそちらに戦力を集中させるべきでは?」

 

「・・・わかりました。予定時刻には帰還します。後はお願いします」

 

ナスターシャは装者4人を連れて、車椅子を操作して拠点を後にした。

 

(さて・・・撒いた餌に獲物はかかってくれるでしょうか・・・)

 

1人残ったウェルは狡猾な笑みを浮かべるのであった。




綾野小路
五代由貴
鏑木乙女

日和と海恋のクラスメイトであり、セッション仲間。原作にも登場している。
クラスメイトの中で特に仲がよく、一緒にいることが多いグループ。日和をふらわーに誘ったり、日和が休んで真っ先に心配していたのも彼女たちである。亡くなった小豆とも仲が良かった。
彼女たちが日和たちとセッションするようになったきっかけは日和と小豆の2人だけでバンドの練習をしていた時に楽しそうにしてると思っていたところに日和が3人を見てからこの一言。

「一緒にやらない?絶対に楽しいよ!」

それからというもの、3人は日和たちとセッションするようになり、これがきっかけで仲良くなった。ちなみに、使っている楽器は学校にあったものを使用している。
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