戦姫絶唱シンフォギア 大地を照らす斉天の歌   作:先導

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ガイドラインをもう1度よく確認し、これならば問題ないと改めて判断し、Picrewより作ったキャラの非公開を解除し、再び載せました。そして、別のキャラメーカーで海恋ちゃんを作り直しました。こちらのガイドラインも確認しましたし、問題ない・・・はず!


終焉を望む者、終焉に挑む者

突然だが、クリスは今追われている。捕まってしまえば一巻の終わり。ならば捕まるわけにはいかない。なんとしてでも逃げ切る。現在のクリスはそんな思いでいっぱいいっぱいだった。クリスは曲がり角を曲がって追手を振り切ろうとした時、偶然通りがかった生徒とぶつかってしまう。

 

「つ・・・わき見しつつ廊下を駆け抜けるとは、あまり感心できないな・・・」

 

そのぶつかった相手というのは翼であった。

 

「いっつつ・・・」

 

「雪音。何をそんなに慌てて・・・」

 

「奴らだ・・・奴らに追われてるんだ!もうすぐそこまで・・・」

 

「何っ!!?」

 

クリスは人影の気配を感じ取り、壁に隠れる。翼は追手を確認するため身構えて奥を見つめる。クリスを追いかけていたのは日和、小路、由貴、乙女であった。

 

「・・・?特に不審の輩は見当たらない。強いてあげるなら、東雲がいたくらいだ」

 

「くっそ・・・あいつしつこすぎだろ・・・」

 

未だに近くに徘徊している日和にクリスは項垂れて彼女を毒づく。

 

「・・・もしや東雲に追われていたのか?」

 

「ああ。あいつ、クラスの連中を焚きつけてあたしを学校行事に巻き込もうと一生懸命になってるんだよ」

 

学校行事に乗り気でないクリスは教室から出たはいいが、練習を終えた日和と乙女に見つかり、その後は3人で追いかけっこ。さらに小路、由貴と合流されて、現在に至るわけだ。

 

「雪音さーん!」

 

「もう・・・どこ行っちゃったのかしら・・・」

 

「すんすん・・・すんすん・・・まだ近くにいる匂いがする!多分すぐ近くにいるよ!」

 

「ひよりん、そんな犬みたいに・・・」

 

日和たちはクリスを一生懸命に探している。その際に4人は手分けして探しにいき、残った日和は犬みたいに鼻をくんくんさせながらクリスを探している。その様子を見ていたクリスは呆れている。

 

「あいつ浮かれすぎだろ・・・。今のあたしたちの状況を忘れたわけじゃないだろうな?・・・て、そっちこそ何やってんだ?」

 

クリスは紙袋に入っていたものをしまい直す翼に問いかける。

 

「見ての通り、雪音が巻き込まれかけている学校行事の準備だ」

 

翼も現在、3日後に開かれる秋桜祭の準備を執り行ってる最中だ。というより、もう3日日も迫っているのだ。リディアン中、どこもかしこも準備に追われているのは当然であろう。

 

「それでは、雪音にも手伝ってもらおうかな」

 

「なんでだ!!?」

 

手伝いから逃げてきたのにまさかの翼からの申し出に突っかかるクリス。

 

「戻ったところでどうせ巻き込まれるのだ。少しくらい付き合ってくれてもいいだろう。こういう時だからこそ楽しむべき・・・と、東雲なら言うのではないか?」

 

「あんたまで・・・」

 

翼の言うとおり、このままではどうせ巻き込まれる。それならば翼に付き合った方がまだマシと思い、クリスは渋々ながらに了承した。2人は翼の教室に移動して飾りつけの花飾りを作っている。

 

「まだこの生活には馴染めないのか?」

 

「まるで馴染んでない奴に言われたかないね」

 

「ふふっ、確かにそうだ。しかしだな、雪音・・・」

 

「あ!翼さん!いたいた!」

 

話ながら花飾りを作っていると、翼の同級生の3人組が入ってきた。

 

「材料取りに行ったまま戻ってこないから、みんな探してたんだよ?」

 

「でも心配して損した。いつの間にかかわいい下級生連れ込んでるし」

 

「みんな、先に帰ったとばかり・・・」

 

「だって翼さん、学祭の準備遅れてるの自分のせいだと思ってそうだし・・・」

 

「だから私たちで手伝おうって」

 

「私を・・・手伝って・・・?」

 

同級生の言葉を聞いて、翼は少しポカンとしている。

 

「案外人気者じゃねぇか」

 

その様子にクリスは仕返しと言わんばかりに茶化してきた。同級生3人も加わり、5人で花飾り作りを再開する。

 

「でも昔は、ちょっと近寄りがたかったのも事実かな」

 

「そうそう。孤高の歌姫って言えば聞こえはいいけれどね」

 

「初めはなんか、私たちの知らない世界の住人みたいだった」

 

「そりゃ芸能人でトップアーティストだもん。でもね」

 

「うん!」

 

「思い切って話しかけてみたら、私たちと同じなんだってよくわかった!」

 

「みんな・・・」

 

「特に最近は、そう思うよ」

 

クラスメイト達の思っていることを聞けて、翼は少し嬉しそうな顔になっている。

 

「ちぇっ、うまくやってるぅ」

 

先輩の話を聞いてクリスは微笑んだ後、わざとらしくそっぽを向く。

 

「面目ない。気に障ったか?」

 

「さぁてね」

 

申し訳なさそうにする翼にクリスはそう答えた。

 

「すみません!ここに・・・あ!クリス・・・に、翼さん!!?」

 

「げっ・・・」

 

「あぁ、東雲か」

 

そこに日和が扉を開けて入ってきた。見つかったクリスは嫌そうな顔をし、翼は普通に接している。

 

「日和ちゃん、お疲れ様ー」

 

「あ、先輩!お疲れ様です!・・・それよりクリス!ずるい!翼さんのお手伝いをするなんて!私も翼さんを手伝う!!」

 

「はあ?んな勝手に・・・て、おい!さりげなく隣座んな!」

 

「本当に?日和ちゃん手伝ってくれるの?」

 

日和は翼の手伝いをしているクリスに嫉妬し、さりげなくクリスの隣に座って花飾り作りを手伝う。

 

「でも大丈夫?そっちも準備があるんじゃ・・・」

 

「大丈夫です!みんなには私たちの分まで頑張ってもらいますから!」

 

「あはは!何それー」

 

日和は先輩たちと楽しく笑いあいながら、一生懸命に花飾り作りに集中している。そんな日和にクリスは質問する。

 

「・・・なぁ。お前、なんでそこまで学祭に熱心なんだよ」

 

「え?う~ん・・・」

 

クリスの質問に対し、日和は考える素振りを見せ、その後に笑みを浮かべる。

 

「挙げてみたら結構いっぱいあったや。まず私が楽しむこと、それから初めて参加する人にも楽しんでもらうこと、先輩たちに記憶に残る学祭にしたいこと。それからそれから・・・」

 

「あー、もういいわかった・・・それ以上挙げたらキリねぇわ・・・」

 

結構いっぱい理由を述べてきたのでクリスは話を切り上げようとする。

 

「・・・でも、1番の理由はやっぱり海恋かな」

 

「?西園寺?西園寺と何か関係があるのか?」

 

「学祭当日、海恋の誕生日なんです」

 

「え?」

 

「何?そうだったのか?」

 

秋桜祭当日が海恋の誕生日という偶然にここにいる全員が驚いていた。

 

「海恋、親とちょっと仲が悪いらしくて・・・誕生日をまともに祝ってもらったことがなかったらしいんです。しかも、海恋とっても頭いいから・・・疎まれて誰も海恋と仲良くしてくれなかったみたいなんです」

 

「あいつが・・・」

 

今の海恋からはあまり想像できない過去にクリスは驚愕する。少なくとも、今の海恋は誰もが信頼され、クラスとも仲良くできてるから、昔は友達がいなかったこと自体が想像できないのだ。

 

「だから、誰にも祝ってもらえないのって、かわいそうだなぁって。そう思ってた時に海恋の誕生日と学祭が同じ日だって去年わかったんです。だから・・・その・・・今まで祝ってもらえなかった分、今年も学祭でいっぱいお祝いして、記憶に残る最高の学祭と誕生日になってほしいなぁって・・・。変ですかね・・・?」

 

日和の海恋を想う気持ちを聞いて翼と先輩は笑みを浮かべる。

 

「全然変じゃないよ!ね?」

 

「うん!」

 

「むしろすごく見直したよ!」

 

「今まで祝えなかった分か・・・実にシンプルだが、東雲らしいな」

 

「えへへ・・・そうですかね・・・。そう言ってもらえると、とっても嬉しいです」

 

先輩たちの言葉を聞いて、日和は頬を少し赤くして照れたように笑う。その様子にクリスも口元に笑みを浮かべる。すると日和のスマホから着信が鳴った。相手は噂をすればなんとやらで海恋からだった。

 

「あっと・・・海恋からだ。すみません、ちょこっとだけ席外しますね」

 

日和はそう言って席を立って教室から出て電話に出た。

 

「へっ、仲がいいこった」

 

「なんだ?ヤキモチか?」

 

「そ、そんなんじゃねぇよ!けど・・・あたしももうちょっとだけ、頑張ってみようかな・・・」

 

「そうか・・・」

 

クリスは翼の話、日和の話を聞いて、同級生との交流をもうちょっと頑張ってみようと思った。それを聞いた翼は笑みを浮かべる。

 

「もうひと頑張りといきますか!」

 

「うん!」

 

「よし!さっさと片付けちゃおう!」

 

先輩たちがそう言ったところで5人は花飾り作りのペースを上げる。途中で日和が戻ってきたところで、準備は着々と進んでいった。

 

~♪~

 

時間が経ち、夜となった廃病院。装者4人に任務の連絡が入り、その廃病院近くに4人は集まっている。

 

『いいか!今夜中に終わらせるつもりでいくぞ!』

 

『明日も学校があるのに、夜半の出動を強いてしまい、すみません』

 

通信端末から弦十郎の気合を入れる人声が入り、緒川からは明日の学校に響くのではないかと、謝罪の言葉を述べている。

 

「気にしないでください。これが私たち、防人の務めです」

 

緒川の謝罪に翼は勇ましく答える。

 

「・・・まさかここに来るなんて思わなかったよ・・・」

 

この廃病院、浜崎病院にはあまりいい噂を聞かない。もともとは医療費の価格破壊を掲げていたが、度重なる医療ミス、事故に見せかけて患者を殺害する事件までもが発生し、閉鎖することになったのだ。ずっと昔に廃病院となっていたが、一応は初期の浜崎病院と日和の実家、東雲総合病院と病診連携をとっていたことがあったために日和はこの病院の存在は知っていた。ただこの病院は最近では心霊スポットとしてかなり有名で肝試しの場として使われている。元が臆病な性格の日和が絶対に行きたくなかった場所でもある。

 

「街のすぐ外れにあの子たちが潜んでいたなんて・・・」

 

そしてこの廃病院は現在、武装組織フィーネの潜伏拠点となっている。今回の任務は奇襲を仕掛け、一気に叩いて終わりにするというものだ。

 

『ここはずっと昔に閉鎖された病院なのですが・・・2ヶ月前から少しずつ、物資が搬入されてるみたいなんです。ただ、現段階ではこれ以上の情報が得られず、痛し痒しではあるのですが・・・』

 

「しっぽが出ていないのなら、こちらから引きずりだしてやるまでだ!!」

 

そう言ってクリスが先行し、それに続いて翼、日和、響が廃病院の中へと入っていった。

 

~♪~

 

二課の装者4人が廃病院が入ってきた姿は、別室でウェルが確認していた。

 

「おもてなしといきましょう」

 

ウェルはキーボードを操作し、ダクトより何やら赤い煙を噴出させた。装者4人がその赤い煙が立ち込める場所にたどり着く。

 

~♪~

 

廃病院に進入した装者4人は赤い煙が立ち込める部屋の外で警戒をしていた。そんな中で響は及び腰で、日和は廃病院の雰囲気からか恐怖が立ち込めている。

 

「やっぱり、元病院ってのが雰囲気だしてますよね・・・」

 

「い、嫌なこと言わないでよ・・・こ、怖いよ・・・」

 

「なんだぁ?ビビってるのかぁ?」

 

「私が臆病なの知ってるでしょ⁉もう・・・早く終わらせて帰りたい・・・」

 

「そうですねぇ・・・なんだか空気が重いような気がしてなりません・・・」

 

「・・・意外に早い出迎えだぞ」

 

クリスは日和をからかっていると、常に警戒を怠らなかった翼が口を開く。部屋の奥より、大量のノイズが出現した。装者4人はすぐに戦闘態勢に入る。

 

clear skies nyoikinkobou tron……

 

Balwisyall Nescell Gungnir tron……

 

Imyuteus amenohabakiri tron……

 

Killter Ichaival Tron……

 

装者4人がシンフォギアを身に纏い、クリスが先手必勝としてボウガンをガトリング砲に変形させ、ノイズに向けて乱射する。

 

【BILLION MAIDEN】

 

ガトリングによってノイズは次々と殲滅していったが、それを上回るように後ろからさらにノイズが出現し、数が元通りになる。

 

「新しいノイズが!」

 

「やっぱりこのノイズは!」

 

「ああ。間違いなく制御されている」

 

装者4人はノイズの群れへと突っ込んでいく。

 

「立花!雪音のカバーを!懐に潜り込ませないように立ち回れ!東雲は私と共に来い!先陣に切り込む!」

 

「「はい!」」

 

先陣に回る日和はユニットから棍を取り出し、それを前衛のノイズに向けて投げ飛ばす。投擲した棍は分裂して数を増やし、ノイズに向かっていく。そして数多くの小さな棍は部屋に被害が出ない程度の小爆発を引き起こす。

 

【才気煥発】

 

小爆発によってノイズは炭と化して消えるがまだ数が多い。小爆発の煙より、翼が刀を、日和が新たな棍を構えて飛び出し、ノイズを殲滅する。後衛のノイズはクリスがボウガンで次々と撃墜し、響はクリスの援護するように近づいてくるノイズを拳で殲滅していく。順調にノイズを倒していくと、ここで変化が起きた。自分たちが相手をしていたノイズに一撃を放っても、仕留めきれなかったのかすぐに復活してしまう。それならばと翼が刀を大剣に変形させ、蒼の斬撃をノイズの群れに放った。

 

【蒼ノ一閃】

 

蒼の斬撃でノイズの群れを蹴散らした。しかし、蹴散らしたノイズはすぐに元通りになっていく。ノイズは装者4人に襲い掛かる。4人は突っ込んできたノイズをあしらうも、復活する。これによって装者4人は体力が消耗していき、息が上がる。

 

「なんで・・・こんなに手間取るんだ・・・⁉」

 

「・・・ギアの出力が落ちている・・・⁉」

 

どうやらこの現象は装者の適合率が下がっていき、思うような力を存分に発揮できないようだ。二課の本部でも同じ結論に至った。それでも何とかノイズを全て殲滅させた装者4人。だが、息も絶え絶えで息を整えるので精いっぱいだ。すると、日和は何かが近づいてきた音を聞き取った。

 

「!!?みんな!何か来る!!」

 

日和の一声で3人は音の出所に視線を向けた時だった・・・それが暗闇の中からこちらに襲い掛かってきたのは。

 

「!!?3人とも、気を付けて!!」

 

咄嗟に響が拳を放ち、異形の化け物は吹っ飛ばされるもまたも襲い掛かってきた。そこで翼の刀の斬撃と日和の棍の打撃で遠くへ吹っ飛ばす。異形の化け物はアームドギアで攻撃しても、炭素にならないどころか、攻撃も利いてる様子がない。

 

「!!?アームドギアで迎撃したんだぞ!!?」

 

「なのになぜ炭素と砕けない!!?」

 

「まさか・・・ノイズじゃない・・・?」

 

「ウソ・・・じゃああの化け物はいったい何・・・?」

 

4人が動揺していると、怪物の背後より、拍手を送る音が聞こえてきた。暗闇の奥より、白衣を着込んだ男の姿が露になった。

 

「えぇ!!?」

 

「あなたは!!?」

 

「ウェル博士!!?」

 

その男とは、ウェルであった。行方不明だと聞いていた装者4人はウェルを見て驚愕する。異形の化け物、ネフィリムは用意されていたケージの中へと入りこむ。

 

「意外に聡いじゃないですか」

 

「そんな!博士は岩国基地が襲われた時に・・・」

 

「つまり・・・ノイズの襲撃は全部・・・!」

 

「明かしてしまえば単純な仕掛けです。あの時既にアタッシュケースにソロモンの杖はなく、コートの内側にて隠し持っていたんですよ」

 

つまり、装甲列車に追いかけていたノイズも、岩国基地を襲ったノイズも全てウェルの仕業で、ウェルはあの時自作自演を行っていたのだ。

 

「ソロモンの杖を奪うため、自分で制御し、自分に襲わせる芝居を打ったのか!!?」

 

「じゃあ・・・私たちをずっと騙してたんですか!!?」

 

「バビロニアの宝物庫よりノイズを呼び出し、制御することを可能にするなど、この杖を置いて他にありません」

 

ウェルはソロモンの杖を取り出し、辺りに新たなノイズを召喚する。

 

「そして、この杖の所有者は今や自分こそが相応しい。そうは思いませんか?」

 

「思うかよ!!」

 

ウェルの言葉に腹を立てたクリスは小型ミサイルを展開し、それをノイズへと放った。ミサイルはノイズに直撃し、部屋ごと爆発する。しかし・・・

 

「ぐあああああっ!!」

 

クリスが技を放った瞬間、彼女に強烈な激痛が走った。この現象は、適合率が低下したために、バックファイアで装者を蝕んでいるのだ。ゆえに、技を出してしまえば、装者に激痛が走るのだ。

 

「クリス、大丈夫?」

 

「くっそ・・・!なんでこっちがズタボロなんだよ・・・!」

 

(この状況で大きな技を使えば、最悪の場合、そのバックファイアで身に纏ったシンフォギアに殺されかねない・・・!)

 

日和がクリスを支えていると、空から何やら音が聞こえてきた。

 

「!あれは!」

 

音のする方へ視線を向けると、ネフィリムが入ったケージを気球型のノイズがどこかへと運んでいる。

 

「ノイズがさっきのケージを持って・・・!」

 

このノイズは海へ向かって進んでいる。ネフィリムを持ってどこかへ逃げる算段も立てていたようだ。

 

(さて・・・身軽になったところで、もう少しデータを取りたいところだけど・・・)

 

響はウェルに拳を構え、日和はクリスを地面に座らせて彼女を安静にさせる。ウェルは両手をあげて降参を示した。

 

「立花!その男の確保と、雪音を頼む!東雲は私と共に来い!」

 

「はい!」

 

(天羽々斬と如意金箍棒の機動性ならば!)

 

ウェルの確保を響に任せ、翼と日和は海へ向かっているノイズを追いかける。

 

「ここなら!射程範囲内!!」

 

気球型ノイズに十分届きそうな位置までたどり着いた日和は狙いを定めて棍を気球型ノイズに向けて投げ放った。投擲した棍は気球型ノイズへと迫ってきて、あと少しで直撃できるその時だった・・・そこに横やりが入り、棍は大剣によって振り落とされた。

 

「何っ⁉」

 

「ウソっ⁉」

 

棍を叩き落とした第三者は日和と翼が驚いている間にも大剣を構え直し、ブースターを使って2人に接近し、大剣を振るって斬撃を与える。

 

「ぐわぁ!!」

 

「ああ!!」

 

「翼さん!!日和さん!!」

 

「あいつは・・・!」

 

「時間通りの帰還ですね・・・フォルテさん」

 

割り込んできた第三者とは、シンフォギアを身に纏ったフォルテだった。地に着地したフォルテは倒れた翼に近づき、大剣を突き刺そうと構えた。

 

「翼さん!!」

 

日和はそうはさせまいと右腕のユニットをフォルテに突きつけ、弾丸のように棍を撃ち放つ。それを感じ取ったフォルテは態勢を変え、大剣でガードする。

 

「む・・・」

 

「翼さん!!そのまま進んでください!!」

 

起き上がった日和は翼にそう声をあげて、フォルテに向かって飛び蹴りを放つ。フォルテは日和の飛び蹴りをもう片腕でガードし、蹴りの反動で後ずさる。

 

「東雲・・・すまない!何とか持ちこたえてくれ!」

 

翼はフォルテの相手を日和に任せ、自分はノイズの追撃を再開する。だが、気球型ノイズはすでに海を通っている。いくら機動性に優れた天羽々斬でも、届かずに海に落ちてしまうだろう。

 

『そのまま!飛べっ!!翼!!』

 

そこに弦十郎の声が通信機を通じて聞こえてきた。

 

(飛ぶ?)

 

『海に向かって飛んでください!どんな時でもあなたは!』

 

指示を聞いた翼は途切れている道路を跳躍し、脚部のブースターを使い、飛距離を伸ばしながら飛ぶ。

 

『仮設本部!急速浮上!』

 

弦十郎の指示と同時に、二課の仮設本部である潜水艦が浮上し、翼はその先頭を使ってさらに飛び、気球型ノイズに接近し、乱切りにする。炭となってノイズが消えたことにより、ネフィリムが入ったケージは重力に従って落ちていく。翼がケージに近づいて手を伸ばし、あと少しで手が届きそうになった時・・・空から槍が飛んできて翼を弾き返す。

 

「うあっ!!」

 

「翼さん!!」

 

「横槍!!?うわぁ!!」

 

「相棒!!」

 

槍の衝撃で弾き返された翼は海に落ち、日和は一瞬の隙を突かれ、フォルテからの蹴りを喰らい、吹っ飛ばされる。槍は海上の上で止まり、その上に襲撃者が降り立ち、落ちてきたケージを回収した。

 

「時間通りですよ、フィーネ」

 

「フィーネだと!!?」

 

ウェルの放ったフィーネという名にクリスが反応する。起き上がろうとする日和にフォルテは大剣を突きつけて語る。

 

「終わりを意味するその名は、我々の組織の象徴であり、彼女の二つ名でもある」

 

「そんな・・・じゃあ・・・まさか・・・マリアさんは・・・」

 

「そう・・・新たに目覚めた・・・再誕したフィーネだ」

 

衝撃の告白と共に出迎えた朝日は、まるでマリアを祝福するかのように、昇ってきたのであった。




怨樹・ミスティルテイン

型式番号:SG-x01Mistilteinn

F.I.Sが所有する聖遺物。盲目の神ヘズが光の神バルドルを絶命させ、ラグナロクを発展させたという伝説があるアイテムを触媒とし、シンフォギアへと加工させた・・・と、表向きの研究書類には書かれているが、多くのことはあまりわかっておらず、謎に包まれている聖遺物。イラク戦争時、シュルシャガナ、イガリマ、アガートラームと共に中東から米国へと持ち込まれたために、なぜ北米の聖遺物が中東に存在しているのかも、疑問の声をあげているとされている。
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