二課の仮設本部内では確認されたアウフヴァッヘン波形とノイズの出現パターンを解析している。弦十郎は放棄されたアジト、その場に残った特殊部隊の死体、ノイズの被災者の痕跡など、今までにない状況に弦十郎は考える。
(遺棄されたアジトと、大量に残された特殊部隊の死体、ノイズ被災者の痕跡・・・これまでと異なる状況は、何を意味している・・・?)
「司令!」
藤尭の声で弦十郎は一旦考えたことを隅において、藤尭の言葉に耳を傾ける。
「永田町深部電算室による、解析結果が出ました。モニターに回します!」
モニターに響のガングニールと、マリアの黒いガングニールのアウフヴァッヘン波形が表示される。この2つのアウフヴァッヘン波形を合わせると、形が全く一緒である・・・つまり、誤差は一切ないことを意味している。
「アウフヴァッヘン波形照合。誤差、パーツは鳥四レベルまで確認できません」
「マリア・カデンツァヴナ・イヴが纏う黒いガングニールは響君のものと数文違わぬということか・・・」
「私と・・・同じ・・・」
マリアのガングニールが響の胸にあるガングニールと同じであるとわかり、響は自身の胸に手を当てる。
「考えられるとすれば、米国政府と通じていた了子さんによってガングニールの一部が持ち出され、作られたものではないでしょうか?」
「櫻井理論に基づいて作られた、もう1つのガングニールのシンフォギア」
「だけど妙だな・・・」
藤尭の推察と友里の言葉にクリスは割って入ってきた。
「妙って・・・クリス、どういうこと?」
「お前な、ちょっとは考えてみろ。米国政府の連中は、フィーネの研究を狙っていたんだぞ?F.I.Sなんて機関があって、シンフォギアまで作っているのなら、その必要はないはずだろ」
「????全然わかんない・・・」
「はぁ・・・」
聖遺物関連の説明をされても、日和は全く理解できず、首を傾げてばかりだった。それにはクリスは少し呆れ気味だ。
「政府の管理から離れ、暴走しているという現状から察するに、F.I.Sは聖遺物に関する技術や情報を独占し、独自判断で動いているとみて間違いないと思う」
「・・・よくわかりませんけど、フィーネの技術を独り占めしようとして、政府を裏切ったってことですか?」
「ああ、その認識で構わない」
「はぁ・・・F.I.Sは自国の政府まで敵に回して、何をしようと企んでいるのだ」
F.I.Sが何の目的で動いているのかわからず、弦十郎は思わずため息をこぼすのであった。
~♪~
エアキャリアは神獣鏡のステルス機能を利用し、エアキャリアの姿を消して、切歌と調の回収ポイントへと向かっていく。エアキャリアを操縦するナスターシャはスイッチを押して、モニターに格納庫にいるネフィリムを映し出す。
(ついに本国からの追手にも補足されてしまった・・・。だけど、依然ネフィリムの成長は途中段階・・・フロンティアの機動には遠く至らない・・・)
ナスターシャは一度目をつむり、カメラ映像をマリアとフォルテがいるブリーフィングルームに変える。
(セレナの遺志を継ぐために、あなたは全てを受け入れたはずですよ、マリア。もう迷っている暇などないのです)
~♪~
ブリーフィングルームでマリアはガングニールとは別のシンフォギアを握りしめ、顔を俯かせている。フォルテはそんなマリアの姿を見て、義眼の目を押さえる。
「・・・セレナ・・・」
フォルテは、今は亡きかけがえのない友の名を口にした。そして、6年前までの・・・セレナと呼ばれる友と過ごした記憶を思い出す。
~♪~
6年前・・・米国政府の聖遺物研究機関、F.I.Sの訓練士施設。当時17歳のフォルテは模擬戦の対戦相手の少女の振るう木刀を木刀で軽く受け止める。優れた身のこなしで少女の木刀を弾き飛ばす。
「今日はここまでにしよう、セレナ」
フォルテの模擬戦の相手の橙色の長髪を持つ少女の名はセレナ・カデンツァヴナ・イヴ。マリアの実の妹であり、フォルテにとっては弟子であり、親友でもある。
「大丈夫です、フォルテ
模擬戦を続けようとするセレナにフォルテは彼女のおでこにデコピンを軽くかました。
「あぅ・・・」
「この程度も見切れないのは疲れてる証拠だ。そんな状態で僕に1本、取れると思うかい?」
「むぅ~・・・
「ははは」
セレナはふてくされたように頬を膨らませ、フォルテは楽しそうに笑っている。
「この時間には誰も来ない。僕たち2人だけのものだ。座って話をしよう」
そう言ってフォルテは訓練場の地面に腰を掛けて胡坐をかく。それに合わせてセレナも座り込む。
「あーあ、今日も1本取れなかったなぁ・・・」
「そう悲観になるな。君は着実に強くなっている。いや、もうすでにその実力まで達しているかな?」
「本当ですかぁ!!」
フォルテの言葉にセレナは表情をパーッとしている。
「冗談だ。僕にはまだまだほど遠いし、1本も取らせるつもりもない」
「むぅー!
「あはは、ごめんごめん」
フォルテの冗談にセレナは頬を膨らませてフォルテをポカポカと叩く。そんなかわいらしいセレナにフォルテは本当に楽しそうに笑っている。
「でも強くなってるのは本当のことだ。教え甲斐があるというものだよ」
「えへへ、
「その調子で強くなって、マリアのことを、守ってあげるんだよ」
「はい!」
フォルテはセレナの頭をなでながらそう口にし、セレナは満面な笑顔で返事をする。
「そうだ、聞いてもいいですか?」
「なんだい?」
「
「・・・わからない」
「わからない?」
セレナの質問に、フォルテは苦笑を浮かべて答え、わからないという答えにセレナは首を傾げる。
「以前の僕は力をつけ、いずれここを抜け出し、仲間の元へ戻るつもりだった。だが、日が経つにつれ、考えるんだ。仲間は、果たして生きているのだろうかと。それに・・・その仲間は僕を裏切り、本国でも死亡扱いされた。だからここに連れてこられたというのに。たった1人になってしまった僕が守るものは、いったい何なのだろうと・・・」
「
「セレナ・・・僕にはわからない。僕は何のために生まれ・・・何を守ればいいのか・・・。わからなく・・・なってしまったんだ・・・」
自分の当初の目標は最初からなかったと気づき、何を守ればいいかわからなくなったフォルテは悲しそうに俯く。
「じゃあ、一緒にどうすればいいのか、考えましょう!」
「一緒に?考える?」
「はい!
「新しい・・・」
セレナの新しいという言葉を聞いて、フォルテは思った。自分は、過去に固執しすぎていたのかもしれないと。だから見つかるものも見つけられないと。そう気づいた時、フォルテは本当に守りたいものを、ようやく気付くことができた。
「・・・セレナ・・・ありがとう」
「え?なんですか?」
「いや、なんとなくこう言いたかっただけさ」
フォルテとセレナはお互いに笑いあい、一夜を共に過ごした。だが・・・皮肉なことに、この楽しい日々が、今日で最後になってしまった。
~♪~
翌日、ネフィリムの起動実験。研究者たちは歌を使わずにネフィリムの起動を試みた。目覚めさせることはできたが、ネフィリムはアルビノのように白くなっており、制御もままならず、暴走して部屋中を暴れまわる。
「ネフィリムの出力は依然不安定。やはり歌を介さずの強制起動では完全聖遺物を制御できるものではなかったのですね」
そのネフィリムの暴走を阻止しようとフォルテはシンフォギアを身に纏い、ネフィリムと戦っている。フォルテが苦しそうに戦っている姿を見て、セレナは決心する。
「・・・私、歌うよ」
「でも、あの歌は・・・」
「私の絶唱でネフィリムを起動する前の状態にリセットできるかもしれないの」
「そんな賭けみたいな・・・!フォルテが心配なのはわかるけど・・・!もしそれでもネフィリムを抑えられなかったら・・・」
「その時は、マリア姉さんが何とかしてくれる。F.I.Sの人たちも、フォルテ
「セレナ・・・」
「ギアを纏う力は、私が望んだものじゃないけど・・・この力でみんなを守りたいと望んだのは、私なんだから。フォルテ
「セレナ!」
セレナの覚悟は揺るぎなく、彼女はネフィリムの部屋へと向かっていく。
~♪~
アルビノ・ネフィリムと戦っているフォルテはLiNKERを打たずにシンフォギアを纏っているため、激痛を伴っている。それでも、気力で持ち直しているフォルテは大剣を双剣に変え、片方の剣をネフィリムに向けて投げた。投げ放たれた剣をアルビノ・ネフィリムは腕を振り下ろして粉々に砕いた。その砕かれた破片は・・・フォルテに迫り・・・彼女の左目を・・・
「ぐわあああああああああああ!!!!」
フォルテは片目が潰れ、おびただしい血が流れる。アルビノ・ネフィリムはフォルテの聖遺物を食らおうと、彼女に迫る。
「ぐっ・・・ここまでか・・・!」
片目を失い、バックファイアによってもう動けない・・・。フォルテが死を覚悟した時だった、セレナがシンフォギア、アガートラームを身に纏って現れたのは。
「セレナ・・・?なぜ・・・」
セレナはフォルテの質問には答えず、絶唱を放つ。
Gatrandis babel ziggurat edenal
「!!!や、やめろセレナ!!やめるんだ!!」
フォルテは絶唱を歌おうとするセレナを止めようと彼女に声を荒げる。
(僕が守りたいものは君なんだ・・・国なんかどうだっていい!!僕が本当に守りたかったものは君だったんだよ!!!)
Emustolronzen fine el zizzl……
「セレナああああああああ!!!」
セレナは絶唱を歌い切り、部屋は凄まじい力で包まれた。
~♪~
凄まじい力は収まり、部屋は炎で包まれている。セレナは起動する前の状態に戻ったネフィリムを手に元に戻った。
「セレナ!!セレナ!!」
マリアは気を失ったフォルテを抱え、セレナの元へ向かうが、炎に阻まれて近づけない。
「誰か!!私の妹が!!」
マリアは誰かに助けを求めようと声を上げるが・・・
「貴重な実験サンプルが自滅したか!!」
「実験はただじゃないんだぞ!!」
「無能共め!!」
「どうしてそんな風に言うの⁉あなたたちを守るために血を流したのは、私の妹なのよ⁉」
米国の偉人は誰も助けないどころか、セレナを実験サンプルとしか見ていなかった。セレナは顔におびただしい血を流して、マリアに視線を向けた。
「よかった・・・マリア姉さん・・・フォルテ
「セレナ・・・セレナぁ!!」
マリアの頭上に瓦礫が落ちてきて、ナスターシャが身を挺してマリアとフォルテを守った。だが・・・セレナは落ちてきた瓦礫に埋もれてしまった。
「セレナあああああああああ!!!!」
大切な妹を目の前で失い、マリアは悲痛な叫びをあげた。これが、マリアとフォルテが経験した、6年前の過去だ。
~♪~
マリアが今抱えているシンフォギアこそが、亡くなってしまったマリアの妹、セレナのシンフォギア、アガートラームだ。今は壊れてしまって、起動すらできない。
「・・・セレナ・・・」
6年前にセレナを守ることができなかったフォルテはそれを思い出し、涙を流す。だが、流れるのは右目だけ。左目は、流したくても流れない。彼女の左目は、もう失ってしまったのだから。
「・・・~♪」
フォルテは気を紛らわせるために、彼女との思い出を繋げる曲、Appleを歌う。今のフォルテにとってこの歌はなによりも大事なもので、気持ちが沈んだ時は、いつもこの歌を歌っている。
『まもなくランデブーポイントに到着します。いいですね』
「・・・了解した。行くぞ、マリア」
「・・・ええ・・・」
ナスターシャの言葉を聞いて、フォルテは涙を拭き、マリアに声をかける。フォルテに言われてマリアは立ち上がる。エアキャリアが到着した場所とは、フィーネが建設した過電粒子砲カ・ディンギルの跡地だった。エアキャリが着地して、岩陰から調と切歌が出てくる。2人はエアキャリアから出てきたマリアに駆けつける。
「マリア!大丈夫デスか⁉」
「ええ・・・」
マリアの無事に2人は安堵し、調はマリアに抱き着いた。
「よかった・・・マリアの中のフィーネが覚醒したら、もう会えなくなってしまうから・・・」
「フィーネの器となっても、私は私よ。心配しないで」
マリアの言葉を聞いて、切歌もマリアに抱き着く。その様子を見ていたフォルテはマリアをじっと見つめる。
「・・・フォルテ?どうしかしたデス?」
「・・・いや、何でもない」
切歌に声をかけられ、フォルテは無表情で何もないように装う。エアキャリアからナスターシャとウェルが降りてきた。
「2人とも無事でなによりです。さぁ、追いつかれる前に出発しましょう」
「待ってマム!私たち、ペンダントを取り損なってるデス!このまま引き下がれないデスよ!」
「決闘すると、そう約束したから・・・」
パチンッ!
「うっ・・・!」
「マム!」
バチンッ!
ナスターシャは勝手な約束を交わした2人の頬を叩いた。切歌は叩かれた頬を抑え、調は切歌の服を掴んでいる。
「いい加減にしなさい!!マリアも、あなたたち2人も、この戦いは遊びではないのですよ!!」
「そのくらいにしましょう。まだ取り返しのつかない状況ではないですし・・・ねぇ?」
2人を説教をするナスターシャをウェルがたしなめる。
「それに・・・その約束とやら・・・利用できる」
ぞわっ・・・
フォルテがそう口にした瞬間、マリアたちはとてつもない寒気に襲われる。その原因はフォルテにあった。
「この機を便乗すれば・・・奴らのギアを纏めて奪うことが可能だ」
なぜならフォルテの目には・・・マリアたちには決してない・・・二課の装者たちへの明確な殺意を宿していたからだ。
~♪~
ヴゥー!ヴゥー!
二課の本部で仮説を立てていると、突如として警報音が鳴り響く。
「アウフヴァッヘン波形を検知!!」
「古風な真似を・・・決闘の合図に狼煙とは!」
現段階でアウフヴァッヘン波形を発することができるのは、二課の装者とマリアたちくらいしかいない。よって、このアウフヴァッヘン波形はマリアたちの誰かだと理解できる。
「位置特定。!!?ここは!!?」
「どうした!」
波形の発生地点を見て、藤尭は驚愕する。それもそのはずだ。なぜならその場所というのが・・・
「東京番外地、特別指定封鎖区域!」
「「「「!!」」」」
「カ・ディンギル跡地だとぉ!!?」
かつてフィーネの野望を止めるために、彼女と戦ったカ・ディンギル跡地だったのだ。因縁深い場所を指名されて、驚かない方が無理だ。
~♪~
装者4人はすぐに因縁深いカ・ディンギル跡地へと足を運んでいる。時間帯はすでに夜で美しい星空が輝いている。
「決着を求めるのにおあつらえ向きの舞台というわけか・・・」
カ・ディンギルにたどり着いた4人。そこにはシンフォギアをに見纏い、威風堂々としたフォルテが大剣を地に突き刺して待っていた。
「・・・待っていたぞ」
4人の気配を感じ取ったフォルテは目を開け、大剣を地から抜く。
「調ちゃんと切歌ちゃんは!!?」
「あの2人は勝手な約束をし、謹慎処分を受けている。ゆえに、僕が君たちのギアをもらい受けに来た。遊び感覚で勝手に動かれては、計画に支障をきたすのでな」
響の問いかけにフォルテは淡々と答える。
「何を企てる!F.I.S!」
「・・・冥途の土産だ。教えてやろう。僕たちの目的は人類の救済。月の落下により失われゆく命を可能な限り救い、その先にある真なる平和・・・それを築き上げることだ」
「月を!!?」
翼の問いにフォルテは月を指をさして答えた。予想外の答えに装者4人は驚愕する。
「月の公転軌道は、各国機関が3ヶ月前から計測中!落下などと結果が出たら黙っているわけがない!!」
「君はそう断言できるほどにどれほど奴らを理解しているというのだ?月の落下は紛れもなく極大災厄。対処法もわからない災厄など政府にとって不都合な真実。隠蔽する理由など、それで十分だ」
「まさか!この事実を知る連中ってのは、自分たちだけ助かるような算段を始めているわけじゃ!!?」
「そうだ。そして、僕たちはそんな奴らのやり方を良しとはしない。だから僕たちは組織を離反し、人類救済の計画を立てた。そのために必要な鍵がネフィリム・・・君たちが廃病院で見たあの化け物のことだ」
「あんな化け物が・・・人類救済の鍵・・・?」
フォルテの口から告げられた真実・・・そして敵の計画を聞いて、翼たちは驚愕する。
「人類を束ね、新たな組織を作り、新たな国家を築き上げる。それによって、真なる平和が導かれるのだ。ネフィリムの力は、そのためにある」
「フォルテさん・・・その真なる平和って・・・いったい・・・」
「答える義理はない」
日和はフォルテの言う真なる平和について問いただすが、そこまでは答えるつもりはないようだ。そしてフォルテは装者4人に向けて大剣を構える。
「おしゃべりは終わりだ。ギアを纏え。まとめて相手をしてやる。纏わなければ、君たちを一方的に殺す」
「そんな!!なにも戦わなくたって話し合えば・・・」
「おしゃべりは終わりだと言ったはずだ」
フォルテは大剣を振るって4人に向けて斬撃を放った。4人は放たれた斬撃を咄嗟に躱す。
「立花!奴は本気だ!戦わねばやられるぞ!」
「・・・っ」
これ以上は話しをすることは叶わず、4人はシンフォギアを身に纏う。
clear skies nyoikinkobou tron……
Balwisyall Nescell Gungnir tron……
Imyuteus amenohabakiri tron……
Killter Ichaival Tron……
クリスがボウガンをガトリング砲に変形させ、フォルテに狙いを定めて弾を撃ち放つ。
【BILLION MAIDEN】
フォルテはガトリング砲の弾を躱し、大剣を銃のように変形し、エネルギー弾を溜め、クリス目掛けてそれを撃ち放った。
【Mammon Of Greed】
ドカアアアン!!
「ぐわあ!!」
放たれたエネルギー弾をクリスは躱すも、爆発の爆風によって吹き飛ばされる。地に着地したフォルテに翼は刀で斬りかかる。フォルテは慌てることなく、大剣で難なく連撃を防ぐ。攻防が続いていると、フォルテの背後に日和が棍を振るい、薙ぎ払おうとする。フォルテは足を使って砂を飛ばし、目つぶしにかかる。
「うわっ⁉」
「東雲!・・・ぐわ!」
「きゃあ!!」
日和は砂が目に入って目を閉じてしまう。そしてフォルテは大剣で翼の刀を払いのけ、迫ってきた日和に裏拳を振るって吹っ飛ばす。
「はあああああ!!」
「!ぐっ・・・!」
その隙を狙って響がフォルテに拳を叩きつけ、蹴りで彼女を後ずさる。後ずさった彼女にクリスはボウガンを放ち、フォルテは躱す。
「ふん・・・やはり素人と言えど、シンフォギア装者4人まとめては骨が折れる・・・」
普通の人間相手なら何とかなるが、自分にとって未知数の力であるシンフォギア・・・それを纏めて4人を相手にするのは、いくら戦闘力が高いフォルテでも苦戦する。
「クソッタレ!4人がかりでやっと互角かよ!」
「以前とは比べ物にならない・・・私たちの戦力を確かめていたのか!」
「フォルテさん・・・底が知れない・・・!」
力の底が見えないフォルテにいかに彼女が強いかが改めて認識する。今度はフォルテが日和に斬りかかり、日和は棍で何とか防ぐ。3人も日和を援護しようと動き出そうとした時、突然目の前で光線が落ちてきて、ノイズが出現した。
「何っ⁉」
「みんな!!きゃあ!!」
目の前で突然ノイズが現れ、驚愕する。日和は気がそがれて、フォルテに大剣によって吹っ飛ばされた。
「・・・僕1人でいいと言ったはずだ、ドクター」
カ・ディンギル跡地から現れたのは、げひた笑みを浮かべるウェルだった。このノイズも彼が召喚した者だ。
「いえいえ、だいぶ苦戦されているようでしたので、微力ながらにお力添えしようと思いましてね」
「貴様、昼間に言ったことを忘れたわけでは・・・」
「拷問したければお好きにどうぞ?僕は構いませんよ?」
「・・・処遇は終わった後に下す」
「くぅ・・・!もうめちゃくちゃだよ・・・!」
本来1人で肩を着けるつもりだったフォルテは余計なことをされて無表情ながらに苛立ちを覚える。私情よりも今は任務が優先と考え、日和を力で圧倒する。他の3人は現れたノイズを次々と殲滅していく。
「野郎・・・!こんな汚ねぇ真似しやがって!」
ウェルの登場、さらにこんな奇襲を仕掛けて苛立ったクリスはウェルに向けてボウガンを放とうとする。
ドガアア!!
「ぐあっ!」
すると突如として地響きが鳴り、地面より廃病院で見た化け物・・・ネフィリムが出現し、クリスを吹っ飛ばす。
「クリスちゃん!」
「クリス!」
「雪音!」
「何・・・?ネフィリムだと?」
まさかネフィリムまで登場してくるとは思わず、少なからず驚くフォルテ。クリスは地面に叩きつけられ、気を失う。翼が彼女に駆け寄ったその時、ダチョウ型ノイズが粘着液を放ち、2人の身動きを取れなくさせる。
「くっ、このようなもので・・・!」
「クリス!翼さん!くっ・・・!」
翼は抵抗するが、動けない。日和は2人に駆けつけたいが、フォルテの攻撃で思うように動けない。動けない2人にネフィリムが迫ってきた。そうはさせまいと響がネフィリムの頭部を蹴り、さらに拳の連撃を放つ。
「ルナアタックの英雄よ!その拳で何を守る!」
響は両腕のバンカーを引き延ばし、右拳をネフィリムに叩きつけて起動し、ネフィリムを吹っ飛ばす。そして、ブースターを起動させ、左腕の拳を叩きつけようとする。そこへウェルが新たなノイズを召喚し、響は右拳と蹴りでノイズを蹴散らす。
「そうやって君は!誰かを守るための拳で、もっと多くのだれかをぶっ殺して見せるわけだぁ!!」
ウェルの言葉で、響は調が言った偽善者という言葉を思い返し、動きが止まる。そしてすぐに左拳を放とうとした時・・・
バクンッ!!
「・・・へ?」
ネフィリムが響の左腕を食らい、嚙み千切った。頭の理解が追い付かず、響は気の抜けた声をあげた。そして、響の左腕から大量の血飛沫が出る。
「立花ああああああ!!!!!」
「響ちゃああああああああん!!!!!」
あまりの出来事に翼と日和は声を上げた。ウェルは非常にゲスい笑みを浮かべている。
「あ・・・あぁ・・・
ああああああああああああああああああ!!!!」
理解が追い付いた響は悲鳴を上げた。その悲鳴は夜に響き渡った。
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東雲日和ボイス
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秋といえば食欲の秋!今からサツマイモいっぱい買って、焼き芋パーティー!
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運動の秋・・・読書の秋・・・歌を歌うのって、芸術の秋に含まれるかな?
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夏1
暑い・・・熱中症にならないよう、水分と塩分をとるんだ。
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ん?これか?特製アイスドリンクだ。うまいぞ。飲むか?
秋1
日本には食欲の秋という文化があるそうだが・・・焼き芋はジャパニーズフードに入るのか?
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秋は残暑も残るが、後に寒くなる。服装は日によって慎重に選ぶことだ