戦姫絶唱シンフォギア 大地を照らす斉天の歌   作:先導

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9月13日は響ちゃんの誕生日です。本日の投稿は今回の午前と、午後に1本ずつの投稿を決めています。


ザババの二重唱

ガングニールの浸食を止めるために響を気絶させてギアを解除させた日和は、棍を構え直し、片方の手首ユニットからもう1つの棍を取り出し、素早く振ってヌンチャクにする。

 

「みんな!響ちゃんを連れてこの場を離れて!!」

 

日和は未来たちにそう言って、ウェルの元へと向かっていく。

 

「く、来るなああああああ!!!」

 

ウェルはソロモンの杖でノイズを召喚して抵抗をする。日和は召喚されたノイズをヌンチャクを振るって次々と殲滅していく。ウェルは負けじと次々とノイズを召喚する。

 

「響ぃ!!」

 

未来たちは日和によって気絶させられた響の元へと向かう。

 

「・・・気絶してるだけみたいね・・・」

 

「海恋さん・・・日和さんはどうして・・・」

 

「わからない・・・。けど、こういう時の日和に限って、何の意味もなくこんなことするとは思えない。多分、立花さんの身体に何か異変が起きた・・・そうとしか考えられないわ・・・」

 

「響の身に・・・」

 

響を気絶させた理由を海恋は推察をする。薄々嫌な予感は感じていた未来だが、海恋の推察によってそれは的中した。外れてほしかったと思いながら、未来は響の身を案ずる。

 

「とにかく、ここを離れましょう。小日向さんはそっちを担いで。あなたたちは先に行きなさい」

 

「「「は、はい!」」」

 

「響・・・」

 

海恋と未来は響の両腕を担いで3人と共にこの戦場から離れていく。その間にもノイズの攻撃を避けた日和はヌンチャクに炎を纏わせ、まるで演舞のように舞いながらノイズを次々と焼き尽くしていく。

 

【気炎万丈】

 

日和は次々とノイズを倒していくもウェルがノイズを次々と召喚していくために数が一向に減らない。しかし抵抗する手段がそれしかないのならば、捕まるまでは時間の問題だ。

 

「ウェル博士!こんなことしたって意味ありません!!大人しくソロモンの杖を渡して、潔く投降してください!!」

 

「冗談じゃないわ!!!僕は、僕は英雄となるんだ!!!邪魔をするなあああああああああ!!!!」

 

日和はウェルに投降を施そうとしているが、当然ながら聞き入れるはずがないウェルはさらにノイズを次々と召喚する。

 

「いつもいつも!!都合のいいところで!!こっちの都合をひっちゃかめっちゃかにしてくれる、お前はあああああああ!!!!」

 

ウェルは私怨を乗せて休むことなくノイズを召喚していく。日和は慌てることなく炎を纏ったヌンチャクを舞いながら振るい、ノイズを焼き尽くしていく。

 

「いつもいつも!!!いつも!!いつも!!いつも!!いつも!!いつも!!!」

 

ウェルは懲りることなくノイズを召喚して自身の防御を固めていく。これではキリがないと判断した日和は2つのヌンチャクを元の棍を元に戻す。そして、右手の棍を投げやりのように構え、さらに長く伸ばす。十分に伸び切り、ノイズの群れに向かって投擲する。そして投擲した棍は複数に分裂し、それぞれのノイズへと向かっていく。そして、ノイズに直撃するところで分裂した棍は爆弾のように爆発した。

 

【才気煥発】

 

爆発をもろに食らったノイズは炭となり、木っ端微塵に吹き飛ぶ。

 

「ひいいいいいいいいいい!!!!!」

 

爆風の勢いがウェルに届き、情けない悲鳴をあげつつも何とか立っている。爆発の煙が晴れると、日和は棍を構えてウェルに突撃する姿勢を整えている。

 

「ひいぃ!!!」

 

日和に怯えているウェルはノイズを召喚して防御を試みようとする。そして、日和は腰部のブースターを起動させ、弾丸のようなスピードでノイズの群れに突っ込んでいく。

 

【電光石火】

 

日和の突撃でノイズの群れは貫かれ、ウェルの防御は崩れた。

 

「ひぃやあああああああああ!!!!!」

 

ものすごいスピードで突っ込んでくる日和にウェルは大きな悲鳴を上げる。日和の棍があと少しでウェルに直撃しようとしたその時・・・

 

ガキィィン!!!

 

突如として現れた盾のようなもので日和の一撃は防がれてしまう。

 

「盾⁉」

 

「なんとノコギリ」

 

「!調ちゃんに切歌ちゃん・・・!」

 

日和の一撃を凌いだ盾のようなものとは、何と巨大な丸鋸だった。それを展開させたのは調でその後ろには切歌が彼女を支えている。

 

「この身に纏うシュルシャガナはおっかない見た目よりもずっと汎用性に富んでいる。防御性能だって不足なし」

 

「それでも、全力の2人がかりでどうにかこうにか受け止めてるんデスけどね!」

 

「ごめんね、切ちゃん。私のヒールじゃ踏ん張りが利かないから・・・」

 

「いいってことデス!」

 

一撃を巨大丸鋸で受け止められた日和は一度距離を置いて抉れてしまった棍を調と切歌に向かって投擲した。切歌がウェルを抱えて調と共に投擲された棍を躱す。投擲した棍は人命に影響がない爆発を放った。調と切歌は火薬の臭いで顔をしかめ、日和は秋桜祭で楽しそうに歌を歌っていた2人と戦わねばならないのかと思い、気が気でなかった。しかし、戦わねばならないのならと思い、右手首のユニットを回転させ、新たな棍を取り出し、構える。

 

~♪~

 

エアキャリアに残っていた3人はノイズの出現反応パターンを感知したのを確認し、移動を開始している。エアキャリアを操縦しているフォルテは神獣鏡のステルス機能で機体の姿を消してノイズの出現地点へと向かっている。そこにウェルがいるとわかっているから。

 

「櫻井理論に基づく異端技術は特異災害対策起動の専有物でもあります。ドクターがノイズを発生させたことで、その位置を絞り込むことなど容易い」

 

「だけどマム・・・」

 

「わかっています。こちらが知りえたということは、相手もまた然りです。急ぎましょう」

 

ノイズの出現パターンの反応を確認できたのは自分たちだけでなく、二課の方にも知れ渡っている。3人はそれを十分に理解している。

 

「月読、暁、聞こえているか?君たちが今やるべき使命はわかるな?」

 

フォルテは通信機を使い、調と切歌に通信を入れる。

 

~♪~

 

切歌は日和に接近し、鎌を振るって斬撃を放つ。日和は切歌の鎌を飛んで躱す。だが躱したところに調が複数の丸鋸を放ち、日和に迫る。日和は棍を回転させて、迫りくる丸鋸を破壊する。戦いながらでも、フォルテからの通信は2人にはちゃんと聞こえている。

 

「ドクターを回収して速やかに離脱・・・」

 

「それはもちろんそうなのデスが・・・」

 

日和は左手首のユニットを回転させて新たな棍を取り出し、2つの棍を切歌と調に向けて一直線に伸ばす。

 

【一点突破・二刀流】

 

こちらに向けて伸びてきた2つの棍を切歌と調は躱す。

 

「あいつを相手に、そう簡単ではないデスよ・・・!」

 

そう簡単に逃がしてもらえないのはわかっている切歌はそう呟く。とはいっても、2対1とあれば、何とか切り抜けられると思い、離脱の機会を伺う切歌と調。

 

(やっぱり2対1だと結構厳しい・・・。しかも、その相手があの子たちだと余計にやりづらい・・・。だけど・・・)

 

日和の脳裏に浮かび上がるのは、弦十郎から告げられた言葉だ。

 

『このまま融合が進んだら・・・響ちゃん、どうなっちゃうんですか・・・?』

 

『遠からず・・・死に至るだろう』

 

『そうでなくとも、これ以上の融合状態が進行してしまうと、それは果たして・・・人として生きていると言えるのか・・・』

 

(・・・響ちゃんを戦わせないためにも、私が気張るしかない!!何とか、翼さんとクリスが来るまで、何とか持ちこたえないと!!)

 

響を絶対に死なせない思いで日和は2つの棍を振るい、再びヌンチャクにして構える。戦闘態勢に入る日和に切歌と調は身構える。

 

「頑張る2人にプレゼントです」

 

するとウェルは2人の背後に迫り、2人の首筋にガンタイプの注射器を当て、中に入ってある薬品を2人に流し込んだ。

 

「!!?な、何をしてるの⁉」

 

「何しやがるデスか!!?」

 

「LiNKER・・・⁉」

 

そう、ウェルが2人に注射したのはシンフォギアの適合率を上げる薬品、LiNKERだった。だが2人の適合率は十分にあり、投与する必要性がない。

 

「効果時間にはまだ余裕があるデス!!」

 

「だからこその連続投与です。あいつは並大抵の技では倒せません。それはフィーネの観測記録で観測済み。そんな化け物に対抗するには、今以上の質力でねじ伏せるしかありませぇん。そのためにはまず、無理矢理にでも適合係数を引き上げる必要があります!」

 

ウェルたちは二課の装者たちとフィーネとの戦いの記録を見たことがある。ゆえに日和がいかにタフなのかも十分に知っている。だからなのだろう。ウェルが2人の適合率をさらに上げ、倍の質力でねじ伏せようと考えたのは。だが、この連続投与には当然リスクがある。

 

「でも、そんなことすれば、オーバードーズによる負荷で・・・」

 

元々劇薬であるLiNKER。それを過剰摂取したのだ。何が起きても不思議ではない。

 

「ふざけんな!!!なんであたしたちが、あんたを助けるためにそんなことを・・・」

 

「するんですよ!!!いや、せざるを得ないのでしょう!!!」

 

切歌の怒りの講義にウェルは食い気味に断言している。

 

「あなたたちが連帯感や仲間意識などで、僕の救出に向かうとは到底考えられないこと!!!大方、あのおばはんの容体が悪化したから、うっからびっくり駆けつけたに違いありませぇん!!!」

 

「「・・・っ!」」

 

「病に侵されたナスターシャには生化学者である僕の治療が不可欠!!さあ!!自分の限界を越えた力で、私を助けてみせたらどうですか!!!」

 

どこまでも卑劣なウェルに調と切歌は苦虫を嚙み潰したような表情をする。

 

~♪~

 

日和に託されて、海恋たちは気を失った響を連れて戦場から離れていく。

 

「・・・う・・・うぅ・・・」

 

「!響!」

 

「立花さん、大丈夫?」

 

すると、響が目を覚まし、辺りを見回す。

 

「未来・・・海恋さん・・・日和さんは・・・?」

 

「あなたが知る必要はないわ。早く行きましょう」

 

海恋は日和を信じて、響をできる限り戦場から離れさせようとしている。だが響はおぼろげだが覚えている。日和がウェルを捕まえようと、ノイズと戦っていたところを。それを放っておくことなど、響にはできない。

 

「・・・未来、海恋さん・・・ごめんなさい・・・私、行きます」

 

響が戦いに戻ると言い出して未来と海恋の手を振り払い、日和の元へ戻ろうとする。

 

「響⁉」

 

「立花さん、あなた何を言い出し・・・」

 

「日和さんは今も戦ってるんですよね!!?なら私も戦わないと!!」

 

響は止めようとする未来と海恋にそう言って戦場へと戻っていく。

 

「響!!」

 

未来は響を止めようとして彼女を追いかけていった。

 

「小日向さん!あーもう!!あなたたちは先に避難して!!私は2人を引っ張ってでも連れ戻す!!」

 

「「「は、はい!!」」」

 

海恋は弓美たちにそう言って響と未来を連れ戻そうと追いかけていった。

 

Balwisyall Nescell Gungnir tron……

 

響は少しでも戦場に早く戻ろうとシンフォギアを身に纏って急いで現場へと向かっていく。シンフォギアを身に纏うことによって、響に力がみなぎってくる。

 

(力が・・・みなぎる・・・!!)

 

だが響は気づいていない。シンフォギアを身に纏うと同時に、凄まじい熱気が上がっていることに。その熱気が、舞っている葉を燃やし尽くしたことに。

 

~♪~

 

ウェルが打ったLiNKERによって、調と切歌の適合係数は通常状態よりも倍の数値を叩きだしている。だが、過剰投与によって、少し弱ってきている。

 

「調ちゃん!!切歌ちゃん!!」

 

日和はよろめいている2人を見て心配をする。

 

「くっ・・・やろう、切ちゃん・・・!マムのところにドクターを連れ帰るのが・・・私たちの使命だ・・・!」

 

「・・・絶唱・・・デスか・・・」

 

「そう、YOUたち唄っちゃえよ!適合係数がてっぺんに届くほど、ギアからのバックファイアを軽減出来ることは過去の臨床データが実証済み!!だったらLiNKERぶっ込んだばかりの今なら、絶唱唄い放題のやりたい放題!!!!」

 

ナスターシャを助けるためとはいえ、ウェルにいいように使われていることに対して、調と切歌は屈辱でいっぱいだった。

 

「・・・やらいでか・・・デーーース!!!!」

 

しかしなりふり構ってる場合ではなく、絶唱を歌う決意を固めた切歌と調。当然、この会話を聞いていた日和はそれを止めようと動き出す。

 

「歌わせない!!2人の絶唱を止めないと!!」

 

「やらせるわけないでしょうが!!!」

 

ウェルは2人の絶唱を阻止するのを阻むためにソロモンの杖でノイズを大量に召喚した。

 

「邪魔するなぁ!!」

 

日和は召喚されたノイズを棍で薙ぎ払いながら進んでいく。だが、ノイズも攻撃を仕掛けてきているので、中々奥に進むことができない。その間にも・・・

 

Gatrandis babel ziggurat edenal

 

Emustolronzen fine el baral zizzl……

 

切歌と調は絶唱を歌い始めた。日和はノイズを蹴散らしつつ2人に呼び掛ける。

 

「2人ともダメだよ!!絶唱は、装者の命をボロボロにしちゃうんだ!!」

 

Gatrandis babel ziggurat edenal

 

「女神ザババの絶唱二段構え!!!この場の見事な攻略法!!!これさえあれば・・・!こいつを持ち帰ることだって・・・!」

 

Emustolronzen fine el zizzl……

 

日和がノイズを倒し終えると同時に、2人の絶唱が歌い終わった。そして、調と切歌のアームドギアが凄まじい力を解き放ち、変形していく。

 

「シュルシャガナの絶唱は無限軌道から繰り出される果てしなき斬撃。これでなませに刻めな動きさえ封殺できれば!」

 

「続き、刃の一閃で対象の魂を両断するのがイガリマの絶唱!そこに物質的な防御手段などありえない!まさに、絶対に絶対デス!!!」

 

調の荒々しく丸鋸のアームが4本に変形し、切歌の鎌もこれまでの形状より禍々しく、鋭く変形した。

 

(使われた・・・!この状況で2人を止めるにはどうすれば・・・!)

 

日和はどうすれば2人を助けつつ、絶唱を止められるか、必死になって考えている。すると・・・

 

Gatrandis babel ziggurat edenal

 

この場に聞こえるはずのない声が聞こえてきて、日和はその声に驚愕する。

 

Emustolronzen fine el baral zizzl……

 

「そんな・・・どうして・・・ここに・・・?」

 

その声とは、シンフォギアを身に纏った響だった。彼女はここに駆けつけ、2人の絶唱を止めようと、自身も絶唱を歌っていた。

 

Gatrandis babel ziggurat edenal

 

「響ちゃん!!!ダメ!!!!その力を使っちゃダメぇ!!!!!」

 

Emustolronzen fine el zizzl……

 

日和が止めようとするも、絶唱は歌い終わり、響は両者側の間に立った。

 

「!!?エネルギーレベルが、絶唱発動まで高まらない・・・⁉」

 

「吸圧⁉」

 

調と切歌のアームドギアは絶唱を解き放つことはなく、絶唱を歌う前の状態に戻った。

 

「響ちゃん!!ダメェ!!!!」

 

「セット!!ハーモニクス!!!!」

 

響はS2CAを発動し、調と切歌の絶唱の負荷を響に集中させていく。

 

「こいつが・・・エネルギーを奪い取ってるのデスか⁉」

 

ドクンッ!!!

 

S2CAの発動によって響の胸のガングニールの浸食が急速に高まり、心臓の鼓動が鳴り響いた。そして響の熱気がさらに高まり、響の足元にも、微量の炎が灯っていた。

 

「響ちゃん!!!!」

 

「調ちゃんと切歌ちゃんの歌が聞こえた・・・2人に・・・絶唱を・・・使わせない・・・!!」

 

響は襲い掛かる負荷を耐えて両腕のガントレットを右腕に連結させ、パーツが回転し、絶唱のエネルギーを上空に放ち、虹色の竜巻を発生させた。




如意金箍棒の技

【才気煥発】
日和の技。棍を爆弾とし、日和のタイミングで爆発する技。槍のように投擲した後で爆発、複数に分離して爆発、時と状況によって、使用用途とタイミングが変わってくる。ちなみに、爆発の火力は人命に影響を与えないように調整してある。

【気炎万丈】
日和の技。棍をヌンチャクに変形し、炎を纏わせて武闘演舞のように舞いながら敵に打撃を与えていく連撃技。もちろん炎を纏わずに使用するのも可能だが、炎を纏った方が威力が高い。

【一点突破・二刀流】
日和の技、一点突破の二刀流。使用方法は1本の棍を伸ばした後にもう1本の棍を伸ばして攻撃、2つ同時に一直線に伸ばすの二択である。
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