戦姫絶唱シンフォギア 大地を照らす斉天の歌   作:先導

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雑音と不協和音と

リディアンの学生寮の日和と海恋の部屋、海恋は次の課題を取り組んでいる。だが、その様子はとても集中できておらず、先ほどから時計と寮の外を交互に見てばかりである。というのもテレビでやっていたニュースでこの街にまたノイズが現れたと聞いて、日和がノイズに襲われてないかと心配しているのだ。

 

「はひぃ~・・・ただいまぁ~・・・」

 

海恋が日和の心配を募らせていくと、二課の方でメディカルチェックを済ませ、心身ともに疲れ切ってる日和が帰ってきた。

 

「!!日和・・・!もう・・・こんな時間までどこ行ってたのよ!!?携帯にも繋がらないし・・・」

 

「うぅ・・・ごめん・・・」

 

帰ってきた日和は自分の机にベースを置いて、床に倒れて床の冷たさを堪能する。

 

「まったく・・・近くでまたノイズが現れたって聞いて、心配したのよ?」

 

「そだね・・・でもこうして生きてるから、大丈夫・・・」

 

『・・・風鳴翼、移籍の可能性も・・・』

 

「!!」

 

テレビで翼に関するニュースが流れてきて、日和は体を起こし、そのテレビに集中する。ニュースで翼の姿を見ている日和は頬をほんのりと赤らめている。日和を心配する海恋は、日和のことを思ってか、顔色が優れなかった。

 

~♪~

 

就寝時間となり、日和と海恋はそれぞれのベッドにもぐりこみ、寝返りを打つ。ちなみに、日和と海恋が同じ時間帯に寝るのは、今日が初めてだったりする。

 

「・・・あ、あのね、海恋・・・」

 

日和は今日起こったことを海恋に話そうとした時、了子との約束が頭をよぎった。

 

『今回のことは誰にも内緒』

 

「・・・ううん、何でもない・・・」

 

了子との約束もあるが、何より、友達である海恋に心配をかけさせまいと、今回のことは胸の内にしまった。

 

「・・・何でもよくないわよ・・・」

 

「海恋・・・?」

 

「帰りも遅いし、ノイズが現れたって聞いて・・・本当に・・・本当に心配したのよ・・・。小豆や玲奈さんがいなくなって・・・あなたまでいなくなったら・・・私・・・私・・・」

 

どうやら日和が思っていた以上に心配をかけてしまっていたようで、日和は申し訳ない気持ちになる。日和は海恋を元気づけようと声をかける。

 

「・・・海恋・・・ごめんね・・・。でも本当に大丈夫だよ。私は生きてるし・・・。それに・・・小豆や玲奈にも約束したからね・・・私は死なない・・・絶対に死なないって・・・。だから・・・苦しくても、悲しくても、必死に生きてかなきゃね・・・」

 

「日和・・・」

 

日和は海恋のベッドにもぐりこみ、海恋を抱きしめる。

 

「日和・・・何してんの・・・」

 

「海恋は抱き心地いいなぁ・・・あったかあったか・・・」

 

「ちょっと・・・本当にどうしたのよ」

 

「今の私がいるのは海恋のおかげだよ。海恋がいなかったら、きっと今も小豆と玲奈を引きずって・・・私じゃなくなってたかも。海恋は私にとっての太陽・・・私を照らす光。私は・・・その光を・・・」

 

「・・・ねぇ、日和・・・」

 

「・・・スゥー・・・スゥー・・・」

 

日和は疲れが相当たまっていたのか、海恋を抱いたまま眠ってしまった。海恋は日和の手をどけて起き上がり、優しい微笑みを浮かべ、日和の頭を優しくなでる。

 

「・・・おやすみ、日和」

 

海恋は日和を優しく抱きしめ、自分も眠りについたのだった。

 

~♪~

 

翌日、リディアンの授業を全て終え、日和が鞄に教科書やノートを入れているところにクラスメイトたちが声をかけてきた。

 

「ねぇひよりん、今日もセッションするでしょ?一緒に行こうよ」

 

「海恋ちゃんもどう?」

 

「セッションが終わったら、晩御飯にふらわーのお好み焼きを食べようよ」

 

「ふらわー?」

 

聞き覚えのないお店の名前に日和は首を傾げ、海恋が説明する。

 

「ほら、駅前にあるお好み焼き屋よ。前に話した時に、行きたいって言ってたじゃない」

 

「あー、そうだったそうだった・・・」

 

「おいしいって評判だから晩御飯にどうかなって思うんだけど・・・どう?」

 

クラスメイトたちの誘いに日和は申し訳なさそうに手を合わせ断る。

 

「えーっと・・・ごめん!!今日は大事な用事があるから無理!!」

 

「大事な用事って・・・もしかして、咲さんに呼ばれた?」

 

「違うけど・・・とにかく外せない用事なの!!」

 

東雲咲。それが日和の姉の名前である。年は日和より10歳も離れており、以前は実家の東雲総合病院で医者見習いとして働いていたが、東雲総合病院が廃れた今、別の病院で医者をしている。日和が怪我をしたり、具合が悪くなった時、たいてい咲が面倒を見てもらったりした。ちなみに咲はマンションで1人暮らしをしており、たまに日和がそこに遊びに来たりしている。

 

「う~ん、そういうことなら仕方ない。じゃあ、ふらわーにはまた今度誘ってあげるね」

 

「日和、あんまり遅くならないでよ?」

 

クラスメイトたちは残念そうにしながら教室を出て音楽教室へ向かっていく。海恋は日和に注意をしてからクラスメイトたちについていった。この教室に残ったのは、日和だけとなった。

 

「・・・あああぁぁ~・・・私もふらわーのお好み焼き食べたかったよぉ~・・・」

 

日和はフラワーのお好み焼きを食べれなくて落ち込む。カチューシャのうさ耳もなぜか項垂れてしまう。ちょこっとした悲しみに暮れてると、教室の入り口に誰かが来た音が聞こえ、日和はそこに視線を向ける。教室に入ってきたのは、翼だった。

 

「・・・重要参考人として、再度本部まで同行してもらいます」

 

ガチャン!!ピーッ!!

 

「な・・・なんでええええええええええ!!??」

 

日和は翼に再び電子式手錠をかけられて、昨日と同じ要領で二課の本部まで連行されていった。また手錠をかけられるという理不尽に、日和はエレベーターで悲痛な叫びをあげた。

 

~♪~

 

二課の本部の一室にはすでに弦十郎と了子が集まっていた。そして、響もまた日和と同じ感じでここに連行されてきた。この部屋で日和と響の手錠は外される。

 

「それでは、先日のメディカルチェックの結果発表~♪」

 

映し出されたモニターには日和と響の顔写真とバイタルが表示される。これにメディカルチェックの結果が載っているようだ。

 

「2人とも初体験の負荷は若干残ってるものの、体に異常はほぼ見られませんでしたぁ~♪」

 

「「はぁ・・・ほぼ・・・ですか・・・」」

 

「うん、そうね。あなたたちが聞きたいのは、こんなことじゃないわよねん」

 

「教えてください。あの力のこと・・・」

 

「私も、お願いします」

 

響の問いかけに弦十郎は翼に目で指示を出す。それに従って翼はリディアンの制服に隠してあった赤い結晶のネックレスを取り出す。そのネックレスは現在、日和が身に着けているものと同じであった。

 

「あ!!それ・・・玲奈が身に着けてたものと同じだ!!・・・え?流行ってるんですか?そのネックレス?」

 

「・・・・・・」

 

「・・・玲奈ちゃんを知ってるってことは・・・」

 

「やはりそうか・・・」

 

日和が玲奈の名を口にした瞬間、翼は若干ながら顔を強張らせ、了子と弦十郎は納得がいったような顔つきになる。この様子からして、二課の人間は玲奈のことを知っていることを示している。

 

「あ、あのぅ・・・」

 

「こほん・・・改めて・・・天羽々斬。翼が持つ、第1号聖遺物だ」

 

「「聖遺物?」」

 

当然ながら聞き覚えのない単語に日和と響は首をかしげる。聖遺物について、了子が今から説明する。

 

「聖遺物とは、世界各地の伝承に登場する、現代では製造不可能な異端技術の結晶の事。多くは遺跡から発見されるんだけど、経年による破損が著しくて、かつての力をそのまま秘めたものは本当に希少なの」

 

「この天羽々斬も刃の欠片、ごく一部にすぎない」

 

「欠片にほんの少し残った力を増幅して、解き放つ唯一の鍵が、特定振幅の波動なの」

 

「「特定振幅の波動?」」

 

「つまりは歌。歌の力によって、聖遺物は起動するのだ」

 

「「歌・・・?」」

 

聖遺物を起動するのが歌だと聞いた日和と響は昨日のインナースーツの鎧を着ていた時のことを思い出す。あの鎧を着ていた日和は、確かに歌を歌っていた。

 

「そうだ・・・あの時も、胸の奥から歌が沸き上がって来たんです」

 

「あ・・・私も同じです。ノイズから逃げてた時・・・胸の奥から歌が沸き上がって・・・」

 

「うむ」

 

「歌の力で起動した聖遺物を一度エネルギーに還元し、鎧の形に再構成したものが、翼ちゃんや響ちゃん、日和ちゃんが身にまとうアンチノイズプロテクター・・・シンフォギアなの」

 

「だからとて!誰の歌、どんな歌にも、聖遺物を起動させる力が宿っているわけではない!」

 

聖遺物の説明に、翼が突然声を大きく上げた。これによって場の空気が沈黙する。束の間の沈黙を破ったのは、弦十郎である。

 

「聖遺物を起動させ、シンフォギアを纏え歌を歌える僅かな人間を我々は、適合者と呼んでいる。それが、翼であり、君たちであるのだ」

 

「どう?あなたたちに目覚めた力について、少しは理解してもらえたかしら?質問はどしどし受け付けるわよ♪」

 

聖遺物、シンフォギアのついての説明が終わり、質問タイムに入った。

 

「「・・・あの・・・」」

 

「どうぞ~、響ちゃん、日和ちゃん」

 

「「・・・じぇんじぇんわかりましぇん・・・」」

 

まぁ、当然ながら難しい話であるために、日和と響は全然理解が追い付いていない様子である。

 

「だろうね・・・」

 

「だろうとも・・・」

 

2人の反応は当然であろうと、二課の女性オペレーター、友里あおいと二課の男性オペレーター、藤尭朔也は呆れた表情をしている。

 

「いきなりはむずかしすぎちゃいましたねぇ。だとしたら、聖遺物からシンフォギアを創り出す唯一の技術、『櫻井理論』の提唱者が、この私であるということだけは、覚えてくださいね♪」

 

「「・・・はぁ・・・」」

 

櫻井理論の技術を元にシンフォギアシステムを作り上げた技術者が了子だと知っても、日和と響は生半可な返事しか返ってこない。

 

「あ・・・じゃあ・・・私の持っているこれは・・・」

 

ある程度だがちょっとだけ理解した日和は自分の持っている赤い結晶のネックレスを弦十郎たちに見せる。

 

「それは、第6号聖遺物・・・如意金箍棒・・・元は、北御門玲奈君が使っていた聖遺物だ」

 

「玲奈を知ってるんですか!!?」

 

弦十郎たちが玲奈を知っていたことに日和を声を上げて質問した。日和の質問に了子が答える。

 

「玲奈ちゃんは・・・元々はここ、特異災害対策起動部二課の人間であり、如意金箍棒の適合者だったの」

 

「玲奈が・・・」

 

今は亡き最愛のバンドメンバーが、元々は二課の人間であり、日和が持っている聖遺物、如意金箍棒の最初の適合者だったと知り、驚愕する。思い出すのは忌まわしき1年前・・・ノイズ襲撃の際に玲奈がノイズと戦っていた姿だ。玲奈が亡くなった出来事を思い出し、日和は顔を俯かせる。

 

「日和さん・・・?」

 

「1年前、君が開いたライブ配信は我々も見ていた。玲奈君は・・・あの日現れたノイズから、君を守り、戦った・・・そうだね?」

 

「・・・はい・・・私のせいなのに・・・玲奈は、嫌な顔1つせず、私をノイズから守り・・・亡くなりました・・・これは・・・その時に玲奈が・・・残したものです・・・」

 

「・・・・・・」

 

玲奈が日和を守り、そして命を落とした・・・その事実を知っている翼は何とも言えないような複雑な表情をした。

 

「・・・そう・・・文字通り、玲奈ちゃんの形見・・・というわけね・・・」

 

「あの日、如意金箍棒は消えたものだと思われていたが・・・どうりで見つからなかったわけだ・・・」

 

1年前、二課はノイズの発生場所を特定し、同時に玲奈が先に戦っていたことを知り、その戦場に駆けつけた。だが、自分たちが来た頃には戦いは終わっており、その場に残っていたのは意気消沈した日和だけだった。日和から話を聞いた後、二課は玲奈が持っていた如意金箍棒の捜索にあたったが、その聖遺物が日和が持っていたため、見つけることができなかった。日和の話を聞いて、弦十郎はいろいろと合点がいったような表情をすると、日和は弦十郎に向かって頭を下げて謝罪する。

 

「あの・・・これがそんな大事なものだったなんて知らずに持って行って・・・すみませんでした!」

 

「いや・・・あの時、我々がもっと早くに駆けつけていれば、玲奈君は・・・。我々こそ、君の大切な友を守ることができず・・・すまなかった」

 

「え・・・えっと・・・あの・・・」

 

「日和さん・・・」

 

弦十郎は聖遺物を取ったことに対して怒らず、むしろ日和に向けて、玲奈を守れなかったことに対し謝罪する。予想外な反応をされた日和はどう返答したらいいか困った顔になっている。日和の悲しい過去の一部を聞いた響は悲しそうな顔になっている。暗くなっていく空気の中、口を開いたのは了子だった。

 

「んもう、今ここで暗くなっても仕方ないでしょ?玲奈ちゃんのことは残念だけど、気持ちを切り替えていきましょう。次は響ちゃんの番」

 

「は、はい。私は日和さんと違って、その聖遺物を持っていません。なのになぜ・・・」

 

響の場合だと、少し複雑な状況になっている。響は聖遺物を持っていない。ならばなぜシンフォギアを纏えたのか。その疑問に答えるように、モニターにはレントゲンで撮った響の身体の写真が映し出された。映し出された肉体構造の中に、何かの破片が映し出されている。

 

「これが何なのか、君にはわかるはずだ」

 

「はい。2年前の怪我です。あの時、私もあそこにいたんです」

 

「2年前って・・・あのツヴァイウィングのライブの?」

 

「はい」

 

2年前といえば・・・惨劇が起こったツヴァイウィングのライブの日であり、間接的に日和が配信ライブをやろうとしたきっかけを作った事件ともいえる。

 

「心臓付近に複雑に食い込んでいるため、手術でも摘出不可能な無数の破片・・・調査の結果、この影はかつて奏ちゃんが身にまとっていた第3号聖遺物、ガングニールが砕けた破片だと、判明しました。奏ちゃんの置き土産ね」

 

「!!!!!」

 

響の内臓に食い込んでいる破片が第3号聖遺物、ガングニールであったと知った翼は驚愕し、ふらつき、倒れそうになるが何とか持ち直した。衝撃の事実を突きつけられた翼は部屋から退室する。

 

「あのぅ・・・」

 

「どうした?」

 

「この力のこと、誰かに話しちゃいけないのでしょうか・・・?」

 

「私も・・・以前、国家機密がどうとかということを聞きましたけど・・・私が見たもの、やっぱり話しちゃダメなんですか・・・?」

 

響と日和は自分の友達に隠し事をしたくない思いから、そんな質問をぶつけた。なぜ話したらダメなのかというのを、弦十郎が答える。

 

「君たちがシンフォギアの力を持っていることを何者かに知られた場合、君の家族や友人、周りの人間に、危害が及びかねない。命に係わる危険すらある。玲奈君も、それをわかっているからこそ、日和君たちに事実を隠していたんだ」

 

「「命に・・・係わる・・・」」

 

そこまで大きな問題だったとは思わず、隠し事をしたくない心と、危険な目に遭ってほしくないという心に、2人は板挟みになってしまう。

 

「俺たちが守りたいのは、機密などではない。人の命だ。そのためにも・・・この力のことは、隠し通してもらえないだろうか?」

 

「あなたたちに秘められた力は、それだけ大きなものだということを、わかってほしいの」

 

「人類ではノイズに打ち勝てない。人の身でノイズに触れることは即ち、炭となって崩れることを意味する。そしてまた、ダメージを与えることも不可能だ。たった1つの例外があるとすれば・・・それは、シンフォギアを身にまとった戦姫だけ。日本政府、特異災害対策起動部二課として、改めて、協力を要請したい。立花響君、東雲日和君・・・君たちが宿したシンフォギアの力を、対ノイズ戦のために、役立ててはくれないだろうか?」

 

弦十郎の改めての協力要請に響は弦十郎に顔を合わせる。

 

「・・・私の力で、誰かを助けられるんですよね?」

 

響の問いかけに弦十郎と了子は首を縦に頷く。

 

「わかりました!協力します!!」

 

誰かを助けられるという点で響は特異災害対策起動部二課の協力に快く了承した。

 

「私、翼さんに報告してきます!」

 

そう言って響は部屋から出ていった翼を追いかけに、部屋から出ていった。

 

「・・・日和君、君はどうする?」

 

「どうするって言ったって・・・私・・・ついこの間まで普通の女の子として生きてきたんですよ?それが、ノイズを倒せるからといって・・・人のためといっても、戦ってくれなんて・・・虫が良すぎると思います。玲奈はどうだったか知りませんけど・・・私は玲奈じゃないんですよ?私は東雲日和、普通の女の子なんですよ?ノイズと戦えなんて・・・そんなの無理ですよ!!怖いですよ!!」

 

元々ノイズは恐怖の象徴そのものであるのだが、日和にはさらにノイズに対するトラウマがある。さらに小豆と玲奈からの生きるという約束もある。それらの約束、恐怖、トラウマの観点から、弦十郎の協力要請に、簡単に応じることができない。

 

「・・・だよなぁ。それが普通の反応だ」

 

「え?」

 

弦十郎の予想外の反応に日和は目を見開く。

 

「うん・・・そうよねぇ。いくらシンフォギアを身にまとえるからって、いきなりノイズと戦うのは怖いわよねぇ。玲奈ちゃんの件があるならなおさら」

 

「戦場に身を置くということは、君自身の身にも危険が及ぶ。これは君自身の人生だけではない、君の命にも関わる問題だ。玲奈君の件もある。君には、ゆっくりと時間をかけて、自分にとって、最善の選択をしてもらいたい。玲奈君も、そのために君に如意金箍棒を託したはずだ」

 

「私の・・・選択・・・」

 

「・・・まぁ、もっとも、これは響君にも言えることだったんだがなぁ・・・」

 

弦十郎の話を聞いて、日和は自分にとって最善の選択について考える。すると・・・

 

ヴゥーー!!ヴゥーー!!

 

基地内部にノイズの出現を表すアラームが鳴り響く。それを聞いた弦十郎たちは指令室まで向かっていく。日和はそれについていく形で部屋に向かった。後に翼と響も合流する。

 

「ノイズの出現を確認!!」

 

「本件を我々二課で預かることを一課に通達!」

 

「出現位置特定!座標出ます!・・・リディアンより距離200!!」

 

「近いな・・・」

 

「迎え撃ちます!!」

 

ノイズの出現場所がわかり、翼はノイズを倒すために現地へと向かった。それを見た響は翼の役に立とうとし、自分も戦線に出ようとする。

 

「待つんだ響君!君はまだ・・・」

 

「私の力が、誰かの助けになるんですよね⁉シンフォギアの力でないと、ノイズと戦うことはできないんですよね⁉だったら行きます!!」

 

弦十郎の静止の声を振り切り、響は戦場へと向かっていく。

 

「すごいなぁ・・・立花さんは・・・。危険を承知で誰かのために戦うなんて・・・。いい子ですよ、あの子・・・。私には・・・とても無理ですよ・・・」

 

「・・・果たしてそうだろうか?」

 

「え?」

 

日和の言葉に弦十郎は疑問符を浮かべる。

 

「幼い頃から、翼のように戦士としての鍛錬を積んできたわけでもない。君と同じ、ついこの間まで日常の中に身を置いていた少女が、誰かの助けになるというだけで、命を懸けた戦いに赴けるというのは、それは・・・歪なことではないだろうか・・・」

 

「つまり、あの子もまた私たちと同じ、こっち側ということね」

 

「だからこそ日和君には・・・最善の選択をしてほしいのだ」

 

「・・・・・・」

 

弦十郎の言葉を聞いて日和は、様々な思考が入り混じりながら、目の前に映っているノイズの戦場に目を向けるのだった。

 

~♪~

 

街中にノイズ出現による避難警報が発令された。街の一部には、間に合わず、炭素と化した人間のなれの果てが辺りを舞っている。ノイズの出現場である車線道路で翼はノイズの群れと対峙していた。ノイズは溶けて混じりあい、1体の巨大ノイズへと変化していく。巨大ノイズは大きな咆哮をあげる。

 

Imyuteus amenohabakiri tron……

 

翼は聖遺物を起動させ、制服からシンフォギア、天羽々斬を身にまとう。大型ノイズは自身の羽の刃を翼めがけて放つ。翼はそれを避け、両足についていた刃を展開し、羽を撃墜させる。地に着地し、刀を大剣へと変化させた時・・・

 

「とおおおおおおおお!!!」

 

シンフォギア、ガングニールを纏った響が大型ノイズに向かって飛び蹴りを放った。それによって大型ノイズは消滅とまではいかなかったが、態勢を崩した。

 

「翼さん!!」

 

翼は高く飛び、大剣を振り下ろして青い斬撃を放った。

 

【蒼ノ一閃】

 

この強力な斬撃で大型ノイズは真っ二つに両断し、爆発を引き起こした。

 

「翼さーん!私、今は足手まといかもしれないけれど、一生懸命頑張ります!だから・・・私と一緒に戦ってください!」

 

「・・・・・・そうね・・・」

 

戦いが終わった戦場で、響は翼に駆け寄り、翼は響に顔を向ける。そして・・・

 

「あなたと私・・・戦いましょうか」

 

「え?」

 

響に向けて刃を突きつけた。突然刃を突きつけられ、響は戸惑いでいっぱいになった。




西園寺海恋

外見:水色髪の三つ編みポニーテール
   茶色の縁のメガネをかけ、瞳は緑色

【挿絵表示】

↑Picrewより『テイク式女キャラメーカー』

年齢:16歳

誕生日:9月30日

趣味:勉強、読書

好きなもの:クラシック音楽

スリーサイズ:B:84、W56、H86

イメージCV:ウマ娘プリティーダービー:マンハッタンカフェ
(その他の作品:プリンセスコネクト!Re:Dive:キョウカ
        変態王子と笑わない猫:筒隠月子
        クロスアンジュ 天使と竜の輪舞:クリス
        その他多数)

リディアン音楽院の2年生。日和のルームメイトであり親友。風紀委員に属している。
生真面目な性格で嘘や冗談が通用しない。しかしながら世話好きで面倒見がとてもよく、風紀委員という嫌われ役ながらも大多数に厚い信頼を得ている。
クラシック音楽家になりたい夢があるが、両親に反対されたことがある。進路を病院の先生にと指名され、中学二年生で東雲総合病院の見学に行った。日和とはそこで知り合い、彼女のおかげで夢を追いかける道を選び、両親を見返すためにクラシック音楽家になるまでは実家に帰らないつもりでいる。
苗字は東西南北の西が由来し、名前は海の爽やかさ、恋のような愛情をイメージしている。
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