戦姫絶唱シンフォギア 大地を照らす斉天の歌   作:先導

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本日は海恋ちゃんの誕生日です。宣言通りの時間に投稿してみました。よろしければぜひとも海恋ちゃんを祝ってあげてください。


喪失までのカウントダウン

海上を脚部のユニットで浮かせて交戦内を移動している未来。ノイズ殲滅はクリスに任せ、彼女を追いかける日和は海を渡るために棍を長く伸ばし、上空に投擲し、棍を複数に分裂させ、海上に浮かび上がらせて足場を作る。日和は分離した棍を足場にして、バランスを取りながら未来を追いかける。未来は艦艇に昇りながら、追いかけてきた日和に向けて光線を放つ。日和は放たれた光線を躱し、別の艦艇に乗り込む。日和はさらに左手首のユニットを回転して棍を取り出し、未来のいる艦艇に向けて棍を伸ばした。伸ばした棍は艦艇を貫き、先端をフックの形にして開いた穴に固定する。日和は棍を元のサイズに戻して未来のいる艦艇に移動する。未来は日和に向けて光線を撃ち放つ。

 

「未来ちゃん・・・少しの辛抱だからね!」

 

日和は棍を手放して光線を躱して未来のいる艦艇に着地する。そしてすぐに棍を抜き取り、未来に棍を振るって攻撃する。未来は鏡の扇子で受け止める。さらに未来はその状態で扇子を開き、円状に展開させた。日和は嫌な予感がし、未来から距離をとる。未来は扇子の鏡より、複数の閃光を日和に放つ。

 

【閃光】

 

放たれた紫色の閃光を日和は何とか躱す。だがこの閃光は日和の棍には直撃する。これによって日和の棍の半分は分解された。

 

「!!?棍が・・・半分消えた!!?」

 

自分の武器である棍がこうも簡単に無力化されて驚愕する日和。驚いている間にも未来は鏡の閃光を日和に放ち続ける。あの閃光は危険だと感じ、日和は回避に専念する。日和に頭に思い浮かぶのは、月を穿つ一撃を凌いだクリスのリフレクターが分解されていく光景、そして、調が放った言葉だ。

 

『無垢にして苛烈、魔を退ける輝きの奔流。これが、神獣鏡のシンフォギア』

 

「・・・まさか・・・あの光、シンフォギアの力を無効化させてる!!?」

 

魔を退ける輝き。それが意味するところは、その名の通り魔を祓う力。その力の前では、シンフォギアの力を無力にしてしまう。それこそが、シンフォギア殺しの神獣鏡の力だ。日和と未来との戦いの様子を翼は鎌を振るう切歌を刀で抑えながら見ていた。

 

(振り切ることはたやすい。だが、そうするわけには・・・)

 

翼の実力ならば切歌を振り切ることなどわけない。だがしかし、翼の後ろには調がいる。切歌は必ず調を優先にして動く。ゆえに、そうはさせまいとしているため、動くわけにはいかないのだ。この場をどう切り抜ければいいか考えている翼。すると、突如として海中から巨大な水柱が出現する。突然現れた水柱に両者は視線を向ける。水柱がほどけると、そこから印を結んだ緒川が出現する。先ほどの水柱は、忍者の末裔である緒川の忍術だ。艦艇に降り立った緒川は調を軽く拘束する。

 

「調!!」

 

「緒川さん!」

 

「人命救助は僕たちに任せて!それよりも翼さんは、日和さんと協力して、未来さんの補足を!」

 

緒川は未来を託し、調を拘束したまま、残像が残るような速度で戦線を離脱する。

 

「緒川さん!お願いします!」

 

調と人命救助を緒川に任せ、翼は鎌を弾いて蹴りを叩き込む。そして翼はバク宙し、カタパルトの上に乗り、刀を突きさして無理やり起動させる。

 

「あぁぁっ!」

 

カタパルトの加速を利用し、翼は高く飛び、脚部のブースターを利用して日和との合流を目指す。

 

「調・・・!」

 

切歌は連れ去られた調に一瞬気を取られたが、今は翼を追いかけ、食い止める選択を選んだ。

 

「切ちゃん・・・」

 

海上を目も止まらない速さで走る緒川に抱かれながら、調は道を違えてしまった親友の名を口にする。

 

(あたしが消えてなくなる前に、やらなきゃいけないことがあるデス!)

 

切歌は背のブースターを使い、翼を追いかけていく。

 

「マストォ・・・ダアアアアイ!!」

 

切歌は背部ユニットから翼に向けて鎖を放った。翼は刀で鎖を弾くが、全ては凌ぎきれず、鎖は翼を拘束する。切歌は鎖の近くに鎌の柄を突き刺し、鎌の刃の上に立つ。その形はまるで、ギロチン。

 

「やるデス!」

 

切歌はブースターを使って、鎌の刃に蹴り込み、翼へと迫っていく。

 

【断殺・邪刃ウォttKKK】

 

鎌の刃が迫ってきたところに翼は上空に複数の刃を出現させ、自身を拘束する鎖に向けて降り注ぐ。

 

【千ノ落涙】

 

複数の剣で鎖を切り落とし、翼は間一髪で鎌の刃を躱す。自身の纏わりつく鎖を振り払う。

 

「お前は何を求めて!!」

 

「あたしがいなくなっても、調には忘れてほしくないんデス!!」

 

翼は刀を構え、切歌は鎌を元の形に戻し、構え直し、両者ともに再び対峙する。

 

~♪~

 

二課の仮設本部である潜水艦のブリッジ。外で繰り広げられている戦いを響たちはモニターで見守っている。その中で、日和と未来との戦いで、未来の纏うシンフォギア、神獣鏡の能力が明らかになる。

 

「未来ちゃんの纏うギアを発せられたエネルギー派は聖遺物由来の力を分解する特性が見られます!!」

 

「それってつまり、シンフォギアでは防げないってこと!!?」

 

「それが・・・クリスのリフレクターや日和の棍が分解した理由・・・文字通りのシンフォギア殺し・・・!」

 

シンフォギアでは防御不可能とする神獣鏡の力に驚愕する海恋を含んだオペレーターたち。

 

「この聖遺物殺しをどうやったら止められるのか・・・!」

 

どうすれば未来を止めることができるのか、弦十郎は真剣に考える。この戦いを見ていた響はあることを閃いた。

 

「師匠!!」

 

「どうした?」

 

響の眼差しはいつにもまして真剣みが帯びていた。

 

「・・・!立花さん・・・あなたまさか・・・!」

 

海恋は響が何をやろうとしているのかに勘づき、驚愕に満ちた表情をする。

 

~♪~

 

米国の艦艇で繰り広げられている戦いをウェルたちはエアキャリアから見下ろしてみていた。

 

「少女の歌には血が流れている。くくく・・・人のフォニックゲインで出力が増した神獣鏡の輝き・・・これがフロンティアへと照射すれば・・・!」

 

「今度こそフロンティアに施された封印が解除される」

 

「そのための生贄に選ばれたのが・・・彼女というわけか・・・」

 

機械で増幅した力では封印解除には至らない。ならばどうすればいいのか。それは、神獣鏡をシンフォギアとして人に纏わせ、その力をフロンティアに注ぎ込むのだ。未来はそのために連れてこられたのだ。

 

「だというのに・・・!あいつ邪魔すぎですよぉ・・・!これじゃあ照準が全然定まらないじゃあないですか!」

 

目的達成は目の前というところで日和が未来の行動を阻んでいる。そのためウェルはイライラしてストレスをため込んでいる。

 

「ゴホッ・・・ゴホッ!ゴホッ!」

 

「「!マム!!」」

 

すると、ナスターシャがまたも発作で咳き込む。しかも血反吐を吐いてしまっているため、症状は深刻であるとわかる。

 

「ドクター!!マムを!!」

 

「・・・いい加減お役御免なんだけど・・・」

 

マリアはマムの治療を依頼しているが、ウェルはどこかやる気を見せていない。

 

つべこべ言わずやれ・・・!!

 

「・・・ま、ここで断ったら僕の死刑が早まるだけか・・・。それは困る・・・仕方ない・・・」

 

フォルテの凄まじい殺気で自分の立場を思い出し、仕方なくナスターシャを連れて操縦室から退室する。

 

「・・・邪魔者はいるが、問題はない。マリア、僕のタイミングでシャトルマーカーを展開するんだ」

 

「・・・私がやらねば・・・私が・・・」

 

フロンティア封印解除の責任がマリアに委ねられ、彼女はプレッシャーを感じている。準備は整っている。後は・・・シャトルマーカーを放つタイミングを待つだけだ。

 

~♪~

 

神獣鏡のシンフォギア殺しを目の当たりにして、日和は冷や汗をかきながら使い物にならなくなった棍を放り投げ、両手首のユニットを回転して、新たな棍を2つ取り出し、構える。

 

「注意するべきなのはあの光・・・あの光に警戒しつつ・・・未来ちゃんを気絶させる!!」

 

日和は2つの棍を振ってヌンチャクに形を変え、未来に接近してヌンチャクを振るう。未来は艦艇を移動して日和から距離を取りつつ、光線を放つ。日和は放たれた光線をヌンチャクにも当たらないように気を着けながら躱していく。未来はダイレクト・フィードバックで日和の動きを予測し、そのバトルパターンに従い、日和が避けにくいポイントを的確に狙い、光線を放ち続ける。

 

「よ・・・避けづらい・・・これじゃあ攻撃に回れない・・・!」

 

日和は鍛え上げた身体能力を生かして光線を何とか躱していく。反撃と行きたいが、ヌンチャクが無力化されないように気を遣っているために立ち回れない。日和がヌンチャクを気を遣いながら躱すため、バトルパターンの予測が立てやすく、未来はそのパターンに従い、移動しながら光線を放ち続ける。まさに防戦一方だ。

 

「こうなったら・・・一か八か・・・!」

 

日和は光線を避け、左手のヌンチャクを自分の元に置いた。そしてその瞬間にヌンチャクは爆発を引き起こした。

 

【才気煥発】

 

ヌンチャクが引き起こした爆発の煙で未来は日和の姿をダイレクト・フィードバックで捉えられない。爆発の爆風を利用して日和は未来からさらに距離を取り、煙の先にいる未来に向かって棍を伸ばして打撃を与える。棍は煙で見えなかったため、未来は対処に遅れ、直撃を食らった。日和は別の艦艇に乗り、棍を構え直す。未来は脚部ユニットの鏡を展開し、背部の鞭の鏡と連結し、強大な一撃を放とうとする。そう、クリスのリフレクターを分解したあの一撃だ。

 

「まずい・・・!距離が遠すぎる!止める前にこっちが直撃をくらっちゃう・・・!」

 

日和はこれから発射される未来の一撃をどうすればいいのか必死に考える。すると・・・

 

「未来!日和さん!」

 

この戦場に響の声が聞こえてきた。未来はその声に動きを止め、脚部のユニットを収めた。日和も響の声がした方向を見てみると、二課の潜水艦が2人が乗る艦艇の間に割って入ってきた。そして、甲板には響が立っていた。

 

「響ちゃん!!?なんで・・・」

 

なんで響が外に出てきたのか質問をぶつける前に、日和のヘッドギアから弦十郎の通信が入る。

 

『日和君。未来君の相手は・・・響君に委ねるんだ』

 

響を未来と戦わせると弦十郎は言っている。意味が理解できない日和は当然反論する。

 

「何言ってるんですかししょー!!ギアを纏ったら響ちゃんの命が・・・」

 

日和が反論していると、今度は海恋の声がヘッドギアから聞こえてきた。

 

『立花さんがとんでもない策を思いついたのよ!勝算はわからないけど・・・成功すれば立花さんも小日向さんも助かるわ!』

 

響も未来も助かると聞いて、日和は驚愕に満ちた顔になる。

 

「それ・・・本当なの・・・?」

 

『日和・・・ここは立花さんを信じてあげて』

 

「でも・・・」

 

『先輩が後輩のことを信じてあげられないでどうするのよ!!』

 

かなり渋っている日和に海恋がヘッドギア越しに渇を入れた。日和はそれが効いたのか自分の中の響を心配する気持ちをぐっと堪える。

 

「・・・だったら・・・だったら響ちゃん!!約束して!!必ず・・・必ず未来ちゃんと一緒に生きて帰ってくること!!いい!!?絶対だよ!!?死んだりしたら許さないんだから!!!」

 

今までは相手に約束される側だった日和が今度は自分が響に約束を言いつけた。生きるという約束を大事にする日和が言ったら、その重みはかなり深い。

 

「必ず生きて帰ってきます!!!」

 

響はその重みを十分に受け止め、日和に負けじと強気に言い放った。響の言葉を聞いた日和は安心した表情になる。

 

『日和君もクリス君と合流し、ノイズを対処するんだ』

 

「はい!!」

 

弦十郎の指示に従い、日和はクリスと合流するために移動を開始した。響と未来はお互いに対面しあう。

 

「一緒に帰ろう・・・未来」

 

響がそう言うと、未来は自身のバイザーを開く。虚ろな瞳が露になり、未来はこの戦場で初めて口を開いた。

 

「帰れないよ・・・。だって私には、やらなきゃならないことがあるもの」

 

「やらなきゃならないこと・・・?」

 

「このギアが放つ輝きがね、新しい世界を照らし出すんだって。そこには争いもなく、誰もが穏やかに笑って暮らせる世界なんだよ」

 

「争いのない世界・・・」

 

「私は響に戦ってほしくない。だから響が戦わなくていい世界を創るの」

 

響が戦わなくいい世界を創る・・・それが未来がシンフォギアを身に纏い、戦いに赴ける最大の理由・・・成さねばならないこと。

 

「・・・だけど未来。こんなやり方で創った世界は、暖かいのかな?私が1番好きな世界は、未来が傍にいてくれる、暖かい陽だまりなんだ」

 

響は言葉を詰まらせたが、それでも自身の思いを未来にぶつける。誰もが争わなくてもいい世界を創るのは同意できる。だが、残虐を尽くしてまで出来上がった世界に意味などない。ゆえに、響はこのやり方を認めるわけにはいかない。

 

「でも、響が戦わなくていい世界だよ?」

 

「例え未来と戦ってでも・・・そんなことさせない!」

 

「私は響を戦わせたくないの」

 

「ありがとう。でも私・・・戦うよ」

 

響は強く言い切って、詠唱を唄う。

 

Balwisyall Nescell Gungnir tron……

 

未来を止めるために、シンフォギアを身に纏った響。それと同時に、響の死のカウントダウンが始まった。その時間・・・2分40秒。響は未来に拳と蹴りを繰り出し、未来はダイレクト・フィードバックで的確に防いでいく。距離をとる響と未来は同じ艦艇の甲板に立つ。シンフォギアを纏うことにより、響のガングニールの浸食は進んでいき、大きな熱を帯びていく。

 

(熱い・・・身体中は沸騰しそうだ・・・)

 

それでも響は引くわけにはいかない。必ず未来を助けるために。

 

~♪~

 

そもそもなぜ響が戦うことになったのかは、それは日和が未来と戦っている時間に遡る。

 

「あのエネルギー波を利用して、未来君の纏うギアを解除する・・・だと?」

 

「私がやります!やってみせます!」

 

神獣鏡の力が聖遺物の力をかき消す。その力は根元である神獣鏡にも有効で、うまく利用できれば未来のシンフォギアを解除できるかもしれない。だが、出撃しようとする響の身を弦十郎は案じる。

 

「だが君の身体は・・・」

 

「死んでも連れて帰ります!!」

 

「死ぬのは許さん!!!」

 

「じゃあ、死んでも生きて帰ってきます!!それは、絶対に絶対です!!」

 

未来を助けるため、響は意地でも意見を譲るつもりはない様子だ。そんな響の背中を押すように、海恋が口を開く。

 

「私からもお願いします!立花さんを行かせてあげてください!」

 

「海恋君、君まで・・・」

 

「私の推測が正しいなら、その無茶が立花さんの命も、助かる可能性大です!」

 

「何っ・・・?」

 

響が助かる可能性が高いと聞いて、弦十郎は驚愕する。モニターでは才気煥発で吹っ飛んで攻撃する日和の無茶が映し出される。

 

「日和だって、何度無茶しても、ちゃんと戻ってきたんです!私は、立花さんのその無茶を信じてみたい!!」

 

「海恋さん・・・」

 

「子供の背中を押してあげるのも、大人の務めなんじゃないですか!!?」

 

海恋が弦十郎に言葉の一喝を入れる。それでも弦十郎は渋った顔をしている。

 

「過去のデータと現在の融合進度から計測すると、響さんの活動限界は2分40秒となります!」

 

「例え微力でも・・・響ちゃんの支えることができれば・・・きっと・・・」

 

藤尭がシンフォギアを纏う際の活動限界を詳細に伝えた。それは止めるためではなく、友里の言うとおり、響を支えるためだ。活動時間の計算を聞いた弦十郎は響に問いかける。

 

「オーバーヒートまでの時間は限られている。勝算はあるのか?」

 

「思いつきを数字で語れるものかよ!!」

 

かつて自分が言った言葉を、このような形で自分に返された弦十郎。響の強い思いを信じ、弦十郎は出撃の許可を出したのだった。

 

~♪~

 

響は未来に蹴りを放つが、未来は扇子で蹴りを凌ぎ、逆に響を甲板の壁に叩きつける。さらに未来は背部の鞭でさらに追撃する。響は繰り出される攻撃を防御する。

 

『胸に抱える時限爆弾は本物だ!作戦時間の超過、その代償が確実な死である事を忘れるな!』

 

(死ぬ・・・私が・・・死ぬ・・・)

 

死という言葉に響は日和との約束を振り返る。

 

『必ず・・・必ず未来ちゃんと一緒に生きて帰ってくること!!いい!!?絶対だよ!!?』

 

「・・・死ねるかああああああ!!!」

 

鞭の攻撃に対し、響は鞭を弾き返し、脚部のジャッキを利用して未来に突進した。攻撃をくらった未来は距離を取り、鞭の鏡と脚部の鏡と連結し、強大なエネルギーを放つ。

 

【流星】

 

響はジャッキを利用して、強大なエネルギーを躱したが、艦艇に直撃する。未来はさらに小型の鏡を展開し、光線を響に放つ。響は放たれた光線を足場にしながら直撃を躱す。

エアキャリアからも未来が光線を放ったのを確認ができた。そのタイミングに合わせ、エアキャリアからミサイルのようにシャトルマーカーが発射される。シャトルマーカーは円形の陣を敷き、体部を展開して光線を反射する。

 

「戦うなんて間違ってる・・・戦わない事だけが、本当に暖かい世界を約束してくれる・・・戦いから解放してあげないと・・・」

 

未来は響を戦いから解放するために攻撃を続ける。

 

『立花さん急いで!!危険域を越えたら、あなたの命は・・・!』

 

残り時間25秒内をきった時、響のヘッドギアから海恋の危険を知らせる通知が届いた。そして、その瞬間・・・

 

ドクンッ!パキパキパキ・・・!

 

「ぐっ・・・うあぁぁ・・・!!」

 

響のガングニールの破片が身体の至る所に現れ、苦痛が響を襲う。それを見た未来は自分が助けるはずの彼女を、自分が戦うことによって逆に苦しめていると気づき、動揺する。

 

「(違う!私がしたいのはこんな事じゃない・・・!こんなことじゃ・・・)ないのにいいいいい!!!」

 

未来の慟哭が響き、バイザーを開いてみると、彼女は涙を流していた。

 

(誰が未来の身体を好き勝手してるんだ!!)

 

響は飛び交う光線を躱しながら、未来に突っ込み、そのまま彼女を抱きかかえた。それと同時に、展開していた鏡が割れる。

 

「離して!!」

 

「嫌だ!!離さない!!もう二度と離さない!!!」

 

「響ぃいいいいいい!!!」

 

「離さない!!!」

 

シャトルマーカーに反射された神獣鏡の光線は次々と別のシャトルマーカーに反射していく。それを確認した響は水面を跳躍してそこへ向かう。

 

「そいつが聖遺物を消し去るっていうんなら・・・こんなの脱いじゃえ!!未来うううううううううううう!!!!」

 

展開された光線が下中央のシャトルマーカーに反射されると、光線が強大なものとなって反射される。響は未来を抱えてその光線の中へと突っ込んでいった。光線に包まれた響と未来のギアは粉々に砕き、未来の後頭部のダイレクト・フィードバックも、ガングニールの破片も形を残さずに消え去った。最後のシャトルマーカーは強大な光線を反射し、海の中へと沈んでいく。すると、海中から凄まじい光が放たれる。

 

~♪~

 

突如として現れた凄まじい光は二課の潜水艦にいる弦十郎たちも、エアキャリアにいるフォルテたちにも確認できた。

 

「・・・作戦は成功した。フロンティアの封印は解除され、間もなく浮上される」

 

光が収まってくると、突如として大陸といっても過言ではないほどの島が海中から浮上してきた。これこそが、マリアたちが求めていたもの・・・フロンティアだ。

 

「・・・もう間もなくだ・・・セレナ・・・。君の望む真なる平和が・・・訪れる」

 

フロンティアが浮上したのを確認したフォルテは歯を見せ、不敵な笑みを浮かべた。

 

~♪~

 

一方ノイズの殲滅を言い渡された日和は艦艇に乗り込み、辺りの惨状を見渡す。日和が駆け付けた時にはすでに遅く、何人もの人間が、ノイズによって炭へと変えられ、命を落としている。そして、その中には、大切な家族を残して亡くなった人間もいる。

 

「ドクターウェル・・・あのろくでなし・・・!!!」

 

日和は炭となった人間たちを見て、強い怒りを示している。

 

「相棒」

 

そこにクリスが真剣な顔をして日和の元に駆けつけた。

 

「クリス・・・どうしたの?」

 

「・・・お前はこの先も・・・あたしを信じるつもりか?」

 

日和にはクリスの言っている言葉の真意が理解できない。しかし、彼女を信じるということだけは確かだ。

 

「急にどうしたの?そんなの当たり前だよ。だって私たちは、友達なんだから・・・」

 

「・・・そうか・・・」

 

それを聞いたクリスは目を閉じ・・・

 

ドゴォ!!

 

「がっ・・・!!?」

 

日和の鳩尾に拳を叩き込んだ。

 

「これがあたしの答えだ」

 

「く・・・クリス・・・どう・・・して・・・?」

 

突然急所を突かれた日和はクリスに問い詰める前に気絶してしまう。

 

「・・・悪いな・・・相棒。さよならだ」

 

クリスは日和が気絶したのを見届け、乗っている艦艇から降りていった。




海恋の誕生日(リディアン一回生)

父「誕生日?そんなものに現を抜かす余裕がお前にあるのか?」

母「いい?あなたは特別な人間なのよ?そんなことでお母さんたちを困らせないで」

いつだってそうだった。特別な人間だからって・・・そんな理由で父さんも母さんも誕生日を祝ってくれなかった。使用人も見て見ぬふり、唯一じいやが私に気を遣っているけど、私はもうすっかり諦めてた。友達もあまりいなかったし、誰も私の誕生日を知ってる人はいない。知ってたとしても誰も祝わない。だから私にとって誕生日という日は特別なものはない。ただ普通の日常。それと変わらない。そう思ってた。だけど、秋春祭が終わった後の教室・・・

クラスメイト「海恋ちゃん!誕生日おめでとう!!」

海恋「・・・え?」

由貴「へへ、驚いたかな?」

乙女「ひよりんが教えてくれたんだよ。今日は海恋ちゃんの誕生日だって」

小路「言ってくれればよかったのに・・・水くさいなー」

海恋「・・・誕生日?」

日和「おじいちゃんが教えてくれたんだよ。だから盛大に祝ってやってほしいって頼まれて・・・サプライズを用意したんだ!どっきり大成功だね!」

海恋「じいやが・・・」

日和「みんなー!主役の到着だよー!盛り上がっていこー!」

海恋「ちょ、ちょっと・・・」

・・・単なる気まぐれ・・・よね・・・?今まで誕生日を祝ってもらったことなかったし・・・日和はともかく、知り合ってまだ1年も経ってない相手に・・・。・・でも・・・気まぐれだとしても・・・悪い気分じゃないわ。

海恋「・・・日和」

日和「んー?何ー?」

海恋「・・・ありがと」
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