戦姫絶唱シンフォギア 大地を照らす斉天の歌   作:先導

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戦姫絶唱しないシンフォギアG①

『クイーンズ・オブ・ミュージック開催数日前・・・』

 

 

 

翼がマリア・カデンツァヴナ・イヴとのコラボをするライブ、クイーンズ・オブ・ミュージック。もちろん日和たちはこの日を楽しみにしてはいる・・・のだが・・・

 

「えっ!!?クイーンズ・オブ・ミュージックにいけないかもしれないの!!?」

 

「そ、それはまた・・・残念ね・・・」

 

日和たちはその当日にライブに行くことができないかもしれないのだ。

 

「で、それってやっぱり二課の任務?」

 

「そうなんだよ~・・・私と響ちゃんとクリスで遠出しないといけない任務でさ~・・・」

 

「というわけで・・・未来!本当にごめん!」

 

「・・・日和さんとクリスと遠出って・・・」

 

確定というわけではないが、ライブに行けない理由というのはやはり任務だ。その内容はソロモンの杖を米国基地に届ける・・・いわゆる輸送任務だ。

 

「でも、早く終われば日和さんとクリスちゃんと一緒に駆けつけるから!翼さんのステージに間に合うかもしれない!」

 

「・・・それって、同伴出勤では・・・?」

 

日和とクリスとで遠出の同伴出勤があまり気に入らない様子の未来は少ししらーっとしている。

 

「大丈夫だって!日和さんとクリスちゃんも一緒だから、心配しないで!」

 

響は未来と海恋を心配させないようにそう言った。

 

「ちゃんと帰ってきてくれるなら大丈夫よ。任務、頑張ってちょうだい、2人とも」

 

「ありがとう海恋!必ず間に合わせてみせるから!」

 

海恋は日和たちが帰ってきてくれるだけで満足ゆえにそう言った。ただ未来は任務の危険よりも別のことにたいしてで響を心配している。

 

「日和さんとクリスが一緒だからって・・・ううん、だからこその心配だってあるんだよ⁉」

 

「ど、どうしたの?」

 

響の問いかけに未来は顔を赤らめながら話す。

 

「あ、あのね・・・響・・・」

 

「???」

 

「・・・昔の船乗りさんには、港々に家庭があったって聞いてるわ・・・///」

 

未来の言っていることがわからず、響と日和の頭に疑問符が大量に浮かび上がる。

 

「え?何の話?今関係あることかな?」

 

「???ねぇねぇ海恋、未来ちゃんは何の話をしてるの?」

 

「・・・小日向さん・・・あなたはいったい何を想像してるのよ・・・」

 

未来が想像していることが理解した海恋はちょっとあきれた様子である。

 

 

 

『クイーンズ・オブ・ミュージック当日』

 

 

 

クイーンズ・オブ・ミュージック当日。その会場にライブ出演としてやってきたマリアは自分のマネージャーであるフォルテを連れて施設のパーティー会場にやってきていた。そこには豪華な食事がたくさん並んである。いわゆるケータリングサービスというものだ。

 

「ケータリング~!!」

 

ケータリングサービスを目の当たりにしてマリアは目を輝かせており、フォルテは無表情で端末を操作して仕事をしながらマリアを見守る。マリアは誰もいないことを見計らい、タッパーを用意して料理を次々とタッパーに詰めていく。

 

「・・・あまり取りすぎないようにな。品性が疑われる」

 

「でもフォルテ、調と切歌はまだ育ち盛りなのよ?たくさんお土産を持って帰らなくちゃ!特に調にはもっとお肉を食べさせなきゃ!切歌のために色の濃い野菜を詰め合わせてっと・・・」

 

「・・・少し係りの人間と電話してくる。マリア、僕の分も取っておいてほしい」

 

フォルテはマリアにそう言って、電話のために一旦会場から退室する。マリアはフォルテが出ていった後、周りに誰かいないかもう1度見回し、いないことを見計らい、どんどんとタッパーに料理を詰めていきながらフォルテの分の料理を取っていく。

 

「フォルテは日本食が好きで・・・というか、隙あらば日本食だけを食べてるし!ああ見えてマムもお肉好きだし・・・ていうか、お肉ばっかり食べるし!どうしてみんなは好きなものしか食べないのかしら!バランス悪いったらありゃしない!!ドクターはドクターでお菓子ばっかりの偏食家だし!ああ、もう!!まるで私がみんなのお母さんみたいなんじゃないの!!でも、これから人類救済に向けて頑張らないといけない正念場だから、せめて元気の出るご飯をしっかり食べてもらって・・・!!」

 

「今戻った。・・・取りすぎじゃないか・・・?」

 

たった今フォルテが電話から戻ってきた。マリアのタッパーに料理を詰める勢いが凄まじく、その様子を見たフォルテは取りすぎだと呟いた。多くの料理を詰めたマリアは満足気に、実にうっとりとした表情になる。

 

(引っ込み思案の私でも、アイドルやっててよかった・・・♪と、心から思えるのは、ケーリングが充実している現場に巡り合えた時・・・♪)

 

「・・・マリア、僕の分の料理、寿司が少ないぞ。もっと寿司を入れてくれ」

 

フォルテはマリアに入れてもらった料理が入ったタッパーを見て、寿司をもっと入れるように要求した。

 

 

 

『マリアと翼の初対面』

 

 

 

料理を一通り取ったマリアはフォルテと共に控え室に戻り、取った料理を共に食べる。

 

(これよ!!これさえあれば!!)

 

「・・・うまいな」

 

高級料理を食べたマリアは目を輝かせ、自信に満ち溢れる。フォルテは特に変わった様子はなく、黙々と食べている。食事を済ませた後、マリアとフォルテは翼の控室に向かった。翼の控室にたどり着いたマリアはまずドアをノックする。

 

コンッコンッ

 

「邪魔するわよ!」

 

そしてマリアは扉を開けて堂々とした態度で控室に入っていき、フォルテも後ろからついていく。打ち合わせをしていた翼と緒川は突然のマリアの登場に驚いている。

 

「今日はよろしく。せいぜい私の足を引っ張らないように頑張ってちょうだい」

 

「一度幕が上がれば、そこは戦場・・・未熟な私を助けてくれるとありがたい」

 

翼は共に出演するマリアに手を差し伸べ、握手を求めている。

 

「続きはステージで・・・楽しみにしているわよ」

 

マリアは翼の手は取らず、そう言って控室から出ていった。残ったフォルテは翼と緒川にお辞儀をしてから部屋を退室した。そして、自分の控室に戻ったマリアは・・・

 

「あれが・・・その筋では有名な日本政府の防人と忍者・・・!間近で見たらとんでもない迫力・・・あんなのとやり合わなきゃいけないなんて無理よマム・・・!」

 

「・・・強気に出たと思えば急に弱気になる・・・。・・・そういう遊びなのか?」

 

翼と緒川を間近に見てオーラを感じ取ったのかすっかり弱気になっている。フォルテはその様子をただ無表情で見ている。

 

「高級食材食べてちょっとばかり強気で高飛車になれた気がするけど・・・その気になれただけでどうにかできるなら誰も苦労しないわよぉ~!!」

 

「・・・寿司がまだ残っているが・・・食べるか?」

 

「食べるぅ~!!」

 

さすがにいたたまれないのかフォルテは取っておいた寿司を食べないかマリアに尋ねる。マリアは泣きべそをかきつつも食べると答えた。

 

~♪~

 

突然現れ、嵐のように去っていったマリアに翼と緒川はポツンと眺め、見送ることしかできなかった様子である。

 

「すごい迫力でしたね・・・さすが海外のトップアーティスト・・・」

 

「あれが・・・マリア・カデンツァヴナ・イヴ・・・」

 

強気に気取っていたマリアだったのだが、翼と緒川には迫力があると感じ取っていたようだ。

 

「第一印象、いかがでしたか?」

 

「う~ん・・・かわいいタイプ・・・かな・・・?」

 

「え?かわいい?今のがですか?そうでしたっけ?」

 

マリアの第一印象がかわいいという翼の発言に緒川は首を傾げている。

 

「彼女はこう・・・散らかった部屋を片付けられずに、べそをかいて・・・あのマネージャーに慰めてもらっているような・・・手がかかるけれど、かわいいタイプに違いない」

 

(つまり・・・似た者同士と・・・)

 

翼の解釈に緒川は似た者同士という考えに行きつく。

 

「アーティスト同士、どこか通じ合うところがあるようですね」

 

「歌で通じ合えるか・・・今日のステージを終えて、もう少し気心が知れると嬉しいな・・・」

 

翼はマリアと共演することで、彼女のことを理解できたらいいなと考えている。一方その頃マリアは・・・

 

「へっくち!ああ!!きっと世界のどこかで私の悪口がまかり通っているううううううう!!!」

 

「・・・天ぷらもあるが・・・食べるか?」

 

「食べるぅ~!!」

 

翼が言ったこととは気づいていないが、解釈自体はなぜか感じ取ったようで、よりネガティブな思考に陥っている。フォルテは今度は天ぷらを出して食べないかと尋ね、マリアは食べると答えた。

 

 

 

『テロ組織の決起より数日後・・・』

 

 

 

武装組織フィーネの潜伏拠点である廃病院。その廃病院の一室でフォルテはただ1人、目を閉じて座禅を組んでいる。その光景を遠くから覗き込んでいるマリア。

 

(フォルテは今日も瞑想かしら?真なる平和をフォルテのことだから・・・きっと人類救済に向けて力をつけてるんだわ!きっとそうに違いない・・・さすがはフォルテ・・・)

 

マリアはこの座禅がフォルテ自身が強くなるための特訓の1つだと考えている。

 

(あなたはリーダーにふさわしくないって言っていたけれど・・・あなた以外にリーダーにふさわしい人は他にいないわ!)

 

マリアはフォルテに対し、レセプターチルドレンのリーダーにふさわしいと高く評価している。マリアがそう考えている中、フォルテは座禅の中で・・・

 

(・・・真なる平和が訪れたら、きっとマリアは有名になる。ならばこの命尽きる前に、彼女の名が上がるように宣伝しないといけないな・・・)

 

真なる平和が実現し、マリアがさらに有名なトップアーティストになるための宣伝について考えている。

 

(ふむ・・・以前風鳴翼が出演したクイズ番組の出演をオファーするか?いや、もっと別路線で名を広めてもいいはずだ。さらにバラエティ番組にて、身体の張ったコントなど様々なことを挑戦させても・・・いや待て・・・商品で売り出す方向性も捨てがたい・・・)

 

マネージャーとしての使命だからだろうか・・・フォルテはマリアのためになりそうなことを考えている。だが・・・どれもこれも、マリアのためになりそうにないものばかり考えている。

 

 

 

『F.I.S病院アジト放棄後』

 

 

 

潜伏拠点であった廃病院を放棄後はエアキャリアで身を潜めるマリアたち。そんな中の夕飯の準備中。今日の夕飯当番・・・言い方を変えるとおさんどん当番は調である。調はおさんどんの歌を歌いながら今日の夕飯の準備をしている。一通りできて、、一口味見をする。そこへ、切歌がやってきた。

 

「今日のご飯はなんデスか~?すっかりお腹がぐーぐーへりんこファイアーデスよ~」

 

「冷蔵庫の残り物を全部使ったシチュー」

 

「ごちそうデース!!」

 

今日の夕飯が残り物を全て使ったシチューだと知って切歌は大喜び。ただ、調はシチューの味にあまりピンと来てない様子。

 

「だけど・・・思った通りの味が出ない・・・」

 

「どれどれ・・・?」

 

切歌は調が持ってた皿を取り、シチューを少し注いで味見をする。自分が口にした皿で味見をする切歌に調は頬が赤くなる。

 

「んー・・・十分おいしいと思うんだけど・・・」

 

「十分?目指すべき料理の頂にこれで十分なんてないよ切ちゃん」

 

調は切歌から皿を取り、シチューを注いで味見をする。自分が口にした皿で味見をする調に切歌は頬が赤くなる。

 

「・・・味にパンチ不足・・・?お塩が足りないのかも」

 

「そうでもないのデス!!塩分の取りすぎはよくないのデス!!」

 

「それはそうだけど・・・」

 

「わからずやだなぁ、調は!」

 

「わからずやはどっち!」

 

調と切歌は言い合いをしながらどんどんとシチューの味見をする。そんな2人の背後にスーパーで日本食を買ってきたフォルテが帰ってきた。

 

「・・・君たち、何をしている?」

 

「あ、フォルテ、聞いてほしいデス!調が・・・はっ!!」

 

切歌がフォルテに話をしようとする、はっとした表情になり、鍋を覗く。鍋にはシチューが全部なくなっていた。そう、味見のしすぎでなくなってしまったのだ。

 

「・・・暁、後で僕の部屋に来るように」

 

フォルテの部屋に来る=説教。

 

「デーーーーーーース!!!!!」

 

そこに行きついた切歌は口癖の悲鳴を上げる。

 

「困った時、何でもデースで済ませちゃダメだよ、切ちゃん」

 

「月読、君も僕の部屋に来るように」

 

「えぇ・・・」

 

調もフォルテの部屋に来るように言われ、目に若干涙をためた。

 

 

 

『スーパーの特売日』

 

 

 

本日はスーパーの特売日。その情報を知っていた調と切歌はそのスーパーで買い物をすることに。その際、フォルテを荷物持ちとして連れてきた。

 

「なんと!特売日ー!」

 

「どんどんぱふぱふ、わーわー」

 

「・・・・・・」

 

「ちょっと遠出した甲斐があったデスよー。アジの開きが5枚で・・・」

 

「298円」

 

「まさかの価格破壊にあたしも驚きを禁じ得ないデース!」

 

切歌はアジの開きの価格を興奮気味にじろじろと見つめている。

 

「ああ・・・いいよねぇ、アジの開き・・・」

 

「開いている分、少し大きく見えるところがまた心憎い」

 

「きっと、お腹だけじゃなく、心も満たせるようにって神様が発明したんデスよねー」

 

切歌の妙な解釈にフォルテが1つ指摘する。

 

「暁、それは違う。発明したのは昔の漁師だ」

 

「さ、さいデスか!!??」

 

常識を指摘された切歌は非常に驚いている。

 

「暁、君はもっと勉学を励んだ方がいい。特に一般常識ができていなければ話にもならない」

 

「ううぅ・・・面目ないデス・・・」

 

フォルテから遠回しに勉強ができていないと指摘され、切歌は膝を地につけて落ち込みを見せる。そんな切歌に調はアジの開きを推奨する。

 

「そんな切ちゃんにこそアジの開き。豊富なドコサヘキサエン酸が効果覿面」

 

「やっぱり調は優しいデース!!」

 

調の心配りに切歌は笑顔で彼女と手を一緒に合わせた。

 

「ふむ・・・これが百合というものか」

 

調と切歌の仲の良さを見てフォルテは無表情でそう呟いた。

 

 

 

『意外に大きい?』

 

 

 

二課の所有する仮拠点である潜水艦。その廊下を翼、クリス、日和が歩いている。そんな中クリスは翼をちらりと見つめた。

 

(・・・知ってはいたが・・・意外とでかいんだな・・・(身長が))

 

クリスは翼の身長に対し、感心している。そして翼もまた、クリスにちらりと視線を向けた。

 

(・・・気づいてはいたが・・・やっぱり大きいんだな・・・(胸が))

 

翼はクリスの体の一部を見て、心の中でそう呟いた。大きいは大きいでも、まったくと言っていいほどに食い違いが発生している。

 

(・・・ケーキは大きい方がいいのかな?小さいほうがいいのかな?)

 

日和はというと2人とは全然関係ないことを考えていた。




XD-エクスドライブアンリミテッド-

フォルテ・トワイライトーハロウィン型ギアー

ドラキュラ伯爵をイメージしたシンフォギア。服装は黒い長ズボンに黒い靴、白いボタンシャツを着こんでいる。ギアの結晶部分に蝙蝠のような装飾品があり、裏生地には血のように赤い濃い灰色のマントを羽織っている。黒いハット帽子もセット。アームドギアの大剣の柄は蝙蝠の羽の柄で刃の色は黒い。
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