S.O.N.Gの仮設本部である潜水艦にいる弦十郎とオペレーターたちも、日和とクリスが聞いたワード、錬金術の意味を解析している。
「錬金術・・・科学と魔術が分化する以前の、オーバーテクノロジーだった、あの錬金術の事なのでしょうか・・・」
「だとしたら、シンフォギアとは別系統の異端技術が挑んできているということ・・・」
「・・・新たな敵・・・錬金術師・・・」
弦十郎は腕を組みながら、モニターに映っているキャロルの姿を見据える。
~♪~
キャロルが響と対峙しているその頃、その光景を建物に隠れてスマホで撮影している青年がいた。青年は画像がうまく撮れていて、満足そうな笑みを浮かべている。
「へへ、こういう映像ってどうやってテレビ局に売ればいいんだっけぇ?」
どうやらこの青年、金稼ぎ目的で動画をテレビに売ろうとしているようだ。
「断りもなく撮るなんて・・・躾の程度が窺えちゃうわね」
「!!?」
青年の横にはいつの間にか青いワンピースを着込んだ少女が壁にもたれかかっていた。突然現れた少女に青年は驚いている。
「どうやら・・・劣悪な環境で育った殿方のようです・・・」
さらに青い服の少女の背後より、止まった時計を身に着けている白い修道服を着込み、全てを凍てつかせるような水色の瞳を持つ女性が現れた。女性の美しい容姿に青年は一目ぼれをしている。そんなことはお構いなしに修道服の女性は青年に近づき、強引に青年に口づけをする。すると青年は髪が白髪と化し、生気をなくして力なく倒れる。
「少し・・・お仕置きが必要のようですね」
修道服の女性は冷たい笑みを浮かべてそう言うと、女性の周りに冷たいとは比べ物にならない極寒の冷気が発せられ、青年の手が、足が、身体が徐々に凍り始めた。
「うーわ、マジかわいそー」
青い服の少女は青年に同情するような声を上げているが、表情は小悪魔のように笑っており、同情している気配は一切ない。完全に氷漬けになった青年に修道服の女性は・・・
グシャッ!!
青年の足を踏みつけ、踏んだ足を粉々に砕いた。それだけに飽き足らず修道服の女性は青年をどんどん踏みつけ、粉々に砕いていく。
「うふ・・・うふふふふ・・・」
修道服の女性は冷たく笑いながら、氷となって粉々になった青年を見下し、青年の持っていたスマホの氷も粉々に踏み砕いた。その間にもキャロルと対面している響は彼女の言う真実に疑問符を浮かべる。
「戦ってでも欲しい真実・・・?」
「そうだ。お前にだってあるだろう?だからその歌で月の破壊を食い止めて見せた。その歌で、シンフォギアで!戦ってみせた!!」
キャロルは響たちが1年前のルナアタック事変で先史文明期の巫女、フィーネと戦っていたことを知っているようだ。キャロルの言葉に響は否定する。
「違う!!そうするしかなかっただけで・・・そうしたかったわけじゃない・・・私は、戦いたかったんじゃない!シンフォギアで・・・守りたかったんだ!!」
戦いたくない響の訴えにキャロルは表情を歪めている。
「それでも戦え・・・!お前にできることをやってみせろ!」
キャロルは自身の足元に橙色の錬成陣を展開させ、響に戦うように促す。
「人助けの力で・・・戦うのは嫌だよ・・・」
「・・・っ、お前も人助けをして殺される口なのか!!」
キャロルは両手を掲げ、足元の錬成陣と同じ陣を作り上げ、膨大なエネルギーを収束させる。
~♪~
キャロルの錬金術の膨大なエネルギーはS.O.N.Gの潜水艦内でも感知している。
「高出量のエネルギー反応!敵を前にしてどうして戦わないんだ!」
命の危険を前にしても、シンフォギアを纏わず、戦おうとしない響に藤尭は疑問の声を上げる。
「救援を回せ!!いや・・・相手がノイズで無いなら俺が出張る!!本部を現場に向かわせろ!!」
弦十郎は潜水艦を現場に出向くようにオペレーターたちに指示を出すが、友里が反論する。
「いけません!!指令がいないと指揮系統が麻痺します!」
「くっ・・・!」
至極当然の反論に弦十郎は歯噛みしてしまう。今弦十郎たちにできるのは、装者たちを見守ることだけだ。
~♪~
キャロルの錬金術による攻撃が来る。それは響もわかっている。だがそれでも響はシンフォギアを纏うことなく、話し合うことを選んでいる。
「だって・・・さっきのキャロルちゃん・・・泣いてた・・・」
「!!?」
「だったら、戦うよりも、そのわけを聞かないと!」
響は何とか話し合おうとするが、キャロルは響の言葉を聞いて、怒りで顔が歪んでいる。
「見られた・・・!知られた・・・!踏み込まれた・・・!世界ごと・・・!!」
キャロルが指をパチンと弾く。すると紋章が浮かび上がり、錬成陣に刻印させることによって、錬成陣が完成する。
「ぶっ飛べえええええ!!!」
キャロルが完成させた錬成陣は周囲の地面を抉り、破壊していく。
「わああ!!!!」
錬成陣が放つエネルギーに響はあまりの威力に吹っ飛ばされる。凄まじい威力の衝撃が収まり、土煙が晴れると、キャロルがいる瓦礫以外は全ての地面が抉れており、大きな穴ができている。響は何とか無事で瓦礫を掴んで支えている。キャロルは怒りのまま錬金術を使ったせいか、疲れが生じ、息を整えている。
「どうして・・・世界を・・・」
「・・・父親に託された命題だ・・・。お前にだってあるはずだ・・・」
「え・・・お父・・・さんに・・・?」
響は父親というワードによって心の傷口に引っ掛かる。響が呆然としていると・・・
ガシッ!バコォ!!
響は突如背後より何者かに頭を掴まれ、地面に叩きつけられる。響の頭を掴んでいるのは、修道服を着た女性だった。
「マスターのお手を煩わせるとは何たる重罪か・・・!」
修道服を着込んだ女性は響を凍てつかせるように睨んでいた。
「・・・よせ、リリィ」
「はっ、申し訳ございません、マスター」
キャロルの一声で修道服の女性、リリィ・ハールートはすぐに響の頭を放し、キャロルに頭を下げる。
「めんどくさい奴ですねぇ~」
一連の会話を全て聞いていた青い服の少女は上の渡り廊下に座って、リリィが響から手を放したタイミングで口を開いた。
「お前たち、見ていたのか。リリィはともかく、性根が腐ったガリィらしい・・・」
青い服の少女、ガリィ・トゥーマーンはひょいっと渡り廊下から飛び降り、キャロルの乗っている瓦礫の上のそばに着地し、カラコロとバレエのように回転する。あの高さから飛び降りれば怪我は確実なのだが、少女は怪我を負っていない。彼女もまた、人間ではないのだ。そして、ガリィと共にいたリリィもまた、人間ではない。そしてそんな2人の主がキャロルのようだ。
「やめてくださいよぉ。そういう風にしたのはマスターじゃないですかぁ」
ガリィが心外そうな顔をしている。だがそう言われても無理もない。なぜならガリィは、仲間・・・ましてや主であるキャロルに言われるほどに、性根が腐った性格なのだから。
「・・・思い出の採集はどうなっている」
「順調ですよぉ。でもミカちゃん~、大喰いなので足りてませぇん!えぇ~ん!」
誰が見ても明らかなウソ泣きをするガリィ。ガリィの言葉の後に、リリィがキャロルに報告する。
「申し訳ございません。今しばらくお時間をいただければ、ミカ様のご満足いただける思い出の狩場が整えられます」
思い出とは人間が誰しも持つ記憶そのものである。ガリィたち、オートスコアラーは人間と口づけすることで、その人間の思い出を吸い取っていたようなのだ。
「ならば急げ。こちらも出直しだ」
「承りました」
「りょうか~い!ガリィ頑張りまぁ~す!」
ガリィは懐より何かの液体が入ったアンプルを取り出し、地面に投げつけた。アンプルが割れたことで、地面に波紋が広がり、錬成陣が浮かび上がり輝いた。
「さよならぁ~」
ガリィは場違いな笑顔を向けながら錬成陣の上に乗る。すると、ガリィはどこかにワープするかのように一瞬で消えた。
「・・・次は戦え。でないと、お前のなにもかもをぶち砕けないからな」
キャロルも同じアンプルを取り出し、地面に叩きつけ、同じ錬成陣を作り上げ、ガリィと同じように消えた。残ったリリィは響を見下ろして口を開く。
「今後マスターのお手を煩わせるようならば・・・心身共に、氷漬けにしますのでそのおつもりで。では、失礼します」
そう言ってリリィは深くお辞儀した後、飛び上がって大穴から脱出し、靴の裏に氷のローラーを作り上げ、ローラースケートとなった靴で着地する。そしてリリィは自分の任務を遂行するべく、ローラースケートのように滑りながらその場を去っていく。
「・・・託された・・・?私には、お父さんからもらったものなんて・・・なに・・・も・・・」
リリィから地面に叩きつけられた響は起き上がろうとするが、体に限界が来ており、力なく倒れた。
~♪~
響が倒れた姿はS.O.N.Gのモニターでも確認した。響の前に敵が去ったのを見たオペレーターたちは救護班たちに回収要請を送る。
「大至急響ちゃんの回収を!」
(・・・なんだ・・・?この拭えない違和感は・・・!)
そんな中弦十郎は正体がわからない違和感に顔をしかめている。
~♪~
ロンドンのチャリティロックフェスの会場にて、マリア、フォルテ、翼の3人はフラメンコの女性から遠く離れるために、会場の外に出て、待機してある車に向かっている。その途中で黒服の男がマリアたちを止める声を上げる。
「エージェントマリア!エージェントフォルテ!あなたたちの行動は保護プログラムにて制限されているはず!」
「今は有事よ」
黒服の言葉にマリアはそう一蹴する。
「車両を借り受ける」
「ええっ⁉」
フォルテは車の運転手にそう言って車に乗り込もうとするが、その瞬間に黒服がピストルを向けて警告をする。
「そんな勝手は許されない!!」
バンッ!バンッ!バンッ!
「「「ぐおっ!!?」」」
フォルテは懐からピストルを取り出し、黒服のピストルに向けて発砲した。さらに回収できないように落としたピストルを撃って黒服からピストルを遠ざける。
「有事だと言ったはずだ」
フォルテは弾切れになったピストルを捨て、車の運転席に乗り込む。黒服はそうはさせまいと武力行使で彼女に近づこうとする。すると・・・
バンッ!バンッ!バンッ!
黒服の背後より銃声が聞こえてきた。それと同時に、武力行使しようとした黒服は金縛りにあったかのように動けなくなった。
「なんだ!!?」
「体が、動かん!!?」
彼らの足元の影を見てみると、弾丸が打ち込まれているではないか。
【影縫い】
黒服の後ろには弦十郎からの指示を受けて、ここに駆けつけた翼のマネージャーである緒川であった。
「緒川さん!!?」
緒川は黙って頷いている。マリアたちのやることをわかっていて、援護をしてくれたようだ。翼とマリアは車の後ろ座席に乗り込む。
「緒川さん、助かります」
「悪いが翼は好きにさせてもらう!」
フォルテは緒川に感謝を述べ、エンジンを入れてアクセルを踏んで車を発車させ、会場を後にした。
「いったい何が・・・」
駆けつけたはいいものの、会場で何が起こったのかわからず、緒川はそう呟いた。
~♪~
同時刻、日和とクリスはエルフナインを連れて本部に向かって移動を開始している。そんな時、友里からの通信で響がやられたという知らせを受けた。
「響ちゃんがやられた!!?他の襲撃者にですか!!?」
『翼さんたちも撤退しつつ、体勢を立て直してるみたい何だけど・・・』
ロンドンにいる翼までもが撤退を強いられていると聞いて、日和とクリスはお互いに顔を見合わせる。
「錬金術ってのは、シンフォギアよりつえぇのか・・・⁉」
2人の脳裏に浮かび上がるのは、2人が戦っていったレイアとシャルの常人を遥かに上回った戦闘能力だ。だが今は2人を相手にするよりも、エルフナインの保護が最優先事項なのは日和もクリスも理解している。
「こっちにも252がいるんだ!ランデブーの指定を・・・!!」
2人は上空よりの攻撃の気配を感じ取った。日和は咄嗟に飛び、クリスはエルフナインを抱えて飛び退いた。それと同時に、2人がさっきまでいた場所に何かが飛んできて、地に着いた瞬間に爆発した。
「何・・・これ・・・?」
爆発の中心点には赤い粒子のような煙が発せられており、爆心地が赤く発光している。
~♪~
チャリティロックフェス会場を車で離れた翼たちはロンドンの街を走っている。フォルテが車を運転する中、翼の通信機から緒川の通信が届く。
『翼さん!いったい何が起きているんですか!!?』
「すみません。マリアに何か考えがあるようなので、そちらはお任せします」
翼は緒川との通信を切り、マリアに説明を求める。
「いい加減説明してもらいたいところだ」
「思い返してみなさい」
「?」
翼はマリアに言われた通り、フラメンコの女性との戦いを思い出す。そして、その前に彼女はこう言っていた。
『待ち焦がれていましたわ・・・』
あの女性の発言から見て、マリアは女性の狙いを断言する。
「奴の狙いは他でもない、翼自身とみて間違いない」
「いや、より正確に言うならば、狙いはシンフォギアを纏った僕たち自身と言っていいだろう」
フォルテは女性と戦う前に、彼女が言っていたことを思い出す。
『・・・歌わないのであれば、そうさせるまでのこと』
女性は翼を待つと同時に、フォルテがシンフォギアを纏う機会をずっと狙っていた。その点からして、女性の狙いはシンフォギアを纏ったフォルテと翼であると判断している。
「この状況で被害を抑えるには、翼とフォルテを人混みから引き離すのが最善手よ」
「ならばこそ、皆の協力を取り付けて・・・」
「それができればこっちも苦労はしない」
マリアの意見に翼は反論するが、フォルテが論破する。
「そうね。私もフォルテも、ままならない不自由を抱えている身だからね・・・」
マリアとフォルテは、独房で過ごし、国連の御偉方が面会にやって来た日のことを思い出す。
~♪~
時は遡り、場所は牢屋の中。フロンティア事変に一時肩を担いだフォルテたちは容疑者としてここに収容された。刑を免れ、後は釈放されるのを待っていた時、国連の御偉方がマリアとフォルテを指定に面会にやってきた。国連の御偉方と顔を交えた2人は渡された端末に書かれた内容を読んだ。そこでフォルテが声を上げる。
「ふざけないでいただきたい!マリアにこれ以上嘘を重ねろというのか!!?」
これまでマリアに計画のためとはいえ、噓をつくように強要しづ続けてきたフォルテ。そんな彼女はこれからの人生は、彼女の好きにさせてあげたいと考えていた。そんな時にまたマリアに嘘をつけという内容を突きつけられ、フォルテは異を唱えた。
「マリア君の高い知名度を生かし、事態をできるだけ穏便に収束させるための役割を演じてほしいと要請しているんだよ、フォルテ君」
「・・・聞かせてもらおうか。その役割とやらを」
フォルテは苛立ちを隠さずに、御偉方が口にする役割に耳を傾ける。
「歌姫マリアの正体は、我ら国連所属のエージェント。聖遺物を悪用するアナキストの野望を食い止めるために潜入捜査を行っていた。大衆にはこれくらいわかりやすい英雄譚こそ、都合がいい」
「・・・再び、偶像を演じなければならないのか・・・」
事態を穏便に済ませるための内容に、マリアは嫌悪感を抱いている。
「偶像・・・そうだ。アイドルだよ。正義の味方にしてアイドルが世界各地でチャリティライブを行えば、プロパガンダにもなる。フォルテ君には、その手助けをしてもらいたい」
「お断りさせていただく。そちらの都合に、マリアを巻き込まないでいただきたい」
国連の御偉方の要請にフォルテははっきりと断りを入れる。その言葉に国連の御偉方はため息をこぼし、席を立つ。
「はぁ・・・米国は真相隠蔽のため遠手動からのバックトレースを行い、個人のPCを含む全てのネットワーク上から関連データを廃棄させたらしいが・・・」
国連の御偉方がそう口にすると、マリアたちに渡された端末から別の資料の映像が映る。そこに映っていたのは、調と切歌、響たちが載っていた。
「彼女や君たちと行動を共にしていた未成年の共犯者たちにも将来がある」
「・・・!!」
「貴様・・・!!」
そう、実質的にこれは人質である。もう1度断るようならば、彼女たちに何が起こるかわからない。そのため人質を取った国連の御偉方にフォルテは怒りの目を向ける。
「例えギアを失っても、君はまだ誰かを守るために戦えるということだよ」
もっともらしいことを言い放つ国連の御偉方。
~♪~
そういう事情があり、結局、マリアとフォルテは響たちのために、国連側の要請に応じるしか手はなかった。そして今に至るというわけだ。
(それでも、そんなことが私の戦いであるものか・・・!)
表情を歪ませるマリアの横顔を翼が見つめる。翼がふと前を向くと、振り切ったはずのフラメンコの女性が剣を構えて待ち構えていた。
「フォルテ!!」
「・・・伏せていろ!このまま突っ込む!」
フォルテはアクセルを強く踏み、車を加速させて女性に突進させる。マリアと翼は言われた通りに伏せる。女性は向かってきた車を避ける素振りはせず、逆に迎え撃ち、剣を振りぬく。剣は車を真っ二つに切り裂く。マリアと翼は事前に伏せていたために直撃は免れ、フォルテはリクライニングレバーを引くことで直撃を避けた。直撃を免れた翼はギアネックレスを取り出し、詠唱を唄う。
Imyuteus amenohabakiri tron……
翼はシンフォギアを身に纏い、車が爆発する前にマリアを救出して脱出する。フォルテも車が爆発する前に飛び出して何とか脱出する。
「風鳴、今の僕では万が一でしかギアを纏えない。だから・・・」
「心得ている。フォルテはマリアを守ってくれ!」
翼はマリアをフォルテに託し、刀を大剣に変形し、女性に斬りかかる。女性は落ち着いた様子で翼が振るった大剣を剣で受け止める。
「剣は剣でも私の剣は剣殺し、『ソードブレイカー』」
剣殺しの名の通り、女性の振るう剣に翼の大剣は粉々に砕け散った。翼は大剣になる前の状態である刀を構え直し、バックステップで距離を取る。すると女性は赤い発光体が入った結晶を周囲にばら撒いた。その瞬間に結晶は割れ、そこから化学式の陣が出現し、そこから液晶ディスプレイのようなものが付いた生命体・・・特異災害と認定された人を殺すための自立兵器が現れた。その名も・・・ノイズ。
「ああ、そんな・・・ノイズ!!?」
目の前に現れたノイズの出現に、マリアもフォルテも驚きを隠せなかった。
「バカな!!?ソロモンの杖も、バビロニアの宝物庫も一兆度の熱量に蒸発したはずではなかったのか!!?」
そう、ノイズは完全聖遺物であるソロモン杖と、ノイズを保管していた空間、バビロニアの宝物庫と共に、暴走した自立型完全聖遺物、ネフィリムの爆発によって全て蒸発したのだ。それなのにもう現れることもない兵器が再び現れたのだ。驚くのも無理はない。2人が驚いている間にも、ノイズは翼に襲い掛かる。翼は向かってくるノイズを刀で次々と斬り倒していく。斬り倒されたノイズは赤い粒子となって消えていく。
(赤い粒子・・・?あんなもの・・・ノイズにはあったか・・・?)
本来ノイズは倒されれば炭となる。だが目の前のノイズは炭ではなく赤い粒子となっている。大きな違いにフォルテは多少の違和感を覚える。
「あなたの剣、大人しく殺されてもらえると助かります」
「そのような叶え出を、未だ私に求めているとは!」
翼は向かってくるノイズを次々と蹴散らし、刀を構え直す。
「防人の剣は可愛くないと、友が語って聞かせてくれた!」
翼は場違いながらそう言って笑みを浮かべる。以前そう発言したマリア本人は翼に言われ、赤面する。
「こ、こんなところで言うことか・・・⁉」
「風鳴、油断するな!」
フォルテは翼に注意するように言い放った。もちろん言われなくてもわかっている翼は刀でノイズを蹴散らし、そのまま逆立ちをして脚部のブレードを展開し、回転しながらノイズを切り裂いていく。
【逆羅刹】
翼は逆立ちから元の態勢に戻し、刀でノイズを倒していく。そこに武者のようなノイズが翼に向けてトゲのようなものを突きつけようとする。そのトゲには妙に白く発光している。翼はそのトゲを刀で貫こうとし、突き刺そうとする。刀とトゲが衝突した時、女性は不敵に笑った。
~♪~
同時刻、日和とクリスの目の前にノイズが出現していた。爆発した中心点から現れた様子である。
『クリスちゃん!!』
「わかってるって。こっちも旧友と鉢合わせ中だ」
目の前に現れたノイズにクリスはボウガンを、日和は棍を構えている。
「またノイズが現れたなら、やることは1つ、だよね!!」
日和とクリスはお互いに顔を見合わせ、首を縦に頷く。いつもの要領で、日和は接近戦で、クリスは遠距離攻撃でノイズを対処する。日和は棍を振るって打撃を与えていきながらノイズを蹴散らしていく。クリスもボウガンをガトリング砲に変形させ、ノイズに向けて乱射して、次々と撃墜していく。
「どんだけいようが今更ノイズ!!負けるかよ!!」
クリスがノイズを次々倒していくと、他のノイズはクリスに向けて発光器官を振るってきた。クリスはアームドギアでノイズの発光器官の攻撃を防いだ。そして・・・次の瞬間・・・
ギュイィィィン・・・
何と、クリスのアームドギアが分解を始めたではないか。
「なんだと・・・!!?」
「クリスのアームドギアが・・・!!?」
目の前の現象に日和とクリスは驚きを隠せないでいる。
そして、ロンドンにいる翼のアームドギアにも、同じ現象が起きている。ノイズの発光器官に触れた翼の刀は分解を始めていく。
「剣が・・・!!?」
翼が驚いている間にも、ノイズの発光器官は刀を分解し、彼女のギアの心臓部、コンバーターユニットを傷つけた。すると、コンバーターユニットにひびが入り・・・翼のシンフォギアが分解されていく。
「風鳴のシンフォギアが・・・分解されていく・・・!!?」
それは、同じくクリスも同じだった。ノイズの攻撃がコンバーターユニットが直撃し、クリスのシンフォギアが分解されていく。
「まさか・・・ノイズじゃ・・・ない・・・!!?」
今までのノイズはシンフォギアを分解することはなかった。それが目の前で起きて日和は目の前のノイズがノイズじゃないと勘づき、驚愕する。
「無知ってのは怖いねぇ。それで負けちまうんだからなぁ」
「ノイズだと、括った高がそうさせる・・・」
ノイズを放った本人であるレイアと、高みの見物をしているシャルはポーズを決めながら笑みを浮かべている。
「敗北で済まされるなんて、思わないことね」
翼のシンフォギアが分解されていく姿を見てフラメンコの女性も笑みを浮かべている。
~♪~
響を倒したキャロルはどこかに存在する拠点の玉座に座っている。
「アルカ・ノイズ・・・」
アルカ・ノイズ。それが、クリスたちの目の前に現れた、錬金術師が放つノイズの名前のようだ。
「何するものぞ!!シンフォギアアアアアアア!!!」
キャロルの叫びが部屋中に響き渡る。部屋の中央には6つの台座があり、そのうちの1つにツインロールの赤い髪の少女が曲芸師のようなポーズで止まっていた。
XD-エクスドライブアンリミテッド-
東雲日和ボイス
ハロウィン1
お化けの仮想くらい怖くないから私でも参加できる!というわけで・・・トリックオアトリート!お菓子くれないと・・・食べちゃうぞー!
ハロウィン2
1つ忠告ね。いたずらするにしても、海恋にはあまりやりすぎちゃダメだよ?じゃないと・・・あわわ・・・思い出すだけで怖い!!
フォルテ・トワイライトボイス
ハロウィン1
お菓子を渡さなければいたずらされる?ハロウィンとはずいぶんと殺伐とした行事なのだな。・・・ん?想像してるのとは違うだって?
ハロウィン2
セレナが僕にお菓子をせがんできたのだが・・・今日はハロウィンだったか。そんな事せずともいつでもお菓子をあげるのだが・・・ん?それでは意味がない?なぜだ?