戦姫絶唱シンフォギア 大地を照らす斉天の歌   作:先導

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本日は未来ちゃんの誕生日です!というわけで、お昼に投稿しました。


装者たちの黄昏

フラメンコの女性が放った錬金術師のノイズ、アルカ・ノイズ。その中の武者型アルカ・ノイズの発光器官が翼のギアコンバーターユニットを傷つけた瞬間、翼のシンフォギアは徐々に分解されていった。だが翼はギアが完全に分解される前に、刀を取り出し、武者型ノイズを斬り裂く。それと同時に、翼のシンフォギアが完全に分解される。

 

「翼!!」

 

「風鳴!!」

 

マリアとフォルテは倒れてしまった翼に駆け寄る。アルカ・ノイズはまだ相当な数がいる。

 

「システムの破壊を確認。あなたもそろそろ歌を歌ってくれると助かります」

 

女性が不敵な笑みを浮かべながらフラメンコダンスのステップを踏む。それを見たフォルテはマリアと翼を守るように前に立ち、自分の上着を脱ぎ、一糸纏わぬ姿となって気を失った翼にその上着を羽織らせる。

 

「マリア、風鳴を頼む」

 

「フォルテ・・・」

 

「・・・いいだろう。お望み通り、ギアを纏ってやる」

 

そう言ってフォルテは自分の黒服のネクタイを緩め、首の包帯を外して自身のギアネックレスを取り出す。そして、詠唱を唄う。

 

Ragnarok Dear Mistilteinn tron……

 

詠唱を唄い終えると、フォルテの黒服は分解し、濃い灰色を基調とし、黒い配色が白く変化したシンフォギアを身に纏った。シンフォギアを身に纏ったフォルテは大剣を手に持ち、構える。アルカ・ノイズはフォルテに襲い掛かってくる。フォルテは大剣を構えつつ、アルカ・ノイズについている発光器官に目をつける。

 

(あれに触れた瞬間、風鳴のアームドギアは分解された・・・奴らに注意すべきは・・・あの発光器官!!)

 

アルカ・ノイズは発光器官を伸ばしてフォルテに攻撃を仕掛けた。フォルテは攻撃を高く飛んで回避する。着地と同時にアルカ・ノイズの群体に向かって大剣を振るい、アルカ・ノイズの群体を斬り裂いて消滅させる。武者型アルカ・ノイズがフォルテに向かって発光器官を突き刺そうとする。フォルテはその攻撃を身体を捻らせることでうまくかわし、大剣を双剣に変形して武者型アルカ・ノイズを斬り裂く。

 

バチチ・・・!

 

「ぐっ・・・!」

 

だがフォルテはシンフォギアの適合係数が低い。LiNKERを打たないままにシンフォギアを纏っているので、その反動でバックファイアを引き起こしている。

 

「フォルテ!」

 

「この程度・・・なんてことは・・・ない!」

 

フォルテは身体中に走る激痛に耐えつつも、高く飛び、双剣を大剣に戻し、さらにチェーンソーへと変形する。フォルテはチェーンソーの刃を回転させ、赤黒い斬撃波を連続で放った。

 

【Belphegor Of Sloth】

 

フォルテの放った赤黒い斬撃波はアルカ・ノイズではなく、高速道路に次々と直撃し、破壊する。破壊されたことと赤黒い斬撃波の衝撃でその場に土煙が発せられる。女性はステップを踏みつつ、剣を振るって暴風を引き起こし、土煙を払う。土煙が完全に晴れると、その場にマリア、翼、フォルテの姿はもうなかった。

 

「・・・最後まで歌ってくれないなんて・・・つまらない人・・・」

 

女性はフォルテが翼たちを連れて逃げたと理解し、つまらなさそうな表情をして、独り言のように誰かと話をする。

 

「・・・標的1人が逃亡しました。指示をください、マスター」

 

女性がそう言うと、キャロルの声が聞こえてくる。

 

『・・・まぁいいだろう。あのギアは次の計画の際に破壊するとしよう。ファラ、お前に帰投を命ずる』

 

「わかりました。ではその様に」

 

フラメンコの女性、ファラ・スユーフは液体の入ったアンプル、テレポートジェムを取り出し、地面に落とした。現れた転送の陣により、ファラは一瞬で姿を消した。召喚されたアルカ・ノイズは陣の中へと消えていく。一方フォルテは高速道路のすぐ真下の海の上でマリアと気を失った翼を抱えて、大剣をサーフボードのように扱って戦線を離脱していた。

 

「マリア、この態勢はきついだろうが、辛抱してくれ」

 

「それはいいのだけれど・・・あなたの負担が・・・」

 

フォルテはマリアを気遣っているが、マリアはそれよりもフォルテのバックファイアのダメージの方がよっぽど気にしている。

 

「僕のことより、自分と風鳴の心配をしていろ」

 

今もバックファイアのダメージを負っているフォルテだが、それよりもマリアと翼を優先している。そんな中、マリアはファラが言った言葉、敗北で済まされないの言葉が気にかかっている。

 

「ねぇ、フォルテ。あいつの言った、敗北で済まされないって・・・どういう意味かしら・・・?」

 

「わからない・・・情報量が少なすぎる・・・。だが今はとにかく、陸地に到着しなければな」

 

敵の目的などを含め、いろいろと考えるが、フォルテはひとまず先に陸地を目指して移動するのであった。

 

~♪~

 

同時刻、アルカ・ノイズの発光器官がギアコンバーターユニットに直撃したことにより、クリスのシンフォギアも分解されてしまった。

 

「クリス!!」

 

「クリスさん!!」

 

シンフォギアが完全に分解され、気を失って倒れるクリスにエルフナインが駆け寄る。驚いている日和にアルカ・ノイズが発光気管を振るってきた。日和は飛んで、間一髪で躱す。

 

「エルフナインちゃん!あれは一体どういうことなの!!?どうしてシンフォギアが・・・」

 

「世界の解剖のために作られたアルカ・ノイズは、兵器と使えば・・・」

 

「シンフォギアに備わる各種防御フィールドを突破することなど、容易い」

 

街灯の上にポーズを決めて立っていたレイアは降りてきた。シャルは未だに高みの見物をしている。

 

「次なる仕上げに次なるキャストを」

 

「まぁそういうわけなんで。ガールズには何の恨みもないが、ユーも大人しくやられてくれないかい?」

 

見物はしているものの、シャルはいつでも攻撃できるように拳銃を構えている。複数体のアルカ・ノイズに加え、2人の強大な敵・・・さらに保護対象のエルフナインと気を失ったクリスを守りながら戦わなければいけない状況下。絶対的な窮地に陥った時・・・

 

「させないデスよ!!」

 

「あん?」

 

上の方から突如として声が聞こえてきた。全員が上を見上げてみると、切歌が立っており、マントのように羽織っていた旗を脱ぎ捨てた。

 

Zeios Igalima Raizen tron……

 

切歌は詠唱を唄い、緑のシンフォギア、イガリマを身に纏った。切歌は鎌を構え、3つの刃を展開し、アルカ・ノイズに目掛けて放った。

 

【切・呪りeッTぉ】

 

放たれた3つの刃はアルカ・ノイズを次々と斬り裂いていく。しかし、LiNKERを投与していないため、バックファイアによる激痛が切歌を襲う。

 

「切ちゃん!!?なんでここに!!?」

 

日和が驚いている間にも自分の元にアルカ・ノイズが迫ってきた。日和は棍をヌンチャクに変形させ、炎を纏わせて、舞いながらアルカ・ノイズにヌンチャクを振るう。

 

【気炎万丈】

 

炎を纏ったヌンチャクの打撃、舞うように踊る炎に包まれ、アルカ・ノイズは次々消滅していく。切歌は自分も回転しながら鎌を振るってアルカ・ノイズの群れを殲滅する。

 

【災輪・TぃN渦ぁBェル】

 

切歌の回転する勢いはブースターで強まり、さらに多くのアルカ・ノイズを斬り倒していく。

 

「派手にやってくれる」

 

「仲間の危機にってかい?いいねぇ・・・なかなかクールじゃないの!」

 

ずっと見ているのも飽きたのか、それともこの光景に触発されたのかわからないが、シャルは拳銃を構え、切歌に向かって弾丸を発砲する。発砲音を聞き取った切歌は向かってきた弾丸をジャンプで躱す。それを見た日和は棍を構え、ブースターを起動させて、シャルに向かって弾丸のようなスピードで突進をする。

 

【電光石火】

 

日和の素早い突進は見事にシャルに直撃する。ただ・・・シャルならばその気になれば躱すこともできる。さらに言えばこの攻撃も効いていない。わざと攻撃を喰らった理由・・・それは日和に感づかれることなく、アルカ・ノイズの結晶をエルフナインとクリスの近くに放つためだ。シャルから放たれた結晶より、アルカ・ノイズが出現する。

 

「!しまった!!」

 

日和が気づいた時にはすでに遅し。召喚されたアルカ・ノイズはエルフナインたちに襲い掛かろうとしている。エルフナインはクリスを守ろうと前に出るが、背後にもアルカ・ノイズがいる。それに気づかなかったエルフナインは慌てて振り返る。すると、群れてきたアルカ・ノイズは突如降ってきた無数の丸鋸によって切り刻まれる。この丸鋸は、ピンク色のシンフォギア、シュルシャガナを身に纏う調が放ったものだ。助けに駆けつけた調はツインテール部位のアームを展開し、複数の丸鋸をアルカ・ノイズに向けて放つ。

 

【α式・百輪廻】

 

放たれた複数の丸鋸はアルカ・ノイズを切り刻んでいく。

 

「しぃちゃんまで・・・」

 

調も助けに入ってくれたおかげで助かったが、切歌と同じような無茶に日和は少し呆れている。

 

「女神・・・ザババ・・・」

 

助けが来たことにより、エルフナインは緊張の糸が切れ、気を失う。倒れかけたところに調が彼女を支え、彼女を抱えて撤退を開始する。

 

「派手な立ち回りは陽動・・・?」

 

「ちぃ・・・!」

 

撤退を開始した調をシャルが逃がさないと言わんばかりに拳銃を向けた。それを見逃さない日和はシャルに棍を振るって攻撃する。シャルはその攻撃を飛んで躱した。その間にも切歌は脱ぎ捨てた旗を回収して、気を失っているクリスの身体を包んで抱きかかえて撤退する。

 

「陽動もまた陽動・・・」

 

調は丸鋸を車輪のように展開して道路を疾走する。疾走する調の前にアルカ・ノイズが立ちふさがるが、調が展開する丸鋸に切り刻まれ、アルカ・ノイズは消滅する。しかし・・・

 

ビリ!ビリリ・・・!

 

「くっ・・・!」

 

調もまたLiNKERを投与していないため、バックファイアによる激痛が走り、展開していた丸鋸の車輪が解除される。

 

(やっぱり、私達の適合係数では、ギアをうまく扱えない・・・!)

 

「調!!」

 

「2人とも!私が足止めするから、2人はそのまま撤退を!」

 

「「了解(デス)・・・!」」

 

日和の言葉を聞いて調と切歌はそのまま撤退。守るべき対象が戦線から離れたのを確認した日和は左手首にもう1本の棍を取り出し、左右の棍棒を一直線に伸ばす。

 

【一点突破・二刀流】

 

一直線に伸びる2つの棍はアルカ・ノイズを何体も貫く。そして、日和はそのまま回転をし、全てのアルカ・ノイズに棍の打撃を与える。レイアとシャルは回転する棍に巻き込まれぬように飛んで躱した。全てのアルカ・ノイズを片付けた日和は棍を元の長さに戻して地に突き刺してその場を離れる。地に刺さった棍は日和が離れたと同時に、爆発する。大きな爆発で辺りには煙が立ち込める。この爆発は攻撃のためではなく、レイアとシャルの視界から逃れるための目くらましだ。

 

「・・・つれないねぇ・・・」

 

標的に逃げられ、シャルは肩をすくめる。レイアは独り言を呟くように、誰かと通信を行う。

 

「予定にない闖入者。指示をください」

 

その通信の相手は、やはりキャロルだった。

 

『追跡の必要はない。もう十分だ。レイア、シャル、お前たちも帰投しろ』

 

「了解」

 

「ふっ・・・マスターのオーダーなら、仕方ねぇな」

 

キャロルの命令を聞き、シャルはカウガール帽子より、テレポートジェムを取り出し、地面に放り投げる。アンプルは割れ、転送の陣が現れ、レイアとシャルは一瞬で姿を消した。

 

~♪~

 

調と切歌、日和が戦線より撤退した姿は、S.O.N.Gのオペレーターたちも確認している。

 

「調ちゃんと切歌ちゃん、日和ちゃん離脱。クリスちゃんや保護対象の無事も確認しています」

 

「装者との合流と、回収を急ぎます!」

 

オペレーターたちはパネルを操作して、装者たちの回収作業を行っている。

 

「・・・錬金術師キャロルと同じ顔を持つ少女・・・」

 

弦十郎は調が回収したエルフナインを静かに見据えている。S.O.N.Gが抱える疑問がさらに深くなっていくのだった。

 

~♪~

 

時刻は月が沈み、太陽が昇り始めた朝日。湾岸沿いの道を走る調と切歌の後に日和が走ってきている。シンフォギアのバックファイアの痛みが走り、調は立ち止まり、切歌と日和が駆け寄る。

 

「2人とも、大丈夫だった?LiNKERもないのに、無茶しちゃって・・・」

 

「LiNKERがなくたって、あんな奴に負けるもんかデス!」

 

切歌は怒りと悔しさを込めて八つ当たりをするかのように声を上げた。

 

「切ちゃん・・・」

 

そんな切歌を調がなだめようと声をかける。

 

「わかってるデス・・・」

 

「そうだよね・・・悔しいよね・・・私も同じだよ・・・」

 

切歌は申し訳なく思い、顔が項垂れる。切歌の悔しさをよく理解している日和は気を失っているクリスに目を向ける。日和自身も、大切な友がこんな目にあってしまって、悔しいからだ。

 

「・・・私たち、どこまで行けばいいのかな・・・」

 

「行けるとこまで・・・デス」

 

「でもそれじゃ、あの頃と変わらないよ?」

 

調と切歌が思い出すのは様々だ。F.I.Sの研究施設に連れてこられ、苦しい日々を送った自分自身、今は亡きナスターシャからフロンティア計画を知らされた時のこと、そしてフロンティア事変での戦いの出来事、その全てを思い返す。

 

「身寄りのない私たちが連れてこられた、壁も天井も、真っ白な世界」

 

「そこで出会ったシンフォギアは昨日までの嫌なこと、全部ぶっ飛ばしてくれる、特別な力だと思っていたデスよ」

 

「聖遺物が引き起こした災厄から人類を守るには、聖遺物の力で対抗するしかない・・・」

 

「そう考えるマムを、手伝いたいと思ったわけデスが・・・」

 

「状況に流されるままに、力を振るっても、何も変えられない現実だけを思い知らされた・・・」

 

調と切歌が抱える悩みは2人にしかわからない。それをよく理解している日和は口出しせずに、今は2人の話を聞いている。

 

「マムやマリア、フォルテのやりたいことじゃない。あたしたちが、あたしたちのやるべきことを見つけられなかったから、あんな風になってしまったデス」

 

「目的もなく、行ける所まで行った所に、望んだゴールがある保障なんてない・・・。がむしゃらなだけでは、ダメなんだ・・・」

 

調と切歌の話を聞いて、日和は心の中で思った。この2人は、昔の自分とよく似ていると。だからこそ日和は、2人に経験者として・・・先輩として・・・2人に自分と同じようにならないように話す。

 

「がむしゃらじゃダメ・・・確かにその通りだよ。それだけじゃ何も変えられない・・・私も、2年前に思い知らされたから、よくわかるよ」

 

「ひよりん先輩も・・・デスか・・・?」

 

「うん。あの日の出来事は・・・今も胸に刻まれてるよ・・・」

 

日和の脳裏に浮かび上がってくるのは、2年前の忌まわしき記憶・・・幼馴染の伊南小豆がノイズに殺され、同じく最愛の友の北御門玲奈の死だ。さらに浮かび上がるのはその後・・・小豆の両親から人殺しと蔑まれた日・・・母が蒸発して家を出ていった日・・・そして・・・父が何人もの医者を巻き込み、自殺してしまった日だ。

 

「しぃちゃんの言うとおり、望んだ結果にならないかもしれない。過去を変えることだってもうできない。だけど・・・未来なら変えられる。より良い未来にするためにも何をすればいいのか、もっとよく考えないといけなんだ」

 

「日和先輩・・・」

 

「私は2人に私みたいになってほしくない。考えて、考えて、考え抜いて・・・自分が何をすればいいのか・・・何が正しいのか・・・その答えを掴みとってほしいんだ。もちろん、私もその手助けはするからさ」

 

日和は自身の心境を話し終えたと同時に、気を失っていたクリスが目を覚ました。

 

「!クリス!」

 

「よかった・・・」

 

「大丈夫デスか⁉」

 

「大丈夫なものかよ!!」

 

クリスは怒りの声を上げた。クリスの怒りを察し、3人は顔を見合わせる。

 

(相棒に負担をかけさせて・・・守らなきゃいけない後輩に守られて・・・大丈夫なわけないだろ・・・!!)

 

クリスの心には、怒りと悔しさが渦巻いていた。

 

~♪~

 

シンフォギアを分解された翼は一糸纏わぬ姿となっていたが、フォルテの上着とマリアの衣装の一部を借りて応急的に隠している。地上に到達した後は、S.O.N.Gに報告している。翼の手元にあるギアネックレスの結晶は、ボロボロになっていた。

 

「完全敗北・・・いえ、状況はもっと悪いかもしれません。ギアの解除に伴って、身に着けていた衣服が元に戻っていないのは、コンバーターの損壊による機能不全であると見て間違いないでしょう」

 

「まさか、翼のシンフォギアは・・・」

 

「絶刀・天羽々斬が手折られたということだ・・・」

 

「それが・・・敗北では済まされないの意味・・・か・・・」

 

ファラの言っていた言葉の意味がここで理解し、フォルテは思案顔になる。翼のシンフォギアは確かに手折られた。しかし、翼の中の剣は、まだ折れたわけではないのは、顔を見ればわかる。しかし、状況が悪いのは変わらない。

 

~♪~

 

S.O.N.G内では翼の報告を聞いて、意気消沈している。

 

「クリスちゃんのイチイバルと、翼さんの天羽々斬が破損・・・」

 

「了子さんがいない中、一体どうすればいいんだ・・・」

 

シンフォギアを作り上げたデータ、櫻井理論はもちろん残っている。しかし、破損してしまったシンフォギアを直す技術者がいないというのが現状だ。つまり、現段階でシンフォギアを直す術はなく、戦力は響と日和だけということになる。

 

「響君の回収はどうなっている?」

 

弦十郎が響の回収について訪ねると、ちょうどいいタイミングで響の通信が入った。

 

『もう平気です。ごめんなさい・・・私がキャロルちゃんときちんと話ができていれば・・・』

 

「話を・・・だと・・・?」

 

響の言葉を聞いて、弦十郎は面を喰らった表情になった。

 

~♪~

 

一方その頃、ロンドンにいるマリアたちは黒い車が彼女たちの周りに配備し、黒服たちはマリアとフォルテに向けて拳銃を向ける。規定を越えた行動をとったマリアとフォルテを捕らえるためだ。

 

「状況報告は聞いている。だが、マリア・カデンツァヴナ・イヴ、フォルテ・トワイライト・・・君たちの行動制限は解除されていない」

 

黒服たちに拳銃を突きつけられても、マリアとフォルテは至って冷静だ。マリアとフォルテはお互いに顔を合わせる。2人は首を縦に頷き、マリアは翼の耳から通信機を外し、弦十郎と話す。

 

「風鳴司令。私とフォルテは、S.O.N.Gの転属を希望します」

 

「マリア・・・」

 

「ギアを持たない私ですが、この状況に、偶像のままではいられません」

 

そう言ったマリアは月を見上げた。




未来の誕生日

響「未来ー!誕生日おめでとー!」

未来「ありがとう、響」

日和「未来ちゃんおめでとー!お姉ちゃんに頼んでおいしいケーキを買ったから、みんなで食べよう!」

未来「日和さんもありがとうございます」

海恋「小日向さん、誕生日おめでとう。はい、私からの誕生日プレゼントよ」

未来「あ・・・ありがとうございます、海恋さん!」

海恋「えーっと・・・一応・・・かわいがってあげて・・・?」

未来「もちろんです!」

日和「ねぇねぇ海恋、未来ちゃんに何をプレゼントしたの?」

海恋「・・・立花さんのぬいぐるみ・・・」

日和「え?響ちゃんの?本人いるのに?」

海恋「私、一応裁縫でぬいぐるみを作れるって話をした時に・・・食い気味にね・・・。そしたらいつの間にか誕生日プレゼントってことになっちゃって・・・」

日和「えぇ・・・重い・・・愛がものすごく重いよ・・・」

フォルテ「愛の形は様々ということだ、東雲」

日和「フォルテさん!!?あれ!!?いない!!?」

海恋「何言ってるのよ?フォルテさんは今ロンドンにいるはずでしょ?」

日和「ええ!!?やだ!!怖い!!怖いよ!!」

響「未来ー、海恋さんから何もらったの?」

未来「うーん・・・秘密♡」
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