任務がない装者たちは普段通りの学生生活を送るのだが・・・昨夜の戦いの結果がちらついているのが一目でわかるほどに明らかだ。切歌と調はLiNKERを打たないままシンフォギアを纏ったので、大事を取って検査入院。調理実習を行っている響もどこか上の空の状態、そしてクリスも、昨夜の戦いを引きずっており、ボーッとしている。水泳の授業でもボーっとしているクリスを遠くから日和と海恋が見ていた。
「・・・今日はずっとボーッとしてるわね。昨日の出動で何かあったわけ?」
「んー・・・まぁ・・・ちょっと・・・ね」
日和も昨夜の戦いを気にしているため、海恋の問いかけにかなり歯切れの悪い回答をする。その回答に海恋はムッとした表情になる。
「ちょっと、真面目に答えなさいよ。あれでちょっとなわけないじゃない。月読さんや暁さんだって検査入院してるんでしょ?」
「うん。今クリスが悩んでるのはまさにそれ・・・」
「まぁ・・・確かにクリスは入学当初から2人をかわいがってたけど・・・」
「特にクリスって結構こだわりが強いっていうかさ・・・とにかく2人のことで相当堪えたものがあったわけなの」
「それであんたはそっとしてるってわけ?」
「うん」
日和自身も何とかクリスを元気づけてあげたいとは思ってるが、口で言っても余計に悩みを抱え込むのはわかっている。ゆえに日和は今は時間が必要だと考え、今はそっとすることにしたのだ。
「・・・ていうか、あんたも他人事じゃないからね」
「えぇ・・・私?」
まさか自分までも指摘してくるとは思わず、少し驚く日和。
「当たり前でしょ?あんた今まで何回私に隠し事してきたと思ってんの?」
「うっ・・・あはは・・・」
海恋に痛いところを突かれて苦笑いを浮かべる日和。
「はぁ・・・ただでさえあんたは1人で悩み事を抱えたりするんだから・・・」
「うぅ・・・ごめん・・・」
「まぁ私も深く追及したりしないけど・・・あんたはもうちょっと悩みを共有しあうってことを覚えなさいよ。じゃないと、いつか痛い目を見ることになるわよ」
「うん。心配してくれてありがとう。肝に銘じておくよ」
親友として常に気にかけてくれる海恋に日和は彼女に感謝を告げた。少し気分が晴れた日和は軽めの準備運動をして、プールに飛び込んだ。
「よいしょっと!」
バシャーーン!!
「ちょっと!プールには飛び込まない!!危ないでしょ!!」
勢いよくプールに飛び込んだ日和に海恋は注意する。
「海恋も早く入りなよー!自由時間のプールは気持ちいいよー!」
「私はいいわよ・・・泳げないし・・・」
「大丈夫だって!ほら!」
「きゃっ!!?」
バシャーーン!!
日和はプールに入るのを渋っている海恋の手を引いて、彼女をプールに入れた。無論この後日和は海恋にめちゃくちゃ怒られた。
~♪~
LiNKERを打たずにシンフォギアを纏ったフォルテのメディカルチェックも兼ねて、翼とマリア、フォルテは日本へ帰国するために専用のジェット機に乗っている。シンフォギアを破壊されただけでなく、襲撃者のファラが自分より強いという事実に、翼の表情はどこか暗く、険しい。そんな翼が思い出すのは、自身を海外進出にスカウトした男、トニー・グレイザーとの会話である。
『日本に戻ると?』
『世界を舞台に歌うことは、私の夢でした。ですが・・・』
『それが君の意思なら尊重したい。だが、いつかもう1度自分の夢を追いかけると、約束してもらえないだろうか?』
『それは・・・』
あの時、グレイザーの言葉に翼は返答を濁した。この先の戦い、どうなるかわからない。最悪の場合、命を落とすかもしれないからだ。その時のことを思い返している翼をマリアとフォルテが見つめている。そこに、ジェット機のアナウンスが鳴る。
『まもなく、着陸態勢に入ります。シートベルトの着用をお願いします』
ジェット機が空港に到着した。荷物を緒川とフォルテに預け、翼たちは暗い表情のまま、ジェット機を降りて空港の廊下を歩く。
「翼さーん!マリアさーん!フォルテさーん!」
そんな彼女たちを出迎えたのは、響たち装者一同であった。元気そうにぶんぶんと手を振る響を見て、翼の強張った表情も、自然と頬がほころんだ。
~♪~
装者が全員集まり、一同はS.O.N.Gの潜水艦に集まり、ミーティングが始まる。
「シンフォギア装者勢ぞろい・・・とは言い難いかもしれないな・・・」
モニターに破壊された翼とクリスのギアの破損状態の詳細が表示される。
「これは・・・?」
「新型ノイズに破壊された天羽々斬とイチイバルです。コアとなる聖遺物の欠片は無事なのですが・・・」
「エネルギーをプロテクターとして固着させる機能が、損なわれている状態です」
「セレナのギアと同じ・・・」
マリアは今は亡き妹・・・セレナ・カデンツァヴナ・イヴが持っていたシンフォギア、アガートラームの半壊したギアネックレスを取り出し、見つめる。
「もちろん直るんだよな?」
クリスはギアは直るかどうかについて訪ねるが、オペレーターたちはそれはできないと指摘する。
「櫻井理論が世界に開示されたことで、各国の異端技術研究所は飛躍に進行しているわ」
「それでも・・・了子さんでなければ、シンフォギアシステムの修復は望めない・・・」
いかに櫻井理論が世界に開示され、異端技術の研究が進歩したとしても、ギアを修復できる研究者がいないのであれば、話にならない。
「現状動ける装者は、日和君と響君だけ・・・」
「私と日和さんだけ・・・」
確かに何の負担もなく活動できる装者は現時点では日和と響だけだ。しかし、そこに切歌と調が反論する。
「そんなことないデスよ!」
「私たちだって・・・」
「ダメだ!」
調と切歌の反論に弦十郎が叱咤する。
「どうしてデスか!!?」
「LiNKERで適合値の不足値を補わないシンフォギアの運用が、どれほど体の負荷になっているのか・・・」
「君たちに合わせて調整したLiNKERがない以上、無理を強いることはできないよ・・・」
事実、LiNKERを纏わずに戦った調と切歌の状態、さらに戦闘データを見てみれば、どれだけ負担がかかってるかなど、一目見ればわかる。
「どこまでも私たちは、役に立たないお子様なのね・・・」
「メディカルチェックの結果が思った以上によくないのは知っているデスよ・・・それでも・・・!」
悔しさを募らせる切歌と調にフォルテが口を開いた。
「月読、暁、今は耐え忍ぶ時だ」
「フォルテは悔しくないんデスか⁉」
「わがままを言ったところでどうしようもない。それに、戦えないのは風鳴と雪音も同じだ。しかし、落ち着いている」
フォルテの言うとおり、翼とクリスも戦えない悔しさはあるだろうが、焦った様子はない。
「こんなことで仲間を失うのは、二度とごめんだからな」
「その気持ちだけで十分だ」
翼とクリスも、2人に向けてフォローを入れた。現時点で戦えるのは日和と響のみ・・・悪い状況は未だ続いている。
~♪~
キャロルの居城の玉座。この部屋の中央の台座にファラとレイア、シャルが鎮座している。リリィはまだ戻ってきていない。唯一台座から離れているガリィはまだ起動していないオートスコアラー、ミカ・ジャウカーンの起動を試みる。
「いきまぁ~す」
ガリィはミカに口づけをし、オートスコアラーのエネルギー源である思い出を譲渡している。思い出はオートスコアラーを起動する際に必要不可欠なエネルギー。しかしミカには自ら思い出を摂取することができない。ゆえに思い出を分配できるというガリィの特性を生かし、ミカに思い出を蓄えているのだ。動くのに十分な思い出を蓄えたミカは動き出した。起動に成功したのだ。
「・・・あうぅ~・・・」
しかしミカはブリキ人形のようにぎこちない動きで、その場にへたり込んでしまう。
「最大戦力となるミカを動かすだけの思い出を集めるのは、存外時間がかかったようだな」
「嫌ですよぉ〜これでも頑張ったんですよぉ?リリィちゃんのおかげでスムーズに進んだとはいえ~、なるべく目立たずに〜事を進めるのは大変だったんですからぁ~」
隠密行動が得意なリリィの情報を頼りに人目につかない夜道でならず者の思い出を確実に摂取したようだが、ミカを十分に動かすほどの思い出はなかったようだ。
「まぁ問題なかろう。これで、オートスコアラーは全機起動。計画を次の階梯に進めることができる・・・」
「ふぁぁぁ・・・ぁぁぁぁ・・・」
思い出が不十分で腕を満足に上げることができないミカは気の抜けた声を上げている。
「どうした、ミカ」
「お腹が空いて動けないゾ・・・」
ミカの言葉と同時に、空席だった玉座にテレポートジェムを通して、リリィが帰還してきた。帰還したリリィはすぐにキャロルに報告する。
「ただいま戻りました、マスター。ご報告いたします。エルフナイン様が彼らに保護された模様です」
「把握している」
「はっ。失礼いたしました。もう1つは、思い出の狩場に最適な場所を見つけました。ミカ様の足りない思い出の補充ができる絶好の場でございます」
「ご苦労だった」
「ああ・・・そのようなもったいなきお言葉・・・。感謝いたします、我が創造主・・・」
キャロルから労いの言葉をもらったリリィは彼女に祈りを捧げるようなポーズを取り、感謝を述べている。キャロルはすぐにガリィに視線を向ける。
「ガリィ」
「はいはい、ガリィのお仕事ですよね~」
ガリィはキャロルの与える任務を言う前からよく理解している様子だ。
「ついでにもう一仕事、こなしてくるといい。シャル、お前も行け」
「ふっ・・・オーケーだ、マスター。今度は逃がさねぇ」
キャロルの指示を受けて、シャルも出撃するようだ。シャルの目の奥には、激しい稲光が宿っているように見える。
~♪~
S.O.N.Gの潜水艦の一室、弦十郎と装者たちは保護したエルフナインからキャロルに関する情報を聞いている。
「ボクはキャロルに命じられるまま巨大装置の一部の建造に携わっていました。ある時、アクセスしたデータベースよりこの装置が世界をバラバラに解剖するものだと知ってしまい、目論見を阻止するために逃げ出してきたのです」
「世界をバラバラにたぁ、穏やかじゃないな」
「それを可能としているのが錬金術です。ノイズのレシピを元に作られたアルカ・ノイズを見ればわかるように、シンフォギアを始めとする万物を分解する力は既にあり、その力を世界規模に拡大するのが建造途中の巨大装置・・・チフォージュ・シャトーになります」
エルフナインの言う巨大装置・・・チフォージュ・シャトー。おそらくそれがキャロルの居城となるものの名であり、世界を分解するための要となるのだろう。
「ふむ・・・装置の建造に携わっていた、ということは・・・君もまた、錬金術師なのか?」
フォルテの問いかけにエルフナインは答える。
「はい。ですが、キャロルのように全ての知識や能力を統括しているのではなく、限定した目的のために造られたにすぎません・・・」
「造られた・・・?」
「装置の建造に必要な、最低限の錬金知識をインストールされただけなのです」
エルフナインは次々と説明していくが、知識をインストールなどと人間ではありえないことばかり出てくる。
「インストールと言ったわね?」
「必要な情報を、知識として脳に転送・複写することです。残念ながら、ボクにインストールされた知識に計画の詳細はありません・・・。ですが・・・世界解剖の装置、チフォージュ・シャトーが完成間近だということはわかります!お願いです!力を貸して下さい!そのためにボクは、ドヴェルグ=ダインの遺産を持ってここまで来たのです!」
「ドヴェルグ=ダインの遺産・・・?」
エルフナインはキャロルの野望を阻止してほしいと頼み込みながら、持ってきた箱の蓋を開けて、中に入っていたものを取り出す。
「アルカ・ノイズに・・・錬金術師キャロルの力に対抗しうる聖遺物。魔剣・ダインスレイフの欠片です」
エルフナインが取り出したものは、聖遺物、魔剣・ダインスレイフの刃の欠片であった。欠片にはルーン文字が刻まれている。
~♪~
聴取の後、装者たちはブリッジに戻り、友里と藤尭からエルフナインの検査結果の報告を聞く。モニターにはエルフナインの検査結果が出ているのだが、その結果は人間では本来ではありえないものだ。
「エルフナインちゃんの検査結果です」
「念のために彼女の・・・えぇ・・・彼女のメディカルチェックを行ったところ・・・」
「身体面や健康に異常はなく、またインプラントや高催眠といった怪しいところは見られなかったのですが・・・」
どことなく藤尭と友里の口調は歯切れが悪かった。その原因は、エルフナインのありえない検査結果が物語っている。
「ですが?」
「彼女・・・エルフナインちゃんには性別がなく、本人曰く、自分はただのホムンクルスであり、決して怪しくはないと・・・」
「「「「「「「「怪しすぎる(な)(デース)・・・」」」」」」」」
怪しくないと言われても、エルフナインの情報は怪しすぎるため、装者たちは思わずそう呟いた。
~♪~
エルフナインの検査結果を聞き終えた後、日和たちは翼たち3人が見たというアルカ・ノイズの詳細な姿を翼の絵で確認するのだが・・・
「こいつが・・・ロンドンで天羽々斬を壊したアルカ・ノイズ?」
「ああ。我ながらうまく描けたと思う」
翼の描いた絵とは子供が描くような侍で、現物でフォルテたちが見たアルカ・ノイズの姿とはかなりかけ離れすぎている。当の翼は自信満々だ。
「ぷっ・・・ぷふふ・・・wこれは・・・くくく・・・w」
「アバンギャルドがすぎるだろ!!?現代美術の方面でも世界進出するつもりかぁ!!?」
翼の絵を見て日和は笑いを堪えるのに必死でお腹を抱えており、クリスは呆れながらツッコミを入れている。話が脱線しているところを、フォルテとマリアが正す。
「姿、形など、この際重要ではない」
「問題は、アルカ・ノイズを使役する錬金術師と戦えるシンフォギア装者は、たった2人だという事実よ」
「ふぅ・・・確かに、深刻な問題ですね・・・」
話が元に戻ったところでようやく日和は笑いが止まり、真剣みな表情になる。すると、響が暗い表情をして口を開いた。
「戦わずにわかりあうことは・・・できないのでしょうか・・・」
「不可能だ。それは君自身もわかるはずだが?」
響の問いかけにフォルテは表情を変えずに一刀両断するように答える。さらにマリアも口を開く。
「逃げているの?」
「逃げているつもりじゃありません!だけど・・・適合して、ガングニールを自分の力だと実感して以来、この人助けの力で誰かを傷つけることが・・・すごく嫌なんです・・・」
「響ちゃん・・・」
響の思いを聞き、日和は少し悲しい表情になる。
「・・・それが逃げているというのだ」
「そしてそれは・・・力を持つ者の傲慢だ!」
響の主張に、フォルテとマリアは一刀両断する。2人の主張に響は2人から逸らすように、顔を俯かせることしかできなかった。
~♪~
翌日の放課後、全ての授業を終え、日和と海恋は帰路を歩いている。その最中に日和はスマホに撮った翼が描いた絵を海恋に見せた。
「ぷっ・・・ふふ・・・ちょっと・・・それは・・・あまりにも・・・w」
「ぷっ・・・くく・・・でしょ・・・wあ、やばい・・・我慢でき・・・あはははは!!」
翼の絵には海恋も失礼と思いながらも笑ってしまい、日和もまた我慢できずに笑い出してしまう。
「ちょっと・・・w翼さんに・・・失礼でしょ・・・ふふ・・・w」
「あははは!!だって・・・だってさ・・・はは・・・こんなの笑うでしょあはははは!!」
翼の絵1つで日和は大爆笑だ。ちなみに翼はこのことを感じ取ったのか本部内でくしゃみしたのだとか。これ以上笑ってもキリがないため、海恋は話題を変える。
「そ・・・そういえば・・・ふぅ・・・小豆の墓参り、日付はいつにする?」
「はぁ・・・はぁ・・・ひぃ・・・小豆の墓参り?う~ん・・・」
一通り笑い終えた日和は海恋の問いかけに若干困ったような顔になる。その理由は小豆の家族が原因だ。
「近いうちにはしたいとは思ってるんだけど・・・」
「わかってる。小豆の家族でしょ?あの日以降、あの人たちはあなたを恨んでるものね・・・」
2年前、小豆が死んだという知らせを受けた彼女の家族は皆、日和を憎むようになったため、日和はなるべく会わないようにずっと過ごしてきたのだ。
「このままじゃダメだっていうのも・・・わかってるんだけど・・・やっぱり・・・怖いよ・・・」
小豆の両親から受けた罵倒は、今も心の奥深くに刻まれており、日和はそれを思い出し、恐怖で体が震えている。震えている日和に海恋は彼女の両肩を持つ。
「日和。会いたくないなら会わなくたっていいわ。でも、ちゃんと向き合いたい気持ちがあるなら・・・焦る必要はないわ。ゆっくりでいい。時間はいくらでもある。少しずつあの人たちと向き合えるように、頑張っていきましょう。私もついてるから・・・ね?」
「海恋・・・ありがとう」
海恋の心遣いによって日和の震えは止まった。日和は彼女の気遣いに感謝しつつ、笑顔を向ける。その光景を建物の上に立っているシャルが見ていた。
「まずは・・・ガールのお手並み拝見と行こうかな」
シャルはアルカ・ノイズの結晶を拳銃に装填する。そして彼女は日和たちの周りに、アルカ・ノイズの結晶の弾丸を撃ち放った。アルカ・ノイズの結晶の弾丸は日和たちの周りに直撃し、その衝撃で結晶が割れる。それによってアルカ・ノイズが日和たちの前に出現する。
「の・・・ノイズ!!?」
「っ!海恋は下がってて!海恋は私が守る!!」
アルカ・ノイズの出現に海恋は驚愕し、日和は海恋に下がるように言ってギアネックレスを取り出す。
clear skies nyoikinkobou tron……
日和は詠唱を唄い、シンフォギアを身に纏った。そして、右手首のユニットより棍を取り出し、構えながらアルカ・ノイズの発光器官を確認する。
(あの発光してるのが、解剖器官・・・なら!あれに当たらないようにして戦わなくちゃ!)
アルカ・ノイズは日和のギアコンバーターを狙って攻撃を仕掛けるが、日和はこれを躱す。そして日和は棍の両端を伸ばして前後にいるアルカ・ノイズに打撃を与えて倒す。そして日和は棍を棒高跳びのように利用して、前方のアルカ・ノイズの背後に回る。日和は左手首のユニットから棍をもう1つ取りだし、2つの棍を連結させる。そして日和は連結した棍を回して、竜巻を創り出してアルカ・ノイズに放つ。
【疾風怒濤】
竜巻に包まれたアルカ・ノイズは次々と消滅し、全滅する。日和が地に着地した瞬間、足元に弾丸が直撃する音が聞こえた。それを聞いた日和は上を見上げる。
「ヒーハーーー!!!!」
日和が上を見上げた瞬間、シャルは建物から飛び降り、日和に向けて弾丸を撃ち放つ。日和はその弾丸を飛んで躱した。
「あなたは・・・あの時の・・・!」
「そして、ガールズの戦うべき相手だぜ」
シャルは地に着地し、首をブリキ人形のように音を鳴らしながら日和に顔を向ける。そして日和に向けて弾丸を二発撃ち放った。後ろには海恋がいるため、避けるわけにはいかない。ゆえに日和は弾丸を棍で弾いた。その瞬間、シャルはにっと笑う。
「弾丸にヒットしたな?」
意味ありげな言葉を放つシャル。そして、次の瞬間・・・
ビビビ・・・バリバリバリバリ!!!
「あああああああああああああ!!!!!」
「日和!!!!」
日和の持つ棍が突如として凄まじい電気が走り出し、それを通して日和は電気に包まれ、大きなダメージを負う。
「あたいの銃・・・レールガンの弾は電気でできてる。こいつの弾丸にヒットした物体は、木だろうが何だろうが、落雷のように感電する。そこに物質的な防御手段はないってわけさ」
電気のダメージを負った日和は倒れる。日和は身体中に痛みが走りながらも立ち上がろうとする。
「先日は逃がしちまったが・・・今度は逃がさないぜ、ガール」
シャルは日和に右手の拳銃・・・レールガンを向けた。レールガンの銃口には、凄まじい電気が走っている。
~♪~
同時刻、下校途中であった響たちの方でも、危機に直面していた。響たちが下校している時、思い出を吸われ生気を失った人の死体が何人も転がっていたのを見つけた。そんな響たちの前に現れたのはガリィだった。
「聖杯に思い出は満たされて・・・生贄の少女が現れる」
「キャロルちゃんの仲間・・・だよね・・・?」
「そしてあなたの戦うべき敵」
ガリィはブリキ人形のように音を鳴らし、首を響たちに向けた。戦うつもりのガリィの言葉に響は否定する。
「違うよ!私は人助けがしたいんだ!だから・・・戦いたくなんかない!」
「・・・ちっ」
響の言葉を聞いたガリィは舌打ちをし、カラコロとかわいらしい音を鳴らしながら、アルカ・ノイズの結晶をばらまいた。地面との衝突で結晶は割れ、錬金陣よりアルカ・ノイズが出現する。
「あなたみたいなめんどくさいのを戦わせる方法はよぉく知ってるの」
ガリィはいやらしい笑みを浮かべている。
「こいつ、性格悪っ!」
「あたしらの状況もよくないって!」
「このままじゃ・・・!」
「頭の中のお花畑を踏みにじってあげる」
ガリィは指を鳴らして、アルカ・ノイズに指示を出した。指示を受け取ったアルカ・ノイズは響たちに向かって進行を始めた。響はアルカ・ノイズを撃退するためにギアレックレスを取り出し、シンフォギアを纏おうとする。だが・・・
「・・・っ!!?・・・!」
「響?」
「ごほ!ごほ!」
どういうわけか響は詠唱を唄おうとしても唄えず、数回咳き込んでしまう。
「・・・歌えない・・・」
「・・・いい加減観念しなよ・・・」
響がシンフォギアを纏おうとしない姿を見て、ガリィは苛立ちを隠せない。いや・・・纏おうとしないのではない・・・纏えないのだ。
「聖詠が・・・胸に浮かばない・・・」
そう、詠唱である聖詠が響の胸に浮かばず、唄うことができないのだ。
「ガングニールが・・・応えてくれないんだ・・・!」
響がガングニールを纏うことができない・・・まさに現在進行形で最悪な状況に陥ってしまった。
フォルテ・トワイライト(GX編)
外見:赤いストレートロングへア
瞳は緑と紫色のオッドアイ
【挿絵表示】
↑Picrewより『妙子式2』
年齢:24歳
誕生日:6月28日
シンフォギア:怨樹・ミスティルテイン
趣味:食べ歩き
好きなもの:ジャパニーズフード
スリーサイズ:B:77、W53、H85
イメージCV:BanG Dream!:美竹蘭
(その他の作品:やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。:一色いろは
五等分の花嫁:中野四葉
原神:八重神子
その他多数)
本作品のもう1人の主人公。F.I.Sに所属していたレセプターチルドレンであり、シンフォギア、ミスティルテインの適合者。現在では引き続き、マリアのマネージャーを務めつつ、米国政府のエージェントとして活動していたが、S.O.N.Gに転属した。義眼は元は金色であったが、セレナの願いを知った後では紫色に変わっている。
相も変わらず無表情だが、以前と比べれば感情を表に出し、表情も柔らかくなった。マリアたち曰く、昔のフォルテに戻ったとのこと。ただド天然なところは相変わらずだ。
今までは目的のために人を殺めてきたが、現在ではマリアを含めた大切なものを守りたいと願うようになり、彼女にあった冷酷さは鳴りを潜めた。それと同時に、今まで殺めてきた人間に償いがしたいという思いが芽生え、どうすれば亡くなった者に償いができるのかと、日々頭を悩ませている。
GX編楽曲
『贖罪のFlame』
己の罪と向き合い、償いのために罪という名の燃え盛る炎を突き進もうとする女の決心が込もった楽曲