戦姫絶唱シンフォギア 大地を照らす斉天の歌   作:先導

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予定通り、クリスマスの日に投稿しました。本日はちょっと趣向を変えて夜は夜でも6時あたりに投稿してみました。
今回、日和ちゃんの心の闇が明らかになるわけですが・・・今回の話に、GX編で日和ちゃんにとってとっても重要な人物が登場します。名前は今後のお話にでも。


抜剣

日和の心の闇。日和が立ち上げたバンド、アビスゲートでバンドメンバーである玲奈と小豆と共に、これからも活動を頑張っていこうと思っていた。だがその思いは簡単に崩れ・・・ライブに来ていた観客・・・そして玲奈と小豆は何の前触れもなく、炭となって砕け散った。

 

(あの時・・・私がライブ配信さえ企画しなければ・・・誰も・・・誰も死ぬことはなかった・・・。私のせいで・・・お客さんも・・・玲奈も小豆も・・・)

 

日和は自分が提案したライブのせいで観客も、大切なバンドメンバーも死ぬことはなかった・・・。自分がみんなを死に追いやった。その思いが、日和の心をかき乱す。次に現れた光景は、小豆の家族に彼女の死を告げた日だ。

 

「人殺し!!!!」

 

「・・・っ!」

 

人殺し。小豆の母からそのような言葉を聞かされて、日和の心は焦燥心と恐怖・・・そして罪悪感が込みあがってくる。

 

「どうして小豆が死んであなたが生きているのよ!!?返してよ!!!私たちの大事な娘を返してよ!!!」

 

「小豆には将来があった。叶えたかった夢があった!!それをお前が奪ったんだ!!小豆じゃなくてお前が死ねばよかったんだ!!」

 

(違う・・・違う!!私じゃない!!私が殺したんじゃない!!そんな・・・そんな・・・!!)

 

小豆の家族から攻め立てられ、日和は叫びたかったが・・・恐怖のあまり、それはできなかった。もうこの場から逃げ出したかった。

 

「お前のせいだ・・・!お前のせいで・・・姉ちゃんは・・・!!お前が・・・姉ちゃんを殺したんだ!!!」

 

自分を尊敬してくれていた小豆の弟にまでそう言われ、日和はこのような悪夢から逃れたくて、逃げ出した。だが悪夢は、決して日和を逃がしはしない。逃げ出す日和が次に見たのは日和の母と、当時の自分だった。

 

「ま・・・ママ・・・」

 

「・・・あなたなんて生むんじゃなかった・・・この疫病神・・・!」

 

2年前の事件のせいで変わってしまった母からそのようなことを言われ、日和の心はもう砕けそうになる。

 

(私のせいで・・・病院の経営も悪くなって・・・大好きなママも変わっちゃった・・・)

 

そして、追い打ちをかけるように悪夢はまだ続く。次に映ったのは、病院の医者と、大好きな父親だ。

 

(ぱ・・・パパ・・・助け・・・)

 

日和は父に助けを求めようと手を伸ばしたが・・・すでに病んでしまった父親は手に持ったナイフで・・・何人もの医者を殺め・・・そして最後には・・・自らナイフを刺して、自殺してしまった。

 

「い・・・いや・・・いやああああああああ!!!」

 

日和は目の前の光景が受け入れられず、悪夢から逃げ出したい一心でこの場を逃げ出した。だが逃げ出す日和の手を誰かが掴んだ。日和の手を掴んだのは・・・死んだはずの小豆だった。

 

「わかる?日和のせいで・・・みーんなの人生台無しだよ?私の人生も一瞬で終わっちゃった・・・もっと生きたかったのになぁ・・・」

 

「私の・・・せい・・・」

 

自分のせい。それが小豆の口から告げられ・・・日和は絶望した。日和の周りにはこれまで出会って来た仲間たちや大好きな姉の咲がいたが・・・全員が日和から遠ざかっていく。

 

「ま・・・待って・・・私を・・・私を置いていかないでぇ!!」

 

「無駄だよ。日和の味方なんて・・・最初からいなかったんだから。人殺しにはお似合いの末路だよね。ただ1人・・・孤独の中で野垂れ死んじゃえ!!」

 

小豆は日和に恨みが籠った声で罵声し、消えていった。1人残った日和は涙を流し・・・茫然自失となる。

 

「私のせいで・・・みんな・・・。・・・ああ・・・そうだ・・・あんなことが起きたのも・・・家族がめちゃめちゃになったのも・・・全部全部・・・私の・・・」

 

日和の心が孤独と絶望・・・そして罪悪感がこの身を全て支配された時・・・彼女は・・・黒い闇に飲み込まれてしまった。

 

~♪~

 

装者3人のイグナイトモジュールが失敗し、日和だけが暴走した状況下に、S.O.N.Gの潜水艦のブリッジにいる一同が緊迫した雰囲気が醸し出ていた。

 

「日和いいいいいいいい!!!」

 

「まずい!!」

 

「装者、モジュールの使用に失敗!いや・・・それどころか・・・」

 

「暴走・・・だと・・・!!」

 

エルフナインもこのような結果になることを望んでいたわけではなかった。だが最悪の結果を突きつけられ、涙目になっている。

 

「ボクの錬金術では・・・キャロルを止めることはできない・・・」

 

落ち込んでいるエルフナインに未来が歩み寄る。

 

「きっと大丈夫・・・可能性が、全て尽きたわけじゃないから・・・」

 

未来がエルフナインの手を優しく包む。エルフナインの手には、何かが握られていることに気付いた。響はエルフナインに近づき、確信を持ったようにそれを問いかける。

 

「それって?」

 

「改修したガングニール・・・」

 

エルフナインが持っていたのは、既に改修が終わったガングニールのギアネックレスだ。響はエルフナインの手を握り、彼女を見つめる。

 

「ギアも可能性も・・・二度と壊させやしないから!」

 

響は笑みを浮かべながら、力強く言い切った。その言葉を聞いた海恋は彼女に視線を向け、決心するかのように彼女に近づく。

 

「立花さん・・・お願いがあるの」

 

海恋の表情は、真剣そのものである。

 

~♪~

 

目の前で日和が暴走してしまった姿を目の当たりにし、クリスと翼は驚愕している。

 

グルルルゥゥ・・・!!

 

「あの姿は・・・立花の時と同じ・・・」

 

「まさか・・・悪夢に溶け込んじまったってのかぁ!!?」

 

暴走した日和は獣のような四つ這いになり、獣のような呻き声を上げてキャロルを見ている。暴走する日和の姿を見たキャロルは失望したかのような表情をしている。

 

「闇に飲まれ、堕ちたか・・・失望させてくれる」

 

ガアアアアアアアアア!!!!!

 

大きな咆哮を上げた日和はキャロルに向かって移動し、彼女に向けて拳を振るおうとした。だがキャロルは暴走状態の相手に後れを取るようなことは決してない。キャロルは慌てることなく、指先の弦を伸ばし、日和の両手、両足、胴体に巻き付かせ、身動きを取れなくさせる。

 

グルゥゥ・・・!!グルゥアアアアアアアア!!!

 

しかし日和は力いっぱい暴れ、弦を無理やり引きちぎった。そして暴れる勢いのまま、キャロルに拳を振るう日和。キャロルは繰り出される日和の拳の連撃を難なく躱す。

 

「そんなろれつが回らぬ歌で、オレを沈めようなどとぉ!」

 

キャロルは炎の錬金陣を展開し、特大の火柱を日和に放った。火柱は日和を包み込み、地に直撃して大爆発を引き起こした。翼とクリスは爆発の衝撃に何とか耐えている。辺りに炎が立ち込める中、煙の奥より、日和が出てきた。日和は未だ暴走状態で、さらに厄介なことに、タフさも健在のようで、動きが止まる様子はない。

 

「あれを受けてもなお・・・動くのか・・・!」

 

フゥー・・・!フゥー・・・!!

 

あの強力な一撃を受けても動ける日和に翼は驚愕する。日和は獣のような荒い息遣いをしている。キャロルはイグナイトモジュールの失敗で未だ動けない2人と、暴走する日和の様子をしらけた様子で見ている。

 

「・・・これでは話にもならん。着付けする時間くらいはくれてやる」

 

キャロルはアルカ・ノイズの結晶を取り出し、それを上空に放った。空中より割れた結晶より錬金陣が現れ、四足歩行する動物のような母艦型のアルカ・ノイズが召喚される。暴走する日和が母艦型アルカ・ノイズを見上げると同時に、母艦型アルカ・ノイズは足部位にある穴より、無数の飛行型アルカ・ノイズが姿を現す。

 

「くっ・・・!ここにきてアルカ・ノイズを・・・!」

 

街中を飛び回る飛行型アルカ・ノイズは分解器官である羽を回転しながら、街へと降りていき、建物を次々と分解していく。分解されたことにより、街中に赤い煙が立ち込め、建物が爆発していく。

 

「いつまでも地べたに膝をついていては、市街の被害は抑えられまい」

 

翼とクリスは未だに痛みが残っている。それでもアルカ・ノイズの被害を食い止めるために、日和の暴走を止めるために、懸命に立ち上がろうとする。

 

(手をつく力を・・・!)

 

(奴に突き立てる牙を・・・!)

 

2人は何とか立ち上がることができたが、立っているのがやっとで痛みを堪えるので必死で戦えるような状態ではなかった。

 

ガアアアアアアアアア!!!!!

 

そんな中で日和は獣のような動きで現れた母艦型アルカ・ノイズに突進し、つかみかかる。さらに日和は掴んだアルカ・ノイズを落とそうと体を動かし、ぶらつかせる。今もなお増える飛行型アルカ・ノイズの1体は羽を回転させながら日和に向かってきている。しかし日和は母艦型アルカ・ノイズをよじ登って、その攻撃を躱した。そして日和は母艦型アルカ・ノイズの頭まで登りきると、力いっぱいにその頭に拳を何度も何度も叩きつけた。

 

ガルアアアアアアア!!!

 

そこに先ほど攻撃してきた飛行型アルカ・ノイズが再び日和に向かって突進してきた。だが日和は目をぎらつかせ、拳を振るってアルカ・ノイズに打撃を与え、消滅させた。そして日和はその場より高く飛び、両拳を合わせ、その腕をまるでアームドギアを形成するかのように、槌のような鈍器に形を変える。

 

ギャオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

そして日和は大きな咆哮を上げ、鈍器となった腕を振り下ろし、母艦型アルカ・ノイズに強烈な一撃を与え、叩き落とした。だが蹂躙はまだこれで終わりではない。日和は落とした母艦型アルカ・ノイズをまさぐるかのように、拳を貫き、ところどころを抉っていく。その姿はまさに、空腹に飢えた獣のよう。

 

「もうよせ!!止まるんだ東雲!!」

 

「相棒!!お前はそんな簡単に黒くなっちまうたまじゃねぇだろ!!」

 

もう日和のあの様子を見ていられなかった翼とクリスが彼女に呼び掛けた。蹂躙する日和はその声に反応する。だが日和が2人に向けた視線は・・・次なる獲物を定めたかのような目だ。

 

グルゥアアアアアアアア!!!

 

母艦型アルカ・ノイズは日和に拳で払われ、完全に消滅した。暴走が止まらない日和は翼とクリスに向かって突進し、拳を振るった。振るった拳は地に直撃し、凄まじい衝撃が放たれ、翼とクリスを吹っ飛ばした。

 

「「ぐあああああああ!!」」

 

吹っ飛ばされた翼とクリスは地に倒れる。今の日和に敵も味方もない。目に移るものを破壊しつくすまで止まることのない暴君だ。日和が2人に近づいてくる間にも、まだ数多く残っている飛行型アルカ・ノイズは街を蹂躙しており、逃げ遅れた住民の悲鳴も聞こえてくる。

 

(くっ・・・このままでは・・・)

 

日和の対処だけでない。アルカ・ノイズとキャロルの脅威もまだ残っている。だが2人は未だに痛みでうまく体を動かせないでいる。どうすればいいと悩ませていると、クリスだけは聞こえた。本部の潜水艦から複数のミサイルが撃ち放たれた音が。そのうちの1つにシンフォギアを身に纏った響が海恋をお姫様抱っこした状態で乗っていた。響はミサイルから降りて、海恋を傷つけないようにしながら、2人のそばに着地する。残ったミサイルは何体かのアルカ・ノイズに直撃して爆発する。

 

「立花・・・西園寺!!?」

 

「お前・・・なんでここに!!?」

 

「日和を・・・助けるために決まってるでしょ!!」

 

海恋が響に頼んだこと・・・それは、自分を日和の元まで連れていくことだった。もちろんそれは最初は弦十郎から反対されたが響や未来、マリアの後押し、そして何より、海恋の真剣さと、断固とした力強い決意によって、出撃を勝ち取ったのだ。

 

「あれが・・・日和・・・」

 

暴走する日和を見て海恋は固唾を飲んでいる。恐怖はあれども、引くわけにはいかない。そう思い、海恋は息を吸い込み、日和に呼び掛ける。

 

「日和!!よく聞きなさい!!」

 

海恋の一声で、日和は視線をギラリと海恋に向けられた。標的を海恋に定めたのだ。だがそれでもかまわず、海恋は自分の胸の内を打ち明ける。

 

「私はあなたに出会ったおかげで、夢を追いかける道を選べた!!窮屈だったあの日々を抜け出すことができた!!私がこうして生きているのも、今があるのも・・・全部全部・・・あなたのおかげなのよ!!」

 

ギャオオオオオオオ!!!!

 

日和は獣のような動きで海恋に近づき、強靭な腕を振るおうとする。そこに響が前に出て、海恋を傷つけまいとし、両腕を掴んでそれを止めた。

 

ヴゥゥゥゥ・・・!!

 

「日和さん・・・落ち着いてください・・・!!海恋さんの話を・・・聞いてください・・・!!」

 

日和は腕を掴まれ、抵抗するかのように暴れている。止めている響も気を抜けば振り払われそうだが、決して放さないように、力を込め続ける。

 

「確かにあなたは・・・弱虫で臆病な弱い心を持ってる・・・だけど、私は知ってる。同時に、前向きで、明るくて・・・交わした約束を必死に守って、破るようなことは絶対にしない、力強い思いを持ってる子だってことを!!」

 

響に抑えられ、暴れる日和に海恋は近づきながら、呼び掛けることを続ける。

 

「私はそんなあなたの力になりたい、支えてあげたいってずっと思ってる。今も・・・昔も・・・そして・・・これからも・・・ずっと・・・ずぅーっとよ!!」

 

ガアアアアアア!!!

 

「うわぁ!!?」

 

日和は両手を広げて無理やり響の拘束を破り、高く飛び、落下で勢いをつけてそのまま海恋を押し倒した。

 

「海恋さん!!」

 

「西園寺ぃ!!」

 

日和に押し倒され、地面に激突したことで、海恋の身体に激痛が走る。だが海恋は口もとに笑みを浮かべる。

 

「日和・・・」

 

海恋は痛みに構うことなく、両手で日和の身体に触れ、そのまま抱きしめた。その行為によって、日和の動きは止まった。

 

「たとえこの先・・・誰もがあなたから離れたとしても・・・ううん・・・世界中の人間が、あなたの敵になったんだとしても・・・私がいる!私がついてる!!あなたを1人ぼっちになんてさせない!!」

 

「ア・・・ア・・・ガ・・・」

 

「暴言?風評被害?上等じゃない!言いたい奴は言わせてやればいい!あなたと一緒なら私は、何も怖くない!ううん・・・あなたとじゃないとダメなのよ!!私には、あなたが必要なのよ!!だから・・・この手は絶対に放さない!!!」

 

海恋は痛みを気にすることなく、自身の思いの内を日和に一方的に打ち明けた。嘘偽りない言葉・・・力強い思い・・・そして誰よりも自分を大切にしようとする強い意志が暴走する心を溶かしていく。

 

「・・・・・・カ・・・レ・・・ン・・・」

 

「そうよ。私はここよ。その目で・・・ちゃんと私だって認識して!」

 

「ア・・・あ・・・」

 

日和の赤い目は海恋の姿を映し出した。海恋を見た日和の目に涙が流れ、視界はだんだんと鮮明になっていき、そして彼女は自らの意思で、両手を動かす。そして・・・

 

「・・・海恋!!!」

 

日和は自分を抱きしめている海恋に自分も抱きしめた。その瞬間、日和を覆っていた闇は完全に祓われ、服装も元のシンフォギアの鎧に戻っている。

 

「海恋・・・海恋・・・!ごめん・・・!私・・・私・・・!」

 

「言いたいことなんてわかってる。でも・・・ごめん、じゃなくて、他に何か言うこと・・・あるでしょ?」

 

「うん・・・うん・・・!海恋・・・ありがとう・・・!」

 

日和は危険を冒してまで暴走する自分から救ってくれた海恋に謝罪と心からの感謝を述べた。

 

「日和さん!」

 

「元に戻ったのだな!」

 

「たく・・・ひやひやさせやがってよぉ・・・」

 

日和が暴走から元に戻り、3人は喜びが顔に出ていた。迷惑をかけてしまったと思った日和はすぐに3人にも謝る。

 

「響ちゃん・・・翼さん、クリス・・・迷惑をかけて、ごめんなさい・・・」

 

「そんな・・・顔を上げてください」

 

「うむ。もう過ぎたことだ。気にするな」

 

「それに・・・まだやるべきことが、あるだろ?」

 

「・・・うん!」

 

クリスの言うとおり、まだ終わりではない。アルカ・ノイズの殲滅・・・そして・・・キャロルとの決着がまだ終わっていないのだ。

 

「ようやく揃うか・・・」

 

一部始終を全て見ていたキャロルは待ちくたびれたかのように呟いた。

 

「つっても・・・どうしたものか・・・」

 

4人そろったとしても、キャロルの力は強大。1人増えたとしても状況は好転したわけではない。どうすればいいかとクリスが呟いた時、日和が提案する。

 

「みんな・・・イグナイトモジュールを・・・もう1度やろう!」

 

日和の提案に翼とクリスはかなり渋った顔を見せている。先ほどの日和の暴走を見せられたのだ。今度は失敗では済まないかもしれない・・・そんな思いが頭によぎる。

 

「だが・・・」

 

「大丈夫・・・もう遅れを取ったりはしない!!私を信じてほしい!」

 

そう言った日和は笑みを浮かべて海恋を見つめる。日和と海恋はお互い通じ合ってるかのように、首を縦に頷く。それでも渋っている2人に、響が口を開いた。

 

「未来が教えてくれたんです!自分はシンフォギアの力に救われたって!この力が、本当に誰かを救う力なら、身に纏った私達だって、きっと救ってくれるはず!だから強く信じるんです!ダインスレイフの呪いを破るのは・・・」

 

「いつも一緒だった、天羽々斬・・・」

 

「あたしを変えてくれた、イチイバル・・・」

 

「私をずっと支えてくれた如意金箍棒・・・」

 

「そしてガングニール!」

 

4人は決意を固め、互いに顔を合わせた。

 

「信じよう!胸の歌を!シンフォギアを!!」

 

「みんなと・・・海恋と一緒なら怖くない!!」

 

「ふっ・・・バカ2人に乗せられたみたいでカッコつかないが・・・」

 

「もう1度行くぞ・・・!」

 

「「「「イグナイトモジュール!抜剣!!」」」」

 

4人はギアコンバーターのスイッチを押し、それを取り外して掲げた。ギアコンバーターが起動し、無機質な『ダインスレイフ』という音声が鳴り、宙に浮かんで変形し、展開された光の刃が4人を刺し貫いた。これによって4人の身体にダインスレイフの呪いが流れ込んでくる。呪いによって4人は苦しみ、苦痛の呻き声を上げた。

 

~♪~

 

再びイグナイトモジュールを使い、ダインスレイフの呪いに打ち勝てるように祈りつつ、潜水艦のブリッジにいる一同は見守っている。だが、数値から見れば、このままでは再び失敗・・・下手すれば暴走の可能性が出ている。

 

「このままではさっきのように・・・!」

 

懸念の声が上がっていると、調と切歌がフォルテを担いでブリッジに入ってきた。そして、マリアたちは声を上げる。

 

「呪いなど斬り裂け!!」

 

「撃ち抜くんデス!!」

 

「叩いて砕け!!」

 

「恐れずに砕けばきっと・・・!!」

 

未来は何も言わずに、モニターに映る4人を見守っている。4人なら・・・響なら必ず呪いを打ち砕けると信じて。

 

~♪~

 

4人はダインスレイフの呪いに必死に抗っている。1度は呪いに負けてしまった日和だが、今は違う。

 

「日和・・・!」

 

今はそばに海恋がいる。彼女が自分の手を繋いで、自分を見失わないでいられる。だから今度こそ、日和は呪いに負けないと確信している。

 

(未来が教えてくれたんだ・・・!力の意味を・・・!背負う覚悟を・・・!だからこの衝動に塗りつぶされて・・・)

 

((((なるものかああああああ!!!))))

 

4人の強い思いにより、ついにダインスレイフの呪いをねじ伏せ、力に変えた。4人のギアの一部が弾け飛び、全身を漆黒の闇が覆いつくし、闇がシンフォギアの形に作り替える。4人のギアは各所に禍々しく鋭角的に黒く染まり、以前より攻撃的な姿となる。

 

「日和・・・」

 

ダインスレイフの呪いに打ち勝った4人・・・日和の姿を見て、海恋は笑みを浮かべている。

 

『モジュール稼働!セーフティダウンまでのカウント、開始します!』

 

モジュールが稼働したことにより、セーフティダウンまでのカウントが開始される。その時間、約『999』秒。この数字が0になると、イグナイトは強制的に解除されるのだ。

 

「海恋、行ってくるよ!」

 

「待ってる」

 

キャロルはこの時を待っていたかのように、アルカ・ノイズの結晶を辺りにばら撒き、数を増やしていく。その数、3000。だがこれだけ多くのアルカ・ノイズでも、今の響たちには道端に転がる小石同然だ。

 

「たかだか3000!!」

 

響はアルカ・ノイズの群れに突っ込み、黒く染まったバンカーユニットを展開し、アルカ・ノイズを殴りぬき、貫いて多くのアルカ・ノイズを塵にする。

翼は黒く染まった刀を頭上に掲げる。すると刀身が展開され、青の刃が出現し、翼はそれをアルカ・ノイズに目掛けて振り下ろし、青の斬撃を放った。

 

【蒼ノ一閃】

 

青の斬撃はアルカ・ノイズを次々と斬り裂いていき、巨大なアルカ・ノイズもいとも簡単に切り裂いて見せた。

日和は黒く染まった棍をアルカ・ノイズの群れに目掛けて一直線に伸ばす。そのスピードも威力も以前とは段違いだ。

 

【一点突破】

 

伸びた棍はアルカ・ノイズを貫いたが、それで終わりではない。日和は伸びた棍を持ったまま、そのまま自身を回転し、大型を含めた多くのアルカ・ノイズに打撃を与え、消滅させていく。

クリスは腰部の小型ミサイルを展開、さらに4つの大型ミサイルを展開する。そして、小型ミサイルを正面のアルカ・ノイズに向けて一斉に発射する。

 

【MEGA DETH PARTY】

 

アルカ・ノイズの群れはこの小型ミサイルの爆発によって塵となる。そして大型ミサイルを発射し、さらに中より小型ミサイルを発射し、空中のアルカ・ノイズを全滅させた。4人の出力は通常のものと比べ、遥かに大きく上回っており、その出力をいかんなく発揮することによって、3000のアルカ・ノイズの数は減っていく。

 

「臍下辺りがむず痒い!!」

 

キャロルは跳躍し、指先の弦でアルカ・ノイズもろとも響に切り裂きにかかった。響はその弦を躱す。さらにキャロルはクリスに向けてエーテルの錬金陣を展開し、そのエネルギーを放った。クリスはそのエネルギーを飛んで躱した。

 

~♪~

 

潜水艦のブリッジにいる一同は装者4人とキャロルの戦いを見守っている。

 

「強大なキャロルの錬金術・・・ですが、装者たちもまた、それに対抗できる力を・・・!」

 

緒川の言うとおり、キャロルの力は強大だ。しかし、装者たちはダインスレイフの呪いに打ち勝つことによって、彼女と渡り合い、対抗できる力を手に入れたのは、紛れもない事実だ。

 

(それでも響は、傷つけ傷つく痛みに、隠れて泣いている。私は何もできないけれど、響の笑顔も、その裏にある涙も、拳に包んだ優しさも、全部抱きしめて見せる・・・だから・・・!)

 

「負けるなーー!!」

 

未来は戦う響に向けて、力いっぱいの声援を送った。そして、皆の思いは、4人に伝わった。

 

~♪~

 

キャロルは伸ばした弦を響の右腕に巻き付かせた。だが響はその弦を逆に利用し、引っ張り上げることでキャロルをこちらに引き寄せる。

 

『稲妻を喰らえぇ!!!』

 

「いけええええええ!!!」

 

弦十郎と海恋の声に呼応するかのように翼は斬撃を放ち、クリスはボウガンの矢を撃ち放ち、日和は棍を投げ放った。キャロルは弦を右手に束ね、その全てを束ねた弦で破壊する。その隙をついて響が炎を纏い、キャロルに突撃した。キャロルはその攻撃を受け止めるが、イグナイトによって強化された出力は高く、強引に押し込まれ、周りの施設を巻き込みながら、鳩尾に拳を受けたまま外壁に叩きつけられた。ダウルダブラのファウストローブも今の攻撃でボロボロになっている。

追撃として響は高く飛び、脚部と腰部のブースターを起動させ、落下する速度を底上げさせて、キャロルに強烈な蹴りを放った。

さらに日和は左手首のユニットより新たな棍を取り出し、キャロルに向けて構え、ブースターを起動して猛スピードを出し、黒炎を纏って突進した。

 

【電光石火・獄炎】

 

「「でりゃあああああああああ!!!!」」

 

ドカアアアアアアアン!!!!

 

蹴りと黒炎の突進の2つの攻撃がキャロルに直撃し、その衝撃で大爆発が起きる。

 

~♪~

 

潜水艦のブリッジのモニターは爆発による黒煙のみが映っている。黒煙が晴れると、そこには漆黒のギアを纏った響と日和が息を整えながら立っていた。キャロルはファウストローブを纏う前の元の幼い姿に戻っており、腹部に血を流しながら瓦礫にもたれかかっている。

 

「勝ったの・・・?」

 

「デスデス、デース!」

 

4人がキャロルに勝ったことにより調と切歌は喜びを露にしている。フォルテ自身も目を閉じ、口元に笑みを浮かべている。

 

「キャロル・・・」

 

エルフナインはキャロルの痛ましい姿を見て、悲しそうな表情をしている。計画を止めるためとはいえども、エルフナインは複雑な心境であろう。

 

~♪~

 

戦いが終わった後、響はキャロルに近づき、彼女に手を差し伸べた。

 

「キャロルちゃん・・・どうして世界をバラバラにしようなんて・・・」

 

キャロルは響の差し出された手を取ることはなく、その手を逆に払いのける。

 

「忘れたよ・・・理由なんて・・・思い出を焼却・・・戦う力と変えた時に・・・」

 

「・・・・・・」

 

響はその答えに何も言えない。キャロルは様々な感情が合わさった瞳で響を見つめ、口を開く。

 

「その呪われた旋律で誰かを救えるなどと思いあがるな・・・!」

 

「・・・っ」

 

言いたいことを言ったキャロルはニヤリと笑い、奥歯を噛みしめた。すると、キャロルはゆっくりと倒れ込む。

 

「キャロルちゃん?キャロルちゃん!!?」

 

そして、キャロルが倒れ伏すと、彼女の身体が黒く変色し、緑の炎が彼女を纏い、焼却する。キャロルは自らの意思で自害したのだ。響たちとは決して相容れることはないと告げるかのように。キャロルの自害を見て、響は悲痛な叫びをあげた。

 

~♪~

 

チフォージュ・シャトーの玉座。キャロルが死亡したと同時に、広間にて、6機のオートスコアラーの頭上に、それぞれの色の垂れ幕が降ろされた。

 

「・・・マスターのお望みのままに、計画を次なる段階へ」

 

目を開けたリリィがそう一言呟いた。キャロルがいなくなっても、彼女の計画は止まることはなく、次の段階へと一歩進んでいく。

 

~♪~

 

響は燃え上がるキャロルの亡骸を見つめる。

 

「呪われた旋律・・・誰も救えない・・・。そんなことない・・・そんな風にはしないよ・・・キャロルちゃん・・・」

 

空へと昇っていく煙を見ながら、響はそう呟いたのであった。

 




XD-エクスドライブアンリミテッド-

クリスマスボイス

東雲日和①
クリスマスといえばチキン!クリスマスといえばクリスマスケーキ!両方食べるぞー!

東雲日和②
メリークリスマース!!こういう聖なる夜にこそ、クリスマスソングで盛り上げちゃおー!

フォルテ・トワイライト①
メリークリスマス。いつもなら、マリアたちと過ごしていたが、こうして大勢で過ごすのも、悪くない。

フォルテ・トワイライト②
僕の生まれ故郷ではクリスマスでも戦いが繰り広げられていた。だからこうして皆と共に過ごすクリスマスは、かけがえのない幸せだ。
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