戦姫絶唱シンフォギア 大地を照らす斉天の歌   作:先導

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次回はオリジナルエピソードでございます。

今回の後書きのおまけはおそらく気になるであろう変身バンクの細かい描写です。いつかは前バージョンのものも書こうかなぁとは考えております。


向き合う勇気

S.O.N.G本部のメディカルルームにて、意識を失っていた響が目を覚ました。そばには未来と海恋がいる。エルフナインがカルテを持って検査結果を伝える。

 

「検査の結果、響さんに大きな怪我は見られませんでした。大したけがはありませんでした。でも、安静は必要です」

 

「よかった・・・」

 

「うん・・・」

 

さほど大きな怪我がなくて未来は安堵している。

 

「それはよかったことなのだけど・・・気になると言えば・・・」

 

響が無事だったことは喜ばしいが、海恋にはもう1つ気になっていることがある。それは、後ろの席で調と切歌が喧嘩をしているところだ。2人とも大した怪我はなかったのだが、2人とも頭に包帯が巻かれており、湿布も貼ってあった。

 

「調が悪いんデス!」

 

「切ちゃんが無茶するからでしょ!」

 

「調が後先考えずに飛び出すからデス!」

 

「切ちゃんが私のことを足手纏いに思ってるからでしょ!」

 

あれほど仲が良かった調と切歌の仲が拗れ、口喧嘩に発展している。喧嘩している光景に未来は驚いている。

 

「2人が喧嘩だなんて・・・」

 

「あんなに仲がよかったのにね・・・」

 

響は2人が喧嘩する原因は自分にあると理解しているため、表情を曇らせている。2人の喧嘩をエルフナインが仲裁する。

 

「傷に障るからやめてください!そんな精神状態では、イグナイトモジュールを制御できませんよ⁉」

 

エルフナインの言葉を聞いて、切歌と調は落ち込む。

 

「「・・・ふん!」」

 

お互いに顔を合わせようとしたが、視線に合ったと同時にそっぽを向いてしまう。そこに響が2人の前に歩み寄る。

 

「ごめん2人とも・・・。最初にペースを乱したのは・・・私だ・・・」

 

響は2人の手を取り、2人の手を重ねた。

 

「さっきはどうしたデスか・・・?」

 

切歌が不安げな表情で何があったのか尋ねた。響は任務の前に何をしてたのかを話した。

 

「うん・・・。あれからまた、お父さんに会ったんだ・・・。ずっと昔の記憶だと、優しくてカッコよかったのにね。すごく嫌な姿を見ちゃったんだ・・・」

 

「嫌な姿・・・?」

 

「自分のしたことがわかってなかったお父さん・・・。無責任でカッコ悪かった・・・。見たくなかった・・・こんな思いをするなら・・・二度と会いたくなかった・・・!」

 

自分の尊敬していた父親がこの3年ですっかり変わり果て、情けない男に成り下がってしまい、響はそれがショックで溜まらなかった。響はそれを思い返し、涙が溢れている。

 

「私が悪いの・・・私が・・・」

 

今回響が洸と話し合いをすることになったのは、未来がよかれと思って話し合いの場を設けたからだ。それが逆に裏目に出ただけでなく、響を悲しませてしまうことになり、未来は自分を責めた。

 

「それを言ってしまったら・・・洸さんがそうなってしまったのは・・・西園寺家に責任があるわ・・・」

 

海恋は響に申し訳ない表情で頭を下げる。

 

「立花さん・・・本当にごめんなさい!私の父が・・・社員に・・・洸さんに気にかけてあげれば・・・こんな事には・・・!」

 

実は洸はかつて海恋の父親が社長を務める商社でサラリーマンとして働いていた。ところが、3年前のツヴァイウィングのライブの事件。その被害者の中に、取引先の社長令嬢がおり、洸が響の生存を喜んだことをきっかけに、取引先の社長によって取引を白紙・・・さらに社長である海恋の父親から社内プロジェクトから外され、社内で持て余されるような扱いを受けたのだ。

その事実をじいやから聞いた海恋は利益しか求めない自分の父親を軽蔑した。とはいえ、父親のしでかしたことは家の責任であると考える海恋はかなりの責任を感じており、こうして頭を下げているのだ。

 

「それは違います・・・未来や海恋さんは悪くありません・・・。もう過ぎたことですし・・・。それに・・・悪いのはお父さんですから・・・」

 

響は涙を溜めつつも、悪いのは洸であると言い放った。

 

「でも・・・」

 

響は未来に歩み寄り、涙を拭いて笑う。

 

「へいきへっちゃら。だから、泣かないで、未来・・・」

 

「うん・・・」

 

顔を俯かせている海恋は響に顔を合わせる。

 

「立花さん・・・こんなこと私が言う資格がないのはわかってるつもり。でもね・・・あまり洸さんを責めないであげて。洸さんは・・・父さんの会社の被害者でもあるんだから・・・」

 

海恋の言葉を聞いて響は何とも言えないような悲しい顔をして俯く。そんな中調と切歌はこの雰囲気に耐え切れず、メディカルルームから揃って退室した。2人は1度はお互いに顔を向き合うが・・・

 

「「・・・ふん!」」

 

またお互いにそっぽを向いてしまう。そこにエルフナインがガンタイプの注射器を持ってメディカルルームから出てきた。

 

「これを、調さんと切歌さんに・・・」

 

エルフナインが渡したのはmodel_KのLiNKERであった。

 

「model_K・・・?」

 

「オートスコアラーの再襲撃が予想されます。投与はくれぐれも慎重に。体への負担もそうですが、ここに残されているLiNKERにも限りがありますので」

 

エルフナインは2人に念押しするように説明した。2人は受け取ったLiNKERを黙って見つめる。

 

~♪~

 

シャワー室では共同溝の調査を終えて帰還した翼たち5人がシャワーを浴びて身体の汚れを落としていた。5人は響の父親について聞かされており、今回の一件で響の身を案じている。

 

「やはり父親の一件だったのね」

 

「響ちゃん・・・とっても辛そう・・・。私のママも出ていったから・・・響ちゃんの気持ち・・・よくわかるよ・・・」

 

親が出て行ってしまったこともあり、日和には響の気持ちがよくわかる。万が一日和の母が縒りを戻そうと帰ってきたならば、自分も響と同じことをするだろうとわかっているからだ。

 

「こういう時は、どんなふうにすればいいんだ・・・?」

 

「どうしていいのかわからないのは、私も同じだ。一般的な家庭のあり方を知らぬまま、今日に至る私だからな・・・」

 

「いずれにしても、両親を持たぬ僕たちに立花にしてあげられることは・・・おそらくないだろう・・・」

 

5人は響の手伝いをしてやりたい気持ちはあるものの、4人とも両親がいない、翼は一般の家庭とは違うために手助けをしてあげることができない。この問題は響自身が解決するほか選択肢はないのだ。

 

~♪~

 

一方ブリッジにて弦十郎は緒川から講堂内の調査報告を受けている。

 

「敵の狙いは電気経路の調査だとぉ?」

 

『はい!発電施設の破壊によって、電力総量が低下した現在、政府の拠点には、優先的に電力が供給されています。ここを辿ることにより・・・』

 

「表から見えない首都構造を探ることが、可能となるか・・・」

 

緒川の報告を聞いて弦十郎は思案顔になる。

 

~♪~

 

チフォージュ・シャトーの玉座の間。玉座に設置された棺のようなものに、パイプオルガンのような装置から光が流れ込んでいる。

 

「これで~!どや~!」

 

台座に鎮座するミカとシャルが腕を振り下ろすと、床一面に共同溝から奪取してきた電機経路図が映し出された。

 

「派手にひん剥いたな。ん・・・?」

 

レイアがミカとシャルの戦果を称賛すると、ミカは鼻をこすり、台座からぴょんと飛び降り、玉座の間から出ていこうとする。

 

「どこへ行くの、ミカ?まもなく思い出のインストールは完了するというのに」

 

「自分の任務くらいわかってる!!きちんと遂行してやるから、後は好きにさせてほしいゾ・・・!」

 

ミカは声を荒げてそう言い放った。その姿はまるでわがままを言って出ていく子供の所作だ。玉座の間から出ていったミカにシャルは肩をすくめる。

 

「ふぅ~。ミカもチャイルドだねぇ」

 

「しかし、課せられた任務はきちんと理解しています。ならば好きにさせてあげましょう」

 

リリィの言うとおり、ミカは自分の果たすべき使命は理解している。それはここにいる全員が知っているため、誰も文句は言わない。

 

~♪~

 

時刻は夕暮れ。ミンミンゼミが鳴いている中、調と切歌は帰路を歩いている。いつもなら2人並んで帰るのだが、2人の間には少し距離が開いていた。お互いに何もしゃべらない。そんな沈黙を最初に破ったのは調だ。

 

「私に言いたいこと、あるんでしょ・・・?」

 

「それは調の方デス!」

 

「私は・・・」

 

切歌の反論に調は目を逸らした。切歌もそれ以上のことは追及できず、黙り込む。再び沈黙に入ろうとしたその時・・・

 

ドカアアアアアン!!

 

『きゃあああああああああ!!!!』

 

突如近くで爆発が発せられた。2人が爆発した場所を見てみると、空から熱が込められたカーボンロッドが雨のように降ってきた。近くの住民たちは降ってきたカーボンロッドから逃げながら悲鳴を上げている。

 

「これは・・・!」

 

ドカアアアアン!!

 

2人が驚いている間にも2人の背後にもカーボンロッドが降り注ぎ、爆発する。これらの攻撃が何を意味しているのか、2人にはすぐにわかった。

 

「あたしたちを焚きつけるつもりデス!」

 

前方から歪な気配を感じ、2人が見上げてみると、壊された鳥居の上にミカが立っていた。これらの爆発は全てミカが引き起こしたものだったのだ。

 

「足手纏いと・・・軽く見てるなら・・・!」

 

調は頬に貼ってあった絆創膏と湿布を外して、ギアネックレスを取り出して詠唱を唄う。

 

Various Shul Shagana tron……

 

シンフォギアを身に纏った調はツインテール部位のバインダーを展開し、無数の丸鋸をミカに向けて放った。

 

【α式・百輪廻】

 

放たれた無数の丸鋸をミカは躱すことなく、これまでの2倍ほどの長さがあるカーボンロッドを取り出し、手首ごと回転して破壊する。ミカはシンフォギアを身に纏った切歌に狙いを定め、鳥居から飛び降りる。切歌も鎌を構え、ミカとの距離を詰める。

 

~♪~

 

調と切歌がミカと戦っている光景はS.O.N.G本部のブリッジでも確認できている。弦十郎はすぐに2人に通信し、指示を出そうとする。

 

「今から応援をよこす!それまで持ちこたえ・・・」

 

ズゥン!!

 

「ぬぅ!」

 

そこに潜水艦に大きな衝撃が走り、艦内が揺れる。だがこの揺れは岩にぶつかったわけでも、座礁したわけでもない。ならばこの衝撃は何か。その答えは目の前のモニターに映っていた。

 

「海底に巨大な人影だとぉ!!?」

 

目の前のモニターには、巨大な人影があり、この巨人の左が本部である潜水艦を掴んで進行を妨害していた。この巨人はレイアの妹である。そして海上には腕を組んでいるレイアがいた。

 

「私と妹が支援してやる・・・だから存分に暴れろ、ミカ」

 

レイアは妹と共にミカの戦闘に邪魔が入らないようにこうして潜水艦の進行を阻止するのであった。

 

~♪~

 

調と切歌と戦っているミカは文字通り大暴れだ。ミカは2人に向けて左手の掌からカーボンロッドを射出する。放たれたカーボンロッドを調は左右に移動して躱し、切歌は跳躍で躱していく。調は高く飛び、スカートを鋸に変形させて、自身も回転しながらミカに斬撃を放とうとする。

 

【Δ式・艶殺アクセル】

 

鋸と化したスカートの刃をミカはカーボンロッドで受け止め、そのまま弾き返した。そこに切歌が大鎌を振り下ろしたが、ミカはこれを躱し、蹴りを放って切歌を吹き飛ばす。調は絵馬掛所の屋根に着地し、切歌も鎌を振り回して地に着地する。

 

「コレっぽっちぃ~?これじゃギアを強化する前の方がマシだったゾ・・・」

 

ミカは鳥居から飛び降りて着地し、カーボンロッドを首にかけて、それを両手に乗せてつまらなさそうにそう言った。

 

「そんなこと、あるもんかデス!!」

 

「ダメ!!」

 

切歌はミカの挑発に乗って単身で斬りかかろうとする。調は静止の声を上げるが、切歌は聞く耳を持たない。切歌が振り下ろした鎌をミカは跳躍して躱す。切歌は鎌の刃を3つに展開し、追撃として3つの刃をブーメランのように放った。

 

【切・呪りeッTぉ】

 

ミカは迫ってきた刃をカーボンロッドで受け止めたが、空中で爆発した。

 

「どんなもんデス!」

 

切歌は歓喜の声を上げたが、爆発の煙が晴れて見てみると、ミカは全くの無傷でツインロールの髪のブースターで宙に浮いていた。

 

「こんなもんだゾー!」

 

ミカは空中に浮かばせているカーボンロッドを切歌に放つ。切歌はカーボンロッドを躱したが、残ったカーボンロッドは逃げ道を奪うように地に突き刺さる。

 

「連携しないと無理だぞぉ~?」

 

放たれたカーボンロッドはまだ残っており、突き刺さったカーボンロッドのせいで切歌は避けることができない。

 

「躱せないなら・・・受け止めるだけデス!!」

 

切歌は頑なに調と連携しようとはせず、自分1人で攻撃を受け止めようとしている。だがカーボンロッドの数は多く、切歌のイガリマでは防ぎきることはできない。カーボンロッドが切歌に迫ってきた時、調が切歌の前に割って入ってきて、ツインテール部位のバインダーを展開し、4つの巨大な丸鋸で防御壁を作った。カーボンロッドは丸鋸に直撃し、爆発したが、2人にダメージはない。

 

「なんで!!?後先考えずに庇うデスか!!?」

 

だが切歌は自分を守ってくれた調を突き飛ばす。調はそんな切歌にむすっとした表情になる。

 

「やっぱり、私を足手纏いと・・・」

 

「違うデス!!調が大好きだからデス!!!」

 

「え・・・?」

 

調は切歌の口から出た言葉に驚く。切歌はミカに向かって鎌を振るうが、ミカはカーボンロッドで防ぐ。戦いながら切歌は自分の思いを調に伝える。

 

「大好きな調だから・・・傷だらけになる事が許せなかったんデス!!」

 

「じゃあ・・・私は・・・」

 

「あたしがそう思えるのは・・・あの時調に庇ってもらったからデス!!」

 

切歌の脳裏に浮かび上がるのは、共同溝で調が自分を守ってくれた姿。そして、今日に至るまで自分たちのために怒ってくれた大切な仲間たちだ。

 

「みんなが私たちに怒るのは、私たちを大切に思ってくれているからなんデス!!」

 

「私たちを・・・大切に思ってくれる・・・優しい人たちが・・・」

 

切歌とミカの鍔迫り合いは拮抗を保たれていたが、ミカが放った火炎放射で切歌は吹き飛ばされる。

 

「ああああああ!!」

 

吹き飛ばされた切歌に調は彼女を受け止め、支える。

 

「なんとなくで勝てる相手じゃないゾ!」

 

ミカは手首を回転させながらさらに2人を煽っていく。

 

「マムが遺してくれたこの世界で・・・カッコ悪いまま終わりたくない!」

 

2人の脳裏に浮かび上がるのは、悲しそうな表情をした響が洸に対して言った言葉だ。

 

『無責任でカッコ悪かった・・・』

 

「だったら・・・カッコよくなるしかないデス!」

 

「自分のしたことに向き合う強さを・・・!イグナイトモジュール!!」

 

「「抜剣(デース)!!!」」

 

調と切歌はギアコンバーターのスイッチを押し、掲げた。2つのギアコンバーターは起動し、無機質な『ダインスレイフ』という音声が鳴り、宙を舞って変形し、展開された光の刃が調と切歌を刺し貫く。そして、2人の身体にダインスレイフの呪いが流れ込む。これを見たミカは確信していた。イグナイトが成功し、2人は強くなると。

 

「底知れず、天井知らずに高まる力ぁ!!」

 

ミカの高ぶりは向上し、彼女の全身が炎に包まれる。ミカのロールの髪はほどけ、上着は焼け落ちる。だがミカの戦闘能力は最高まで高まっている。これこそが、ミカに搭載された決戦機能『バーニングハート・メカニクス』だ。その効果は、思い出が焼失しきるまでの4分間だ。

 

「ごめんね・・・切ちゃん・・・!」

 

「いいですよ・・・それよりもみんなに・・・!」

 

「そうだ・・・みんなに謝らないと・・・!そのために強くなるんだ!!」

 

1人の力では敵わなくとも、2人の力が合わされば、乗り越えられないものはない。2人の強い思いがダインスレイフの呪いを支配する。調と切歌は漆黒の闇を身に纏い、闇は漆黒のシンフォギアの形へと変わる。イグナイトの力を得た2人は力を合わせて全力のミカに立ち向かう。

切歌が鎌でミカに斬りかかり、調はヨーヨー型の丸鋸を放つ。ミカは切歌の斬撃を弾き返し、迫ってきたヨーヨー型の丸鋸を受け止め、それを調ごと投げ飛ばした。

 

「調!!」

 

「サイキョーのあたしには響かないゾ!もっと強く激しく歌うんだゾ!!」

 

ミカは高く飛び、切歌に向けてカーボンロッドを乱射する。切歌は迫ってきたカーボンロッドを鎌で全て弾いたが、ミカの接近を許してしまい、射出されたカーボンロッドの打撃を喰らってしまい、神社の外壁に背中を打ち付けられる。ミカは攻撃の手を緩めることなく、カーボンロッドを射出し、切歌の逃げ道を奪う。そして、切歌の目の間でミカは右手の掌から炎を放とうとしている。

 

「向き合うんだ!出ないと乗り越えられない!!」

 

調はそれを阻止しようと、通常の何倍もの小型丸鋸をミカに向けて放った。迫ってきた無数の丸鋸をミカは髪を自在に操って叩き落とし、跳躍して宙に浮く。ミカは空中で円を書き、巨大な炎の錬金陣を展開する。錬金陣より巨大なカーボンロッドが複数現れ、それが雨のように降り注いだ。切歌は降ってきたカーボンロッドの間を避けるように走る。

 

「闇雲に逃げてたらじり貧だゾ!!」

 

ミカはさらに今までより1番巨大なカーボンロッドの上に乗り、これを切歌に放つ。

 

「知ってるデス!だから!!」

 

切歌は迫った来た巨大なカーボンロッドを他に突き刺さっていたカーボンロッドに鎌を引っ掛けて旋回することでこれを回避する。

 

「ぞなもし!!?」

 

カーボンロッドを回避した切歌は鎌から手を放し、肩のアーマーをアンカーのように発射。このアンカーはミカを通り過ぎ、彼女の背後にいる調が展開したバインダーに引っ掛ける。残りのアンカーはミカの身体に巻き付き、地に突き刺して彼女を拘束する。ミカの背後には調の車輪鋸が、前方には切歌のギロチンの刃が迫ってくる。

 

【禁殺邪輪 Zぁ破刃エクLィプssSS】

 

「足りない出力をかけ合わせてぇ!!?」

 

ミカは刈られるにも関わらず、満面な笑みを浮かべながら2つの刃によって切断され、爆散した。

 

~♪~

 

戦いが終わり、神社にはS.O.N.Gの職員が集まり、事後処理に当たっている。だが、ミカを倒したのはいいが、独断専行した調と切歌はクリスに怒られている。

 

「こっちの気も知らないで!!」

 

クリスの怒鳴り声に2人は縮こまる。クリスの隣には腕を組んでいる弦十郎とフォルテがいる。

 

「君たちの独断は目に余る」

 

「たまには指示に従ったらどうだ?」

 

フォルテと弦十郎の言葉に2人は謝罪する。

 

「独断が過ぎました・・・」

 

「これからは気を付けるデス・・・」

 

「んぉ?」

 

「お、おぉ・・・珍しくしおらしいな・・・」

 

2人の予想外の謝罪に3人は驚きを隠しきれない。

 

「私たちが背伸びしないでできるのは、受け止めて、受け入れること・・・」

 

「だから、ごめんなさいデス・・・」

 

「う、うむ・・・わかればそれでいい・・・」

 

2人の謝罪で説教はすぐに終わった。とぼとぼと帰路を歩く調と切歌の背中を3人は見送る。

 

「まったく・・・」

 

「先輩が手を引かなくたって、いっちょ前に歩いて行きやがる・・・。

(あたしとは、違うんだな・・・)」

 

クリスは2人の背中をじっと見つめ、フォルテは自分の仕事をこなそうと持ち場へと向かう。

 

(マリアは自分のあるべき力を見つけ、2人もまた、2人らしい強さを見つけた。3人はとても強い・・・そして、これからも強くなる・・・)

 

そこまで考えるとフォルテは歩みを止め、拳を握りしめる。

 

(そう・・・僕だけだ。僕だけが・・・未だに弱いままだ・・・)

 

フォルテの脳裏に浮かび上がるのは、セレナを含んだこれまで亡くなった仲間たちの、最後の瞬間であった。

 

(このままでは・・・同じことが繰り返されてしまう・・・!)

 

いつまでも弱い自分にフォルテは焦りが生じ始め、拳を血が流れるほどに強く握りしめる。

 

~♪~

 

調と切歌はゆっくりと帰路を歩ていく。

 

「足手纏いにならないこと・・・それは強くなることだけじゃない・・・自分の行動に責任を伴わせる事だったんだ」

 

切歌はスマホで責任という単語を調べる。

 

「責任・・・自らの義に正しくあること。でも、それを正義と言ったら、調の嫌いな偽善っぽいデスか?」

 

調は以前響たちと敵対していた時、彼女に向けて言った言葉を思い出す。

 

『それこそが偽善・・・!』

 

「ずっと謝りたかった・・・。薄っぺらい言葉で、響さんを傷つけてしまったこと・・・」

 

「ごめんなさいの勇気を出すのは、調1人じゃないデスよ・・・」

 

切歌は調の肩に手を落ち、彼女の額と自分の額とくっつける。

 

「調を守るのはあたしの役目デス!」

 

「切ちゃん・・・。ありがとう・・・いつも、全部本当だよ・・・」

 

いつも通りの仲良しに戻った調と切歌はお互いに笑いあった。

 

~♪~

 

チフォージュ・シャトーの玉座の間。ミカが破壊されたことで、ミカの台座から赤い光が放たれ、赤い垂れ幕を包んだ。そして、赤い垂れ幕に錬金術の化学式が描かれた。同時に、玉座の間に設置してあった棺が開いた。棺より出てきたのは・・・なんと亡くなったはずのキャロルであった。彼女の前に4機のオートスコアラーはひざまずく。

 

「お目覚めになりましたか」

 

「マスターのお目覚め、心よりお待ちしておりました」

 

キャロルは垂れさがっている赤と青の垂れ幕を見て、状況を把握した。

 

「・・・そうか・・・ガリィとミカが・・・」

 

「派手に散りました」

 

「これからどうするんだい?」

 

シャルの問いかけにキャロルは迷うことなく断言する。

 

「言うまでもない。万象黙示録を完成させる・・・。この手で奇跡を皆殺すことこそ、数百年来の大願・・・」

 

キャロルの断言を聞いたリリィはさらに頭を下げ、口を開く。

 

「我々にお任せくださいませ、マスター。あなた様の大願であられる世界解剖・・・それを阻む奇跡は全て・・・凍てつくして砕いてごらんにいれましょう・・・」

 

そう断言をし、リリィは顔を下げたまま、口元に笑みを浮かべる。キャロルに絶対の忠誠を誓っているリリィの目はまるで絶対零度のように冷たかった。




日和の変身バンクGXバージョン

聖歌を歌い、身に纏っていた衣服を分解し、インナースーツを身に纏う。
次に腕部の装甲を纏い、棍を射出するリボルバー式ユニットを手首に装着。
脚部の機械装甲を纏い、腰部にパレオが出現し、機械の部品が連結し、尻尾を生成、腰部と連結する。
最後に耳から順にヘッドギアを生成し、仕上げに機械部品がウサギ耳を作り上げ、ヘッドギアと連結する。
シンフォギアを身に纏った後は右手首のユニットより棍を射出して、それを手に取って回転し、最後には両手で棍を持ち、構える。

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