戦姫絶唱シンフォギア 大地を照らす斉天の歌   作:先導

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GX編最終回!後書きに予告もありますのでぜひともそちらも拝見お願いいたします。


正義を信じて、握り締めて

キャロルとの決戦から3日の時が流れた。都市部は獅子機の爆発によって壊滅状態となっていた。そこに緒川率いる再編されたS.O.N.Gの調査部の人間が行方不明となっているキャロルの捜索にあたっていた。しかし、あれから3日・・・72時間も経過している。これだけの時間を捜索しても、進展がなかった。

 

「そうか・・・未だにキャロルの行方が知れないままか・・・」

 

新たに新設されたS.O.N.G本部で弦十郎は緒川の報告を聞いている。

 

『すでに決着から72時間が経過しています。これ以上は・・・』

 

「わかった。捜索を打ち切り、帰投してくれ」

 

『了解しました』

 

弦十郎は緒川に捜索を打ち切って帰投命令を出した。了承した緒川はそう返答し、通信を切った。

 

「保護された響ちゃんが無事だったことから、生存してるとは考えられますが・・・」

 

唯一わかっているのは、キャロルは生きているということだけ。その根拠は彼女に手を伸ばし、彼女手を掴んだ響が生きているからだ。だがあれから影も形も見つからないため、誰もが不安を抱えていた。

 

「気掛かりなのは、キャロルの行方だけではありません」

 

藤尭の言う気掛かりのことは、負傷して気を失ったエルフナインのことだ。

 

~♪~

 

現在エルフナインは咲が勤務している病院で入院しており、ベッドに横たわっている。装者たちと未来、海恋は彼女のお見舞いに来ている。

 

「来てくれて嬉しいです・・・毎日すみません・・・」

 

「大丈夫大丈夫。今は夏休み期間だから」

 

「夏休み・・・?」

 

日和が口にした単語、夏休みはエルフナインにとって初めて聞くもので彼女は疑問符を浮かべている。

 

「楽しいんだって、夏休み」

 

「あたしたちも初めてデス!」

 

リディアンに入学して、初めて体験する夏休みに調と切歌も楽しそうにしていた。

 

「早起きしなくていいし、夜更かしもし放題なんだよ?」

 

「それは響のライフスタイル・・・」

 

「日和といい立花さんといい、そろいもそろって・・・」

 

「あんま変なこと吹き込むんじゃねぇぞ?」

 

平常運転なことを言いだした響に未来、海恋、クリスの3人は呆れている。

 

「夏休みはねぇ、商店街でお祭りもあるんだ!焼きそば、綿あめ、たこ焼き、焼きイカ!ここだけの話、盛り上がってくるとマリアさんのギアから盆踊りの曲が流れるんだよ!」

 

響はどさくさに紛れてマリアをからかっている。響の言葉を聞いたエルフナインは視線をマリアに向けた。

 

「本当ですか・・・?」

 

「本当なわけないでしょ!!?だいたいそういうのは私のより翼のギアの方がお似合いよ!

 

エルフナインの言葉にマリアは否定し、今度は翼に飛び火を入れる。

 

『あはははははは!!』

 

容易にその姿が想像できるため、一部のメンバーが笑いだした。だがこの話に面白くないと思っているのが、今笑い者にされている翼だ。

 

「なるほどなるほど・・・?皆が天羽々斬についてどう認識しているか、よーくわかった・・・」

 

「だが、似合うと言えば、東雲の如意金箍棒もそうではないか?」

 

「本当ですかぁ!!?やったー!翼さんとお揃いだー♪」

 

「からかわれてるのよ!」

 

「なんで喜んでんだよ・・・」

 

フォルテの言葉に翼とお揃いだと認識した日和は大いに喜んでいた。ただこれがからかわれてるというのが海恋とクリスにはわかっていたため、2人は呆れている。装者たちと一緒にいたエルフナインは笑いすぎて涙が出てきて、彼女はそれを拭く。

 

「ボクにはまだ知らないことがたくさんあるんですね・・・。世界や皆さんについてもっと知ることができたら、今よりずっと仲良くなれますでしょうか・・・?」

 

「なれるよ!」

 

響はエルフナインの手を取る。

 

「だから早く元気にならなくちゃ!ね?」

 

響は微笑ましい笑顔をエルフナインに見せた。装者たちも笑みを見せ、エルフナインもにっこりと微笑みを見せる。

 

「じゃあ、また明日ね」

 

「ごきげんようデース!」

 

一同はエルフナインに挨拶をして、病室から退出する。

 

「あー・・・私、ちょっとトイレに・・・」

 

響の言葉に彼女の心情を察した装者たちは何とも言えない表情をする。

 

「・・・そうか」

 

「・・・行っておいで」

 

響はちょっぴり舌を出してにっこり笑い、トイレに向かって走り出した。その途中でお見舞いに来た大悟にぶつかりそうになるが、響は軽やかに避ける。

 

「うおっ!ちゃんと前見ろや、ボケェ!!!」

 

「ご、ごめんなさーい!!」

 

大悟の怒鳴り声に響は謝罪しながら走っていく。

 

「大悟、うるさい。ここは病院よ?」

 

「るせぇ。知ったことかよ」

 

「もー・・・いつもそんなことを言う・・・」

 

海恋は大きな声を出した大悟に注意するが、言って聞くような男ではない大悟は素っ気ない態度をとる。

 

「でも、ありがとうね。わざわざエルフナインちゃんのお見舞いに来てくれて」

 

「んなんじゃねぇ。筋が通らねぇことはしたくねぇだけだ」

 

だがどこまでも素直じゃない大悟は素っ気なく振る舞う。彼が未来を通り過ぎようとした時、立ち止まる。

 

「・・・早く行ってやれよ。あいつ・・・泣いてたぞ」

 

「大悟君・・・うん・・・」

 

未来に一言言った大悟はエルフナインの病室に入っていく。未来は大悟の言葉を聞いて首を縦に頷き、装者たちに一礼してから響が走っていた方角へ向かっていく。

 

「・・・行くぞ」

 

「え?戻ってくるのを待たなくていいデスか?」

 

「いいのよ」

 

切歌が響を待とうとしていたが、マリアに窘められ、クリスに引っ張られる形で病室を後にする。この場に残ったのは日和と海恋だけだ。2人は少しだけ病室の扉を開けて様子を覗き見る。扉の隙間から見える大悟は悔しそうに拳を握りしめ、顔は見えないが涙を流しているのがわかる。

 

「皮肉なことよね・・・あの子自身、まだまだ未来があるというのに・・・こんなことになって・・・」

 

「お姉ちゃん・・・」

 

覗き見る2人に声をかけたのは白衣を着込んだ咲だった。咲の表情はとても寂しいものである。なぜなら、エルフナインの余命は残り僅かなのだ。今でこそ延命はしているものの、彼女がもう助からないのは明らかだ。当然それは響もエルフナイン自身も知っている。

 

「エルフナイン・・・もっと生きたかったでしょうね・・・」

 

「お姉ちゃんは・・・大丈夫・・・?」

 

「大丈夫・・・とは言えないわね。患者が1人亡くなろうとしているのよ?こんな苦しみ・・・慣れるわけないわ・・・」

 

「咲さん・・・」

 

患者を1人1人大切に思っている咲にとって、患者が死ぬというのは、とても辛いことで、慣れることはない。職業柄、患者が死ぬとわかっていても、平常に振る舞わなければいけないというのも、彼女にとっては辛いものだ。

 

「と・・・いけないわね。医者がこんなのじゃ。しっかりしないと」

 

「ごめん・・・私がもっと応急処置がうまかったら・・・」

 

エルフナインの応急処置を担当した日和はあの時の処置がうまくできていたらと自分を責めている。

 

「事情はよく知らないけれど・・・日和は最善の選択を取ったんでしょ?それだけでも十分、誇れるわ。もっと胸を張りなさい」

 

「お姉ちゃん・・・うん・・・」

 

咲は日和の頭に手を乗せ、優しくなでる。咲に励まされて、日和は曇った気分が少し腫れた。

 

「さてと・・・後のことは私たちに任せて、あなたたちは先に帰ってなさい」

 

「うん・・・行こ、海恋」

 

「ええ。咲さん、エルフナインのこと、よろしくお願いします」

 

「ええ。もちろん」

 

日和と海恋は後のことを咲に任せ、先に行ってしまった装者たちの元へ向かう。残った咲はドアをノックして病室へと入っていく。

 

~♪~

 

トイレに向かった響は手洗い場で流れていた涙を流している。響を追いかけてきた未来はそんな彼女を見つめる。

 

「ごめん・・・私が泣いてたら、元気になるはずのエルフナインちゃんも、元気になれないよね・・・?」

 

響がトイレに向かっていた理由はおそらく、誰にも自分の泣き顔を見せたくなかったのだろう。

 

「世の中・・・拳でどうにかなることって・・・簡単な問題ばかりだ・・・。自分にできるのが些細なことばかりで・・・本当に悔しい・・・!」

 

「・・・そうかもしれない」

 

涙を流す響に未来は近づき、彼女の手を優しく握る。

 

「だけどね?響が正しいと思って握った拳は、特別だよ?」

 

「・・・特別・・・?」

 

「世界で1番優しい拳だもの。いつかきっと、嫌なことを全部解決してくれるんだから」

 

「未来・・・」

 

未来の言葉に響は彼女に抱き着いた。

 

「ありがとう・・・やっぱり未来は、私の陽だまりだ・・・」

 

響に抱きしめられた未来は笑みを浮かべて、優しく彼女を抱きしめた。洗面台に張られている水に水滴が落ち、波紋が広がった。

 

~♪~

 

時間が経ち、時刻は夜。エルフナインは病室のベッドで眠っていたが、呼吸が荒い。もうすぐ命が尽きようとしている証拠だ。すると、病室のドアが開き、誰かが入ってきた。その人物とは、行方不明になっていたはずのキャロルだ。

 

「キャロル・・・」

 

キャロルの来客に気付いたエルフナインは起き上がることもままならず、顔だけを彼女に向ける。

 

「キャロル・・・それがオレの名前・・・」

 

だがキャロルは自分が何者であるかわからない以前に、自分の名前も覚えていない様子だ。その理由はたった1つしかない。

 

「記憶障害・・・思い出のほとんどを焼却したばっかりに・・・」

 

あの戦いでほとんどの思い出を焼き尽くし、力に変えた。それによって彼女はほとんどの記憶がなくなって記憶障害に陥っているのだ。

 

「全てが断片的で、霞がかったように輪郭が定まらない・・・。オレは、いったい何者なのだ・・・?目を閉じると瞼に浮かぶお前なら、オレのことを知っていると思いここに来た・・・」

 

キャロルの問いかけにエルフナインは答える。

 

「君は・・・もう1人のボク・・・」

 

「オレは・・・もう1人のお前・・・?」

 

「ええ・・・2人で、パパの残した言葉を追いかけてきたんです・・・」

 

「!パパの言葉・・・?オレはそんな大切なことも忘れて・・・」

 

思い出の焼却によってイザークとの思い出も忘れてしまったキャロルは膝を地につけ、エルフナインにイザークの言葉の教えを乞う

 

「教えてくれ!こうしている間にもオレはどんどん・・・」

 

「ゴホッ!ゴホッ!」

 

だがそれはエルフナインが咳き込むことで遮られる。口を抑え込んでいた手には、吐き出された血がついていた。

 

「!お前!」

 

「順を追うとね・・・一言では伝えられないです・・・ボクの身体もこんなだから・・・」

 

「オレだけじゃなく、お前も消えかけているんだな・・・」

 

「・・・・・・・・・うん・・・」

 

エルフナインは悲し気な返事をし、白い天井を見つめる。

 

「世界を守れるなら・・・消えてもいいって思ってた・・・。でも・・・!今はここから消えたくありません・・・!」

 

まだたくさん生きていたい・・・S.O.N.Gのメンバーと出会い、触れ合い、思い出を共有しあったことでできた、エルフナインの願い。だが彼女の願いは、叶うことはない。それがわかっているからこそ、エルフナインは涙を流す。彼女の流す涙を見て、キャロルは決断をする。

 

「ならば・・・もう1度2人で・・・!」

 

キャロルはエルフナインと口づけを交わした。指を絡ませ合い、強く握りしめる。すると、そこから輝かしい光が発せられる。同時にエルフナインのバイタルを表示する心電図の波形が平坦となり、警告音がピーーッと鳴り響いた。

 

~♪~

 

エルフナインが死亡した。その知らせを聞いた装者たちは急いエルフナインの病室へと駆けつけた。扉を開けると、月の光に照らされるように、キャロルが立っていた。ベッドで眠っていたエルフナインの姿はどこにもない。

 

「キャロル・・・ちゃん・・・?」

 

響の問いかけにキャロルは首を横に振り、彼女は装者たちに顔を向ける。

 

「ボクは・・・」

 

声の主はエルフナインであった。エルフナインの生存に響は涙を流しながら彼女に抱き着いた。未来とクリスも笑い、調と切歌抱き合い、日和と海恋は涙を流しながら笑みを浮かべ、翼、マリア、フォルテは微笑んで彼女の生存を喜んだ。

 

~♪~

 

それから時が流れ、キャロルが引き起こした事件は『魔法少女事変』と名付けられるようになった。魔法少女事変から数日が経ち、響は洸と共に実家のある街に向かっていた。その理由はもちろん、響の母と洸の仲直りのためだ。

 

「この街にはいい思い出なんてないはずなのにねぇ。今は懐かしく思えちゃう」

 

「それはあの時よりも、響が強くなったからじゃないかな?」

 

「え?」

 

洸の言葉に響は首を傾げている。

 

「さて俺も、頑張らなくちゃ・・・な?」

 

「うん!お父さん!」

 

「「へいき、へっちゃらだ!」」

 

響と洸はお互いにハイタッチを交わした。

 

~♪~

 

同時刻、日和は大悟と2人きりで小豆の墓参りに来ている。今までは海恋と一緒でも来ることを渋っていたのだが、日和がちょっとずつ成長したおかげで、こうして大悟とも来れるようになったのだ。

 

「小豆・・・私、ベーシストになるよ。ベーシストになって、いろんな世界を見て回って、翼さんとは違う、自分だけの輝きを見つけてみせるよ」

 

今までは翼を追いかけることしかしなかった日和だが、今は目標を見つけて、自分だけの輝きを掴みたいと願うようになっている。これも、シンフォギア装者にならなければ、決して辿り着けなかった思いだ。

 

「ちょうど、ファン第1号もいるからね」

 

「はあ!!?いつ俺がてめぇのファンになったよ!!?」

 

「だってそうでしょ?私は大悟君のお姉ちゃん・・・だからね!」

 

大悟の問いかけに日和はにっこりと笑い、さぞ当たり前のように答えた。

 

「ちっ・・・俺の姉貴はあの人だけで十分だっつの」

 

頬を赤らめる大悟は自分の姉は小豆だけだと言い張り、日和の言葉を否定して立ち上がった。

 

「・・・なぁ、一曲弾いてみろよ。お前の下手くそな演奏を聞いて笑ってやるからよ」

 

「・・・うん!じゃあ、ファン第1号のご期待に応えて、一曲歌うよ!」

 

大悟の挑発的な言葉に日和は笑いながら答え、持ってきたベースを取り出し、演奏を始めた。

 

~♪~

 

同時刻、クリスの家に遊びに来ていた調と切歌は夏休みの宿題に取り組んでいた。同じく家に遊びに来ていた海恋は2人の宿題を見ており、クリスはソファに寝転がってアイスを食べている。

 

「だから・・・この答えは違うって言ってるでしょ?いい?もう1回教えるからちゃんと覚えなさい」

 

「・・・楽しいはずの夏休みはどこへ・・・」

 

海恋が切歌に問題の説明をしている中、調は夏休みに宿題をやることに不満があるのかそう呟いた。

 

「だけどどうしてクリス先輩は余裕なんデスか?」

 

切歌はクリスがのんびりしていることに疑問符を浮かべている。そんな切歌の疑問にクリスは得意げに学校の成績表を見せて話す。

 

「いい機会だから教えてやる。こう見えて、学校の成績は悪くないあたしだ」

 

「嘘ぉ!!?」

 

「んん!!?」

 

好成績を収めているクリスの成績表に調は驚いていた。その反応が気に食わないのかクリスは眉をひそめる。

 

「い、今言ったのは調デス!!」

 

「私を守ってくれる切ちゃんはどこ行っちゃったの・・・?」

 

「はい、よそはよそ、うちはうち・・・ていうことで、ちゃっちゃと宿題、やっちゃいなさい?たーーーーっぷり、教えてあげるから・・・」

 

「「ひぃ!!」」

 

切歌と調が揉めて宿題から脱線しようとした時、海恋が黒い笑顔を浮かべて2人頭を掴み、宿題に視線を向けさせようとする。2人はそんな海恋に恐怖を抱く。

 

「・・・やっぱあいつ、勉強のことになるとこえぇ・・・」

 

ソファで寝転がっているクリスは勉強のことになると人が変わる海恋に若干身震いする気持ちになる。

 

~♪~

 

同時刻、翼はロンドンに戻るため、緒川と共に空港に来ている。

 

「翼さん」

 

緒川に声をかけられ、前を見てみると、奥にはマリアとフォルテが待っていた。

 

「たまさか私たちもイギリス行きなのよねぇ」

 

「ぷっ・・・たまさかね・・・ふふ・・・」

 

マリアの意図を察したのか、翼は思わず笑っている。それを見たマリアは頬を赤らめており、そこに笑みを浮かべたフォルテが彼女の肩に手を置く。

 

「マリア、素直になれ」

 

「ちょっと!!あんたねぇ!!・・・もう!やっぱりこの剣2人、かわいくない!!」

 

2人の反応に拗ねたマリアはそう言い放った。

 

~♪~

 

翼たちが乗るイギリス行きの飛行機が飛行していく様子を、空港の外で弦十郎が見送っている。彼がもたれかかっている車には八紘が乗っていた。

 

「見送りもまともにできないなんて、父親失格じゃあないのか?」

 

「私たちはこれで十分だ」

 

遠くで翼を見送った後、八紘は真剣な表情に戻り、本題に入る。

 

「それよりも弦、今回の魔法少女事変・・・どう考える?」

 

「・・・米国の失墜に乗じた欧州の胎動・・・」

 

「あるいは・・・」

 

魔法少女事変の裏側に欧州に何かしらの関りがあり、別勢力が裏で動いているのではないか・・・そんな考えがよぎる弦十郎と八紘であった。

 

~♪~

 

S.O.N.G本部のブリッジではオペレーターたちがあるものの解析にあたっていた。

 

「遅くなりましたぁ~!!」

 

そこへ、新たにS.O.N.Gの一員となったキャロルの姿となったエルフナインが入ってきた。

 

「遅刻だぞー」

 

「はうぅ~・・・ずびばぜん・・・」

 

友里とエルフナインは共に笑いあう。

 

「さっそく解析の続きを始めましょうか」

 

オペレーターたちが解析しているのは、死したウェルから託されたマイクロチップだ。

 

~♪~

 

その頃実家にたどり着いた洸は妻ともう1度やり直すため、彼女と向き合っている。隣で響がその成り行きを見守っている。

 

「やり直したいんだ!みんなで、もう1度!だから・・・!」

 

洸は頭を下げながら妻に頭を下げて、手を差し出す。戸惑っている妻は困った顔をし、玄関で隠れている妻に少し顔を向け、視線を洸に戻す。そして、差し出された手を握ろうともしたが、やはり踏みとどまっている。

 

「・・・あはは・・・勢いなんかで手を繋げないって・・・」

 

洸はやはりダメかと思い、苦笑いを浮かべていると、響が洸と母の手を握る。

 

「響・・・」

 

「・・・こうしてることが正しいって、信じて握ってる。だから・・・簡単には放さないよ!」

 

響は両親に向けて、にっこりと笑ってそう言った。

 

~♪~

 

調と切歌の宿題を終わらせた後、海恋は外に出て日和に電話をしている。

 

「立花さんたち・・・うまくいくかしら・・・?」

 

『大丈夫だよ。響ちゃんがいるから・・・きっと大丈夫。だから・・・もう自分を責めないで、海恋』

 

「うん・・・ありがとう、日和」

 

響たちを心配していた海恋は日和に励まされて、少しほっとした気分になった。

 

「そうだ、私たちこれからお昼なんだけど・・・一緒にどう?」

 

『ごめ~ん・・・私、今大悟君とランチ中なの。こんなことなら断っとけばよかったぁ~・・・』

 

「いいわよ別に。今までの埋め合わせはしっかり埋めときなさい。また今度、ランチに行きましょう」

 

『うん。ありがとうね、海恋。その日を楽しみにしておくね』

 

話を終わり、海恋は電話を切った。その後海恋はクリスと調と切歌と一緒に昼食を食べにお店を探しに向かうのであった。

誰もいなくなったクリスの家のテレビは消し忘れてつけっぱなしであった。テレビではニュースが流れており、たった今速報が流れた。

 

『西園寺グループ、買収か!!?』

 

西園寺グループ・・・つまり海恋の父が経営する会社が買収されるという知らせ。これによって、海恋の運命を左右されることになろうとは・・・この時の装者たち・・・そして海恋自身も知る由もなかったのであった。




予告

物語はAXZ編に突入!

装者たちは任務でバルベルデ共和国へ向かうことに!

バルベルデはフォルテの生まれ故郷・・・。帰ってきた故郷の現状を見て、フォルテは何を思い、何を見出すのか・・・。

そして、日本でも西園寺グループの買収の話題によって世間は騒がれている。この件で悩む海恋に日和は彼女ために何をしてあげられるのか・・・。

そして、海恋の選ぶ道は・・・

AXZ編、番外編の後にスタート!

そして・・・

最近日和はバンドメンバーと一緒に過ごしてきた夢を見ることが多くなった。

そんな時に完全聖遺物の1つであるギャラルホルンからアラートが鳴りだす。

並行世界の異変を解決するために、日和を含んだ装者たちはその並行世界へと向かってゆく。

辿り着いた並行世界で、日和は思いがけない人物と再会を・・・。

閉ざされてしまった地平線の扉が・・・今、開かれようとしていた。

戦姫絶唱シンフォギアXD ー開く地平線の扉ー

AXZ編と同時にスタート!
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