戦姫絶唱シンフォギア 大地を照らす斉天の歌   作:先導

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番外編、戦姫絶唱しないシンフォギアGX編、始まるよー。
そして本日は切歌ちゃんの誕生日!おめでとう!


番外編
戦姫絶唱しないシンフォギアGX①


『リディアンの期末考査前夜』

 

 

 

季節は冬・・・リディアンの期末考査試験が行われる時期になった。リディアンの生徒たちは期末考査に向けて勉強に励んでいる。一方、学生寮に住んでいる日和と海恋はというと・・・

 

「やだーーーー!!勉強やだーーーーー!!」

 

日和は勉強を嫌がってタンスにしがみついている。海恋はそんな日和に勉強をさせようと引っ張って机に連れて行こうとしている。

 

「やだーじゃないのよ!あんた自分の立場ちゃんとわかってるの?」

 

「勉強は昔から嫌いなんだよー!やりたくなーい!!」

 

日和は昔から勉強が苦手で実家にいる時も勉強から逃げようとこっそり家を抜け出そうとしたことが何度もある。そのたびに咲に捕まって部屋に引き連られてしまうが。それが今では海恋がその役目を担うことに。

 

「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!あんたの成績、下から数える方が早いくらいなのよ?もうちょっと緊張感持ちなさいよ!」

 

「やだぁ~~!!」

 

「このままじゃあんた、留年するのよ?それでもいいの?」

 

「それはもっとやだぁ~~~!!」

 

「だったら勉強する以外選択肢はないの!ほら、さっさとやるわよ!」

 

「やあああぁぁぁ~~~・・・」

 

留年がかなり利いたのか日和の抵抗は弱まり、彼女はタンスから手が離れ、海恋にずるずると引き連られていく。

 

「だいたいリディアンは二課と関係のある学校でしょ~?どうして普通の授業が普通にあるんだよ~・・・」

 

日和は引き連られながらそんな疑問を口にしたが、すぐにその答えに気付いた。

 

「あ・・・そっか・・・案外そういうことなのかも・・・」

 

「?どうしたのよ突然・・・?」

 

「なんだかさ、やっと普通の日常に戻ってこれたような気がするの」

 

「?」

 

日和の言葉に首を傾げている海恋。

 

「遅くなっちゃったけど・・・ただいま、海恋」

 

「!・・・ええ。おかえり、日和」

 

日和からただいまの言葉を聞いて、海恋は笑みを浮かべて返事を返した。・・・引き連られているので、まったく締まりがないが。

 

 

 

『フロンティア事変から2週間』

 

 

 

二課の本部にて、緒川はフロンティア事変に関わるものの証拠品について、弦十郎に報告をする。

 

「フロンティアの崩壊に伴い、海中に没したエアキャリアより、事件の裏側を伺い知る証拠品を多数引き上げました」

 

「とはいえ、あの状況だからなぁ・・・」

 

「はい。そのほとんどが破損し、証拠品として、機能していなかったのですが・・・」

 

モニターにはエアキャリアより回収された証拠品の一部が映し出された。それは、ボロボロになってしまったが、何かの手紙だった。

 

「ん?これは?」

 

「海水に揉まれてボロボロになったうえ、文字も滲んで判読不能の状態だったのですが、二課情報部、化学班の先端技術を結集させて、元の状態にまで復元しました」

 

「金かけたなぁ!」

 

証拠品1つに先端技術を結集させてまで復元させたことに、弦十郎はそう言って驚く。

 

「一読する限りでは、意味不明の謎ポエムにも思われるのですが・・・高度な暗号の可能性もあるため、専門チームを編成して、解析にあたってみたのですが・・・」

 

「そうか・・・F.I.Sの背後関係を暴くきっかけになるかと期待するのは、少々虫が良すぎたな・・・」

 

「特殊性はないと判断しましたので、これは私物ということで、彼女たちの元へ戻るよう手配しておきます」

 

「うむ、そうしてやってくれ」

 

手紙は私物であると判断したが故、弦十郎たちはそれをマリアたちの元へ返すことにしたようだ。その様子はオペレーターの本を返しに来た海恋がちらっとだが見ていた。

 

(・・・あれ、絶対黒歴史的な何かだわ・・・)

 

モニターの手紙をちらっと見て海恋はそれが黒歴史であるものではないかと推測し、持ち主に向けて哀れな感情を抱いた・・・。

 

~♪~

 

一方その頃、F.I.Sのレセプターチルドレンたちが収監されている牢屋で・・・

 

「デデデデデデデーーーース!!!」

 

なぜか切歌が顔を青ざめて叫び、その場で縮こまった。

 

「どうしたの?切ちゃん?」

 

「かつてない悪寒が・・・突然背中を駆け巡ったのデース・・・」

 

「腹でも痛いのか?トイレならそこにある。行ってくるといい」

 

切歌のこの様子からして、どうやら手紙の持ち主は切歌だったようだ。手紙が返却されてくることが直感的なもので感じ取ったようで寒気がして今に至るようだ。

 

 

 

『刑務所での食事』

 

 

 

牢屋の中で調はモニターに表示されている現在の時刻をじーっと見ている。現在の時刻は11時55分だ。

 

「じぃーーー・・・」

 

調がじーっと見つめている中、時間は一刻一刻進んでいき、そして時刻は12時になった。すると、独房に4人分の食事が届けられた。

 

「ごはん!ごはんデース!!」

 

どうやら調が時計を見ていたのは、昼食時間になるその瞬間を待っていたからのようだ。出された食事は刑務所のご飯とは思えないほどに充実していた。4人は届けられた昼食にありつく。調は今日の昼食を食べて、にこやかな笑顔になる。

 

(いったいどこの誰だろう・・・?刑務所のご飯を臭い飯なんて言ったのは・・・?)

 

3人が食事にありついている中、マリアはにこにこと笑ってご飯を食べている調を見ていた。

 

(どうして調ったら、こんなにも塀の中の暮らしを満喫できるのかしら・・・?)

 

調の考えを理解していないマリアはそんな疑問ばかりが浮かび上がる。

 

「食べないのか?」

 

「!食べる!食べるわよ!」

 

フォルテに食が進んでいないことに指摘されたマリアは慌てて食事を再開する。その際にマリアは温かいご飯をふーふーして冷ましていた。

 

「熱いのか?」

 

「ふーふーするほどじゃないと思うけど・・・」

 

「!!く、癖よ!つい癖が出ただけよ!猫舌なわけないじゃない!」

 

3人にふーふーする姿を見られたマリアは妙な言い訳を始めた。

 

「癖だとしたら十分猫舌デース・・・」

 

マリアの言い訳に切歌はそう呟いた。

 

 

 

『期末考査が終わって冬休み』

 

 

 

期末考査試験が終わり、冬休みになったある日。日和と海恋、響と未来はクリスの家に遊びに来て、こたつに入って身体を暖まりながらテレビを見ている。今テレビに映っているのは、歌番組。今は翼の番が来て、その歌声を披露している。

 

「はぁ~~・・・やっぱり翼さんって・・・かわいいしかっこいい・・・憧れちゃうなぁ~・・・」

 

翼の姿と歌声に魅了されている日和は目を輝かせている。

 

「こうして見ると、翼さんってやっぱり翼さんだよね~」

 

「ああ、そうだな」

 

響の言葉にクリスは同意した。歌番組が終わり、日和は別のチャンネルに変える。次の番組はクイズ番組でこの番組にも翼が出演している。

 

『話題の片づけ術でときめき収納方という・・・』

 

ピポーン!

 

『今度こそ断捨離!』

 

ブブーッ!

 

出された問題に意気揚々と答える翼だったが、当然ながら不正解だ。

 

『くっ・・・!何のつもりの当て擦りだ・・・!』

 

翼は出した答えが不正解だったことに悔しがっている。

 

「なんていうか・・・翼さんらしいね」

 

「こうして見ると・・・翼さんって・・・やっぱり翼さんだよね・・・」

 

「そうだな」

 

響の言葉にクリスはみかんを食べながら同意した。

 

「3人とも!翼さんに怒られるわよ!」

 

「はぁ・・・そうなっても私たちは庇えないわよ?」

 

3人の反応に未来が注意をし、海恋は呆れてため息をこぼし、そう一言しゃべった。

 

 

 

『収容施設のお正月』

 

 

 

1年に終わりを迎え、新年を迎えたお正月。収容施設の牢屋に入っている4人は今日も出された食事にありつく。本日のメニューはお正月にちなんでおせち料理だ。しかも二段重ねだ。

 

「二段重ねのおせち・・・!」

 

「大晦日には年越しのおそばもあったデース!」

 

「298円のインスタントだけどね!」

 

「大晦日のそばに正月のおせち・・・これぞ日本の醍醐味・・・」

 

刑務所のご飯とは思えない食事に3人はご満悦の様子だ。そんな中でマリアは頭を悩ませている。

 

(作戦行動中には考えられないくらい充実した食生活・・・!自供も捜査協力もしないでずるずる引き延ばしていれば、それだけ長くごちそうにありつけるのかもしれない・・・!だけどそれは、正義とよろしくやっていく私の信念に反して・・・!)

 

今の充実した食事をとるか、己の信念を貫くか・・・どちらを取るべきかで悩んでいるマリアは頭を抱えている。

 

「マリアは食欲がないみたいなので、僭越ではありますが、ここはあたしが・・・」

 

「わあ!チョコやクッキーがついてる!」

 

「僕は甘い洋菓子は好きじゃない。僕のチョコとクッキーは2人で分けるといい」

 

「やったデス!!」

 

それに対して3人は今の牢屋生活に慣れてしまっており、充実していた。

 

「3人とも!!ここでの生活に慣れすぎよ!!!」

 

あまりの充実っぷりにマリアは3人にツッコミを入れるのであった。

 

 

 

『2月のとある日曜日』

 

 

 

2月の日曜日に、リディアンの制服を着た未来と海恋と装者たちがドーナツの差し入れも持ってマリアたちの面会にやってきた。4人の元気な姿を見て、装者たちはほっとしている。

 

「よかったぁー、みんな元気そうで」

 

「2人の入学手続きは、こっちの方で済ませたからね」

 

「春からは一緒の学校だよ!」

 

「新しい後輩ができて、嬉しいなぁ~♪」

 

「先輩として厳しく指導してやるから覚悟しておけよな!」

 

装者たちが調と切歌を暖かく迎え入れてくれている様子にマリアとフォルテは笑みを浮かべていた。

 

(特起物に身を預けたのは、間違いではなかったのね・・・)

 

自分たちの出した決断が間違いではなかったとマリアが思っていた時・・・

 

「4人とも・・・丸くなったな」

 

「「!!!??」」

 

「・・・・・・」

 

「?」

 

「翼さん!!?」

 

翼がとんでもない爆弾発言をかましてきた。翼の発言に調と切歌は驚き、マリアは顔を俯かせている。フォルテは意味がわかっておらず、首を傾げている。

 

「な・・・何を言い出すデスか・・・」

 

「ごはんが、以前より充実してるとか、ありえないし・・・」

 

翼の発言に気にしている切歌と調はそのような言い分を述べた。2人の解釈と翼の解釈が全く違うため、翼はきょとんとした顔をしている。

 

「?皆の印象を言ったまでだが・・・どうかしたのか?」

 

「天然でこの切れ味・・・!」

 

翼は人当たりがよくなったと言いたかったのだが、あの発言では太ったなと言っているようなものであると翼は全く気付いていない。

 

「特にマリアが丸くなったな」

 

「この剣、かわいくない・・・!」

 

またも翼がいらない発言をして、マリアは若干涙目になっている。

 

「?丸くなった・・・とはどういう意味だ?」

 

「うるさい!!自分で考えなさい!!」

 

「なぜ怒る・・・」

 

意味を理解していないフォルテはマリアに質問したが、八つ当たりするかのように怒られるのであった。

 

 

 

『もうすぐ翼の卒業式』

 

 

 

季節は春、卒業シーズンに入った。翼はリディアンの3年生。彼女もまたこの春でリディアンを卒業を控える卒業生である。

 

「もうすぐ、卒業しちゃうんですよね・・・」

 

「そうなると、やっぱり翼さんはロンドンに・・・」

 

「本当にノイズが根絶されたのなら、いつか、世界を舞台に歌を歌ってみたいと夢見ていた・・・」

 

ノイズが消滅した今、卒業して夢見ていたことが実現できることに、翼は感慨深いものを感じ取っていた。

 

「私たちも私たちで頑張りますから、こっちのことは心配しないでください!」

 

日和が皆を代表してそう言い、翼の夢を応援する。心なしか頼りになる雰囲気も出ている。

 

「こういう時の東雲は頼もしいな。むしろ、心配なのは雪音の方だ」

 

「はあああああ!!?」

 

翼の発言を聞いてクリスは頬を赤らめながら驚愕する。

 

「確かに、この中で1番べそをかきそうなのはクリスよね」

 

「雪音の場合、べそというより、べしょべしょの号泣かもしれないな」

 

言いたい放題言われているクリスは翼に向けて反論する。

 

「元栓閉め忘れてるんじゃねぇんだ!!簡単に泣くものかよ!!むしろ泣くのは、卒業するそっちだろ!!?」

 

「剣に涙は似合わない!二度と泣かぬと決めたのだ!!」

 

クリスの反論に翼は堂々とそう言い返すのであった。

 

 

 

『卒業式当日』

 

 

 

時が流れ、いよいよ卒業式が執り行われた。その最中で、泣かないと宣言していたはずの翼は誰よりも泣いていた。卒業式が無事終わり、日和たちは翼に顔を見せる。

 

「言わんこっちゃねぇな!!」

 

そう言っているクリスの目には涙が溜まっていた。

 

「面目ない・・・皆と一緒に、いられなくなると思うと・・・つい・・・」

 

「「・・・うわああああああ!!」」

 

翼の言葉でクリスの涙腺が崩壊し、号泣する。言い出した本人である翼自身も号泣している。

 

「・・・なんていうか、意外ね。日和が泣かなかったの」

 

日和なら泣くものだと思っていたが、意外にも泣かなかったことに海恋は驚いている。

 

「いやぁ・・・だってさぁ・・・誰とは言わないけど隣で号泣されたら・・・ねぇ・・・?」

 

「まぁ、確かに」

 

日和は号泣しているクリスに視線を向けながら言う言葉に海恋は納得している。どうやらクリスは式の最中にも泣いていたらしい。そのおかげで泣けなかったと主張する日和。

 

「寂しくなるね・・・」

 

「ずっと一緒だと思ってたから、余計にね」

 

ピピピ、ピピピ!ピピピ、ピピピ!

 

響が話していると、4人の通信端末が鳴りだした。本部からの連絡だと思い、4人は気を引き絞めた顔になり、通話に出る。

 

「「「「はい!」」」」

 

4人は本部からの任務の通達を聞く。

 

「国連所属のスペースシャトルが⁉」

 

「帰還時のシステムトラブルかよ・・・!」

 

国連所属のスペースシャトルがシステムトラブルを引き起こし、落下しているらしいのだ。

 

「了解です!本部にて合流します!」

 

3人は事態を把握し、通信を切って翼に視線を向ける。

 

「翼さん!最後にもう少しだけ、手伝ってくれますか?」

 

「無論だ!これからどんなに離れようと、私たちはずっと一緒だ!」

 

「そういうのは後回しだ!行くぞ!」

 

装者たちはスペースシャトル墜落を何とかするために急ぎ本部へと向かっていく。

 

「行ってらっしゃい!」

 

「必ず帰ってくるのよ!」

 

海恋と未来は手を振って装者たちを見送った。日和と響は2人の声に手を振って返事を返すのであった。




切歌の誕生日

調「切ちゃん、お誕生日、おめでとう。今日は切ちゃんの好きなもの、たくさん作ったよ」

切歌「調ー!ありがとうデース!」

マリア「私もフォルテも、プレゼントを用意したわ。気に入ってくれるといいけれど」

切歌「マリアもフォルテもありがとうデース!あたしの誕生日を祝ってくれて・・・」

フォルテ「誕生日を祝うのは当然のことだ。僕たちは、絆で繋がった家族だからな」

切歌「ふぉ、フォルテー!」

フォルテ「みんなも暁の誕生日を祝いたがっている。早く行くぞ」

マリア「そうね。待たせるわけにもいかないもの」

調「切ちゃん、一緒に行こう」

切歌「うん!あたし、みんな・・・調に会えて・・・本当によかったデス!」
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