戦姫絶唱シンフォギア 大地を照らす斉天の歌   作:先導

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歯車が描くホロスコープ

無敵の怪物、ヨナルデパストーリを響、日和が倒したことにより、装者たち側に有利な状況になってきた。さらにそこに翼、クリスも到着したことにより、形勢が逆転する。

 

「そこまでだ!パヴァリア光明結社!」

 

「こちとら虫の居所が悪くてなぁ・・・抵抗するなら容赦はできないからな!」

 

「あなたたちのせいでもうめちゃくちゃなんだから・・・覚悟してもらうよ!」

 

日和は棍を構え、翼は刀を、クリスはボウガンを2人の錬金術師に突きつける。

 

「生意気に~!踏んづけてやるわ!」

 

だがそれで抵抗の意思を止まるわけがなく、戦いが開戦しようとした時、彼女たちの目の前に転送陣が現れ、そこから和服を着込んだ錬金術師、エドワードが現れる。

 

「うひゃあ!!?」

 

「エド!!?」

 

「そこまでじゃ。それ以上の戦は、妾が許さぬえ」

 

突然現れたエドワードにカリオストロとプレラーティは驚愕する。

 

「僕たちが会った錬金術師とは違う・・・もう1人いたのか!」

 

「ほほぅ、あれがシンフォギア装者か・・・ふふふ、なんとも元気があるわっぱではないか」

 

2人にサンジェルマン以外の仲間がいたことにフォルテは毒づき、逆にエドワードは装者たちを見て愉快そうに笑っている。が、すぐにカリオストロとプレラーティに視線を戻す。

 

「それはそうと、ずいぶん面白いことをやっておったではないか。妾は除け者かえ?悲しいのぅ・・・妾は仲間ではなかったのかえ?」

 

「ほら・・・出たワケダ・・・」

 

わざとらしさが見え見えな小言にプレラーティはうんざりした顔になる。

 

「んもう!小言なら後で聞くってば!今はそんな場合じゃないでしょ⁉」

 

「ふむ・・・まぁよい。もっと面白いものを見させてもらった・・・それで不問としよう。のう?サンジェルマン」

 

エドワードが扇子を開き、口元に添えたと同時に、転送陣が現れ、そこからサンジェルマンが現れる。サンジェルマンは装者たちに顔を向けて口を開いた。

 

「フィーネの残滓、シンフォギア!だけどその力では、人類を未来に解き放つことはできない!」

 

サンジェルマンがフィーネの名を口にしたことに、装者たちは驚愕する。

 

「フィーネを知っている⁉」

 

「それに、人類を解き放つとは・・・それは・・・」

 

「まるで、了子さんと同じ・・・バラルの呪詛から解放するってこと!!?」

 

「まさか・・・それがお前たちの目的なのか⁉」

 

「人に聞くのではなく、まずは自分で考えたらどうじゃ?」

 

装者たちの疑問にサンジェルマンは答えようとせず、逆にエドワードにそう言われてしまう。

 

「カリオストロ、プレラーティ、ここは引くわよ。エドワードも」

 

「ヨナルデパストーリがやられたものねぇ」

 

「態勢を立て直すワケダ」

 

「妾は長旅で疲れておる。少しは休ませてもらうぞ」

 

「未来を、人の手に取り戻すため、私達は時間も命も費やしてきた。この歩みは誰にも止めさせやしない」

 

「未来を人の手にって・・・待って!」

 

サンジェルマンはテレポートジェムを取り出し、足元に放り投げて割る。そこから転送陣が現れ、響の問いかけを最後まで聞くことなく、4人は自分たちの拠点に転移する。革命、そして人類の解放・・・それが何を意味するのかわからず、S.O.N.Gは自分たちの役目を終え、日本に帰還するのであった。

 

~♪~

 

バルベルデから帰還した後日。リディアンでの始業式が終わり、いつも通りの日常を過ごしていく装者たち。そして、最初の授業が終わり、今は休み時間。海恋はクリスからバルベルデで起こったことを聞かされる。

 

「アルカ・ノイズを使役する政府軍に、新たな錬金術師・・・そっちではそんなことが起きてたのね・・・」

 

「ああ、まぁな」

 

「パヴァリア光明結社・・・目的が了子さんと同じだとしたら・・・人を犠牲にしてでも掴みたいものがあるってことなのかしら・・・?」

 

「さあな。そこまでは知らねぇよ」

 

クリスの話を聞いて海恋は少し考える素振りを見せる。だが情報が少ない以上、いくら考えても答えなどでない。ゆえに海恋はこの話は一旦置いておくことにする。

 

「・・・それで?あんたはどうなの?まだ話してないこと、あるんじゃないの?」

 

「うっ・・・それは・・・」

 

海恋がまだ話していないことを振られ、クリスは口ごもる。話してないことというのは、自分がステファンの足を斬り落とし、それによって怒りをぶつけるソーニャの件のことだ。話してない・・・というより、そもそも話すつもりがないのだ。仲間に、それも大切な友達に余計な心配をかけたくないから。

 

「話せないことなの?」

 

「そういうわけじゃねぇよ。大したことじゃないから気にすんな」

 

「ふーん?ま、別にいいけど。隠し事なんて今に始まったことじゃないし。けど、我慢と無理は別物だからね。そこだけははき違えないでちょうだい」

 

「・・・ああ・・・わかった・・・」

 

クリスが隠し事をしていることは容易に想像できる。日和に聞けばクリスの悩みもすぐにわかる。だが海恋はあえて聞こうとはしなかった。自分だって辛い状況にいるのに、気を遣ってくれている海恋にクリスは申し訳なく思っている。

 

「・・・なぁ・・・そっちはどうなんだ?お前の家・・・」

 

「未だに進展なし。目立った動きもなければ、吉報と言えるものも、悪い話も聞かない・・・もどかしい状況よ」

 

「そうか・・・」

 

クリスはこういう時、なんて声をかければいいかわからず、ただただ、どうやって元気づけようかと悩んでいる。

 

「ふふーん♪ねぇねぇ、海恋、クリス♪」

 

そんな時に、妙ににこやかな笑顔をしている日和が声をかけてきた。

 

「あ?なんだよ、気持ちわりぃ笑顔を浮かべやがって・・・」

 

日和は両手に持っていたクッキーが入った包みをクリスと海恋に渡した。

 

「クッキー?」

 

「うまく焼けたと思うんだー♪よかったらぜひ食べてよ♪」

 

「あんた、珍しく早起きして何してるのかと思えば・・・」

 

「本当はすぐ渡したかったんだけど、始業式が始まるからバタバタしちゃってさー。けど、冷めてもおいしいから!うん!」

 

自慢げに笑う日和は本題に入り、伝えたいことを伝える。

 

「・・・あの・・・さ。2人とも今は辛い状況だと思うけど・・・大丈夫だよきっと!いつかソーニャさんもきっと許してくれるし、おじさんの会社も元通りになるよ!・・・て、これじゃ無責任になっちゃうか・・・でも私がどうにかできることじゃないし・・・うぅ~ん・・・」

 

しっかり決めたと思ったが、考え直してみると逆効果なのではと思い始め、頭をうんうんと捻らせる日和。この様子から見て日和は自分たちを元気づけようとしているのがわかった海恋とクリス。

 

「余計な気遣いはいいって言ってるだろ」

 

「私にとっては余計なことじゃない!」

 

「お前なぁ・・・」

 

「言ったって無駄よ。言おうが言うまいが変に付きまとってくるのが日和だもの」

 

「だからってなぁ・・・」

 

気遣いはいらないとクリスは主張するも、日和は考えを改める気は全くないようで言い返す。海恋は諦めた様子で肩をすくめる。

 

「とーにーかーく!海恋やクリスがそんな調子だと、私も元気が出ないよ。だからさ・・・そんなに深く思いつめないで。ね?」

 

「「・・・・・・」」

 

日和の言葉を聞き、海恋とクリスはお互いに顔を見合わせる。

 

「ねー、ひよりん、ちょっといいかな?」

 

「あ、大丈夫だよー。じゃ、そういうわけなんで、早く元気出してね!」

 

日和はそれだけを言い残して自分を呼んだクラスメイトの元へ向かっていった。

 

「たく・・・本当に情けねぇ・・・ここまで気遣われちまってよ・・・」

 

「まぁ・・・そうさせているのも、私たちってことよね・・・」

 

海恋とクリスは受け取ったクッキーの包みを開け、クッキーを1枚口に運んだ。

 

「・・・あめぇ・・・」

 

「これ、絶対に日和の好みに合わせてるわよね・・・」

 

「ちげぇねぇや」

 

しかし、このクッキーの甘さが今の2人は少しだけ安心した気持ちになった。

 

~♪~

 

一方その頃、バルベルデに残って調査を続けていた翼、マリア、フォルテの3人はプライベートジェット機に乗って日本に帰国している。機内でマリアは雑誌を読み、フォルテは端末を操作して仕事をこなし、翼は窓の外を眺めていた。翼の足元には厳重なロックがかけられているケースが立てかけられていた。

 

~♪~

 

海辺のどこかにある高級ホテルのような屋敷の一室。薄暗いこの部屋にはサンジェルマンとエドワード、そしてオートスコアラーのティキしかいない。エドワードは椅子に腰かけ、日本酒を飲みながらサンジェルマンの作業を眺める。結晶から取り出されたティキはベッドで横たわっており、サンジェルマンは錬金術でティキの胸部カバーを開ける。開かれた胸部には歯車のような窪みがある。

 

(ティキは、惑星の運航を製図と記録するために作られたオートスコアラー。機密保持の為に休眠状態となっていても、『アンティキティラの歯車』によって再起動し、ここに目覚める)

 

ティキのそばに置いてあった石化した歯車のような物体が錬金術によって宙に浮き、歯車に纏っていた石が外れ、元の道具、アンティキティラの歯車が復活する。歯車はエーテルによって回転し始め、ティキの胸部の窪みにはめ込まれる。歯車がはめ込まれた時、胸部カバーは元に戻り、ティキは再起動を始めた。これによって目のようなバイザーが発行し、球体部が浮遊し、輝きを放つ。すると、プラネタリウムのように星を映し出した。それが終わると球体はバイザーに収まり、400年の眠りからティキが目覚めた。ティキはぎこちない動きで起き上がり、顔を纏うバイザーを取り外した。

 

「ふぅ・・・」

 

「久しぶりね、ティキ」

 

「汝と会うのは400年ぶりじゃのぅ」

 

2人に声をかけられたティキは彼女たちに顔を向ける。すると、彼女の表情はぱあっと明るくなった。

 

「サンジェルマンにエドワード?ああ~!400年近く経過しても、2人は2人のままなのね!」

 

「そうよ。時を移ろうとも、何も変わってないわ」

 

「つまり、今もまだ、人類を支配の軛から解き放つためとかなんとか、辛気臭いことを繰り返しているのね!よかった、元気そうで!」

 

「その小生意気な口調・・・汝も変わらぬのぅ、ふふ」

 

踊りながら発するティキの口調にエドワードは懐かしさを感じ取りながら、おちょこに日本酒を注ぐ。するとティキは辺りを見回し、何かを探している。

 

「うん?うぅ~ん?ところでアダムは?大好きなアダムがいないと、あたしはあたしでいられないぃ~!」

 

まるで恋する乙女のように自分の身体を抱きかかえ、悶えているティキ。どうやらティキはそのアダムという人物に恋をしているようだ。すると・・・

 

ジリリリリ! ジリリリリ!

 

突然テラスから電話の音が鳴り響いた。そちらに視線を向けて見ると、柵の上にダイヤル式の固定電話が置かれていた。

 

「噂をすれば影がさす、じゃのう」

 

エドワードはそう呟き、日本酒を飲む。電話の鳴り響いている。サンジェルマンは電話の受話器を取り、耳に当てる。

 

「局長・・・」

 

「え!!?それ何!!?もしかしてアダムと繋がってるの!!?」

 

「あ・・・」

 

しかしそこにティキがいきなり現れ、彼女から受話器を横取りする。電話をよくわかっていないティキは受話器をまじまじと見つめ、上下逆さに耳を当てる。

 

「アダムー!いるのー?」

 

『久しぶりに聞いたよ、その声を』

 

受話器から男の声が聞こえてきた。この声の主こそが、パヴァリア光明結社のトップ、統制局長のアダムである。アダムは独特に倒置法を用いて話している。

 

「やっぱりアダムだ!あたしだよ!アダムのためならなんでもできるティキだよ!」

 

『姦しいなぁ、相変わらず。だけど後にしようか。積もる話は』

 

「アダムのいけずぅ!つれないんだからぁ!そんな所も好きだけどね!」

 

話の相手が自分ではないとわかったティキはサンジェルマンに受話器を返した。サンジェルマンはそれを受け取り、耳を当てて話を続ける。

 

「申し訳ありません、局長。神の力の構成実験には成功しましたが、維持にかなわず喪失してしまいました」

 

『やはり忌々しいものだな、フィーネの忘れ形見、シンフォギア・・・』

 

「疑似神とも言わしめる不可逆の無敵性を覆す一撃。そのメカニズムの解明に時間を割く必要がありますが・・・」

 

『無用だよ、理由の解明は。シンプルに壊せば解決だ。シンフォギアをね』

 

「・・・了解です・・・。カリオストロとプレラーティが先行して討伐作戦を進めています。私たちも急ぎ、合流します」

 

サンジェルマンの解明の案をアダムは却下した。納得のいかないサンジェルマンだったが、今は統制局長であるアダムの指示に従う。話を終え、サンジェルマンは受話器を電話機に戻した。アダムは解明は無駄と言っていたが、サンジェルはやはりヨナルデパストーリの無敵性を覆した一撃が不可解で思考がそちらに回っている。

 

「汝らはどうも今も常識に囚われとる筋があるのぅ」

 

サンジェルマンが考えている時、不意にエドワードが口を開いた。

 

「確かに原因もメカニズムも不明じゃが、何もおかしいことはあるまい。わからないが普通じゃからな。元々神の力とは、常人では理解できぬ神聖な知識。不可逆の摂理を覆すものあらば、その逆も然り。解明を望むならば、非常識に常識は不必要じゃ。この世には、ありえぬことなど存在せぬからのぅ」

 

エドワードは空になったおちょこをテーブルに置き、サンジェルマンの隣まで移動する。

 

「・・・非常識には非常識か・・・確かにそのとおりね」

 

「なぁに、どうせわっぱたちとは長い付き合いになる。焦る必要などない。局長殿の指示に従いつつ、解明を進めればよかろう。妾も協力は惜しまぬえ」

 

「ありがとう。やはりあなたを結社に迎え入れたのは間違いではなかった」

 

実はこのエドワード、以前は光明結社とは別の錬金術師の組織に所属していたことがある。それゆえに、知識も経験も遥かにサンジェルマンを上回る。そんな彼女は長い時間をかけて結果を出すタイプの錬金術師だ。だが、以前所属していた組織は結果を待つことに我慢ならず、エドワードを牢屋に投獄した。牢屋で脱獄の機会を伺っていた時に組織に侵入したサンジェルマンと出会い、彼女から組織にスカウトされたのだ。エドワードはサンジェルマンの理想を聞いて、その理想に興味がわき、そのスカウトを受けて、錬金術の組織を滅ぼし、パヴァリア光明結社に移転したということだ。

 

「では行くとするか。わっぱ2人を待たせるのも悪いからのう」

 

サンジェルマンとエドワードはプレラーティとカリオストロと合流するために部屋から退出するのであった。

 

~♪~

 

翼たちが乗っているプライベートジェット機は日本に到着し、間もなく着陸態勢に入ろうとしていた。だがその時、ジェット機に突然大きな揺れが生じた。

 

「何!!?」

 

何事かと思い、窓の外を見て見ると、辺りに飛行型アルカ・ノイズが飛び回っており、ジェット機の主翼が一部分解され、プリマ・マテリアが立ち込めている。

 

「アルカ・ノイズ⁉」

 

このアルカ・ノイズを放ったのはプレラーティとカリオストロだ。彼女たちは管制塔の上に立ち、落ちていくジェット機の様子を眺めていた。

 

「うふふ、命中命中♡さて、攻撃の二段三段と行きましょうか」

 

「出迎えの花火は派手で大きいほど喜ばれるワケダねぇ」

 

アルカ・ノイズは2人の指示に従い、ジェット機を攻撃し、コックピットにいたパイロットもまとめて分解した。

 

「着陸直前の無防備な瞬間を狙われるなんて・・・!」

 

「日本まで追って来たということか・・・!」

 

「どこまでもしつこい連中め・・・」

 

そう言っている間にもアルカ・ノイズは機体の側面を攻撃し、分解する。それにより爆発が生じ、亀裂が生まれる。この衝撃によってケースが外に飛び出そうとしていた。

 

「ケースが!!」

 

「はあああああ!!」

 

そうはさせまいとマリアが手を伸ばし、ケースの取っ手を掴んだが、そのまま放り出されてしまった。

 

「マリア!!」

 

フォルテはマリアを助けようと危険を顧みず、自ら外に飛び出した。様々な状況を対処できるフォルテでも、今はギアは纏えない。仮に落下の方は何とかなっても、アルカ・ノイズまでは対処することはできない。ならば翼は友を助けるために、ギアの詠唱を唄う。

 

Imyuteus amenohabakiri tron……

 

アルカ・ノイズは航空機全体に攻撃を仕掛け、そして機体は分解し、爆発した。

 

「翼!」

 

「風鳴!」

 

だがシンフォギアを身に纏った翼にはこの爆発で影響を及ぼすことなどない。爆炎の中から飛び出した翼は刀を大剣に変形させ、蒼の斬撃波を放った。

 

【蒼ノ一閃】

 

蒼の斬撃波はマリアたちを襲おうとするアルカ・ノイズを斬り下ろした。さらに翼は宙を舞いながら大剣を振るい、アルカ・ノイズを次々と斬り倒していく。

 

『特別機、206員、反応途絶!』

 

『翼さん、マリアさん、フォルテさん、脱出を確認!ですが・・・』

 

『このままでは海面に叩きつけられてしまいます!』

 

『翼!2人をキャッチし、着水時の衝撃に備えるんだ!』

 

本部にいる弦十郎は翼に指示を出した。

 

「そうはさせないワケダ」

 

「たたみかけちゃうんだからー!」

 

プレラーティとカリオストロがそうはさせまいとアルカ・ノイズに指示出した。アルカ・ノイズは回転しながらマリアたちに襲い掛かろうとしている。翼は冷静に迫ってくるアルカ・ノイズを大剣で斬り倒していく。だがそれでも何体が残り、マリアたちに迫ってきた。翼は慌てず斬撃波を放ち、アルカ・ノイズを倒すが、まだまだ残っている。

 

『マリアさん!!フォルテさん!!』

 

「加速してやり過ごす!!掴まっていろ!!」

 

「ええ!」

 

身体を大の字にして落下速度をやり過ごしていた2人だったが、フォルテがマリアを抱き寄せ、身体の姿勢をまっすぐにして、落下速度を上げる。これによってアルカ・ノイズの攻撃を間一髪のギリギリで躱すことができた。見事かいくぐったフォルテはマリアを翼に託すため、一度彼女から離れ、装備していたパラシュートを開く。フォルテの意図を理解した翼は脚部のブレードのブースターを点火して、アルカ・ノイズの群れをかいくぐり、マリアをキャッチした。そして翼は大剣を空に掲げ、無数のエネルギーの剣を生成し、雨のように降り注いだ。

 

【千ノ落涙】

 

アルカ・ノイズは無数の剣に切り刻まれ、全て消滅する。落下していく翼はブレードを展開し、ホバークラフトして着水する。パラシュートでゆっくり降りていくフォルテはそのまま海に着水する。海面から顔を出したフォルテを翼は回収する。

 

この様子を見ていたプレラーティはつまらなさそうな表情をしている。

 

「さすがにしぶといワケダ」

 

「癪だけど、続きはサンジェルマンとエドが合流してからね」

 

仕方なくカリオストロとプレラーティはサンジェルマンとエドワードが来るまでの間、次の算段を考えるのであった。

 

戦いが終わり、マリアとフォルテを抱えて水面をホバークラフトで移動する翼は今海岸に向かっている。

 

「手厚い歓迎を受けてしまったわね・・・」

 

「果たして、連中の狙いは私たち装者か・・・それとも・・・」

 

「いずれにせよ、こちらもそれ相応の対策を、急がねばなるまい」

 

3人は回収したケースを見て、思考するが、今はひとまず本部の帰還を急ぐのであった。




エドワード

外見:長い金髪を円状に結んでいる。
   瞳は赤、瞼に赤いペイントが塗られている。
   頭に狐のお面をつけている。


【挿絵表示】

↑Picrewより『しおみず式和服女子メーカー』

趣味:研究、酒

好きなもの:ギャンブル

イメージCV:Re:ゼロから始める異世界生活:プリシラ・バーリエル
(その他の作品:カードファイト!!ヴァンガードGZ:グレドーラ
       :魔法少女リリカルなのは:高町なのは
       :原神:七七:ナヒーダ
        その他多数)

パヴァリア光明結社に所属する錬金術師の幹部の1人。プレラーティとカリオストロからはエドと呼ばれている。年齢は不明だが、少なくとも500年以上は生きている。
貴族ゆえなのか高飛車な性格をしており、誰に対しても常に高圧的な態度をとる。相手の長所や短所を一目で見抜き、それ相応の対応をとることができる筋が通った一面もあり、人を引き付けるカリスマ性も持ち合わせている。
賭博とは人生と豪語しているほどにギャンブル好き。どのような結果であっても従うことをモットーとしており、それを反する者は死して当然という冷酷な一面もある。ちなみにこれまでの勝負で全勝しており、負けたことは1度もない。
かつては別の錬金術師の組織に所属しており、そこで爵位をもらうほどの地位を持っていた。だが長い時間をかけて結果を出す彼女と組織とは合わず、爵位を剝奪され、牢屋に投獄された経験がある。脱獄する機会を伺っていたところにサンジェルマンと出会い、結社にスカウトされた。彼女の理想に深く興味を持ち、その理想が実現した世界を見てみたいという思いから、スカウトを受け、結社に移転することとなった。なお錬金術師の組織はサンジェルマンとエドワードの手によって滅ぼされた。
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