抽選で当選したのは、ゲームの中でアニメを撮影する企画でした……はい?   作:サクサクッキー

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勇者様が出てくるのはまだ後です、なので最初は一部のタグが機能しません。

Q.ナビゲーター居なくなるだけで作業が減る、何ででしょうかね。


エンゲキノハジマリ・ゴ

「こちらが図書館でございます、お嬢様」

「わー……!ありがとう、レミリアさん」

「……お嬢様の従者として、当然のことをしたまでです」

 

 

 この人本当に凄い……右も左もわからない俺からすればとてもありがたいし。

 ただ接点があったのかどうかがハッキリしない、俺が中身になるまでの9年間が、今の所知る方法ないからなー……なんとなく父親とか家族のことはうっすらわかるし……どう言う原理なんだこれ。

 

 

「んー……とりあえず、ここについての本……」

 

 

 だがまあ、考えててもしょうがない部分であり、こればっかりは運営が俺の今後(うんめい)を握ってるからどうしようもない。

 焦りたいが、焦っても何にもならないし、慌てても、喚いても、運営は不干渉だろう。

 

 

「お嬢様、大丈夫ですか」

「え?あ、大丈夫……うん、ちょっと考え事をしてただけだから……顔に出てたらごめん」

「……いえ、何かあればすぐに申し付けください」

「わかりました」

 

 

 顔に出てたらしい、ダメだな、注意しとかないと。

 この国の言語は、演者に対して安心設計の日本語が使われているらしいので、読み書きする分には問題無い。

 

 

「……あ、これ……かな」

 

 

 『ジルム王国歴史全書』……まんまだな、王国の名前とかわからんけど……レミリアさんに聞いてみるか。

 

 

「……あの、レミリアさん」

「なんでございますか?」

「えっと……この……うちの国の名前って、ジルム王国であってる……かな」

 

 

 うん、本当にすみません、恥ずかしいところばかりお見せします。

 図書館の名前を聞かれても無反応だったレミリアさんも、流石に自分の親が王様の国の名前を聞かれると思ってなかったのか、少し唖然としている。

 本当に無知ですみません……。

 

 

「……」

「えーっと……変な事、聞いたかな……ごめんね」

「……大丈夫でございます、この国の名前はジルム王国であっております」

「……良かった」

 

 

 聞いた上で間違ってたら本当になんも言えないからな、本当に助かった。まずはこの国のこと、次は魔法があるのかとか文化のレベルとか、そこら辺。

 あとはレミリアさんに私の周りのこととか聞かないといけない、本当にレミリアさんには頭が上がらなくなりそう。

 

 

「よし……とりあえずこの国のことを……」

 

 

 思ってたより薄めだし、さっさと読まないとだな。

 


 

「……終わった……ふう」

 

 

 なんとなくこの国のことはわかった。

 ジルム王国、この国は歴史自体は古いが、今の王様の2つ前……先々代の時に革命が起きた所為で、実際は今の王様一人で作った一代国家と言っても過言では無いらしい。

 今の王様……つまりはこの身体……俺の父親になる人だ。

 正直めっちゃ複雑、だが今は飲み込むしかない。

 だが……。

 

 

「すごいなぁ……」

 

 

 今の王様は、領地内での貴族達の争いや、一昔前の日本の財閥の様なものが蔓延っていた商売関係、虎視眈々と漁夫の利を狙う諸外国、その他全ての問題を解決したそうだ。

 おまけに……"魔法"と呼ばれるものにも長けていて、王様が出た戦場は負け無しらしい。

 

 

「……この人が、父親なんだ……」

 

 

 正直に言おう、気が重い。

 別に完璧にその人の娘を演じろ、だとか、将来何か同じレベルの偉業を達成しろ、だとか言われた訳ではない、むしろ自由に演じてくれ、なんて言われてる。

 だが、だからこそ気が重い。

 

 

「大丈夫かなぁ……」

「大丈夫でございます」

「……え?」

 

 

 なんの脈絡もなく、そう言ってきたのはレミリアさん。

 その目には、詳しくはわからないけど、強い意志を感じる。

 

 

「お嬢様……いえ、貴女様は間違いなく、王の娘でございますよ」

「……」

「親の()らしくありたい……そう思うのは子供として当然でございます、ですが……」

 

 

 短い間のものだけど、あまり喋らないイメージのあったレミリアさんだが、今は誰かに急かされているかの様に、矢継ぎ早に話している。

 けど、その言葉は……。

 

 

「王の()は……貴女様は、どこまで行っても王様の子供(あなたさま)意外にあり得ません」

「……え」

「貴女様がどんな風に行動しようと、どんな風に悪行を積もうと、王様の子供であることに変わりは無いのです」

 

 

 聞き漏らすことなく、確実に、俺の心に響いていた。

 

 

「ですから、王様の子供らしく、なんて考える必要はございません、貴女様は貴女様の思う様に行動すれば良いのですよ……子供らしく、自由に」

「……」

「……申し訳ございません、メイドとして出過ぎた真似を致しました……ご無礼をお許しください」

「あ、大丈夫だよ……ありがとう、えと……励まして、くれてるんだよね」

「……いえ、その……なんと言いますか……」

 

 

 さっきまでの真剣さはどこに行ったのか、慌て過ぎて言葉が出てこない様子のレミリアさん、それぐらい真剣だった、ってことなのが十二分に伝わってくる。

 どう動いても王様の子供なのは変わらないから、俺は俺らしく……か。

 

 

「兎に角、ありがとう、レミリアさん……なんとなく、言いたいことは理解できた、からさ」

「……お嬢様の従者として、当然のことにございます」

 

 

 自由に演じろ、って言われたんだし、どれだけ凄い王様だろうが気に病む必要はない、のかな。

 意外に俺も緊張してたんだろうか、アニメの撮影、しかも演者なんて言われてる分ドラマとかとあまり変わらない、加えて俺は素人だ。

 

 

「とりあえず、私は私の出来ることから、やってみる」

「それが一番にございます、お嬢様」

 

 

 王様やらこの国のことは後回しにして、子供……いやまあ中身は幼くないが、子供らしく色々試してみることにしよう。




A.ナビゲーターのセリフ→カタカナ(修正前)だからフルで入力しないとカタカナ変換出来ない、漢字入り(修正後)でも作者のこだわりでカタカナをルビに振ったから余計に作業が増える。

完全に自業自得でした()
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