抽選で当選したのは、ゲームの中でアニメを撮影する企画でした……はい? 作:サクサクッキー
タグ働くのはまだ先……あれ、ほとんどニートしてるなタグ。
「うーん、このまま行っても遅刻っスねぇ」
いや師匠が居なくなった直後に出て来るとは思わないよ、普通。
既に姉様達は勇者様と接触してるし……どうしようか。
「……ちょっと無茶しようかな……?」
足に魔力を巡らせる。
この魔法……と言うか技術は、身体強化と呼ばれている。
なんでも"誰でも使える基礎魔法"らしく、属性適性が無い人でも、魔力は全ての人にある、なのに使えないのは勿体無い、と言う事で作られたものらしい。
「……よっ!っとと……」
身体に巡っている、魔力回路……魔力版の血管みたいなものに、魔力を巡らせ、身体機能を活性化……らしい、なんで活性化するのかとかの原理は不明、回復魔法とかの原理がわかればわかると師匠が言っていた。
「……ふぅ……良かった、そんなに遅れ無さそうっスねぇ」
そんなこんなで、扉の前に辿り着いた。
いやまぁ、一気に飛んでお城の窓から入るなんて事、もうする事が無ければ良いな。
そして扉を開こうとして……あれ、開いた?
「あれ?」
「え?」
そして目の前に広がるのは……俺より背の高い青年……あ、成る程この人が……。
「貴方が勇者様っスか?」
「え?あー……そう、らしいよ、実感無いけど」
「へー……まあいきなり呼ばれたらそうなるっスよ……いきなりっスけど、名前はなんて言うんスか?」
「え?あ、えっと……」
「?」
なんだか困惑顔の勇者。
急に色々聴き過ぎたのかな?
「彼は、自身に関する記憶を全て忘れてるのよ、リリア」
「あ、フィーネ様……そうなんですか?」
「ええ……後、妹なのだから敬語はやめて、ここには王族しか居ないわよ」
「……わかったっス、フィー姉様……えっと、じゃあ勇者様は?」
「名無しよ……ただ呼ぶ時に困るから、父上から"アノン"と呼ぶ様に言われてるわ」
アノン……アノニマスとかから取ったのかなぁ……まぁそれは良いか。
「じゃあ、アノン様と呼ぶっスね……大丈夫っスか?」
「え、ああ……大丈夫だよ……その……」
「ああ、私の自己紹介がまだっスね」
一方的に名前を書くのは失礼に当たるんだったっけ……レミリアさんにまたどやされそうだ。
「私の名前はリリアーナ・フォン・ロスジルム……一応、第三王女っスよ……気軽にリリア、とでも呼んでくださいっス、アノン様」
「わかった……よろしくね、リリア」
「はいっス……痛い所とか無いっスかね?」
「?大丈夫だよ」
「なら良かったっス、健康なのが一番っスから」
設定とは言え、世界を越えて来たんだし、不調があったら大変だ。
傷とかの外傷だったら、俺がなんとか出来る。
記憶とかは流石に無理だけど。
「そう言えばフィー姉様、シータ姉様はどうしたっスか?」
「シータは……その、出会った時に一悶着あって、先に部屋に戻ってるわ」
「?そうっスか……わかったっス、それじゃあ私もこれで失礼するっスね、見知らぬ場所で、記憶の無い勇者様に、あまり無茶はさせられないっスから」
「ええ、またね、リリア」
「はいっス、フィー姉様……アノン様も」
「あ、うん……またね、リリア」
うーむ、記憶喪失と来たか……中々ハードな。
戦闘以前に常識とかから始めるのかな。
まあフィー姉様が側に居るなら大丈夫でしょう、しっかりしてるからね、フィー姉様。
ちょっと短め。
出会ってすぐ何かある訳じゃ無いし……ねぇ、こうなる。