凡人と凡神   作:ノリと勢い

1 / 2


小説を書いては放っておくを複数回繰り返し続けてもう若干手遅れ感あるのでついにオリ小説も書きました。(悪化)



凡人

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初の出会いは、

とある寂れた小さな神社だった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 神社と言っても、赤くて巨大な鳥居があって、ばかでかい賽銭箱があるようなそんな感じのものじゃない。

 

 森の中に迷い込んでしまい、途方に暮れているところで偶然見つけた、不思議な存在感を放つ小さな神社。

 

 俺はその異様な気配に惹かれて、人一人がようやく通れるような狭い鳥居をくぐり抜け、そしてなんとなく5円玉を小さい賽銭箱の様な物の中へ投げ入れた。

 

 

「…………」

 

 

 5円玉を入れると朦朧としていた意識が元に戻ったが、そこは俺が一度も見たことも聞いたことも無いような知らない場所で、なぜ自分から神社の中に入りに行ったのかが理解できなかった。

 

 ただ自分が金を入れたのは覚えていたため、ダメ元で『森の外に出してほしい』と願ってみた。

 

 勿論それが叶うとも思っていなかったので、そのときに持っていたスマホなどを駆使してなんとか帰ろうと決意したのだが…………

 

 瞬きをすると、いつの間にか森の外へと戻ってきていた。

 

 その日は何が起きたのかも理解できずに、やることを一通りしてから眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 次の日、俺はまたその神社へと来ていた。某地図アプリで調べると画像は出てこなかったが拡大したら場所は分かった。

 

 虫除けスプレーと熊除けの鈴を装備し森の中へと進んだが、ある程度進むとスマホが【圏外】表示になった。これでスマホは使えないが、瞬きの間に瞬間移動なんて非現実的な事を体験した後だとあまり驚かない。

 

 地図は失くなってしまったが目的地まで直線的に進んでいたので問題は無い。

なので更に前へと進み続ける。

 

 20分ほどだろうか。しばらく歩き続けると大分拓けた場所へ出た。だが殆ど何もなく、草原が続いているだけだ。

 

 見回してみると、木が不自然に曲がっている場所が目についた。近寄って見てみると、どうやら道のようになっている様に見られる。

 

 そのまま道なりに進んでいるとふと考える。俺は昨日どうやってあの神社まで行ったのかが分からない、と。

 

 現在俺が歩いている道を通った覚えは無い。かといって森の木々を突っ切って来たのかと言われてもその記憶も無い。

 

ならば、帰りと同じく瞬間移動で連れてこられたのだろうか………それか、記憶自体が間違っているのか。

 

 いやいや、そもそも瞬間移動なんてものがあると確信するのはまだ早い。俺が酒でも飲んで帰ってきた道を忘れているだけなのかも知れないし、瞬間移動があるとするなら記憶を改ざんすることだってできるかもしれない。

 

 超常現象があるとするならどんな無茶苦茶な事でも確実には否定できなくなるためキリが無い。

 

 

………どうやら木の道を出た様だ。

 

 

 

 

 昨日にも見た、例の神社が目の前にある。

とりあえず5円賽銭箱の中へ入れてみた。

 

 ………………箱の底に落ちた音が無い。

箱の壁が厚いのか、それとも……………

 

 

 小さな頃からファンタジーに憧れ、今でもいろいろな小説やアニメを漁っている身としては、賽銭箱の底が別次元に繋がっているとかであってほしいが、知るすべは少なくとも今は無い。

 

 賽銭箱の蓋を外して中身を覗き見たい欲望に襲われたが、流石にバチが当たりそうなので我慢する。

 

 

 

…………賽銭は入れたが、何も起きない。

 

 やはりファンタジーなんて現実には無いのだろうか……まあ予想はできていたが。

 

 仕方ない。また日を改めて………ん?

 

 

 振り返ると、とても美しい女性が立っていた。……と、いうか、浮いていた。目線を下へおろし服装を確認する。

 

 俗に言う巫女服とやらは着ていないようだ。

巫女服に似てはいるが、赤色が入っていない純白の着物を着ている。

 

 そもそも浮いているため巫女ではなさそうだ。

ワイヤーらしきものも見えないしどうやって浮いているのかとても不思議だが、超常現象がある事には確証が持てたのでまあ良いとする。

 

 巫女では無いなら、そしてこの状況で考えられる答えは一応思いつきはする……

しかし、やはり非現実的だ。

 

 もしも、この女性が神だと仮定するならば…

何か逆鱗に触れてしまったのか?

 

 とにかく、今はこの状況を分析なんとかしなければならない……………。

 

 因みに俺の心情はこんなだ。

(え?神??かわいい…クッソかわいい……巫女さん?いや、でも服が微妙に違う気がするな。似てはいるけど。乳は並か。だがそれがいい。ふつくしい…美人だ…神か?神なのか?いや確証はないけど。とにもかくにも質問だ。)

 

 

 眼の前にいる神?に向けて問いかけようとすると、俺が口を開ける前に神?が口を開いた。

 

 

 

「………あなたは……………

 なぜ、またここへ来たのですか?」

 

 

 

 (()()、か。少なくともここへ一度来たのは記憶違いでは無さそうだけど……圧を感じる…見た目は邪神ではなさそうだけど、そうではないことを願おう。)

 

 

 

「え、あ、俺は神崎(かんざき) 三玲(みれい)と言…申す者です。前に気付いたらこの神社に居た理由と、一瞬で森の外へ行っていた理由を確認しに来たのが主な理由です。」

 

 

「……そうか。」

 

 

(()()()って何だ……意味深で怖いんだが…)

 

 

 

 色々と不安だが、先程まであった圧がほんの少し和らいだ気がするので、無礼は無かったはずだと思う。というか思いたい。

 

 

 

 

「えっと……、すみませんでした……」

 

 

 

(………謝られた?)

 

 

 

「あなたをここへ連れてきてしまったのは私のせい…なんです。……少し、昔の事から話します。

 

昔…といっても30年ほど前ですが、この神社が建てられました。この辺りの木々が焼けた時、その復興を願って作られた…らしいです。

 

……神は元から居るのではなく、人間が"居る"と思う事で意思と実体が生まれます。そして、その神社に祀られたのが私という神です……………。私はそうやって生まれました。」

 

 

(神ってそんな感じで生まれるんだ……)

 

 

「……時が経つに連れて木々は元の姿へと戻っていきました。ですが…、その木々に囲まれてしまったこの神社へ参拝しに来る人々はどんどん減り、ついには誰一人として来なくなってしまいました。

 

…………人々から忘れ去られた神に残されている運命は、ただ一柱として例外なく、静かに消えていくのみです。

 

 

……………私は、消えたくありませんでした。」

 

 

 

(……………)

 

 

 

「でも、人間に迷惑はかけたくありませんでした。

 

人間は毎日を切り詰めて動いていて、信仰されずに既に体が消え始めてしまっている様な私なんかのために呼んだりするのは駄目だと、そう思い我慢していました。

 

 

…ですが昨日、人間観察をしていた時にふと、強く考えてしまったのです」

 

 

 

『今、この中の誰かを攫えば』

        『憶えてもらえば』

  『私は助かるのかな』

    『なら━━━━━━━━━━━━』

 

 

 

「『人間を神社へと攫おう』………と。」

 

 

 

………めっちゃいい子だ……………

俺なら自分の命を速攻で優先するんだが。

 

 

 

「そして、選ばれてしまったのが……、あなた、です。呼んでしまい、本当に、すみませんでした。」

 

 

 

 

 …震えている。

そんなにビビられるとこちらが落ち込む。

 

 しかも俺は夢にまで見ていた超常現象を見られたので迷惑どころか感謝しているくらいだ。

 

 近くのコンビニへ買い出しに行っている途中で呼ばれただけだし、特に謝られる筋合いも無い。

 

……少し、いや、

かなり自己評価が低すぎないか?

 

何かトラウマとなる出来事でもあったのか…?

 

 

 

 

 

…………いや、考えても仕方がないか。

 

 

 

「いえ、大丈夫です。選ばれたのは迷惑どころか嬉しいですし、延命の糧になれたのなら良かったです。頭を上げてください。」

 

 

「………しかし…「大丈夫です。」……はい…」

 

 

 

うん、泣き顔も美しい。

というか再度見てみると改めて顔の良さが分かる。整った顔立ちをしているし肌が少しも荒れていない。

 

何故これほどまでに自己評価が低いのかがさらに分からなくなったな……。

もしや鏡を見たことが無いのか?

 

 

 

「大変、申し訳ありません、でした。………私が出来ることなら、なんでもします。だから、許していただけないでしょうか………?」

 

 

ん?今なんでもって

 

………

 

 

「いえ、それは受け入れられません。別に迷惑だったわけでもないので……。」

 

「でっ、でも……」

 

「いや、本当に大丈夫です。もっとご自身の体を大事にしてください。」

 

「……はい………。」

 

 

やっと収まったか。相当病んでそうだな…………

こういうのメンヘラって言うんだっけか?

……いや、違うか。

うーむ、定義が分からん。

 

 

 

……とりあえずあれを言ってみよう。

 

 

 

 

「………あの、少しいいでしょうか?」

 

 

償おうとしたら大丈夫だと言われました…やはり私には価値が無いのでしょうか……っひゃはい…!?」

 

 

…この人、いや、神………、

後半の労りの言葉が聞こえてなかったのか?

もっと気楽に生きよう? な?

 

それはそうと。

 

 

 

「何か、連絡手段とかって持ってたりします?」

 

 

「……はえ?」

 

 

「連絡手段って何か持ってます?携帯とか」

 

 

 

…いや、神が人の道具持ってるわけないか。

すいません、訂正させ「あ、はい、あります。」あるんだ…………

 

まあ、なら好都合だ。

 

 

「L○NE登録のやり方分かります?」

 

 

「えっ…と………、すいません…………、

LIN○って、何でしょうか………?」

 

 

………え?

 

 

「……………知らなかった、ですか。」

 

 

「ッッ!す、すいません!知らなくて、ごめんなさい!「いや、大丈夫ですって。落ち着いてください。」……………は、い。」

 

 

 

言い方間違えたらいけないやつだ、これ。

少しでもオブラートからはみ出た部分があるだけで自分を責め始める………。

 

過去になんかあったとしか考えられないが……

でも生まれたのは人間が祀ったかららしいし……

…………いや、わからんな。これも保留しよう。

 

 

ふーむ。しっかし○INEを知らない、か。

 

……あ、携帯見せてくれるっぽい。

 

 

…………これガラケーじゃねえかァ………

 

んん〜、ジェネレーションギャップぅ……

しっかし、30年以上前から森の中の寺に祀られてたら仕方ないかもしれないな。

 

 

まあLI○E無いなら仕方ない。

確かうちの婆ちゃん用に入れてた、ガラケーとも連絡できるメールアプリがあった筈……………あ、あった。

 

 

「神様、少し、その携帯電話をお借りしてもよろしいでしょうか?」

 

「え?あ、はい、どうぞ。なるほど、人間達の言っていた[すまほ]というのはその平べったい長方形だったんですね……

 

 

なんか言ってるが放っておく。

 

 

えー、登録画面開いて確かー、こうやって、こう、こう、っと。これでできましたよ。お返しします。」

 

「あ、ありがとうございます!は、速い……!

 

 

あー、一仕事終えた感を感じる。

 

………すっげぇキラキラした目で追加された俺の宛先を見てんだけど……なんか気まずい…………

 

 

あ、こっち向いた。

 

 

「えと、き、聞きたいんですけど、なんで連絡先を登録したんですか……?」

 

 

グハァッ!!………え?駄目だった?

悪意のない言葉が俺を襲う……!!

 

 

「あ…!いや、えと、嫌だったとかそういうわけじゃなくて、ですね、純粋な疑問として、なんで私なんかと連絡先を交換したのかを…ですね…」

 

 

 

あぁ、そういう…………

なら答えられるな。

 

 

 

「人間に忘れられたら消えてしまうんでしょう?それを連絡先にも保存しておく事で、万が一にも俺が忘れないようにですね……まあ、他の人間を使うならただの自惚れなんですが………。」

 

「それに、ずっと森の中とかから人間を観察しているだけだったら、多分飽きてしまうと思いますから。時間が空いている時なら電話で話したりもできますし。」

 

 

 

「人間、さん………!」

 

 

 

 

あ、感動してる。…………してる?

また泣きかけてない?

 

 

 

 

 

「ありがとう、ございます…!

 ありがとうっ……、ございます……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

……………あー、

 

 

「どういたしまして………………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当にありがとうございます………」

 

 

「いや、そんなに言わなくても大丈夫ですって……自分が勝手にやったことなので…」

 

 

結局、泣き止むまで5分間程感謝を言われ続けた。一度で十分なのに何故そこまで言う………(困惑)

 

 

 

 

「……やっぱり、なにかお礼をしたいです。」

 

 

 

 

……またか。

 

 

 

 

「さっきにも言いましたが、感謝の言葉だけで大丈夫ですって。独断でやっただけなので。」

 

 

「ですが……!!」

 

 

 

 

「じゃあ、こういうことでどうでしょうか?"メールアドレスを交換してもらった"ので、こちらも貸し借り無しです。」

 

 

 

「…………まあ………それな、ら……?」

 

 

 

 

やっとイザナミループから抜け出せた…。

善意で言っているのは分かるが行き過ぎた善意は悪意と受け取られることもあるから気をつけてほしい。ほんと。俺も途中『わざと困らせてんのかなこの神』と思ってしまったくらいだからな…。

 

 

 

「なら良かったです。さて…、そろそろ俺は帰ります。寂しかったら遠慮せずメールとかして大丈夫ですからね。」

 

 

「はい…!………瞬間移動…させましょうか?」

 

 

「あー、じゃあ、頼みます。」

 

 

「分かりました…!よっ!」

 

 

 

 

 

 

 

視界が一瞬で変わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

………頬を抓ってみたが普通に痛かった。

 

 

 

 

 

と、いうことは。

 

 

「夢じゃあ…無かったのか。あの神様。」

 

 

思わず口をついて出た言葉がしっくりとくる。

 

 

メールのアドレス帳を見てみると、今日追加した欄に名前が載っている。

 

 

「《     》様、か。」

 

 

 

読み上げてみると、その名前を言った部分だけがノイズのようなもののせいで聞こえない。

 

 

「《     》、《     》。うん、聞こえない。これは仕様って事か………」

 

 

心底不思議だが納得しておくしかあるまい。

ヤブをつついて蛇を出すのは御免だからな。

 

 

 

 

 

………? 

さっそくメールが送られてきたらしい。

 

まあ、見てみるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

宛先:カンザキ

送信元:《     》

 

 

おやすみ、です、人間さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

それだけのために送ってきたのか……。

まあ最初はそんなもんだよな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

宛先:〘     〙

送信元:カンザキ

 

 

おやすみ、神様。

 

 

 

 

 

 

 

 

 






恋愛系にシタイナー、シタイナー。
できるかどうかは知らぬ。

やってみせろよ、マフティー!

なんとでもなるはずだルルォォォン?

いっつも一人称視点のギャグ風味ばかり書いてるから書くの難しかった(小並感)

ではまた会う時まで。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。