凡人と凡神   作:ノリと勢い

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いつもと少しだけ違う休み時間

 

 

 

 

 

 

翌日。

いつものように学校へ登校して、分かるようで分からないけどちょっとだけ分かる感じの授業を受ける。

そして昼食後の昼休み。俺は人通りの少ない階段の最下段に座り、スマホを起動しメールアプリを開く。

 

授業中にメールの通知が来ていた事には気づいていたが、纏まった時間が取れるまで開いていなかったのだ。

 

「えーっと……」

 

画面の一番上には昨日連絡先を交換したばかりの神様の名前があった。

……やっぱり、夢じゃないよなぁ…

 

「うーん……」

 

……とりあえず開いてみるか。

 

『こんにちは、人間さん。』

 

挨拶文だった。

なんとなく予想はしていたが、送る言葉が思いつかなかったのかとてもシンプルなものだ……。

 

特に言う事も無いので『こんにちは。』と返す。

 

……返信が来た。

早いな。まだこっちが送信してから1分も経っていないぞ。

 

『良いお天気ですね』

 

「………………」

 

今は曇っているが……まあ、向こうは晴れているのだろう。

同じようなことを返す。

 

『ええ、良い天気ですね。』

 

『はい。』

 

まずいな…

 

……ここに来て俺の軽度のコミュ障が発症してきてしまった。

 

昨日は面と向かって普通に話せたとはいえ、俺は学校では陰キャ側の人間だ。カラオケなんて家族としか行った事が無いし、ショッピングモールに行ったならゲーセンとゲーム売り場くらいにしか行かないユ〇クロ愛用者だ。ちなみに私服は全部黒か白かグレーだ。終わってる。

しょうがないだろ便利なんだから。

 

正直家族以外に持ってる連絡先は全部のメッセージアプリを合わせても4、5人程度の激細パイプしか無いしぶっちゃけ女子と言葉を交わす時すらちょっと頭が真っ白になるクソザコメンタルと舌である。自分で言ってて悲しくなってきた。

 

 

「………くっそ……」

仕方がないので、こちらから話題を振ることにした。

そうだ、何気に気になっていたし、向こう側の世界のことでも質問してみよう。

 

『……そういえば、神様の世界ってどんな感じですか?』

 

『あ、気になります…?…………期待していたなら、すみませんが……

実は、人間さんたちの社会と大体おんなじなんです。

神様だって神様の世界で働いて、通貨を手に入れて、暮らしを豊かにして……って。』

 

『へぇ~……』

 

「…そうなるのか。」

確かに、俺らの世界でも宗教によって崇められる神は違うものの、結局は人間が信仰しているわけであって、神という存在は人間の生活に密接に関係していなければおかしい……のだろうか。

 

『……あ、お礼といってはなんですが、俺の住んでるところのことも聞きたかったりしますか?』『はい!ぜひ!』

 

食い気味に返事をされた。

まあ、話すだけならタダだしな……。

 

『えーっと……俺が住んでいるところは……東京って分かりますか?』

 

『はい!知ってますよ!テレビとかで見る……あの都会ですよね?

びる?っていう高い建物が森みたいに生えている…!』

 

『ああ、まあ、そんなところです。』

 

ビルの森って……なんか凄い表現だなそれ……

 

『で、その東京にある高校に通っています。』

 

『へえ、じゃあ……やっぱり、頭が良いんですね!羨ましいです。』

 

『いや、別にそんなことは無いですけど……』

 

『でも、勉強が出来る人は皆そう言いますよね……?』

 

そうか……そういうものなのか……いや、そうでもなくね?

…まあいいか……

 

『それで、学校ではどう過ごしてるんですか……?』

 

『えーっと……友達と話したり、たまに図書室で本を読んだりしていますかね。』

尚、友達と話すのはいわゆるオタク系の話題だしそもそも4・5回の休み時間の内、1度だけしか話さないくらいにはコミュ障同士である。

 

『……え!?人間さんって本を読めるんですか……?』

 

『え……一応読めますけど…』

 

『すごい……!!』

 

『それほどでもないですよ……』

なんなんだこの会話……

 

「……ん?」

…………あれ? もうこんな時間か。

 

『すみません、そろそろ時間なので、教室に戻ります。』

 

『は、はい、また、メールをください。待ってますから……。』

 

『了解です。』

 

「……ふう……。」

俺はスマホをポケットにしまって階段を上がる。……しかし、神様にも色々あるんだなぁ……と、どこかしんみりとした。

 

「さて……」

話は変わるが今日は土曜日。休日だ。

まあ世間的に見たら休みでも、我ら学生は土曜日まで授業があるのだが。

平日より授業時間が少ないのでいつもより楽とはいえ、昼食後の眠くなる時に授業があるってだけでもうおなかいっぱいである。

単位は落としたくないので、あと少しの辛抱だ。

 

「今日も一日(残り一限)頑張るぞい、っと……」

某クソマンガの例のポーズを気持ち程度に再現しながらそのセリフを吐く。

 

 

神様のメンタルケアって、よくよく考えれば何をすれば良いんだろうか。今回みたいに世間話(とも言えない程度)をするだけで良いの…か?

 

考えても仕方ない。今日はこれで良かった。

 

そう言い切っておしまいにしよう。

 

 

………はぁ、残りの授業めっちゃ面倒だな。

 

 

 








特に言うことはない。
では諸君!サラバダー!!


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