フィン達に自身の正体と思いを打ち明けたベル。
緊張しながらゆっくりと自身が経験した事とアイズに対する想い両方の話を聞き終えファミリアに入る事を許可したフィン達。
共通語に翻訳された羊皮紙に目を通しながらリヴェリアと話すフィンの隣でロキに自分達が帰還するまでベルが館内でどんな事をしていたのか聞かされるガレス。
そんな四人を見ながらこれからどの様に行動すれば良いか考え込むベル。
(・・うん。まずは、冒険者登録しないと...)
「そういえば、ベル」
いち早くアイズを守れるぐらいの力をつける道筋を考えていると、自身に向けて声が掛けられる。
その事に気づいたベルは即座に考える事を辞め、声が掛けられた方向、ガレスとロキがいる方向に顔を向けた。
「はい」
「お前さん、さっきの話の中で自分がレベル10に至ったって話しておったな?」
「はい」
「ふむ...」
「どしたん?」
ベルが先程言った話の確認をし、豊かな顎髭をなぞったガレスは頭にクエスチョンマークを浮かべるロキを尻目に、問いかけをベルに投げかける。
「ベルが良ければなんだが、ダンジョンに潜る事になったら着いて行っても構わないか?」
「わ、分かりました...けど、良いんですか?最高幹部の方が僕みたいな新人団員に着いてきても...」
ガレスの問いかけに驚きつつも了承しようとしたその瞬間...。
「おい」
声が聞こえた。
声が聞こえた方向に視線を向けると、先程までフィンと話していたリヴェリアがいつの間にかガレスの背後に立っていた。
ガレスに声をかけたリヴェリアは額に青筋を浮かべながら問う。
「お前が新人団員に質問等珍しいと思い、聞いていたら...どういうつもりだ?」
「いやなに、精神が過去に来てるなら身体能力は兎も角、技術等はそのまま反映されてるのではないかと思って、ベルの動きを見てみたいと思っただけだ」
「・・・」
ガレスの考えを聞き、口を噤んでしまうリヴェリア。
すると、彼女と同じ様に口を噤んでいたフィンが口を開く。
「・・ベルはこの館に来て身体を動かしたかい?」
「いえ、まだ家事などはやらせて貰いましたけど、それ以外の戦闘面に関しては動けていないです」
「・・成る程...。ベル」
「はい」
「過去に戻ってくる前の動きは出来そうかい?」
「・・恐らくですけど現在は難しそうです。身体が鈍って相手の攻撃を受け流す事くらいしか出来ないと思いますが、頑張ります」
グー、パーと両手を数回動かした後、自身の身体をペタペタと触り感覚的に述べたベル。
ベルの意見を聞き、少し考えたフィンは述べた。
「ガレスが行く日とは違う日にするから、僕も君の戦う姿を見せてもらって良いかな?」
遠征以外で最古参が二人もファミリアを空けるわけにはいかないと考え、ガレスとリヴェリアがファミリアにいる時に僕も見たいと意見を述べるフィン。
すると、フィンの意見を聞いていたリヴェリアも慌ててベルに問う。
「私も見てみたいのだが、構わないだろうか?勿論、フィンと同じく二人とは別の日にする」
副団長という立場にいる為、先程までガレスを諌める様に振る舞っていたリヴェリアだったが、実のところはベルの戦う姿を見たかった。
フィン達の「自分よりも高レベルの技術を持つかもしれない冒険者の戦いの様子を見たい」という欲求は冒険者として当然かもしれない。
フィン達から其々頼まれたベルは、「お望みに応えられるか分かりませんが...」と前置きを述べ、了承した。
「ありがとう。・・よし、それじゃあ、そろそろ居間に行こう。皆、ベルに会いたがっているだろうから...」
「あ、フィンさん」
「ん?」
「さっきの話なんですけど、皆さんには明かさないで頂けますか?」
「・・たしかに、そうだね。話してしまうと注目されて、もし、アイズの耳に入ってしまったら、アイズが君に接しづらくなってしまうかもしれない...アイズに頑張ってる姿を見せて振り向かせたいんだよね?ベルは」
「はい!好きって感情を一方的にアイズに示しても困らせてしまうだけだと思うので、頑張ってる姿をアイズに見てもらう事によって、興味を持って貰って、そこから交友を深めていけたら良いなって思ってます」
ベルの話を聞き、フィン達は満面の笑みを浮かべた。そして、同時にこう思った。
「どうか、二人が幸せ家庭を築けますように」と。
何度か書いては消してを繰り返したので、一応、確認はしたつもりなのですが、話がチグハグになってるところがあるかもしれません。
次の話では、新しく団員となったベルをアイズ達、遠征組に紹介する場面と冒険者登録を行うシーンを書けたら良いかなって思ってます。
話が進むスピードが少しずつですみません。