鬼を狩る異形   作:奥歯

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第十二話です。伝説のヒモ降臨。


第二章〜α〜
柱会議と悠の謎


悠は目を覚ました。どれくらい寝ていたのだろうか、目を開け用途するが悠は目隠しをされていて何がどうなっているのか分からない。悠は今隠の男に運ばれている。すると隠は悠が目覚めたのに気づいたのか、悠に話しかけられた。

 

「お!目ぇ覚めたか?今から兄ちゃんには大事な用事があるから少し時間くれへん?いやぁ、お前さんえらいでかいからな、運べるやつが俺ぐらいしかおらんのや。我慢しといてや。ちょっと疲れてるんやったら寝といてもええで」

 

どうやら悠を運んでいる隠は関西人のようだ。悠は那田蜘蛛山の戦いで疲れたのか、関西人の隠に言われた通りまた眠ってしまった。それからどれくらい経っただろうか。悠は隠に起こされ目が覚める。

 

「兄ちゃんよお寝たか?今柱の前におるから起きとってや。ほなまた、後は任せます」

 

目が覚めた悠の前に立っていたのはおおよそ八人程の男女が立っていた。

 

岩柱(いわばしら) 悲鳴嶼(ひめじま)行冥(ぎょうめい)

 

蛇柱(へびばしら) 伊黒(いぐろ)小芭内(おばない)

 

恋柱(こいばしら) 甘露寺(かんろじ)蜜璃(みつり)

 

蟲柱 胡蝶しのぶ

 

霞柱(かすみばしら) 時透(ときとう)無一郎(むいちろう)

 

音柱(おとばしら) 宇髄(うずい)天元(てんげん)

 

炎柱(えんばしら) 煉獄(れんごく)杏寿郎(きょうじゅろう)

 

水柱(みずばしら) 冨岡義勇

 

いずれも鬼殺隊最高戦力の人間である。悠はその威圧感に圧倒された。あたりを見渡すとそこには炭治郎と藤の家で出会った男がいた。

 

「炭治郎!!」

 

「兄ちゃん!!」

 

悠は炭治郎の無事で安心し、次に男の方を見る。男はこちらの視線に気づいて振り向いた。

 

「お、また会ったな。久しぶり一ヶ月ぶりかな?」

 

「な、なんであなたが?」

 

「あ、そうそう俺が例の赤い怪人」

 

「!?」

 

すると後ろからやけに派手な格好をした大男、宇髄天元が話しかける。

 

「なんだお前ら、派手に知り合いなのか?」

 

「まぁちょっとな」

 

男は宇髄の質問に適当に答え、今度は宇髄よりも更に大きい男悲鳴嶼行冥が呟いた。

 

「嗚呼.......なんと哀れな青年だ、このような男に関わってしまったとは、嗚呼.......哀れ」

 

悲鳴嶼はそう呟き涙を流す。男はどこかむず痒そうにして顰めっ面をしていた。

 

「なぁ、縄解いてくれないか、背中痒いんだけど」

 

「それは無理だ!そこの隊律違反をした隊士もそこの二人の怪人も鬼もろとも斬首する!!」

 

「裁判なのに斬首するの決まってるとか意味わかんねぇ。それに俺は日にあったても平気だから人間だって」

 

「お前さっき自分から赤い怪人って派手に言ってたじゃねぇか」

 

「あ、そうだった」

 

男は宇髄に指摘されていると木の上にいる口に包帯を巻き肩に蛇を下げている伊黒小芭内が話す。

 

「鬼が人間を喰う前に斬るのは当たり前だ、しかしお前らは鬼なのか?日に当たっているのに死なないとは。それに胡蝶の話では冨岡も処罰を受ける必要があるんじゃないか?どうだ冨岡?」

 

小芭内は冨岡に指をさすが、冨岡は無言を貫く。

 

「冨岡さんの処罰は後にしましょう。それよりも炭治郎君はどうして鬼を連れているんですか?」

 

「鬼になった妹を元に戻したいとかそんなんだろ」

 

「あなたは黙ってて下さい」

 

「はいはい」 

 

胡蝶の質問に男は当てずっぽで答える。 

 

「おいおい、なんだが面白れぇことになってるじゃねえか」

 

後ろから声がし、振り返ると全身傷だらけの男が禰豆子が入っている箱を担いで立っていた。

 

風柱(かぜばしら) 不死川(しなずがわ)実弥(さねみ)

 

「こいつらか?鬼を連れているバカ隊士と怪人の二人は」

 

「おい!禰豆子をどうするつもりだ!!」

 

「決まってんだろ、鬼殺隊が鬼にすることは一つ!!」

 

「禰豆子!!」

 

実弥は箱に向かって刀を突き刺そうとする。しかし悠が縄を引きちぎり実弥の刀を直接掴み、禰豆子に刀が刺さらないようにした。悠は刀を直接掴んだため血が箱の上に滴り落ちる。悠と実弥はお互いに睨み合う。悠は手を離し、実弥は刀を元に戻した。

 

「てめぇ、どうゆうつもりだ?」

 

「家族は傷つけさせない、絶対に」

 

悠を睨みつける実弥に炭治郎は拘束されたまま頭突きをする。

 

「善良な鬼と悪鬼の区別がつかないなら柱なんて辞めてしまえ!!」

 

緊張が走る。柱たちは刀を取り悠は炭治郎たちを守るために変身しようとするが、それは起きることはなかった。

 

「お館様のお成りです」

 

二人の髪が白い瓜二つの少女ひなきとにちかの言葉により静まり返る。すると後ろから一人の病弱そうな男が歩いてくる。柱たちはすぐさま膝をつき、悠たちも押さえつけられる。鬼殺隊を率いるこの男産屋敷(うぶやしき)耀哉(かがや)である。

 

「おはよう皆んな今日はいい天気だね」

 

「うわぁ、顔色悪そうだね。指で突いただけで死にそう」

 

男の言葉に柱たちは睨みつける。男は睨みつけられてもなんともない様子だ。

 

「あなた、人を怒らせるのが得意みたいですね」

 

「いやぁそれほどでも。褒めても何も出てこないよ」

 

男は柱たちの怒りの視線にはなんともない様子だ。すぐに静まり柱たちは耀哉の言葉を待つ。

 

「君が例の赤い怪人かな?」

 

「まぁそんなとこかな」

 

耀哉の質問に対して男はまた適当に答える。

 

「炭治郎と禰豆子のことは私が容認していた。皆んなにも認めてもらいたい」

 

しかし柱たちの反応は二名を除いて全員反対のようだ。鬼殺隊として当然の反応である。

 

「鬼を斬ってこその鬼殺隊、竈門、冨岡の処罰をお願いします」

 

「おいおい、お館様の忠誠心はどうしたの」

 

柱たちの反応に男はすかさず煽り、何人かは青筋を立てていた。

 

「では手紙を......」

 

にちかは手紙を読み始める。その内容は元柱である鱗滝の手紙だ。禰豆子は二年間人間を喰わなかったこと、もし禰豆子が人を襲ったなら鱗滝と義勇が切腹すると言う内容だ。炭治郎は禰豆子のために命をかけてくれることに涙を流した。

 

「切腹するからなんだと言うのだ。死にたいなら勝手にした腐れよ。なんの保証にもなりはしません」

 

「不死川の言う通りです!人を喰い殺せば取り返しがつかない!!殺された人は戻らない!」

 

「確かにそうだね、人を襲わないという保証ができない。証明もできない、ただ、人を襲うというのもまた証明できない」

 

どうやら耀哉は炭治郎と禰豆子にとてつもない信頼を寄せているようだ。どうしてそこまで信頼を寄せるのか男は疑問を問う。

 

「おいお前、なんでそこまでこの鬼を庇う?イカれてんのか?」

 

「貴様さっきからお館様に向かって!死にてェのか!」

 

実弥は男の煽りに耐えきれず暴言を吐く。すぐに耀哉に止められ鎮まったが、まだ睨みつけている。

 

「確かに、鬼殺隊の当主である私が鬼を庇うのはあってはならないことだ、しかしそれほど信頼できる価値がある。私はそう信じている。禰豆子が二年以上もの間人を喰わずにいるという事実があり、禰豆子のために三人の者の命が懸けられている。これを否定するためには否定する側もそれ以上のものを差し出さねばならない」

 

屋敷が静まり返る。禰豆子が人を襲わないと言う事実に匹敵する証拠があるのか?次に耀哉が口を開いた時屋敷に衝撃が走った。

 

「それに炭治郎は鬼舞辻と遭遇している」

 

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

柱たちは一斉に炭治郎に質問攻めをした。悠も無惨に遭遇しているのだが、その情報は伝わってはいないようだ。耀哉は口に指をあて柱たちを静かにさせる。

 

「鬼舞辻はね、炭治郎に向けて追っ手を放っているんだよ。その理由は単なる口封じかもしれないが、私は初めて見せた尻尾を掴んで離したくない。恐らく禰豆子にも、鬼舞辻にとって予想外の何かが起きているのだと思うんだ。わかってくれるかな?」

 

柱たちは完全に黙ってしまった。耀哉の説得と無惨の手掛かりにつながる証拠まである。これには柱たちも禰豆子を斬る理由はない。しかし一人の男だけは納得できないでいた。

 

「わかりませんお館様!人間ならば生かしておいてもいいが、鬼はダメです!承知できない!」

 

すると実弥は自分の刀で自ら腕を切り血を流し、庭の上に血が落ち滴りる。

 

「お館様.....!!証明しますよ俺が!鬼という物の醜さを!!おい鬼!!飯の時間だぞ喰らいつけ!!」

 

「禰豆子!!」

 

悠は禰豆子を助けてようと動こうとするが悲鳴嶼に押さえつけられ動けなくなる。悠も力に自信はある方なのだが、悲鳴嶼はそれ以上の力があった。炭治郎も動こうとするが男に止められる。

 

「お前!!」

 

「年上の人にお前とは中々礼儀知らずな奴だな。まぁ、見とけ」

 

実弥は日の当たらない屋敷の中に入り箱の蓋を開ける。すると禰豆子はむくりと起き上がり実弥の血を涎を垂らしながら血走った目で見ていた。炭治郎は禰豆子を助けようとするが小芭内に押さえつけられる。炭治郎は強引に拘束を引きちぎり小芭内がもう一度押さえつけようとするが冨岡に止められた。禰豆子は突き出された実弥の腕をじっと耐えるように見つめるしかし禰豆子はそっぽを向いた。これには実弥も驚かざるを得ない。

 

「どうしたのかな?」

 

「鬼の女の子はそっぽを向きました」

 

「目の前に血まみれの腕を突き出されても我慢して噛まなかったです」

 

「ではこれで、禰豆子が人を襲わないことの証明ができたね」

 

禰豆子は箱の中に戻り、炭治郎は元の場所に戻る。

 

「炭治郎、それでもまだ禰豆子のことを快く思わない者もいるだろう。証明しなければならない、これから炭治郎と禰豆子が鬼殺隊として役にたてること。十二鬼月を倒しておいで、そうしたら皆に認められる。炭治郎の言葉に重みが変わってくる」

 

「俺は.....!俺と禰豆子と兄ちゃんは鬼舞辻無惨を倒します!!俺と禰豆子と兄ちゃんが必ず!!悲しみの連鎖を断ち切る刃を振るう!!」

 

「今の炭治郎にはできないからまず十二鬼月を倒そうね」

 

「はい」

 

意気込んだのも束の間柱でもない奴が何を言っていると、失笑が出て、炭治郎は顔を真っ赤にした。

 

「いやぁ、感動したね。家族愛というのは人間と鬼の壁を越えるようだ。これで一件落着。俺は帰らせてもらいます」

 

「何どさくさに紛れて逃げようとするんですか?まだあなたの話が終わってないですよ?怪人さん?」

 

「あれ?そうだっけ?」

 

「まだ話は終わってはいない。君は一体何者なのかな?」

 

耀哉の質問に男は少し考えるそぶりをし、周りを見渡すこの屋敷にいる者全員が男を見ていた。男は大きくため息を吐く。

 

「この拘束を解いてくれたら話してもいいよ」

 

「それはできない!解いた瞬間逃げられては困るからな!」

 

「じゃあ、話さない」

 

男はそっぽを向き話さないつもりでいる。男の態度に柱たちは苛々していた。

 

「わかった。しのぶ、縄を解いてくれ」

 

「御意」

 

しのぶは了解はしたがあからさまに嫌な顔で男の縄を解く。男は笑顔で「ご苦労さん」とだけ答えた。

 

「じゃあ話して貰うぞ、お前は何者だ?名前は?どこから来た?何故隊服を着ている?何が目的だ?」

 

「ちょっと、ちょっと、質問は一つずつだってばさ。まあ、どっから話せばいいか、話せば結構長いよ。それでもいい?」

 

「いいからとっとと話せ!」

 

「わかった。わかりました。全くせっかちなんだから。そうだな、まず俺の名前は鷹山(たかやま)(じん)つってな。訳あって鬼を狩っている。お館さん、俺とお前はすごく深い関係にあるんだ。鬼舞辻無惨、みんな知ってるよな?千年以上前最初に鬼になった男」

 

「貴様なぜそれを!?」

 

「落ち着けって、お館さん、鬼舞辻無惨を鬼にした男を知ってるよな?」

 

「ああ、知っているよ」

 

「俺は無惨を鬼にした医者の末裔だ」

 

「「「「「「!?」」」」」」

 

鷹山の発言に屋敷全体は驚きに包まれた。無惨を鬼にした医者、それはいわば人々を苦しめる鬼たちを生み出した元凶の元凶である。その男の末裔であれば誰だって驚くはずだ。実弥は刀を抜き鷹山に斬りかかろうとする。

 

「止めるんだ、実弥」

 

「何故ですか!?こいつは俺たちの敵ですよ!?こいつのせいで俺の家族は死んでしまった!!殺すべきです!!」

 

「止めるんだ」

 

耀哉は実弥を無言の圧力で鎮め、実弥は渋々刀を鞘に納めた。周りも、耀哉の圧に圧倒されている。

 

「次に、君は何故鬼を狩っているんだ?」

 

「それはまぁ、永遠に終わらない罪を償っているって感じかな。俺たちの一族は到底許されない過ちを犯してしまったんだからな」

 

鷹山は周りを見渡しながら答える。周りは怒りに満ち溢れた顔で睨みつけていた。

 

「そうか.......、それじゃあ次に君のその赤い怪人は一体なんなんだ?」

 

「あの姿のこと?あれは.....」

 

「アマゾン........」

 

「そうそう、それ!アマゾンだ」

 

耀哉は次の質問を問い鷹山は答えようとするが代わりに悠が答えた。

 

「アマゾン?」

 

「お前たちが言っている赤い怪人のことだ。アマゾンってのは俺たち一族が何百年もかけて作り上げた対鬼専用生物兵器でね、アマゾン細胞という人工細胞で構成されててな、そのアマゾン細胞は鬼の細胞を破壊して喰らう、いわば鬼の天敵ってわけ」

 

「ということは君は元から人間ではないのか?」

 

「いやそういうわけじゃない。俺は元々人間だ。自分の体にアマゾン細胞を移植したんだ」

 

「いつからアマゾンに?」

 

「十年くらい前かな」

 

「いつから鬼殺隊にいる?」

 

「四年前」

 

鷹山は淡々と説明する。他の者たちは突拍子のない話に驚きを隠せない。悠はやはり自分は人間じゃないんだと改めて実感する。

 

「じゃあ君の一族のアマゾンを開発している組織の名前は?どこにある?」

 

「野座間製薬。場所は分からん」

 

「野座間製薬ってあの!?」

 

「おい!分からないってどう言うことだ!」

 

「言葉どうりだ。わかんねぇんだよ。俺は組織を抜けたからな」

 

「どう言うことだ?何故組織を抜けた?」

 

「俺がいた野座間製薬はな、鬼を駆除するためとか言って、四千体のアマゾンを東京中に放ったんだ。それから俺は野座間に不信感を抱いてな。そして抜けた。八年前にな。あいつらはもう場所を移してるはずだ。野座間製薬のところに突撃しようとか考えんなよ?そこに行っても情報は得られないし、そこにいる職員たちはアマゾンのことは知らないんだからな」

 

少し疲れたのか、鷹山はため息をつく。悠を含めた他の者たちは、驚きの連続で言葉が出なかった。鬼殺隊の面々も自分たち以外にも鬼と戦う組織があったことにも驚きだし、悠も自分が生物兵器だったことにも驚きつつも、どこか納得していた。

 

「まぁ、ざっとこんなもんかな。ほら、もう話したんだから返してくれないかな?」

 

しかしまだ話は終わらなかった。耀哉は帰ろうする鷹山を呼び止める。

 

「今度は何?」

 

「君は正式に鬼殺隊に入っているんだね?」

 

「まぁ、記録を見ればあると思うけど」

 

耀哉少し考えるそぶりを見せた後、顔をあげ覚悟を決めたように口を開いた。

 

「私も.........、彼のゆう通り、我ながらかなりイカれたことを言うが........、鷹山仁を柱にしたいと思う」

 

「「「「「「「「「はあっ!?」」」」」」」」」

 

その提案は余りにもイカれた提案であり、余りにも強烈なインパクトだった。




こんな状況で柱にしてやりたいと思う自分も我ながらイカれてます。

あと、鷹山のキャラなんですけど、一応オリキャラなんで性格は少し変えておこうかなと思いました。

耀哉のこと輝哉って書いてました申し訳ございません。
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