鬼を狩る異形   作:奥歯

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あの男の登場回です。


出会い

幸せが壊れる時にはいつも血の匂いがする。俺は三郎爺さんの家に泊めてもらい家族が待つ家まで歩いていた。けど、どうにも家の方から血の匂いがする。俺は嫌な予感がして走って家まで帰った。そして俺は見てしまった。家の前に倒れている悠兄ちゃんと禰豆子と六太が無残な姿で倒れていた。

 

「どうしたんだみんな!禰豆子なにがあったん...ッ!」

 

俺は家を見てみると他のみんなも全員殺されていた。

 

「母ちゃん...花子...竹雄.....茂....禰豆子...六太.....兄ちゃん...」

 

「うっ......ぐ.....」

 

「!!」

 

俺は家族の姿を見て絶望していると微かに呻き声が聞こえ振り返ってみると悠兄ちゃんがまだ息をしている。俺は急いで兄ちゃんのそばに駆け寄り安否を確認した。

 

「兄ちゃん!大丈夫!?に、兄ちゃんう、腕が!」

 

「僕のことはいいから...早く禰豆子のところへ.......まだ...息が...ある」

 

俺は言われたとうりに禰豆子のそばへ駆け寄り禰豆子の顔に耳を近づけた。すると禰豆子から微かに呼吸を感じ少し安心した。

 

「炭...治郎...早く...禰豆子を医者に見せないと...手遅れになる前に...」

 

「でもどうしこんなことに!?」

 

「説明は後だ....早く...禰豆子を.....」

 

「で、でも!」

 

「いいから早く!」

 

「う、うん!」

 

俺は禰豆子を背負い兄ちゃんを立たせ医者のいる町まで向かった。どうしてこんなことになった?冬眠出来なかった熊のせいか?いやあり得ない。もし熊が出たなら兄ちゃんを見た途端逃げ出すはずだ。けど今はそんなことを考えてる場合じゃない。早く禰豆子と兄ちゃんを医者に見せないと。

 

「兄ちゃん腕、大丈夫?」

 

「大丈夫だよもう血は止まっているし」

 

俺は少し安心した、そうだ兄ちゃんは家族の中で1番強い、熊に出くわした時も助けてくれた。俺たちに出来ないことはみんな兄ちゃんがやってくれた。いつも助けられてばかりだ。けど今度は、俺が助ける番だ。このまま山を降りていけば町まで着く、三郎爺さんにも助けてもらおう。けどまた俺達に不幸が降り注いだ。

 

「炭治郎危ない!」

 

「!?」

 

「グオオオオ!!!」

 

すると突然背負っていた禰豆子が叫び出し俺は驚いて足を滑らして崖から落ちてしまった。幸い崖はそれ程高くなく崖の下に積もっていた雪のおかげで助かった。

 

「炭治郎!大丈夫!?」

 

「俺は大丈夫!けど禰豆子が!」

 

俺は禰豆子がいる方へと振り向くとそこに禰豆子が立っていた。俺は禰豆子に駆け寄り話しかける。

 

「禰豆子!大丈夫か!?歩かなくていい!俺が町まで運んでやるから!」

 

「炭治郎ダメだ!禰豆子に近づくな危ない!」

 

「禰豆子...!」

 

俺は兄ちゃんの忠告を無視して禰豆子に駆け寄る。すると禰豆子は俺に襲いかかり噛みつこうとした。俺はすぐさま手に持っていた斧で防ぐ。

けどものすごい力でこれ以上食い止めることができない。

 

「炭治郎、今助けに行く!」

 

兄ちゃんはそう言うと崖から降りてきて俺を助けようとした。それと同時に刀を持った一人の男が禰豆子に襲いかかった。俺は反射的に避け禰

豆子は刀で斬られることはなかった。男は一旦距離を置くと俺に話かける。

 

「.....何故庇う?」

 

「こいつは俺の妹なんだ!」

 

「炭治郎ー!」

 

俺と男が兄ちゃんの方へと振り向くと、今度は兄ちゃんに話かけた。

 

「....お前、腕はどうした?」

 

「鬼に喰われた」

 

「そこの鬼に喰われたのか?」

 

「違う!」

 

男は少し考えるようなそぶりを見せると、俺に向かって走り出した。俺は禰豆子に覆い被さり守ろうとしたけど既に禰豆子はおらず男に捕まっていた。俺と兄ちゃんはすぐに禰豆子を助けようとする。

 

「動くな」

 

「「!!」」

 

「俺の仕事は鬼を斬ることだ。勿論お前の妹の首も刎ねる」

 

「待ってくれ、禰豆子は誰も殺してない!!俺の家にはもう一つ嗅いだことのない誰かの匂いがした!」

 

「そうだ!俺はその鬼に襲われて家族が殺された!」

 

「禰豆子は違うんだ!どうしてそうなったのかは分からないけど!」

 

「簡単な話だ、傷口に鬼の血を浴びたから鬼になった。人喰い鬼はそうやって増える」

 

(そうか、禰豆子はあの時!)

 

「禰豆子は人を喰ったりしない!」

 

「よくもまあ、今しがた己が喰われそうになっておいて」

 

「違う!!俺のことはちゃんとわかっているはずだ!」

 

「俺が誰も傷つけさせない!きっと禰豆子を人間に戻す!絶対に治します!」

 

「鬼になったら人間に戻ることはない」

 

俺が禰豆子を助けようと必死に説得しても男は動じなかった。けど諦めない必ず禰豆子を助ける。

 

「家族を殺した奴も見つけ出すから!俺が全部ちゃんとするから!だから、だから...!やめてくれ!」

 

俺の説得も虚しく男は禰豆子に刀を突きつける。俺はもうどうしていいか分からない。だから俺は男の目の前で土下座をした。

 

「やめて下さい.......どうか妹を殺さないで下さい.....お願いします...お願いします...」

 

「炭治郎....」

 

すると男は俺に喝を入れるように突然怒り出した。

 

「生殺与奪の権を他人に握らせるな!!」

 

「「!!」」

 

「惨めったらしくうずくまるのはやめろ!!そんなことが通用するならお前の家族は殺されていない!奪うか奪われるかの時に主導権を握れない弱者が、妹を治す?仇を見つける?笑止千万!!弱者にはなんの権利もなんの選択肢もない!ことごとく力で強者にねじ伏せられるのみ!!妹を治す方法なら鬼なら知っているかもしれない、だが!鬼どもがお前の意志や願いを尊重してくれると思うなよ!当然俺もお前のことを尊重しない!それが現実だ!なぜ、さっきお前は妹に覆い被さった!?あんなことで妹を守ったつもりか!?なぜ斧を振らなかった!?なぜ俺に背中を見せた!?そのしくじりで妹を取られている!お前ごと妹を串刺しにしてもよかったのだぞ!」

 

俺は男の言葉で思い知らされた、弱者にはなんの力もない弱い奴は強い奴に喰われるのが世の常、自然でも社会でもそれは変わらない。けどどうすればいい。今の俺には禰豆子ををあの男から救ってやる力もない。権利もない一体どうしたら禰豆子を助けられるんだ。そうしてる内に男は禰豆子に刀を突き立て禰豆子に突き刺した。

 

「やめろオオオオ!!」

 

俺は禰豆子を助けるために駆け出した。どうなっても構わない。禰豆子さえ助けられれば、すると俺の隣から一つの影が通り過ぎる。よく見るとその影の正体は兄ちゃんだった。兄ちゃんは勢いつけて飛び上がり男の顔面に蹴りを入れた。男は受け身を取り体勢を立て直す。

 

「これ以上家族を傷つけさせない。これ以上家族を失うわけにはいかない!」

 

「兄ちゃん!」

 

「くっ....!」

 

男はは何か危険を感じたのか兄ちゃんに向かって刀を向ける。兄ちゃんの今まで見たこともない形相で男を睨みつけていた。兄ちゃんは俺の方へ向くと一言呟いた。

 

「炭治郎...僕から離れて」

 

兄ちゃんの形相に驚きながら、言われるがままに距離を置いた。

 

「炭治郎...いつか話そうと思ってたけど今見せる時みたいだね。炭治郎見ていてくれ僕の...変身!」

 

「なにをするつもりだ!?」

 

男は警戒を緩めず兄ちゃんに刀を構えている。すると兄ちゃんは大きく息を吸い雄叫び上げるように叫んだ。

 

「アマゾンッ!!」

 

兄ちゃんが叫ぶとものすごい衝撃が起き吹き飛ばされそうになる。兄ちゃんの体からは緑色の炎のようなものが噴き出しあまりの熱さから地面の雪は溶け、木が燃え始めた。やがてそれが収まると目の前には兄ちゃんはおらず代わりに異形の怪物が立っていた。その怪物は全身が緑色で

赤い目をしており、手足には、どんなものでも切り裂いてしまいそうな刃物がついていた。その怪物は雄叫びを上げ男に飛びかかり蹴りを入れようとする。が、男はすぐに反応して後ろに飛び攻撃を避ける。怪物はすぐさま男に攻撃を仕掛け、連続して拳を突き出してきた。男は刀を巧みに操りなんとか怪物の攻撃をいなした。それでも怪物は男に攻撃を仕掛け、今度は腕にたいていは刃物で男を切り裂こうとした。しかしそれでも男は怪物の攻撃を紙一重で避け続ける。怪物の攻撃が止んだ隙に男は怪物に刀を斬りつけた。怪物は男の刀を受けよろめき膝をつく、男は怪物に近づいて首を斬ろうと刀を振り落としたが、片手で受け止められてしまった。

 

「何っ!」

 

男は刀を離そうと力を込めるが、びくともしない様子だ。そのうち男につけられた傷はあっという間に治り、怪物は男の刀をへし折った。

 

「しまった!」

 

刀を折られた男はすぐに距離をとり折られた刀で構えをとる。男は少し焦っているようだった。そんなことは御構い無しな怪物は男に近づき腕を大きく振り上げ男に向かって振り下ろす。男は覚悟を決めたのか、折られた刀で怪物に斬りつこうとする。けどどちらが勝つのかは素人の俺でもわかった。このままではあの怪物、すなわち自分の兄がこの男を殺してしまうだろう。そんなことはさせない。兄ちゃんを人殺しにはさせない。俺は大声で叫んだ。

 

「兄ちゃん!!!」

 

俺の叫びに気付いたのかもう少しで男に当たりそうなところで止また。男も折れた刀を鞘に戻し怪物見る。怪物も男を睨みつけた後元の姿

竈門悠に戻り、いつの間にか無くなっていた右腕が戻っていた。

 

「炭治郎....」

 

「........」

 

「ごめん、炭治郎ついかっとなって」

 

元の兄ちゃん戻って一安心した俺は男の元から離れた禰豆子を探す。

 

「禰豆子っ!禰豆子!」

 

俺は禰豆子を見つけ駆け寄ろうとすると、後ろから兄ちゃんに止められた。

 

「ダメだ炭治郎今禰豆子は鬼なんだ近づいたらだめだ」

 

兄ちゃんにそう言われた俺は否定した。

 

「大丈夫だよ兄ちゃん禰豆子は人は襲わないよ」

 

俺はそう言って禰豆子に近づきこう言った。

 

「大丈夫だよ禰豆子、もう大丈夫」

 

俺は禰豆子の頭を優しく撫でる。すると禰豆子はまるで遊び疲れた子供のように眠ってしまった。

 

(こいつらは何か違うかもしれない)

 

男は俺に近づいてこういった。

 

「狭霧山の麓に住んでいる鱗滝左近次(うろこだきさこんじ)という老人を訪ねろ。冨岡義勇(とみおかぎゆう)に言われてきたと言え。夜の間に出発しろ、大丈夫だ、この辺りは鬼が殆ど居ない」

 

男はそう言って兄ちゃんを見たあと何処かへと消えた。




戦闘描写かくのむじぃ
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