僕と炭治郎は鱗滝さんについて来いと言われ走りながら鱗滝さんについて行った。鱗滝さんは老人とは思えない程の速さで走り、僕たちはついて行くのに必死だった。僕はまだ平気だが、炭治郎は禰豆子を背負っているのもあって相当疲れているようだ。
「大丈夫炭治郎?禰豆子、僕が代わりに背負ってあげようか?」
「大丈夫だよ兄ちゃんはぁ、はぁ、少しでも強くなりたいんだ!はぁ、兄ちゃんに!はぁ、助けられてばかりじゃ嫌なんだ!はぁ、自分だけで鬼を倒せるぐらい強くなりたいんだ!はぁはぁぜぇっ......!」
「炭治郎......」
僕は炭治郎の決意を尊重し、そのまま走ることにした。しばらく走り、小さな家の前に止まった。どうやらここは、鱗滝さんの家らしい。着いた頃にはもう日が暮れていた。炭治郎はかなりこたえたのか、その場で膝を突いて息をきらし顔が青白くなり汗も大量にかいていた。普通の人間じゃない僕は少しも汗をかいていないし息もあがっていなかった。
「こ....、これでゼェ、ゼェ、俺は、認められましたか?」
「試すのは今からだ、山に登る」
鱗滝さんの言葉に、炭治郎は驚きつつも鱗滝さんの方へとついてった。疲れきった炭治郎の背中を僕は心配しながら禰豆子と一緒に見送った。しばらく禰豆子と待っていると何故か鱗滝さんだけが戻ってきた。
「あれ?鱗滝さん、炭治郎は.....?」
「山においてきた」
「ええっ!どうして!」
「炭治郎には一人で夜明け前には戻ってくるように命じた。山には罠が仕掛けられている、そう簡単には戻ってこれん」
「そんな!じゃあ戻ってこれなかったら!?」
「山を降りて来られないようでは、奴を認める訳にはいかん」
僕は居ても立っても居られなくなり炭治郎を助けようと外に出る。すると鱗滝さんが僕を止めた。
「どこに行くつもりだ?」
「どこに行くって、炭治郎を助けに行くんですよ!」
「ダメだ、奴一人で降りてこなければ意味がない」
「そんなの関係ない!もし降りて来られなかったら炭治郎が死んでしまう!」
「お前たちは兄弟であろう?家族を信じてやらなくてどうする?」
「!!」
僕はあの時炭治郎が言っていたことを思い出した。
(少しでも強くなりたいんだ!はぁ、兄ちゃんに!はぁ、助けられてばかりじゃ嫌なんだ!はぁ、自分だけで鬼を倒せるぐらい強くなりたいんだ!)
(そうだよな、弟を信じてやらなくてどうするんだ)
僕は家に戻り炭治郎が戻ってくるのを祈る。
「炭治郎、絶対に戻ってきてくれ、僕は信じてるよ」
僕は絶対に戻って来ると信じ、炭治郎の帰りを待った。あれからどれくらい経っただろうか。禰豆子は眠ってしまい、月はもう山に隠れて、もうすぐ夜明けが近づいていた。しかし炭治郎は未だ戻ってこない。けど僕は必ず炭治郎が戻ってくると信じる。山から明かりが差し込み始めもうダメかと思ったその時誰かが扉を開ける。そこに立っていたのは、ぼろぼろになった炭治郎だった。
「炭治郎.....!」
「も....どり、ました」
「......お前を認める。竈門炭治郎」
僕は駆け寄り炭治郎の帰りを喜んだ、そして鱗滝さんは炭治郎を認めてくれた。
次回までお楽しみに。