鬼を狩る異形   作:奥歯

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第七話、炭治郎の初仕事。


初仕事

今夜は炭治郎の初仕事だ。炭治郎は今鬼殺隊専用の隊服を着て市松模様の羽織を羽織っており、腰には鋼鐡塚さんから貰った、日輪刀をさげていて、もう立派な隊士だ。炭治郎が今来ている隊服は特別な繊維でできていて、通気性が良く、濡れににくく、燃えにくい。弱い鬼では爪や牙では裂くことすらできない程頑丈だ。禰豆子には昼間でも移動できるように鱗滝さんが箱作ってくれた、"霧雲杉"という非常に軽い木でできており、"岩漆"というもので強度を上げている。これで禰豆子も日に晒されることもないので安心だ。鱗滝さんの憶測によると禰豆子は人を喰べる代わりに眠ることによって体力を回復しているのかもしれないとのこと、僕は炭治郎と一緒に鎹鴉が言っていた北西の町にいる。因みに鎹鴉が何故喋れるのかは分からない。すると僕の隣にふらふらと男の人が通り過ぎた。顔には殴られた跡がありかなり落ち込んだ様子だ。僕は近くにいた人に話を聞いた。

 

「すみません。あの人何かあったんですか?」

 

「ああ、和巳さんのこと?可哀想にあの人一緒にいた里子ちゃんが攫われちゃったのよ、毎晩毎晩気味が悪い、ああ嫌だ。夜が来るとまた若い娘が攫われる」

 

「炭治郎」

 

「うん。和巳さん!ちょっとお話しを聞きたいのですが、いいですか?」

 

「........」

 

和巳さんは里子さんが攫われた夜この場所でなにがあったのか説明した。

 

「ここで里子さんが消えたんだ、信じて貰えないかもしれないが.....」

 

「信じます!信じますよ!!信じる!!!」

 

「僕も信じますよ和巳さん、絶対に里子さんを見つけてみせます。だから安心して下さい。僕の弟は鼻がいいんです」

 

炭治郎は鬼を探すため、地面に伏せ匂いが残っていないか探す。和巳さんはその行動に引いていたが、僕が和巳さんを安心させる。

 

(微かに鬼の匂いが残っているけど、斑というか.....変な感じだ....)

 

「!炭治郎!鬼の気配がする!あっちだ!」

 

「匂いが濃くなった!!鬼が現れてる!!」

 

「ど、どうしたんだ急に!?」

 

「和巳さんはここで待ってて下さい!鬼が出ました!」

 

「えっ!?」

 

僕と炭治郎は屋根に飛び越のり鬼の気配がする方に向かう。

 

(と、跳んだ....!鬼の話、鬼殺隊、本当に...)

 

僕と炭治郎は鬼がいる場所がどこに隠れているか探す。しかし気配は感じるが、どこにどこにも見当たらない。見失ったか。そう思っていると、炭治郎の真下から強い気配を感じた。

 

「炭治郎!下だ!」

 

炭治郎は日輪刀を地面に突き刺す。

 

「ギャッ!!!」

 

すると地面から声がし、突然黒い何かが溢れ出す。その中から一人の女性が出てきた。僕は咄嗟に女性を掴む。鬼も掴もうとするが、間一髪のところで、避けることができた。

 

(こいつ、異能の鬼か)

 

地面から出てきた三本角の鬼は"血鬼術"という特殊な術を使う鬼だ。鱗滝さんの話によると血鬼術というのは長い年月をかけて人を喰らい力をつけた者が使えるらしい。あとで和巳さんも追いついてきた。

 

「和巳さん!?あそこで待っててって言ったじゃないですか!」

 

「こいつが里子さんを攫ったやつなんだろ!?黙って待ってるわけにはいかない!」

 

「.........わかりました。その代わり僕から離れないで下さい」

 

僕は和巳さんを守らながら相手の鬼を睨む。炭治郎が鬼に対して質問をした。

 

「攫った女の人たちはどこにいる!!!それから二つ聞く.....!」

 

しかし鬼は炭治郎の質問には答えず歯軋りをして地面に潜った。

 

「炭治郎気をつけろ。落ち着いて相手の匂いを探るんだ。和巳さんこの人を抱えて下さい」

 

僕は和巳さんに女性を抱えさせて鬼の気配を探る。炭治郎は集中し、鬼の匂いを探っている。そして目をカッと開き技を繰り出す。

 

水の呼吸 伍の型......

 

しかし飛び出してきたのは三体の鬼だった。炭治郎は驚き技は不発に終わったが落ち着いて別の技をくりだす。

 

(三人!?落ち着け!やれる!!)

 

捌の型 滝壺!!

 

炭治郎は刀を振り落とし真下にいる鬼に一撃を喰らわした。しかし途中で型を変えたせいで、まだ鬼は倒せていない。そして鬼はまた地面に潜り、姿をくらます。

 

(やっぱり人を守りながらでは鬼を斬れない。ここは僕も炭治郎を援護しないと)

 

すると後ろから二本角の鬼が女性を狙おうと迫る。炭治郎は咄嗟に技を繰り出す。

 

全集中 弐の型 水車!!

 

しかしまたしても炭治郎は鬼を着ることができなかった。

 

炭治郎は追撃しようとするが二本角の鬼は後ろによけ距離を取る。すると二本角の鬼は急に炭治郎に怒鳴った。

 

「貴様ァアアア!!邪魔をするなァァァ!!女の鮮度が落ちるだろうがァ!!もう今その女は十六になっているんだよ!!早く喰わないと刻一刻で味落ちるんだ!!」

 

すると後ろから一本角の鬼が二本角の鬼を宥めるように話し出した。

 

「冷静になれ俺よ、まぁいいさ、こんな夜があっても、この町では随分十六の娘を喰ったからな、どれも肉付きが良くて美味だった、俺は満足だよ」

 

「俺は満足じゃないんだよ!!まだ喰いたいのだ!!」

 

「化け物....、一昨晩攫った里子さんを返せ」

 

「里子?誰のことかねぇ?この蒐集品の中にその娘のかんざしがあれば喰ってるよ」

 

和巳さんは一本角の懐から出した沢山のかんざしを見ると里子さんのかんざしを見つけたのか涙を流した。それを見た僕は沸々と怒りが湧き上がってくる。炭治郎もそのようだ。

 

「.......炭治郎、和巳さんを連れて離れてくれ。この鬼は僕が殺す」

 

「わかったよ。和巳さんこっちです」

 

炭治郎は和巳さんを連れてある程度離れるのを見て、僕は変身のために息を吸う。

 

「何をするつもりだ?」

 

そして僕は相手を声で殺すかの如く大声で叫ぶ。

 

「アマゾンッッッ!!!」

 

そして僕は掛け声と共にアマゾンに変身する。それを見た和巳さんは驚いた様子で僕を見ていた。

 

「あ、あの人もあいつらと同じ化け物なのか!?」

 

「いいえ。兄ちゃんはあいつらとは違います。兄ちゃんはあんな奴らよりもずっと強い」

 

僕は構を取り相手を睨みつける。一本角の鬼は不思議そうに僕を見ていた。

 

「何者だ貴様?俺と同じ鬼........ではなさそうだな。まぁそんな事は俺には関係ない事だ地面に引きづり込んで串刺しにしてやる!」

 

一本角の鬼は僕に接近し、黒い沼のようなものの中に引きずり込もうとする。しかし僕はその中に引きずり込まれることはなかった。

 

「なに!?引きずり込まないだと!?何故だ!?何故お前は引きずり込めない!!」

 

「そんなこと、僕が知るか!!」

 

何故僕が鬼の沼に引きずり込められなかったのかはわからない。でもこれを勝機と見た僕は真下にいる一本角の鬼の頭を足で叩き潰そうとする。しかし、一本角の鬼は瞬時に地面に潜り回避した。またどこからか不意打ちでくるのだろう。しかし今の僕は変身する前よりも感覚が鋭くなっている。隠れていても、手にとるように鬼の場所がわかる。僕は感覚は感覚を研ぎ澄まし鬼を探す。すると今度は後ろの壁から出現し僕の背中を貫こうとするが、僕は振り返って貫こうとする鬼の腕を掴んだ。鬼は腕を引っ込めようとするが僕の力が強いせいで離すことができない。僕は腕を掴んだまま今度こそ鬼の顔にめがけて拳を突き出す。しかし鬼は咄嗟に自分の腕を切り落とし後ろに飛んで回避する。

 

「こいつなんて馬鹿力だ。この俺が力負けするとは.....、貴様!何故お前は人間と一緒にいる!?」

 

「そんなの簡単だ!炭治郎たちは俺の家族だからだ!!」

 

「家族?そんなくだらない理由で一緒にいるのか?」

 

「くだらなくなんかない!炭治郎と禰豆子は俺の大切な家族なんだ!もう二度と失うわけにはいかない!大切な家族は僕が守る!」

 

一本角の鬼はもう小細工は通用しないと悟ったのか、真正面から僕に突撃してきた。僕も構えを取り真正面から突撃する。僕は腕についている刃を鬼の首を狙い、鬼も爪で僕の首を狙う、すれ違がった僕と鬼は互いに振り返る。すると鬼の頭がごとりと落ち灰となって消滅した。僕は炭治郎がいる方に振り向くともう決着はついていた。炭治郎は今二本角の鬼にある質問をしようとしているところだ。

 

「鬼舞辻 無惨について知っていることを話してもらう」

 

「言えない」

 

二本角の鬼は酷く怯えた様子で質問には答えようとしない。

 

「言えない!言えない!言えない!言えない!言えない!言えないんだよオオオ!!!」

 

二本角の鬼は恐怖をかき消すように炭治郎に攻撃したが、炭治郎はぎりがり避けて鬼の首を切り、鬼は灰になって消滅した。




次回もお楽しみに。
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