「次ハァ東京府浅草ァ!鬼ガ潜ンデイルトノ噂アリ!!カァアア!!」
「えっもう次に行くのか?」
「行クノヨォオ!!」
「炭治郎、早く行くぞ」
「ちょっと待って」
「待タァナイ!!」
鎹鴉は急かすように炭治郎の頭を突き、炭治郎は鎹鴉から逃げるように目的地に向かった。それから翌々日、浅草に着いた僕たちは夜でも昼のように明るい都会に驚いていた。
「夜でもこんなに明るいなんて......、都会ってすごいな」
(街はこんなに発展してるのか!!夜なのに明るい!!建物高っなんだあれ!!都会って......都会って.......)
炭治郎は都会に慣れていないせいか目眩がするようだ。かと言う僕もかなりしんどい。僕は心配して声をかける。
「大丈夫?炭治郎、もう少し静かな場所に行こう」
「う、うん」
僕たちは都会のはずれに行き、近くにあった屋台に止まる。この頃にはもう炭治郎はかなりやつれていた。
「山かけうどん二つください」
「あいよ」
炭治郎はやっと落ち着てお茶を飲む。都会の話は聞いたことはあったが、こんなに煌びやかな場所とは思っても見なかった。
「兄ちゃんたちここに来るのは初めてかい?」
「はい、田舎の方から来たもので」
「やっぱりな、まぁ都会は田舎と違って夜でもやかましいし、驚くのも当然か、俺も初めて来た時はぶったまげたもんよ。まぁ結局は慣れが肝心だな、しばらくここにいたら、いつかはなんともなくなる、俺もこうしてうどん屋やってんだ........、はいよ!山かけうどん二つ!」
「ありがとうございます」
僕は山かけうどんを二つもらい片方を炭治郎に渡し、できたてのうどんをすする。このうどんがまた美味しくて、特に出汁が美味い。この出汁はなにでできているのか、質問をする。
「このうどん美味しいですね。特にこのお出汁、なにを使ってるんですか?」
「悪いな、出汁の作り方は誰にも教えないと決めてるんだ」
どうやら、出汁の作り方は秘密だそうだ。僕と炭治郎はあっと言う間に平らげて出汁も全て飲み干し、屋台のおじさんに、お金を払う。
「ありがとうございました。こんなに美味しいうどんを食べさせてくれて」
「いいんだよ、うまいうどんを客に食わせんのが俺の仕事だからな」
僕は美味しいうどんを食べて満足している時、突然感じたことのある気配を感じた。
「炭治郎、近くに
「うん!俺もあいつの匂いを感じる!」
鬼舞辻無惨、その鬼は今から千年以上前一番初めに鬼となった者、その鬼は自分の血を使い人間を鬼にかえることができ、禰豆子を元に戻す方法を知っているものかもしれない鬼だ。僕と炭治郎は人をかき分け気配を感じる方に行く。そしてその気配の正体の肩を掴んだ。男は僕の方へと振り返ると、化け物を見ているかのような顔をし、かなり驚いていた。
「き、貴様!?」
「見つけたぞ!鬼舞辻無惨!」
僕は無惨に殴りかかろうとする。しかし無惨が抱えていたものを見て僕は背筋が凍った。無惨が抱えていたのはまだ小さい女の子だった。炭治郎もそれを見て、驚いている。
「おとおさん、だぁれ?」
(こいつ.....!人間のふりをしているのか!?この子は普通の人間だ、家族のふりをしているのか!?この男は!?)
「私に何か様ですか?随分慌てていらっしゃるようですが......?」
「あら、どうしたの?」
「おかあさん」
「この人たちは、お知り合い?」
「いいや、困ったことに少しも.......知らない人たちですね、人違い、ではないでしょうか?」
「まぁ、そおなの?」
無惨は僕たちとは他人のふりをしやり過ごす。そしてその隙に近くに通りかかった夫婦の男の首に自分の血を流し込み男は痛みでよろける。
「あなた、どうしました?」
そして男は隣にいる女性に襲いかかり肩に噛みついた。
「キャアアアッ!?」
「クソッ!」
「どうした!?」
「なんだ!?」
「血が!?」
僕は即座に男を蹴り飛ばし取り押さえ、噛み付かれないように首を押さえる。
「あなた!?」
「奥さん!!こちらよりも自分のことを!!傷口に布を当てて強く抑えてください!!」
炭治郎は女性に駆け寄り傷口を布で抑えている。
「鬼舞辻無惨!!お前は僕が必ず殺す!!絶対に!その首を引き裂いてやる!!!」
「どうしたのかしらあの人.....?ねぇ月彦さん?」
「麗さんここは危険だ、向こうへ行こう」(あの化け物、まだ生きていたのか、一体なんなんだあいつは?まさかあの男の仲間か?)
無惨は人ごみに隠れ姿をくらます。その後警察が来て僕を引き離そうとする。
「貴様ら、何をしている!?」
「下がれ!」
「酔っ払いか!?離れろ!!」
「下がれ下がれ!どけ!」
「待ってくれ!あんたたちじゃ無理だ!抑えることはできない!お願いだ、離れてくれ!!」
「何を言っている!?あんたこそその男から離れろ!あっ何だこいつの顔!?これは.....、正気を失っているのか!?」
「こいつを引き剥がせ!」
「わかった!」
僕は必死に引き離されないように身を屈める。すると突然周りの人達が何やら騒ぎ始めた。
「わぁぁ!何だこの紋様は!?」
「周りが見えない!」
周りの人達は紋様とか何かが見えているようだが、僕にはなにも見えなかった。
「惑血 視覚夢幻の香」
「炭治郎!一体なにが見えているんだ!?説明してくれ!」
炭治郎は何かが見えているのか周りを見渡している。するとそこに着物を着た女性とその後ろに目つきの悪い男性が立っていた。
「あなたは、私の血鬼術が効かないようですね?その人を助けたいのならば力を貸します。見ての通り私は鬼ですが、医者でもあり、あの男鬼舞辻を抹殺したいと思っている」
僕たちは置いてきてしまった、禰豆子を連れ戻しあの二人がいる場所に向かおうとする。すると禰豆子は突然目つきを鋭くし目の前にいる男に警戒する。
「禰豆子、あの人は鬼だけど悪い人じゃないよ、多分.....」
僕もあまり確証が持てないが、禰豆子を宥める。
「待っててくれたんですか?俺は匂いを辿れるのに.......」
「目眩しの術をかけている場所にいるんだ、辿れるものか、まぁその男には何故か効かないみたいだが、それより、鬼じゃないかその女はしかも醜女だ」
「なんだと。聞き間違いか?禰豆子が醜女?なにを言ってる、お前の目は腐ってるのか!?」
「そうだ!醜女のはずないだろう!!よくみて見ろこの顔立ちを!!町でも評価の美人だったんだぞ禰豆子は!!」
「行くぞ」
「いやそこに座れ!!そして禰豆子の顔をよく見てみろ!!口枷外したらすっげぇぞ!ぶったまげんぞ!!」
男は僕たちの言うことには気にも止めずさっさと歩いていく。会って早々禰豆子を醜女というとはけしからん男だ。僕たちは歩きながら男に罵詈雑言浴びるが、男は顔色ひとつ変えなかった。そして家が見えてきて男の人が扉を開ける。
「戻りました」
「おかえりなさい」
「あっ大丈夫でしたか?お任せしてすみません」
「この方は大丈夫ですよ、ご主人は気の毒ですが、拘束して地下牢に」
どうやら襲われた女性も命に別状はないみたいだ。そして女性は僕たちに自己紹介をした。
「名乗っていませんでしたね、私は
僕は隣にいる愈史郎さんに目をやる。愈史郎さんはものすごい形相で僕たちを睨みつけている、仲良くするのは無理そうだ。
「私は自分の体を随分弄っていますから、鬼舞辻の呪いも外しています。人を喰らうことなく暮らしていけるようにしました。人の血を少量飲むだけで事足りる」
「血を?一体どこから?」
僕は珠世さんが飲む血をどこから仕入れているのか質問する。
「不快に思われるかもしれませんが、金銭に余裕の無い方から輸血と称して血を買っています。勿論体には支障が出ない量です」
「(そうか.....この人たちも人は襲わないとしてもやはり鬼、人間の血は必要なんだ)」
「愈史郎はもっと少量の血で足ります。この子は私が鬼にしました」
「えっ!あなたがですか!?でも.....えっ?」
「そうですね、鬼舞辻以外は鬼を増やすことができないとされている。それは概ね正しいです。二百年以上かかって鬼にできたのは愈史郎ただ一人ですから」
珠世さんの言葉に炭治郎は驚き、僕も驚いていた。
「二百年以上も!?珠世さんは何歳ですか!?」
「女性に歳を聞くな無礼者!!」
「炭治郎、いくらなんでも女の人に年齢を聞くのは失礼だよ」
炭治郎は珠世さんに年齢を聞こうとして、愈史郎さんに怒りの喉突きを喰らい、喉を抑えてむせこんでいた。
「愈史郎!次にその子を殴ったら許しませんよ!」
「はい!!」(怒った顔も美しい........)
(なんなんだこの人........)
僕は切り替えの早い愈史郎さんの行動に少し引く。
「一つ.....誤解しないでほしいのですが、私は鬼を増やそうとはしません。不治の病や怪我などを負って余命幾許もない、そんな人にしかその処置はしません。その時は必ず本人に鬼となっても生き永らえたいか訊ねてからします」
珠世さんは何故人を鬼にするのか理由を話す。僕は嘘を言っているようには感じなかった。炭治郎は次に重要な質問をする。
「珠世さん、鬼になってしまった人を、人に戻す方法はありますか?」
次回もお楽しみに。