PSYCHO-PASS white referee 作:鈴夢
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シャンバラフロート 繁華街
時刻は19時を回り
常守と宜野座は外食をしようと街を歩き
たまたま出くわした船へと乗り込む
「雰囲気は少し違えどどこか東京を思わせる景色だな」
水上都市ということもあり東京とは違うものの
電飾掲示板やビルなど、似た光景に辺りを見回す2人
「調査といってもせっかくの国外ですから、
何か美味しいものでも食べて備えましょう、宜野座さん」
「……そうだな」
船から見える景色は幻想的にも感じ
2人は見入っていた
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船から降りると目の前に小綺麗なレストラン
2人はその店に足を踏み入れ、席へと座る
「アジアテイストですね、このお店
何にします?今日は私に奢らせてください」
思ったより元気そうな常守に笑みを浮かべる宜野座
「…私が奢るの、そんなに変ですか?」
「そうじゃない、存外元気そうで安心したよ」
宜野座の言葉にむーっと不思議そうに顔を顰める
メニューから選び、ウェイターに注文すれば
2人は料理到着まで談笑をする
「すごく今更なんですけど
宜野座さんのメガネってダテだったんですね」
「なんでそれを知ってるんだ?」
「いや、最初は
メガネが邪魔になってコンタクトにしたのかと思ってたんですけど、
…征陸さんに聞いたらそう言ってたので」
「……全く、あの人は……」
ハァーとため息を吐くと
頼んでいた酒の入ったビンを口につけ喉を潤す
「……目元が嫌いだったんだ、それを隠すために
伊達メガネを付けていたんだ」
「…………」
ジーッと見つめる常守
「なんだ?そんなに変か?」
「いえ、なんだか
丸くなったなって……そう思っただけです」
「それは貶してるのか?」
「違いますよ!そういう意味……」
刹那、男が別の席の男と口論になっているのを目にする
首輪を付けていない男、片方は潜在犯なのか首輪をつけていた
テーブルはひっくり返り、周りの客たちも驚いた様子で席を立つ
宜野座は席を立つと争いを止めようと
男二人の元へと駆け出す
「ちょっと!宜野座さん!」
常守が声をかけるも止まることはなく
宜野座を追いかけることに
「「ここはお前ら潜在犯が来るようなところじゃねぇ!」」
首輪を付けていない男が相手に掴みかかり罵声を浴びせる
「「ここは俺達も入店していいと許可が出てる!
その手を離せ!!」」
明らかに不利な状況に陥れられている首輪の男
宜野座がその場にたどり着くと
2人を剥がすように間に入る
「おい!やめろ!」
首輪の男を自身の背に隠すと
口論を始めた相手の男を睨みつける
「「なんだ?お前?潜在犯を守るってのか?」」
「そんなもの関係ないだろう、手を挙げるのは間違いだ
とにかく落ち着……」
背後の男が何か怯えるように声を上げ始めると
宜野座は振り向く
男の首輪が真っ赤に点灯し始め
怯え、慌てふためく男
「…おい、……待て、まさか!」
「「んぐっ……」」
男はその場に倒れる
慌てて宜野座は呼吸を確認するも
既に息絶えていた
致死毒の注入、この男は犯罪係数が大幅に上がったために
シビュラに殺された
泡を吹きながら息絶える男、傍らには家族だろうか
おなじ首輪を着けた妻らしき人物と幼い男の子が泣き叫ぶ
「「ったく、めんどくせー奴らだ」」
喧嘩を吹っ掛けた男は店から出ていく
そして死体はレストランのスタッフによって運び出され
家族も追いかけていた
「宜野座さん!」
潜在犯であるだけで迫害され、挙句の果てに酌量の余地さえ与えず殺される
明らかに不当だった
しゃがみこむ宜野座の腕を引っ張り、席へと戻す常守
宜野座の気持ちは痛いほど分かっていた
「……これが、楽園か」
シュウは幸せだと言っていた
しかし、そんなものまやかしに違いない
本来であれば宜野座も首輪を付けられる側の人間
複雑な心境に襲われていた
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2人は食事をすませると
酒瓶を片手に船に乗り込み、ぼんやりと景色を眺めていた
「俺がもしこの国の人間だったら
反発する気持ちが分かる気がするよ」
狡噛と舞白、あの2人がゲリラに加担しているというのが事実なのであれば納得できる気がした
「それは執行官・潜在犯からの視点、という事ですか?」
「……どちらでもだ
普通の色相を持つ人間ならこの政策に異議を持つはずだ
お前もそうだろう、常守」
常守も酒瓶に口をつければ景色に目線を移したまま答える
「…正直、シビュラがあるからこそ日本は平和を保てています
それは同じく、このシャンバラも同じこと
全てを否定はできません
運用方法は確かに即見直さなければ、特区内でも反乱が起こる可能性は否定できません」
「なかなか一筋縄ではいかないな、平和というものは」
酒瓶を全て飲み終えた宜野座は手すりに背を持たれさせ
話を続けた
「常守、お前に言っておきたいことがある」
「…舞白さんですか?」
「こんなこと、らしくないかもしれないが
もし、あいつに遭遇した場合
状況によって俺は…」
「殺すのも、一緒に逃亡も許しませんよ」
一喝されると宜野座は口を閉ざした
「必ず、舞白さんも狡噛さんも
助けるんですよ、宜野座さん
……酔っ払って変なこと言わないでください、宜野座さんらしくないです」
「……俺は自分が思っている以上に執念深いらしい
何年経っても、忘れようと思っても忘れられなかった」
宜野座が舞白を想っている気持ち、常守も察していた
酒を飲みすぎるなんてらしくない、そんな彼に
常守は背中を思いっきり叩く
「戻りましょう、宜野座さん
明日から激務ですよ」
「……すまない、常守」
からの酒瓶を傍らのゴミ箱に捨てる
自由に外に出られた開放感なのか、国外にいるからなのか
はたまたもしかすると舞白に再会出来るかもしれないという高揚感なのか分からないが、その日はやけに酔っていた
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