PSYCHO-PASS white referee   作:鈴夢

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閲覧制限

 

 

「……狡噛慎也、狡噛舞白って…」

 

聞き覚えのある名前に霜月は反応する。

かつて一係で監視官、執行官という経歴の持ち主で

数年前の事件後、妹と共に国外に逃亡したとか。

 

「まさか…こんなことになってるなんてな」

 

征陸は深くため息を吐くと、残念そうな表情を浮かべる。

 

「局長曰く、シビュラに不信感を持つ狡噛が密入国者に情報を与え、日本に送り込んでいると…

そしてそれを兄妹で共謀している」

 

元々、シビュラはろくでもないものと言い放っていた狡噛と

シビュラの正体を槙島に明かされ、免罪体質である舞白は

シビュラに取り込まれるところだった。

 

もし本当に2人が巻き起こしていることであれば

辻褄が合うと考える。

 

 

「やたら訓練されていたテロリストだと思ったが

狡噛が奴らを躾たっていうなら納得いくな」

 

昨日、凶暴なテロリストと対峙しあった一係。

かなりの戦闘能力を持っており、戦い慣れている様子であったと

宜野座も苦戦を強いられていた。

 

 

「それで?国外にいる元お仲間さん達をどうやって捕縛しますか?先輩」

 

「密入国者たちの祖国、シーアン

…局長から渡航許可が降りたので調査に向かいます

同行者は宜野座執行官、来てくれますよね?」

 

 

国外調査など異例中の異例、霜月は驚いた顔を常守に向ける。

そして密かに、大仕事を持っていかれる悔しさを滲み出していた。

 

名指しされる宜野座も驚いた様子で頷く。

 

「よく許可が下りたな、相当無理を言ったんだろうが」

 

「相手も2人ならこちらも2人です

それに、狡噛兄妹のことを私以上にあなたは知ってます」

 

その言葉に、かすかに笑みを浮かべる宜野座。

そしてその横のデスクの雛河がシーアンについての記事をデスクトップに映して読み上げる。

 

 

「シーアンって…首都にシビュラシステムの管理が置かれた国…

日本からシステムを実験導入した自治区があるって…」

 

「その通り、

でもおそらく彼らがいるのは首都の外、シビュラの管理が置かれていない無法地帯、そこに行く場合一切の支援は送れないと局長からは言われてます」

 

あくまでも管理下に置かれている自治区のみしか、日本側は手助けをしない、でも2人にとっては都合の良い事だったかもしれない。

 

「覚悟の上だ、任せろ」

 

トントントンと話が進んでいく様子に

またもや霜月はイライラとしていた。

 

「その間、こちらを任せます、霜月監視官」

 

「言われなくてもちゃんとやります

先輩たちこそ、国外で羽目を外さないようにしてくださいね」

 

フンっと両腕を組む霜月。

その肩をポンポンと叩く征陸は笑みを浮かべていた。

 

 

「頼りにしてるぜ、監視官」

 

「こちらは霜月監視官指示の元、お任せ下さい」

 

「…が、…がんばります…」

 

残る執行官3名がそう言うと、霜月は満更でもないのか

少し嬉しそうに、恥ずかしそうに顔を逸らす。

 

「では、話はこれで終わりです

急に集まってくださってありがとうございました」

 

常守は皆に礼を言うと、部屋を後にした。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

 

 

その後、霜月は常守が立ち去るのを確認するとデスクにて

狡噛兄妹の経歴を確認する。

 

 

((狡噛慎也、生年月日2084年8月16日…

…出身は神奈川の相模原…

両親が他界後、東京都港区に転居…

監視官として入局するも色相悪化で執行官落ち

…よくあるキャリア組の経歴ね…))

 

続いて妹の経歴を開く

 

「……!?…」

 

舞白の経歴は傍から見れば普通だが

あまりにも情報が少なすぎる

 

((狡噛舞白、生年月日2096年4月25日…

出身は兄と同じ…兄と2人で暮らしてた…

…新麻布高って…超エリートじゃない

なのに何で……))

 

自身の卒業した桜霜学園も、それなりにエリート高であったが、新麻布高校は更にポイント高取得者しか入学はできない高校で有名だった。

卒業者は会社役員や官僚など、名の知れた人しか聞いたことがない。

 

そしてそれ以降の経歴はまっさら。

最終経歴は新麻布高校 中退、兄と失踪してから以降の情報はもちろん、他の詳細を見ようとするが閲覧制限Lv5と表示され開くことはできない。

 

「……閲覧制限Lv5って……誰も見れな」

 

「霜月監視官、昨日の報告書の件で…」

 

「へ!?」

 

突然の宜野座の声に慌てふためく霜月。

宜野座は微かにデスクトップ画面が見えていた

閲覧制限のエラー画面 、

何をしているのかだいたい予想は着く。

 

「狡噛舞白はかつて厚生省の機密機関に送られる予定だった重要人、だからそれ以上の閲覧は不可だ」

 

「…機密機関…?」

 

諦めろ、と言わんばかりの表情を向け

報告書をデスクに置いていくと

再び自分のデスクへと戻る。

 

((…厚生省機密機関、なんて怪しすぎるに決まってるじゃない))

 

見れないとわかると、渋々2人の情報を消せばため息を吐く。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

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