PSYCHO-PASS white referee   作:鈴夢

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3章
忍び寄る影


 

 

・・・・・・・・・・

 

夜はさらに更けていく

 

 

 

喉の乾きで目を覚ました舞白

常守を起こさないようにゆっくりと身を起こすと

水を汲みに外へと向かう

 

警備をする仲間たちと時たま会話を交えながら

持参していたボトルに水を入れていく

 

そして不意に、数km先のもう1つの拠点に目を向ける

ザァッと強い風が吹けばザワザワと胸騒ぎしていた

 

 

「「…マシロ?どうかしたか?」」

 

「………」

 

 

 

 

その瞬間、拠点から大きな爆発音

そしてその音と共にごうごうと燃えがる炎

その拠点まではかなりの距離はあるものの

本拠点が狙われているのは明白だった

 

「!?」

 

手に持っていたボトルを地面に落とし、すぐそばにいた仲間に声をかける

 

 

「すぐに警鐘を鳴らして!!

避難対象者をすぐに起こして移動させないと!」

 

鳴り響く警鐘の音

女性や年配者、子供たちの避難の助けをしていると

セムや狡噛達も姿を現す

 

 

「南側の拠点と連絡が取れなくなってる、おそらく敵に先手を打たれた」

 

セムは何度も連絡を取ろうとするが

既にその拠点は敵に制圧され、装置などが全て抑えられていた

 

あまりの手際の良さに敵はただの軍隊ではない

高度な戦闘訓練を受けた特殊部隊だと推測する

 

少しずつ銃声や爆発音が近づいているのを察知すれば

時間の問題だと若干の焦りを見せる

 

「セム、彼らを逃がす

車両の手配をお願いしたい」

 

常守と宜野座に目を向ければ、セムはすぐに車両の確保へと向かう

その様子に2人は焦りを見せた

 

「ちょっと待て狡噛!」

 

「ここは俺たちで食い止める」

 

「私たちだけなんて!」

 

非常事態に最優先で2人を逃がすことに

常守と宜野座は反発する

 

「お前らの犯罪捜査でハンの悪事の尻尾を掴められるかもしれない

それは俺たちにとってチャンスなんだ!

シャンバラに戻って任務を続行しろ!」

 

「しかし…」

 

狡噛は常守と宜野座の肩を掴む

 

「そんな心配することは無い

俺も舞白もそう簡単に死ぬと思うか?

…ここを生き抜けたら、また…」

 

狡噛の隣に立っていた舞白も口を開く

 

「絶対また会いましょう、約束です」

 

狡噛と舞白はきっと何を言っても聞かないだろう

そう察知した2人は大人しく離脱することを決めた

 

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 

「「早く!こっちの車両に!」」

 

暫くすると1人の男が乗った車が現れる

2人を手招きすれば

常守と宜野座は車両に乗り込んだ

 

 

「朱さん!ノブ兄

…どうかご無事で…」

 

「舞白ちゃんこそ…」

 

常守は苦しそうに眉を顰める

宜野座は窓から手を伸ばし、舞白の肩に触れる

 

 

「…死ぬな、絶対に」

 

「大丈夫、絶対死なないから」

 

そして急発進する車

ゆっくり別れの挨拶もする暇もなくすぐに車両の姿は見えなくなる

 

既に近くまで敵の気配を感じるように

狡噛と舞白は銃を抱えるとバイクへ乗り込み

セムやほかの仲間たちと共に

敵が暴れているであろう場所まで飛び込んで行く

 

 

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 

 

進むに連れて激しくなる戦火

辺りを焼き尽くす炎の中に大型のドローンが2体

何者かが操作しているのか人が乗っている姿が見える

必死に銃で交戦する仲間たち、しかし苦戦を強いられていた

 

その様子に目を向ける舞白

 

「お兄ちゃん!私はここで降りる」

 

兄の返答を聞かないままバイクから飛び降りれば

ドローン2体に向かって走り出す

 

 

「舞白!待て!」

 

その場で狡噛もバイクを乗り捨て追いかけようとするが

何者かに手元の武器をワイヤーのようなもので奪われれば

2人組に襲われる

 

 

「マシロは任せろ!」

 

セムもバイクを乗り捨てるとマシロの後を追いかけ

ドローンに向かって発砲し始めた

 

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 

 

((…何だこの小娘…動きが早い…))

 

大型ドローンを操縦していたのは

とある傭兵団の1人、ジャン・F・ウェバー

 

躊躇することなく突っ込んでくる舞白を目で追うも

あまりの速さに驚きを隠せない

 

 

「オラァァァアアアア!!!」

 

ドローンに向かって思いっ切り体当たりをすると

バランスを崩したジャンの機体がその場に倒れ込む

 

「チッ……」

 

もう一体のドローンが手を貸そうと舞白を狙うも

ほかの仲間たちの弾丸が邪魔をし応戦は不可能だった

 

「ッ…鉄の体で襲ってくるなんて…

卑怯よ!さっさと出てきなさい!」

 

機体の前のガラス面を思いっ切り踏みつけると亀裂が入る

ジャンは焦りガラスの蓋を開ければ生身で舞白に襲いかかる

 

「…この…ッ…小娘が!」

 

男は白人、身長は2m近くあるだろうか

かなりのガタイで舞白との力や体格差は圧倒的だった

 

容赦なく強い蹴りや拳が舞白に飛びかかって来れば

かなり強い相手に舞白も余裕は見られない

 

その瞬間、もう一体のドローンが苦戦をしている仲間の様子を見ると銃口の狙いを舞白に定める

 

それに気付いたセムは咄嗟に走り出し、ドローンの向く方向へと身を投げ出す

 

「マシロ!!危ない!!!」

 

男を相手にしながらもセムの動きが視界に入れば

舞白は相手をそっちのけで走り出す

 

しかし、既に遅く

目の前で舞白を庇ったセムは銃撃を体全体で受け止めれば

力なく倒れ込む

 

 

「セム!…そんな!…セム!…ッ…セム!!!」

 

そのままセムを助けることもままならぬまま

次々と攻撃を繰返す2人組

 

完全に舞白に狙いを定めた2人は

容赦なく襲いかかる

 

「おい!ババンギダ!お前も降りてこっちに来い!

この小娘、なかなかいい動きだ」

 

ジャンはおそらくドローンを操縦している男に無線機で声を掛ければ

ドローンから黒人の男が降りてくる

 

援護に回っていた仲間たちはドローンの銃撃により事切れており

舞白と相手の男2人のみとなった

 

奥では狡噛が傭兵と思われる相手と戦っているのが見え

舞白も体勢を整えれば構えの姿勢に入る

 

 

「…フーー…」

 

深く深呼吸をすれば舞白は2人に向かって駆け出す

明らかに不利な状況だがここで負ける訳にはいかない

宜野座の言葉を思い出せば舞白の力はいつも以上に発揮されていた

 

 

・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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