PSYCHO-PASS white referee   作:鈴夢

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狼兄妹(2)

 

 

 

 

「聞けば、お仲間のゲリラ共はずいぶんとお前たちに心酔していたそうじゃないか?

なにか耳障りのいい思想でも吹き込んだのか?

…なあ、白銀の女神様」

 

デスモンドは舞白の目の前にしゃがみこみ顎を強引に掴む

 

「知らない、そんな事」

 

余裕そうな表情を浮かべ、顔を振るって手を弾く

 

「… あなた達にもクライアントがいるんでしょう?

それも、ただ者じゃない

…マキャヴェッリのこんな言葉知ってる?

"傭兵に守られている国というのは、敵国から攻撃を受けない間だけ命を永らえているに過ぎない"

きっと、そのクライアントは危険が訪れれば

あなた達を直ぐに切り捨てる」

 

舞白はここに来る途中、微かに意識が戻った時に見たものを思い出す

国家憲兵隊のマーク、そしてその人物と思われる相手との会話

 

「…国家憲兵隊にいいように使われてる、

きっといつか、この国の本性が現れた時、諸外国から攻撃を受けた時

オチはもうわかってる

そんな相手に、あなたこそ何か思想を吹き込まれたんじゃないの?」

 

「………」

 

国家憲兵隊のワードに狡噛もデスモンド達も目を見開く

 

「…クククッ…面白い、意外と兄よりも賢いのかもしれんな」

 

妙に落ち着きのある妹の姿、微かに槙島と姿が被ると狡噛は眉を顰める

 

「…俺たちは秘かにコミュニティを運営していてな

いずれは兵員の規模を拡大し軍閥を組織するつもりだ

そうなった時必要なのは統率力だけではない、

群衆を熱狂させ、虜にさせる力…」

 

酒瓶を手にすると舞白に向け、怪しげに笑う

 

「俺たちの仲間になるつもりは無いか?

お前たちを歓迎しよう

…どっちみちクライアントに引き渡せば命はない

生き抜ける選択肢を用意してやる、という意味だ」

 

舞白はニコッと笑みを浮かべ酒瓶に手を伸ばす

狡噛は妹が何をするのか分かれば微かに笑みを浮かべた

 

「クライアントの臭いも嗅ぎ分けられない奴らの駒になるなんて、

私も兄も願い下げ」

 

酒瓶をデスモンド目掛けて振り下ろす

相手は義手で受け止めると瓶は割れ

辺りに濃い酒の匂いが漂っていた

 

 

「…それは、とても残念だ」

 

そしてデスモンドは舞白の腹部に思いっ切り拳をぶつけ

その場に倒れ込む舞白

2人はハンチコワ達に地下から連れ出される

 

そしてデスモンドに怪しげな連絡が入る

若干だるそうにその通話に出れば

相手との交渉のような話を進めれば

デスモンドは最後に2人について語り始めた

 

「安心しろ、生かしたまま連れて行く

…だが用心するんだな、この兄妹はまるで狼だ

狼のように高い知能、牙を向かれたら一貫の終わりだ

…何よりも、この2人なら何をするかわからない

……油断するナよ」

 

 

 

 

「こちらは十分準備は万全だ

…貴様らこそ余計な事は言うな

そして主には最期まで従うんだな」

 

通話相手の男がそう言い放てば一方的に切られる通話

 

 

 

「惜しい奴らだ

…考え直す時間を与えたかったが…時間切れだ」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

牢屋に投げ込まれる2人

すぐに狡噛へと舞白は駆け寄ればキズだらけの姿に心配をする

 

 

「…酷い…

…応急処置、機材がなくて全部は出来ないけど…」

 

ビリッと自身の服を破き処置をしていく

先程とは打って変わっていつもの様子の妹にかすかに安堵していた

 

 

「…お前…死ぬ気で…」

 

「喋らないで、口の中も怪我してるでしょ」

 

テキパキと処置をしていけば

暫くすると舞白は口を開く

 

「大丈夫、相手のクライアントは憲兵隊って分かった

朱さん達もそこに居るはず

…簡単に死ぬわけにいかない

……それに約束したから、ノブ兄と

絶対死なないって」

 

 

自分に言い聞かせるように話を続ける舞白

処置を進める手が微かに震えていた

 

 

「…お兄ちゃんと日本を出てから、

死にそうになった瞬間なんてたくさんあった

でも生きてるから、何だかんだ危険を切り抜けてる

私はその可能性に賭けてみようかな」

 

「………死なせはしないさ、

生きぬくぞ…舞白」

 

狡噛の手が舞白の頬に触れる

2人は目を合わせるとニッと笑みを浮かべる

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

 

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