PSYCHO-PASS white referee 作:鈴夢
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同時刻 シャンバラフロート
常守と宜野座は部屋に軟禁されることに
外には監視、お互いの部屋を行き来することも与えられず
尚且つ、室内でデバイスを使用しようと思えば圏外の文字
明らかに何も出来ない状況を突きつけられていた
「……さて、と」
宜野座はキャリーケースの中の唐之杜が仕込んだポーチを手に取り
中身を取り出す
中には何やら手のひらサイズの中継器ようなものが
常守の部屋は隣、その方向の壁にその中継器ドローンを貼り付ければ
デバイスは圏外なものの、常守とはオフラインのまま
中継器を介して連絡が取れるように
「…おい、常守、聞こえるか?」
『感度良好、しっかり聞こえてます』
連絡が取れるようになれば安堵の笑みを浮かべる
しかし安心していたのもつかの間、
宜野座の部屋に何者かが入室する気配
中継器を上手く隠せば何事もなかったかのように振る舞う
「……待て、常守
後でまた折り返す」
即デバイスを切ると、同時に世話役のシュウが姿を現す
「お食事をご用意しようと思いまして
テイストはなにかご希望は?」
「そうだな…、任せてもいいか?
シャワーを浴びて着替えた後に頂くよ」
「はい、承知致しました」
深々と頭を下げるシュウ
青く光る首輪、宜野座はそれを見る度に胸を痛めていた
そして浴室へと入り、声を消すようにシャワーを出せば
再び常守へと連絡をする
「…すまない、世話役が入ってきてな
…そっちの状況は?」
通信を取りながら浴室内で着替え始める宜野座
時たま脱衣所外を気にしつつ常守とお互いの状況などを説明していた
『ダンゴムシを使って唐之杜分析官にサイマティックスキャンのデータを転送しました、今はその解析結果を待ってます』
ダンゴムシとは、唐之杜の秘密機器
簡単にハッキングができる特殊な小型ドローン
常守のポーチの中にはこのダンゴムシが入っていた
「相変わらず仕事が早いな
…俺の方にはオフライン接続ができる中継器
恐らく唐之杜は執行官の俺のリスクを考えてこのドローンを入れたんだろうな、アイツらしい」
つくづく唐之杜の頭の回転の良さに2人は関心する
そして暫くすると常守からデータが転送されてきた
『…宜野座さん、やはりビンゴです』
データには憲兵隊のひとりひとりのサイコパスデータ
ニコラス曰く、クリーンを保っていると言われていたがそれは真っ赤な嘘
ほとんど全員の犯罪係数は300オーバー
そして、ニコラスの犯罪係数は元は20と表示されていたものの374.1の数値を叩き出していた
「……軍人上がりの官僚たちのデータ改竄
納得だ、アイツらのサイコパスがクリーンな訳が無いと、初めから違和感しかなかったからな」
人外的な、残酷な彼らの行動から
クリーンな色相なんて考えられるはずもなかった
何かがおかしいと、直感で2人は感じていた
『このデータを即日本政府に突き付けます
そうすれば動かないわけにはいかないですから』
「あぁ、頼んだ常守
……あと聞きたいことがある」
スーツのジャケットを羽織り髪の毛を結い直し身支度を済ませ
不意に扉の隙間から食事準備をしているシュウを見据える
「シャンバラ特区の潜在犯監視で使われているあの首輪
あれは日本製だよな?」
『宜野座さんが何を言おうとしているか分かりますよ
…首輪の解除コード、送ります
これも唐之杜分析官が解析してくれました』
「……頼もしいな、使わせてもらう」
『私にもヨウさんという女性の世話役がついてます
…なんとか協力を得られないか話してみます』
「了解だ、また何かあれば連絡を取り合おう」
通信を切り、シャワーを止めれば
広間へと戻っていく
「宜野座様、お食事の用意ができております」
穏やかな笑みを向ける青年
宜野座はテーブル上のグラスを手に取り喉の乾きを潤す
そしてシュウに近づくとデバイスを首輪へと近づける
「あの…何を…」
「静かに、じっとしてくれ」
デバイスに長いアルファベットや数字が羅列された画面が表示される
そして直ぐにシュウの首に巻きついていた首輪が解除されれば床へと転がり落ちていく
目を見開き驚いた様子のシュウ
宜野座は笑みを浮かべていた
「これは一体…どうやって…」
「落ち着いて話を聞いて欲しい……っ……」
シュウの左肩に手を添え協力をして貰えないか話そうとするが
急に視界が歪みふらふらとテーブルに手をつく
「きょう、……り……く」
その様子に慌てるシュウはすぐに宜野座の体を支えようと
しゃがみこむ
((……あの水に、なにか混ぜられていたのか……))
シュウの様子を見る限り
彼が仕込んだものでは無い
恐らく第三者が何かを入れたに違いない
「宜野座様!……宜野座……」
遠のく意識、油断したと心の中で嘆く間もなく
宜野座はそのまま意識を手放す
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「……どうか!彼を救ってください!
大佐殿!……」
再び目を覚ました頃には体を床に抑えられていた
シュウが相手に必死に何かを訴える
それを冷酷な瞳で見据えるのはニコラス
薬品のせいか力の入らない体
そしてニコラスの手に握られていた銃が
シュウへと向けられる
「……ッ……やめろ……やめるんだ!」
刹那、響く銃声
無惨にも頭を撃ち抜かれその場に倒れるシュウ
「……お前たち……
……やはり、サイマティックスキャンを受けていないな……」
ニコラスは死体の傍らにしゃがみこみ、銃口を再びシュウへと向ける
「……ほう……確証はあるのかな?」
今度は喉元目掛けて発砲すれば男は不気味に笑みを浮かべる
「……人を殺しておいて……よくそんな事が言えるな」
「シビュラシステムが四の五の言わなければどんな行為も犯罪ではない
……そうだろう?潜在犯」
「……フッ……お前たちも同じだろう」
「どうせすぐにその口もきけなくなる
……連れて行け!」
体を引かれ外へと連れ出される
未だにまともに動けない体に苦しい表情を浮かべていた
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