PSYCHO-PASS white referee   作:鈴夢

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真実(3)

 

 

『犯罪係数 オーバー380 執行モード

リーサル エリミネーター』

 

 

「強襲型ってのはなんだか扱いにくいな……」

 

通常のドミネーターより遥かに巨大なドミネーター

それを上空のヘリから扱っていたのは征陸だった

狙いをしっかり定め、トリガーを引く

 

 

 

「っく!!」

 

ニコラスも同時にトリガーを引くも

ギリギリ舞白の数cm横にズレれば難を逃れる

 

その瞬間、ニコラスの体は膨らんでいき目の前で破裂した

 

「「ひっ……ヒィィ!!」」

 

その姿に困惑し怯える複数の隊士達

下半身だけが残り辺りには肉片、あっという間に床が真っ赤に染っていく

 

そして錯乱した隊士達はドローンに銃を向け発砲していくも、もちろん効くはずもなく

ドローンの発砲により反撃されていく

 

目の前で大量に死んでいく隊士達

 

狡噛たちを襲った傭兵達も巻き込まれれば

なんとか難を逃れたのはデスモンドのみだった

生き延びたデスモンドは物陰から狡噛を見据えると怪しげに笑みを浮かべ立ち去る

狡噛はその姿を目に追っていた

 

舞白は悲惨な光景に目を瞑っていると

突如、銃声が鳴り響き狡噛の手によって手錠が外される

隣の常守も、宜野座も同じく拘束から解放される

 

ニコラスの握っていた銃が運良く転がり

狡噛の手元へと渡っていたのだった

 

「常守、あんたは議長」

 

「はい、

……狡噛さん達は…」

 

常守は狡噛の隣に立つ舞白に目を向ける

宜野座も心配そうに2人を見つめる

 

「俺は俺で蹴りを付けてくる

…舞白、お前は……」

 

「私も朱さんと一緒に行きたい

……いいでしょ?お兄ちゃん」

 

狡噛は予想外の言葉に驚いていた

いつもなら一緒に来ると、

しかし舞白もまた、ハンに対して何か思うことがあるようなのか

必死に兄に目で訴えかけていた

 

「……わかった、

頼むぞ、監視官」

 

「任せてください

……宜野座さんは狡噛さんと共に、

…あとの判断はあなたに任せます」

 

狡噛を拘束するか否か、全てを託すつもりで宜野座を指名した

 

「あぁ、わかった」

 

宜野座は薄く笑みを浮かべると頷く

そしてそのまま舞白の方へと歩み寄れば

宜野座と舞白はお互いを見合う

 

 

 

「また、な……舞白」

 

その言葉がどういう意味なのか分からなかった

また後で、なのか

本当に"また"いつか、どこかで、そういうニュアンスなのか

 

「うん、また」

 

舞白はいつもの笑顔を向ける

お互い、その姿を焼き付けるかのように目線を合わせれば

宜野座は狡噛と共に戦乱の中を駆け抜けて姿を消す

 

 

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 

 

 

 

 

「大丈夫ですか!監視官!

…それに、舞白ちゃんまで……」

 

「狡噛と伸元は行っちまったか

…にしても、また会えるなんてな舞白ちゃん」

 

六合塚は2人に駆け寄り心配そうな様子を見せる

征陸は狡噛達が消えた方を思わず目で追いかけるも

再会できなかったことを密かに悔やんでいた

 

「みんなどうして……」

 

次々と一係が乗ってきたヘリからドローンが降り立って行く

その状況に常守は不思議そうに、疑問をぶつけた

なぜなら日本政府の介入は予想もしていなかったからだった

 

雛河と征陸がシャンバラに介入できた理由を簡単に話す

 

「ダ、ダンゴムシが集めたデータから分析官が突き止めました」

 

「この国のスキャナーは不正改造されてるってな

…ここは、潜在犯の巣だ」

 

次々と拘束されていく隊士達

クリアカラーの人間はほんの一部しか存在しなかった

 

「どういうカラクリだったんですか?」

 

「もともと、シーアン軍が使用していた敵味方識別信号、それを色相スキャンに仕込んでありました

友軍と判定された相手はスキャンの対象外になります

…憲兵隊の隊士達はほぼ全員がこの手口でサイコパスを偽装していた、という事です」

 

六合塚は諸々のデータを常守に転送し、あらかた説明をすると

大胆な手口に常守は眉を顰めていた

 

「そんな大胆な手口でシビュラシステムを誤魔化してたんですか」

 

「…誤魔化せる訳、ないじゃないですか、先輩」

 

最後にヘリから降りてきた人物、霜月

ドミネーターの入った大型の機械に寄りかかりながら話しを続ける

 

「ただ、黙認されていただけです

シビュラの目的は最初から国家憲兵隊の一斉摘発

そこを察していたらここまで手間がかからなかったでしょうに…

……回り道しすぎなんですよ、先輩は」

 

はぁ、とため息を漏らし常守を見据える霜月

その言葉に常守は疑問を投げつける

 

「どういう意味?霜月監視官」

 

「こんな連中が考えることなんて、サイマティックスキャンで読み取るまでもありません

それでもシーアンにシステム運用のためのインフラが整備されるまでは利用するしかなかった

……シャンバラフロートが完成してしまえば、こいつらは用済みです

あとは悪巧みの証拠を掴んで潰すだけ」

 

キッと鋭い目付きを霜月は常守に向け言葉を続ける

 

「逃亡執行官、及び国外逃亡をしたその妹の追跡、なんて

あなたと宜野座執行官を送り込むための口実ですよ」

 

「……あなたはそれで納得できるの?」

 

「成しうる者が成すべきを成す

空気読めってことですよ、先輩」

 

2人の会話がひと段落すれば

不意に征陸がなにかに気づく

先程まで居たはずの舞白の姿がなかった

 

「監視官、舞白ちゃんが居なくなってる」

 

「!?」

 

 

気配を消し、誰にも気づかれないように姿を消した舞白

転がっていた銃を片手に1人でハンの元へと向かっていた

 

「我々も成すべきことを成しましょう

……私は直ぐに彼女を追いかけます

目的は……恐らくハン議長です」

 

察しのいいあの子なら、きっと

ハンが何者なのか、分かっているはずだと

昨夜、シビュラシステムについて何かを話そうとしていた舞白を思い出していた

 

おそらく、彼女は分かっていると

 

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 

常守を含むほか一係のメンバー全員が

ドミネーターを握り、起動する

 

 

「霜月監視官は征陸さん、六合塚さん、雛河君を連れ

引き続き現場の指示を」

 

「はい、先輩」

 

 

「私は議長の身柄を押えます

…必要であれば、狡噛舞白も……

狡噛慎也に関しては宜野座さんに既に任せてます」

 

「……無理しなさんな、監視官」

 

征陸の心配そうな言葉に小さく笑みを向ける

そして常守は舞白の後を追いかけて行く

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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