PSYCHO-PASS white referee 作:鈴夢
それぞれの意思
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2人の足音が長く続く廊下に響き渡る
追いかける先々で転がる死体
間違いなくデスモンドの仕業だった
「はぁッ……はぁ……はぁ……」
既に傷だらけの狡噛にとって
追いかけることさえ体には負担だった
その様子を既にわかっていた宜野座はなんとか支えながらも駆け抜ける
「……狡噛、お前は休め
アイツは俺が……」
宜野座の制止を振り払えば構うことなく走り続ける
暫く走り続けると広い空間に
天上は異様に高く、月明かりに、空を飛び交うヘリの照明、あらゆる光が差し込んでいた
「…………ッ……ぐっ」
狡噛はその場に倒れ込む
宜野座は何度も狡噛に声を掛けるが
ただ虚ろに天井を見上げていた
「おい!狡噛!!
……狡噛………………」
音が消えてなくなる
そしてそこに居るはずの宜野座の姿が
幻覚なのか、懐かしい、あの男の姿に変わっていく
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「遊んでいる場合じゃあないだろう
お前だって、さっさとこの場から退散しないと
妹と共に危険な目にあうかもしれない」
妙に落ち着きのある、冷たい声
槙島聖護
「……それとも逃げる獲物を前にして追いかけないと気が済まないのか?
やれやれ、君も、君の妹も
つくづく性根から狼のようだ」
「新しい軍閥を作ろうなんてほざいている野郎を野放しにしておけるか?」
狡噛はふらふらと立ち上がり、背を向ける槙島を睨みつける
「あんな戯言を真に受けてどうする?
…そもそも、君が手を下さずとも
とう駆らず破滅する男だろう?」
槙島はその場に立ち止まり狡噛へと振り返る
狡噛は虚ろな目で睨みつけたまま、相手の語りを聞き入っていた
「なにがそこまで君を駆りたてる?正義感?
……違うな、あんな奴はこの世界に五万といる
あの男を仕留めたところで何一つ変わらない
それでも君は命をかけてまで奴を……
……その執念は何なんだ?狡噛慎也」
「……煩い……
……死人は黙って……」
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「おい!狡噛!」
槙島に銃口を向けた瞬間
宜野座の声によって我に返り、目を覚ます
夢でも見ていたのか、しかし間違いなく
槙島はこの空間にいた
「……酷く魘されていたぞ、
……大丈夫か?狡噛」
「すまない、ギノ
……大丈夫だ」
宜野座に支えられながら立ち上がると
再び2人は駆け始めた
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同時刻 狡噛達とは真反対の方向へと駆け抜ける人物
長い白い髪を靡かせながら
ひたすらに目的地に向かい駆け抜ける
「はぁっ……はぁ……はぁ!」
舞白は何かを感じていた
私は、あの人物と話さないといけない
そんな気がしてならなかった
((……チュアン・ハン
…あなたの正体は……))
4年間、自分の秘密に、目を瞑ってきた
今なら聞ける、自分が何者なのか
そして彼らの目的も全て
自分自身の目で、耳で確かめることが出来るチャンスだと
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「君は、それを知ってどうする?」
走り続け、酷く呼吸を乱した舞白
激しい頭痛と共に現れたのは槙島聖護
「……もう出てこないでよ」
彼から逃れようと急ぎ足で長い廊下を進んでいく
しかし、幻覚は解けそうにない
「それよりも君は早くここから逃れた方が良いと思うんだが…
……どうする?公安局に捕まれば、もしくはこの先の人物には上手いように捕まれば?
君自身は消滅する
そしてシステムに有効活用されるだけだ
僕は、君はそうなって欲しくないんだよ」
舞白の背後からそっと耳打ちをする
しかし本人は固い意思があった
「…ずっと目を瞑ってた、蓋をしてた
でも、私は知りたい
……私を必要としている本人の口から」
握っていた銃を頭の横へと持っていき
銃口を自身の頭に向ける
「……いざとなれば、これでいいでしょ」
頭を撃ち抜く仕草をすれば
舞白はサッと背後へ振り向く
銃口を槙島の額へと向けては妖しげに笑みを浮かべていた
「またぶち抜かれたい?頭
…………さっさと消えて、これは私の意思」
「幸運を祈っているよ
君がつまらない存在にならないように」
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「……ッん……ぐっ……」
首を押え壁に体を預けると
深呼吸をして痛みを何とか落ち着かせる
逃げ続けた4年間、今日こそは向き合う、と
心の奥底からフツフツと気持ちが込み上げる
「……待ってなさい
シビュラシステム……」
舞白は議長がいるであろう部屋まで一気に駆けだした
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