PSYCHO-PASS white referee   作:鈴夢

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pailWhite

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

霜月は目を見開き、画面に目線を向けたままパンを口に運ぶ

 

「…退任…ね…」

 

 

明くる日、シーアン国内全域にて放映されているニュース番組にて速報が流れる

ハン議長の退任、そして改めて選挙を行うと

 

「まあ、結果は大体目に見えてるがな

…せっかく手に入れた平穏なこの楽園をこの国の人々が手放すわけがないさ」

 

征陸はそう突っ撥ねると朝食のサラダを口に運ぶ

 

「私もそう思います」

 

「…そうとしか、考え、られないです…」

 

同じく食事をとっていた六合塚、雛河も口を揃え言い放つ

霜月を含む4人は街中の大画面の速報を見るなり、

想定の範囲内の事だと認識していた

 

 

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

結局、常守の言葉を聞きいれたハンは退任を選択

しかし、それは一度シビュラによる平穏を見た国民たちがシビュラというシステムを手放すわけがないと分かっていたからだった

 

 

全てがシビュラの掌の上で行われていたこと、

それに転がされていた常守達

しかし、仕組まれていたとはいえ狡噛兄妹に再会出来たことはかなり大きなことでもあった

 

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

 

 

 

「…一体、ハンに何を吹き込んだんだ」

 

「別に、最善の判断を求めただけですよ」

 

シャンバラ特区内の美しい遺跡のような建造物の外に

常守と宜野座の姿があった

 

2人はどことなく遠くを見つめ、ぼんやりとしていた

 

「相変わらず、何か大きなものを抱えているように見える」

 

「そんな事ないですよ?

…ただ、あの2人…結局消えちゃいましたね」

 

あれから狡噛兄妹を見た者は誰一人といない

どうやってこの特区内から出たのかも不明だが

恐らくもう次の目的地へでも向かっているんだろうと考えていた

 

 

「…すまない、俺も土壇場でドミネーターを破壊されてな

…銃も奪われてそのまま逃げられた」

 

宜野座の嘘に常守は気づいていた

きっと逃がしたのだろうと

 

「……私こそ、結局舞白ちゃんを追いかけませんでした

…何も聞けないまま、彼女のサイコパスさえ…」

 

「…アイツの事は、俺が日本に戻ったら調べるさ

何故、俺たちから逃げ続けないといけないのか…」

 

常守が予測していたことが全て当てはまった

舞白は間違いなくシビュラに求められていた免罪体質

しかし、今回のあのシビュラの言葉を聞いて

少なくとも彼女の身が100%危険でないと言うことが分かった

 

そして宜野座や例えほかの人が彼女の為になにか動いたとしても

どうしようも無いということ、答えは誰にも分かるはずのない事案だった

 

「宜野座さん、本当に舞白ちゃんの事大切なんですね

…狡噛さんの妹としての感覚とは違う

今回の一件でよく分かりました」

 

ふふふ、と笑みを浮かべ

背後に立っている宜野座へと目線を向ける

 

「大丈夫ですよ、きっと彼女は戻ってくると思います

…何年先か分かりませんが、私の勘ですけど」

 

「……確証でもあったのか?」

 

「刑事の勘です

…だから心配せずとも、待っていてあげたらいいと思います

その方が、彼女にとって1番良いかもしれません」

 

 

変に詮索されるより静かに待っていてもらった方が

舞白にとっても宜野座にとっても

良い事だと考えていた

 

 

「それに宜野座さんだって一人で抱え込みすぎだと思います

…私たちはあの2人の行く末が正直どんなものかははっきり分かりません」

 

「狡噛に関しては、どこかで野垂れ死にするのがオチだろう」

 

兄と妹の扱いがハッキリしすぎていて思わず再び笑みを零す常守

しかし、宜野座の表情を読み取る限り

きっと2人に無事でいて欲しいと、願っているように感じる

 

 

 

そしてそうこう話していると迎えの車が目の前に現れ乗るようにと促される

 

「…私たちは私たちの仕事をしましょう」

 

「そうだな」

 

 

2人は目を合わせ互いに頷き、車へと乗り込んだ

 

 

そして常守はあの時のドミネーターで読み取ったデータを思い出していた

 

 

((…免罪体質でもあの子にはきちんと色がある

pailWhite、以前のように真っ白じゃない

確かにあの時、pailWhiteと判断されていた))

 

 

色を若干取り戻していると、常守は微かに感じ

結果ドミネーターはそれを読み取っていた

 

免罪体質でも、色彩を持った彼女に密かに安堵していた

 

 

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