PSYCHO-PASS white referee 作:鈴夢
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「開票率40%でハン前議長が大差をつけて再び議長の座に戻るのはほぼ確定…」
舞白は車内のラジオに耳を傾けそう呟くと助手席で席を倒し寝転がりながらタバコを吸っている兄を横目で見る
「…武器はもういらないってか、このシーアンでは」
「何?ちょっと複雑そう」
「……お前、ハンと常守と何があったんだ?」
タバコを車内から投げ捨てると寝転がったまま舞白へと目を向ける
あれから何も詳しく語らない舞白を不思議そうに思っていた
「別に、何も無いよ
朱さんがあの人にカッコイイ台詞を投げつけて本人は納得
だからこういう結果になったんだよ」
「………」
「私は何も
…傭兵扱いされてたし捕まる前に逃げ出してきた
朱さん達にも迷惑かけたくなかったし」
「…そうか」
運転する妹の表情は見えないものの、声色で何となく察していたがそれ以上何も聞かなかった
とりあえず、お互い生きている、それでいいと
「とにかく、私はしばらく放浪するつもり
…お兄ちゃんは?」
「俺はって……どういう事だ?」
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しばらく車を走らせ、とある場所で停車させる
外へ出ると広大な景色が広がり、その一部にシャンバラフロートの姿もあった
舞白に続いて狡噛も車を降りると隣に肩を並べる
「審判の逆位置、それの意味は?」
「…タロット占いか?
お前そんな知識あったのか」
「たまたま昔読んだ本に内容が書いてあったら
ちょっと勉強した事があるの」
突然の舞白の言葉を不思議そうにするも
頭の中にあるタロットカードの知識を引き摺り出そうと
瞼を閉じる
「…審判、referee、
タロットカードだとjudgementだな、その逆位置、
"努力が報われない、同じことの繰り返し、過去にとらわれる"
そんなもんか?」
「……分からないかと思ったのに、さすがお兄ちゃん」
知識豊富な兄に少し嫉妬するも
その言葉に俯く舞白
「私、すっごい前なんだけど
まだお兄ちゃんと日本を出たばかりの時、
ある紛争地で出会った女の子に占いをしてもらったの」
数年前の光景を脳裏に映す
「私に出たカードはjudgementだった
しかも逆位置、お兄ちゃんの言う通りの意味
私は過去にとらわれて、同じことを繰り返す、そして努力は報われない
まさに今の私そのものだった」
judgementのカードの柄、
天使のラッパを合図に死者が蘇る様子が描かれている
イエスが現れ蘇った死者たちは裁きを受け、生前神のご加護に従っていたのであれば神の国へ、悪事を働いていたの得あれば地獄へと導かれる
「…逆に正位置だと
"過去の行動の評価、答え、再スタート、区切り、自信に誇り"
私決めたの同じことはもう繰り返さない、
このままじゃ何も変わらない気がする」
舞白は横の狡噛に目を向け笑みを浮かべる
「私、一人で頑張ってみる
お兄ちゃんにも十分鍛えてもらったし、
今一度自分と向き合ってみようかなって」
「……でも、お前
…その首のことだってある、いつ倒れるかも…」
「その時はその時、
この選択が間違っていたらそれはそれでいいの
…もし、間違ってなければ、きっとまたどこかで会えるよ」
ね?
と狡噛の肩に触れ揺らす
特に不安そうな表情でもなく、むしろ高揚しているような妹の姿から目を離せば深いため息を吐く
「……何を言っても聞くつもりないだろ?」
「今のお兄ちゃんなら、認めてくれると思って
その為に私も強くなるために鍛えられたつもり」
4年間で肉体的にも精神的にも大きく成長していたのは兄である狡噛にとって一番分かっていた
「行先がどこか分からないし、
このままずっと世界を歩いてるかもしれない、はたまた日本に戻るかもしれない、それは神のみぞ知る…」
強い風が吹けば舞白の白銀の髪の毛が舞い上がる
目を細め広大に広がる景色から顔を背けると兄の大きな手の平が
舞白の頭へと乗せられた
「お前を止める理由はもうないさ
…過保護すぎる兄ももう卒業だな」
ポンポンと頭をいつものように叩けば
華奢な妹の体を優しく抱きしめる
「……また会える、
俺はお前を信じてる」
「そういう所が過保護なんだよ、お兄ちゃんは…」
トントンと兄の背中を叩き返せばクスクスと笑みを浮かべる
「私、お兄ちゃんの妹ですから」
昔のように天真爛漫な笑顔を浮かべる舞白
美しい青空が余計舞白の姿を明るく映えさせた
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