にじさんじ×ポケットモンスター   作:Mr.ソロ

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第10話「エデンシティ!レイン登場!」

 

「ふぅ〜…!やっと戻って来れた〜…!」

 

 

エデン警備隊のローレン、アクシアに救助され、エデンの洞窟からスローンズトンネルに戻ることが出来たリゼ達

 

トラブルと困難を乗り越え、一安心にひまわりが安堵の声を漏らす

 

 

「ここから向こうへ真っ直ぐ進むとエデンシティに出られます。ですが、皆さんには詳しい話もお聞きしたいので、ここからは迎えの人の案内に従ってもらうよう、ご協力をお願いします」

 

「迎えの人?アクシアさん達じゃないんですか?」

 

「俺達はこれから、洞窟内で遭遇したあの怪しい集団の捜索に当たるんで。ついでに、他にもそこを根倉としてる悪党共をしょっぴくつもりです」

 

「ローレン!アクシア!お待たせー!」

 

 

リゼの問いにローレンが答えていると、ローレン達の名を呼ぶ1人の少女が駆け寄る

 

 

「来たか…。それじゃあ、皆さんに紹介しておきます。この人はレイン・パターソン。さっき言った、これから皆さんを街まで案内及び事情聴取を担当する迎えの人です」

 

 

ローレンに紹介され、リゼ達の前に立ったレインは改めて名乗る

 

 

「皆さん、初めまして!レイン・パターソンです!エデン警備隊では遊撃隊の隊長を務めています!街までは私が案内するので、安心してついて来てください!」

 

 

レインの挨拶にリゼ達は会釈する

 

そんななか、1人そろりそろりとこの場から離れようとする男がいた

 

 

「ヴィンさ〜ん?何処に行こうとしてるのかな?」

 

 

笑顔で、しかし怒りが感じられる声で呼び掛けるレインに、レオスの足が止まる

 

 

「いや〜…私ちょっと急用を思い出したんでね〜…。ローレン君達と一緒に残ろうかな〜…と…」

 

 

冷や汗をかきながら言い訳するレオスに、レインは足早に詰め寄る

 

 

「アクシアから聞いたよ?洞窟で変な人達に絡まれてた時にそこの女の子達の後ろに隠れてたんだってね?どうしてかな?」

 

「そ、それには深いわけがあってですね〜…?」

 

「ポケモン達、研究室に忘れてきたんでしょ?」

 

「あっ…はい…」

 

 

レインに全て見抜かれている知ったレオスは顔を引き攣らせながら諦めの笑みを浮かべる

 

 

「ふんっ!」

 

「ぐほぉっ…!?」

 

 

瞬間、レイン渾身のゲンコツにレオスは気絶し、その場に倒れ伏す

 

そして、レインは気絶したレオスの後ろ襟を掴んで引き摺り、改めてリゼ達の前に立つ

 

 

「ウチのヴィンさんがご迷惑をおかけして本当にすみませんでした!」

 

 

勢いよく謝罪するレインに、リゼ達は"気にしていない"と苦笑いで気遣う

 

 

「あはは!ヴィンさんも派手にやられたね」

 

「自業自得だけどな…。それじゃあ、皆さんとはここでお別れです。しばらく街に滞在するなら、また何処かで会いましょう。じゃあパタ姐、後は頼んだ」

 

「うん!了解だぞ!」

 

「ローレンさん、アクシアさん…この度は本当にありがとうございました」

 

 

そしてローレン、アクシアへ改めて礼を言い、リゼ達はレインの案内を受けてエデンシティに足を踏み入れる

 

 

 

 

「ようこそ、皆さん!エデンシティへ!」

 

「うわぁ…!凄い…!」

 

 

トンネルを抜けた先…エデンシティに踏み入ったリゼ達は声を上げる

 

まず目に映るのは、手前に広がる廃れた外周区とその奥にある近代的な建物が並び建つ中央区らしき街

 

それらの街を囲む天然のドーム状の岩壁。その高さは優に100mを越えていた

 

そして、完全に塞ぎ切れていないドーム状の岩壁はその天井が大きな円の穴となっており、着いた時刻が夕暮れであったことから、そこからは綺麗な夕焼け空が見えていた

 

 

「どうどう!?他の街だとこんな光景見れないでしょ〜!?」

 

 

感想を聞くレインに、リゼ達は感動のあまりで言葉が出ず、頷いて答える

 

 

「気に入ってもらえてよかった〜!その昔、ここはエデンの洞窟の中と変わらないただ広いだけの空洞だったらしいんだけど、ここを根城にしていた人達が住みやすくするために内側から開拓した結果、こうなったんだって」

 

 

と、廃れた街中を歩きながらレインは説明する

 

 

「レインさん、質問いいっすか?」

 

「えっと…葛葉さんだったよね?いいよ」

 

「なんで手前と奥の街でこんなに差があるんすか?」

 

 

葛葉は何故中央は近代的な街であるのに対して、手前の街は廃れているのかをレインに問う

 

 

「あ〜、それはね〜…」

 

 

レインが葛葉の問いに答えようとすると、建物の陰からいかにも柄が悪そうな男が現れる

 

 

「おい、そこのガキ共。金目の物を置いていけ。そうすれば痛い目に遭わせることなく、ここを通してやる」

 

 

突然の恐喝に、リゼ達は身構える

 

だが、レインは男を恐れることなく前へ出る

 

 

「お前誰だ?見ない顔だけど」

 

「あぁ?なんだてめぇ?」

 

「一般人に危害を加える行為、及び窃盗に当たる行為は固く禁じているぞ」

 

「はっはっは!随分と威勢がいいな、姉ちゃん!えぇ!?けどよぉ、ここはエデンシティだぜ?俺みたいな外れ者達が住み着ける場所。つまりはだ、ここではどんな行為も見逃されるってことだぁ!」

 

 

男は高らかにそう言いながらボールを投げ、"ドリルポケモン":ニドクインを繰り出す

 

 

「はぁ…。何か勘違いしてるな、お前。なら私がしっかりこの街のルールを教えてあげる!いけ!インテレオン!」

 

 

レインが投げたボールから、"エージェントポケモン":インテレオンが飛び出す

 

 

「インテレオン…!たしか、ガラル地方の初心者用ポケモン:メッソンの最終進化系…!」

 

「へぇ、珍しいポケモン持ってんじゃねぇか!なら生意気なお前からはそいつも頂くとするぜ!ニドクイン!"きあいだま"!」

 

「インテレオン!"ねらいうち"!」

 

 

ニドクインの"きあいだま"が迫るなか、インテレオンは余裕の様子で"ねらいうち"を放つ

 

"ねらいうち"は"きあいだま"を貫通、粉砕し、そのままニドクインに炸裂する

 

攻撃を受けたニドクインは自身のトレーナーの下まで吹き飛び、下敷きにしたまま戦闘不能となる

 

 

「い、一撃…!?」

 

「"ねらいうち"は相手の急所に当たりやすい技…。"きあいだま"と相殺されないところを見るとかなりの威力だった。あのインテレオン、相当鍛えられてる」

 

 

インテレオンの実力をアンジュがそう評価する

 

 

「さて、この人を本部に連れて行ってもらうよう連絡しないと…」

 

 

レインが無線機を取り出そうとすると、男が現れた建物の陰から更に柄の悪そうな男が数人現れる

 

 

「おい新入りぃ!?何やってんだぁ!?」

 

 

だが、その様子は先程の男とは異なっていた

 

 

「お、おい…!レインだ…!警備隊のレイン・パターソンだ…!」

 

「まさかこいつ、あの人に喧嘩売ったんじゃないだろうなぁ…!?」

 

「ここまで手酷くやられてるってことはそういうことだろ…!あの人、ルールを破る奴には容赦しねぇから…!」

 

「お、俺達は関係ねぇよな…!?だってこいつが勝手に…!」

 

「馬鹿野郎!警備隊の尋問ですぐに俺達との関係は分かっちまうんだ!そうなりゃ放置した俺達もタダじゃ済まねぇぞ!」

 

 

慌てふためく集団…その中から1人の男がレインの下に駆け寄り、土下座する

 

 

「す、すんません…!こいつ、数日前に俺達のグループに入った新入りで、まだこの街のルールをちゃんと知らなかったんですぅ…!ちゃんと言い聞かせますんで!今回はどうか見逃してもらえねぇでしょうか…!」

 

 

命乞いをするかのように必死にレインに懇願する男の光景に、リゼ達はぽかんとした表情で見ていた

 

 

「やっぱり新顔か〜。分かった、今回は見逃してあげるけど、次またあの人が同じことをしたら…」

 

「わ、分かりました…!それじゃあ、失礼しました〜…!!」

 

 

男はそう言うと、仲間と共に倒れた男とそのポケモンを連れて逃げるように走り去っていった

 

 

「それじゃあ、皆さん!気を取り直して行きましょうか!」

 

 

彼等を見届けた後、レインは笑顔でリゼ達に振り向き、そう言った

 

 

 

 

「それでは、皆さんのポケモンをお預かりしますね」

 

「よろしくお願いします。ジョーイさん」

 

 

エデンシティのポケモンセンター…リゼ達はそこで傷付いたポケモン達をジョーイさんに預け、レインと一緒にラウンジで夕食を取ることにした

 

 

「いっただっきまーす!」

 

「ポケモンセンターの飯は美味ぇなぁ!母さんには敵わねぇけど!」

 

「そういえば、葛葉さんのお母さんはシーズシティのジムリーダー…あのドラゴンポケモン使いのドーラさんなんだよね!」

 

「え…?あ、そ、そうっすけど…」

 

 

"母"という言葉に食い付き、興奮気味に話し掛ける天宮に葛葉はたじたじに応える

 

 

「カントー・ジョウト地方のチャンピオンで有名なドラゴンポケモン使いのワタルさんと互角に渡り合ったとか…。そんな人がお母さんなんて凄いです!」

 

 

"母親が凄い"…そういった言葉に葛葉が敏感だと知っている叶とひまわりは身を震わせ、チラリと葛葉に視線を向ける

 

 

「まあ、だからこそ超え甲斐があるってもんですよ」

 

 

だが、葛葉はこれといって嫌な反応を見せることなく天宮に言葉を返す

 

そんな葛葉に叶とひまわりは少し驚き、凛月はクスリと微笑む

 

 

「たしか、天宮さんはドラゴンポケモンが好きなんすよね?りつきんさんから聞きましたよ」

 

「そうなの!あまみゃ、ご先祖様がドラゴンポケモンと深い関わりがあって、小さい時からドラゴンポケモン達と触れ合ってるの!」

 

「だからドラゴンポケモンが好きなんですね」

 

「うん!洞窟の騒動が治まったら、そこにあるドラゴンポケモン達の住処に行くつもりなんだ!」

 

 

楽しそうに今後の目的を話す天宮に、凛月が声を掛ける

 

 

「そうそう、こころちゃん!私達が洞窟で再会したあの場所!あそこが探してるドラゴンポケモン達の住処だと思うの!」

 

「そうなの!?」

 

「あそこでタツベイを見かけたから間違いないと思う」

 

「じゃあ、場所が分かってるなら安心だね!」

 

「ドラゴンポケモンの住処…ローレン達がボスゴドラとバトルした場所だね。洞窟の調査はそう長くかからないと思うけど、近くに強力なポケモンが徘徊してるかもしれないから、行く時に声を掛けてくれれば、警備隊から誰か護衛に付けるよ」

 

「いいんですか!?」

 

「これくらいいいよ。警備隊の仕事の1つだから」

 

 

レインの提案に天宮が喜ぶなか、凛月は何か思い付いたような様子で葛葉達に話し掛ける

 

 

「そうだ!葛葉さん達も一緒にどうですか?」

 

「俺等も?」

 

「はい!葛葉さん、あの時見かけたタツベイをゲットしたがってたし、せっかく知り合ったんですから、もう少しお互いの親睦を深めるってことでも!」

 

「いいね!ひま賛成〜!」

 

「なら僕も。葛葉は?」

 

「ま、まあ?叶と姉ちゃんがその気なら…」

 

「決まりですね!」

 

 

葛葉達の同行が決まり、凛月はにこりと笑う

 

 

「リゼさん達もどうですか?」

 

「うーん…私は遠慮しようかな?洞窟でサイホーンをゲット出来たし、早くここのジムに挑みたいから」

 

 

天宮の誘いをリゼは丁寧に断りながら、隣に座るアンジュをチラリと見る

 

ポケモンのゲットはサイホーンで満足し、エデンシティのジムに挑みたい気持ちは本当だが、誘いを断った最大の理由はアンジュの心労を思ってのことだった

 

前回のトラブルから短期間で巻き込まれているため、リゼの安全を守るために付いてきたアンジュに申し訳ないと思ったのだ

 

現に、アンジュはリゼが誘いを断ったのを知って少しホッとしているようだった

 

 

「そっか〜…残念。リゼさんとももっとお話したかったのに…」

 

「しばらくはこの街にいるつもりだから、時間のある時にまたお話しよ?」

 

「うん!」

 

「ってか、ちょっと待て…!リゼさん、サイホーンってトンネルで遭遇したあのサイホーンか…!?くぅ〜…マジかぁ…!俺がゲットしようと思ってたのに…!」

 

 

サイホーンのゲットをリゼに奪われ、悔しがる葛葉に笑いが起こる

 

 

「レインく〜ん…。そろそろこの手錠外してくれないですか〜…?」

 

 

と、ここまで沈黙していたレオスが手に掛けられた手錠を見せながら弱々しい声でレインにお願いする

 

 

「外したらヴィンさん逃げるでしょ?この後たっぷり事情聴取するんだから、それまではダメだよ」

 

「でもこれだと食事がしにくいんですけど〜…」

 

「じゃあ、パタちが"あーん"してあげよっか?」

 

「それならまだポケモンにしてもらう方がマシですね」

 

 

揶揄うも即答で否定されたレインはレオスにパンチをお見舞いする

 

 

「そ、そういえば、レオスさんはなんで洞窟の中にいたんですか?」

 

「ああ!ヴィンさんはポケモン分野の研究者なんだ!とは言っても、天開博士やカントー地方のオーキド博士とは違って、この地方の歴史を研究してるんだけどね!」

 

「へぇ、そうなんだ…!それで、あの洞窟とはどんな関係が…?」

 

「私もざっくりとしか知らないんだけど、あの洞窟の何処かにこの地方の誕生に関係するポケモンが眠ってるらしいんだって」

 

 

さらりと言ったレインの発言に、その場の全員が驚愕する

 

 

「この地方の誕生に関わったポケモン…!?」

 

「そういえば、お婆ちゃんから聞いたことがある…!その昔、この地方はいくつもの島々が重なり合って出来たんだけど、それは自然じゃなくてポケモンの力によって出来たんだって…!」

 

「私もお母様から似たような話を聞いたことがある…!そのポケモンがあの洞窟の中にいるんですか…!?」

 

「うーん…そこはまだ研究中だと思うからなんとも言えないかな。あ…!でもその謎を解くヒントになるかもしれないものがあるんだって!えーっと、ちょっと待ってね…!」

 

 

そう言うとレインはレオスの鞄を勝手に開け、ゴソゴソとその中を漁る

 

 

「あった…!」

 

 

そして、レインはその中から鼠色一色のプレートを取り出し、リゼ達に見せる

 

 

「これは…?」

 

「"こうてつプレート"って言うんだって!はがねタイプのポケモンに持たせると技の威力が強まるって聞いてる!」

 

「初めて見る道具だ…。ちょっと見せてもらってもいいですか?」

 

「うん、いいよ!」

 

 

気になったアンジュはレインからそれを受け取る

 

 

「…!本当だ…!たしかにはがねのエネルギーを感じる…!」

 

「え…!?アンジュ、そんなこと分かるの!?」

 

「これまで色んな道具を錬成してきたからね。なんとなく感じるんだよ」

 

「凄いなぁ…」

 

 

その特技に叶が関心を示し、アンジュはレインにプレートを返す

 

 

「もしかして、あの怪しい人達がレオスさんを追いかけてたのって、そのプレートが目的だったからかな?」

 

「あ〜、あり得る。この地方の誕生に関わったポケモンに繋がるかもしれない物だもんな」

 

「ってことは、また奪いに来るかもしれんってこと!?」

 

 

天宮の推測に、みんなは口々に意見を述べる

 

 

「安心してください!どんなことがあっても、私達エデン警備隊が皆さんを守るし、ヴィンさんもパタちが守りますから!」

 

 

レインは胸を張ってそう宣言し、その言葉にリゼ達は安心するように笑みを浮かべる

 

こうして、夕食を終えたリゼ達はレオスの研究所に帰るレイン達を見送った後、各々のポケモンセンターの宿泊部屋に別れた

 

 

 

 

「…来た!おーい!みんな、おかえりー!」

 

 

エデンシティ外周区…そこにある廃墟となった建物で少女は虹色の服を着た集団と彼等を率いる女性に呼び掛ける

 

 

「しっ〜!大きな声出しちゃダメだよ!警備隊に聞こえたらどうするの!」

 

「あ…!ご、ごめん…!」

 

 

女性に注意され、少女は小声で謝る

 

 

「そ、それでどうだった?例の物は手に入れたの?」

 

「残念ながら失敗しちゃった。あともう少しのところで警備隊の邪魔が入ったんだって」

 

「そっかぁ…。これからどうする?」

 

「持ち主は分かってるから。しばらくは様子を見るのがいいと思う」

 

「分かった」

 

 

話を終え、少女と女性は暗い廃墟の奥へと消えて行った

 





リゼ・ヘルエスタ
手持ち:ポッタイシ、イーブイ、トランセル
   サイホーン

アンジュ・カトリーナ
手持ち:ゴルーグ

レイン・パターソン
手持ち:インテレオン
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