にじさんじ×ポケットモンスター   作:Mr.ソロ

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第14話「ベニズワイ湿地!ビッパの住処を取り戻せ!」

 

「わ〜!広い湿地だね〜!」

 

 

エデンシティを出発したリゼとアンジュは次なる街:ヤオウシティの道中にあるベニズワイ湿地に辿り着いた

 

 

「それにしても、今日は天気もいいせいで少し蒸し暑いな…。ちょっとあの木陰で休まん?」

 

「私は平気だから、ここのポケモンを見て周るよ!いい子がいたらゲットもする!」

 

「リゼは相変わらずポケモンのこととなると元気だねぇ…。それじゃあ、私はそこで休んどくから、あまり遠くへは行かないようにね」

 

 

アンジュはそう注意し、陽射しを遮れる木陰へと移動して座り込む

 

 

(昔から変わらないなぁ、リゼは。今もまるで子供のようにポケモンを探して…)

 

 

ポケモンを夢中になって探すリゼを眺め、アンジュはふと昔を懐かしむ

 

 

(旅からちょくちょく戻ってきた時にポケモンを見せてあげた時のリゼは可愛かったなぁ〜。ゴルーグはまだゴビットだった時なんかよく頭に乗られてたし…)

 

 

と、懐かしんでいると段々と眠気が増していき、アンジュはうとうとする

 

そして眠気に抗えず横たわろうと体を地面へと傾けた時、倒れ込むアンジュの頭が柔らかい何かに受け止められる

 

 

「…っ!?」

 

 

地面とは違うその感触にアンジュは飛び起き、その正体を確認する

 

 

「ビパ?」

 

「ビ、ビッパ…?」

 

 

そこにいたのは"まるねずみポケモン"のビッパ

 

アンジュとビッパは互いにキョトンとした表情で見つめ合う

 

 

「全然気付かなかった…。どうした?お前1人か?」

 

 

アンジュの問いかけにビッパは純朴な表情を変えることはなく、ただ首をかしげる

 

 

「可愛いね〜、お前…!」

 

 

アンジュがビッパの挙動に愛でていると、遠くから更に別のビッパが数匹やってくる

 

だが、その様子は少し妙であった

 

 

「ビパ!ビパビパビ!」

 

 

後から現れた数匹のビッパは慌ただしい様子でアンジュの側にいたビッパに何かを伝え、引き連れて湿地の奥へと戻っていく

 

 

(なんだろう…?少しだけ様子を見てみるか…)

 

 

ビッパ達の様子が気になったアンジュは彼等の後を追う

 

 

 

 

「ニョロモにヘイガニ、マリルにシズクモ…!みずタイプポケモンがこんなにいっぱい…!」

 

 

一方、ベニズワイ湿地を探索していたリゼはそこに生息するポケモン達に興奮していた

 

 

「うーん…でも"これだ!"って子はまだいないな〜…。出てこ〜い…!出てこ〜い…!」

 

 

水草を掻き分けながら探していると、あるポケモンを見つけたリゼは咄嗟に身を屈めて息を潜める

 

 

(ウパーだ…!可愛い〜…!)

 

 

見つけたのは"みずうおポケモン"のウパー

 

リゼはウパーをゲットすることを決め、ボールを構える

 

 

「いけ!モンスターボール!」

 

 

そして勢いよく水草から飛び出し、モンスターボールをウパーへと力強く投げる

 

投げられたモンスターボールは真っ直ぐウパーへと直進し、そして…

 

ガツン…!

 

別方向から飛来した別のモンスターボールと衝突し、水面に着水する

 

 

「「え…?」」

 

 

別のモンスターボールが飛来してきた方に目を向けると、そこには紅いメッシュが特徴の青年が立っていた

 

 

「あっ…スゥー…」

 

 

気不味い空気が流れるなか、先に動いたのは紅いメッシュの青年だった

 

 

「な、なんかごめんね…?あのウパー捕まえたらどっか行くんで…」

 

「いや…!あのウパーは私が先に見つけたんですよ!?私がゲットします!」

 

「いやいや!俺が先だったって!」

 

 

青年の言葉が聞き捨てならず、抗議したリゼは青年と睨み合う

 

 

「よぉし!ならポケモンバトルだ!1対1で勝負して、勝った方が捕まえる権利を得る!これでどうよ!」

 

「乗った!絶対に負けない!」

 

 

リゼは青年の提案を承諾し、2人は距離を取って互いにポケモンを繰り出す

 

リゼが繰り出したのはイーブイ。対する青年は"むくどりポケモン":ムクバードを繰り出した

 

 

「俺はヤオウシティの三枝明那!」

 

「私はヘルエスタシティのリゼ!いざ尋常に、勝負!」

 

 

リゼと明那のウパーを巡るバトルが始まった

 

 

 

 

「ビパ!ビパビ!」

 

「ビパビパ!」

 

(ビッパの群れ…!)

 

 

ビッパを追ったアンジュが行き着いた先では30匹近くのビッパの群れがおり、それぞれのビッパは困った様子で互いに会話をしていた

 

 

(何か困ってる…?そういえば、ビッパは住処とした場所に木材でダムを作るはず…。でもここにはそれが一切ない…。どういうことなんだろう…)

 

 

アンジュは顎に手を当てて思考を巡らせる

 

その最中、ビッパの群れから慌ただしい鳴き声が聞こえ、アンジュは顔を上げる

 

視線の先…ビッパの群れの前に3匹のポケモンが姿を現していた

 

"しんどうポケモン":ガマガル…3匹はビッパの群れに敵意を向けており、次の瞬間に"マッドショット"を放つ

 

ビッパの群れはその攻撃にパニックとなり、右往左往と辺りを逃げ回る

 

 

(今度はガマガルの群れ…!もしかして縄張り争い…!?)

 

 

目の前の光景から、アンジュは状況を推測する

 

その時、1匹のビッパがガマガル達に囲まれ、一斉攻撃に晒されようとしていた

 

 

「危ない…っ!」

 

 

飛び出したアンジュはそのビッパを抱き掴み、危機一髪のところでガマガル達の攻撃から助け出す

 

 

「だ、大丈夫か…!?」

 

「ビパ〜!」

 

「あれ?お前もしかしてさっきの…」

 

 

アンジュは助けたビッパの安否を確認するが、鳴き声を聞いてそのビッパが先程自身の傍に来たビッパであることに気付く

 

だが、息つく暇もなく再びガマガル達が攻撃の態勢に入る

 

 

(まずい…!ひとまずここは逃げないと…!)

 

「アリゲイツ!"こおりのキバ"!ピジョン!"たつまき"!」

 

 

アンジュがビッパを抱き抱えて逃げようとしたその時、2体のポケモン…"おおあごポケモン":アリゲイツと"とりポケモン":ピジョンが現れ、ガマガル達を攻撃する

 

2体の攻撃を受けて、ガマガルはその場から逃げ出し、湿地の奥へと消えていった

 

 

「こ、このポケモン達は…?」

 

「そこのお姉さん!大丈夫っすか!」

 

 

突如現れたアリゲイツとピジョンにアンジュが疑問を抱いていると、そのポケモン達のトレーナーと思わしき青年が駆け寄って来る

 

 

「もしかして、このポケモン達のトレーナーですか?さっきは危ないところをありがとうございました」

 

「いや、気にしないでくださいよ!困った時はお互い様なんで!あ…!私、不破湊と申します!」

 

「アンジュ・カトリーナです。どうも」

 

「アンジュさんですか!いい名前っすね…って!めちゃくちゃビッパおるなぁ!?え!?なんかパーティでも開いてるんか!?」

 

 

互いに自己紹介をするなか、不破は周囲にいたビッパの群れに驚きの声を上げる

 

 

「この子達、さっきのガマガルに住処を奪われて路頭に迷ってるかもしれないんです」

 

「住処を奪われた!?最低だな、あのガマガル!」

 

「どうにかしてあげたいけど…私は戦えないし、リゼ1人に任せちゃうのも…」

 

「なら、俺が手伝いますよ!」

 

 

特に躊躇うという様子なく、はっきりとそう告げた不破にアンジュは目を丸くする

 

 

「いいんですか…?」

 

「こんなのビッパ達が可哀想じゃないっすか!ちょっと待っててくださいね!連れがいるんであいつにも協力してもらいますから!」

 

 

と、協力の意志を言い残し、不破は嵐のように走って行った

 

 

「私もリゼを呼びにいかないと…!ビッパ達、ちょっと待っててな!」

 

 

アンジュも不破に続き、リゼを呼びに行くべく走り出す

 

 

 

 

「イーブイ!"アイアンテール"!」

 

「ムクバード!"つばめがえし"!」

 

 

リゼと明那のバトルは互いに一歩も譲らない互角の勝負となっていた

 

イーブイとムクバード…2体の技が正面からぶつかり合い、最終的にはどちらかが押し切るということなく弾き合う

 

 

「なかなかやるな…!」

 

「そっちこそ…!」

 

 

リゼと明那…そして両者のポケモンは相手の強さを認め合い、楽しそうにニヤリと笑う

 

 

「ムクバード!上昇しろ!」

 

 

明那の指示でムクバードは空高く飛び上がる

 

 

「イーブイ!来るよ!」

 

 

明那が何か仕掛けてくるのを感じ、リゼはイーブイと共に気を引き締める

 

 

「よし!その高さから"つばめがえし"だ!」

 

 

かなりの高さまで上昇した後、ムクバードは"つばめがえし"を発動…急降下の勢いでその威力を増させる

 

 

「イーブイ!ギリギリで避けてから"アイアンテール"!集中だよ!」

 

 

対するリゼはカウンターアタックを狙い、イーブイに集中させる

 

そして、ムクバードがイーブイにもう少しのところまで迫った時…彼女達のバトルに2人の男女が割って入る

 

 

「リゼ!頼みたいことが…!」

「明那!手伝ってほしいことがあるんだけど…!」

 

「「…!?」」

 

 

リゼと明那はそれぞれの連れの乱入にバトルを中断し、ムクバードとイーブイは寸前で衝突を避けた

 

同時に、リゼと明那を呼びかけた2人の男女は互いの顔を見合わせて目を丸くする

 

 

「あれ?アンジュさん…?」

 

「不破さん…?」

 

「…どういうこと?」

 

「さあ…?」

 

 

リゼと明那は状況が呑み込めず、とりあえず4人で話し合うこととなった

 

 

 

 

「なるほど、それで私達を…」

 

 

アンジュと不破の話を聞き、リゼと明那は事の経緯を理解する

 

 

「お願い、リゼ。力を貸してくれへんかな?」

 

「今更水臭いよ、アンジュ」

 

「え?私臭う?」

 

「いやそうじゃなくて!アンジュの頼みを断るわけないじゃんってこと!」

 

「あぁ…そっちね?」

 

「もちろん、俺も協力する!ウパーの件は水に流すってことで!」

 

「まあ、バトルしてる間に逃げられちゃってたけどね…」

 

「あはは!2人共間抜けじゃん!」

 

 

不破にリゼと明那の溝落ちが入り、協力体制が出来たところで一行はビッパの群れがいた場所へと戻り、そのビッパ達に元いた住処へ案内してもらった

 

 

 

 

「…いた!ガマガル達だ!」

 

 

ビッパ達の案内を受け、彼等の住処に辿り着いたリゼ達はそこで先程アンジュと不破が遭遇したガマガル達を発見する

 

ガマガル達はビッパの住処であるダムや大木に横たわって寛いでいた

 

 

「あいつらを追っ払えば、ビッパ達の住処を取り戻せるな!」

 

「向こうは3匹…なら俺とふわっちとリゼさんで1匹ずつ倒すのでどう?」

 

「分かった!」

 

「よっしゃ!ビッパ達のために一肌脱ぐか!」

 

 

方針を決め、リゼ達3人は水草の陰から飛び出し、ボールを投げる

 

 

「お願い!ポッタイシ!」

 

「いけ!ジュプトル!」

 

「頼んだぞ!アリゲイツ!」

 

 

リゼはポッタイシ、明那は"もりトカゲポケモン":ジュプトル、不破はアリゲイツを繰り出し、その突然の襲来にガマガル達は飛び起きる

 

 

「ポッタイシ!"バブルこうせん"!」

 

 

先制したポッタイシの"バブルこうせん"を受けたガマガルは反撃に"ようかいえき"を放つ

 

 

「ポッタイシ!"メタルクロー"!」

 

 

リゼはポッタイシにそれを"メタルクロー"で防御させつつ、更に追撃してダメージを与える

 

明那と不破も難なくガマガル達を圧倒し、追い詰められたガマガル達は身を寄せ合う

 

 

「ちょっと可哀想…」

 

「なんか俺達が悪者っぽくなってない?」

 

「でもビッパ達の住処奪った向こうの自業自得やしなぁ」

 

「ガマガル達には悪いけど、ここじゃない別のところに行ってもらうしかないかな」

 

 

追い詰められたガマガル達に同情しつつも、ビッパ達のためにリゼ達が追い払う決め手となる攻撃の指示を出そうとした…その時だった

 

リゼ達の左手側から"みずのはどう"が飛来し、ポッタイシ達は既の所でそれを躱す

 

 

「一体何…!?」

 

 

リゼ達が攻撃の飛んできた方に目を向けると、そこにはガマガルの進化形…"しんどうポケモン":ガマゲロゲがいた

 

 

「ゲロゲーッ!」

 

 

ガマゲロゲはガマガル達の前に立ち、鳴き声を発してリゼ達を威嚇する

 

 

「こいつ、ガマガル達の親玉か…!」

 

「子分のピンチに駆けつけるとか…!なかなかエモいことすんな…!」

 

「いや感心してる場合じゃないよ!?」

 

 

ガマゲロゲの登場に各々が反応を示すなか、ガマゲロゲはポッタイシ達に"りんしょう"を放つ

 

 

「仕掛けてきた…!やるしかない!ジュプトル!"エナジーボール"!

 

 

明那の指示で"りんしょう"を受けるなか、ジュプトルが"エナジーボール"を放つ

 

だが、更にガマゲロゲの後ろ放たれた"りんしょう"によってエナジーボールは掻き消されるとともにポッタイシ達はダメージを負う

 

 

「おい…!あのガマガル達が"りんしょう"してるぞ!」

 

「でもこの威力…!どうしてガマゲロゲよりも強いの…!?」

 

「"りんしょう"は最初に使ったポケモンに続いて使うと威力が倍になる技なんだ…!」

 

 

ガマゲロゲ達の"りんしょう"に耳を塞ぎながら、リゼ達の疑問にアンジュが答える

 

 

「ならあのガマガル達かガマゲロゲ…!どっちかを戦闘不能にさせないと…!」

 

「でもどうやって…!俺達のポケモンのレベルじゃ技が掻き消されちまうよ…!」

 

「なら一か八か…!俺に任せろ…!頼んだぞ!ソーナンス!」

 

 

万事休すかと思いきや、策があると言い出した不破は"がまんポケモン":ソーナンスを繰り出す

 

 

「ソーナンス…!ってことはもしかして…!」

 

「いけ!ソーナンス!"ミラーコート"!」

 

 

不破の指示で、ソーナンスは受けた特殊技を倍の威力にして返す技"ミラーコート"を発動

 

ガマゲロゲとガマガルの"りんしょう"を一身に受け、それを倍の威力にして跳ね返す

 

 

「ゲ、ゲロ〜…ッ!」

 

「ガマ〜…ッ!」

 

 

それが直撃したガマゲロゲとガマガル達は大きく吹き飛ばされて戦闘不能となる

 

 

「凄い…!ガマゲロゲ達を一撃で…!」

 

「カウンター技は相手の攻撃が強ければ強いほど跳ね返す時のダメージも大きくなるからね」

 

 

カウンター技の凄さにリゼが驚くなか、相当なダメージを受けた不破のソーナンスも戦闘不能となる

 

 

「よくやった、ソーナンス!今日のお前は輝いてたぞ!」

 

「ソ、ソ〜ナンス…」

 

 

不破はソーナンスを労い、ボールへと戻す

 

 

「とりあえず、これで一件落着か?」

 

「そうですね。あとはガマゲロゲ達にここから立ち去ってもらわないと…」

 

「よし!アリゲイツ、ビシッと言ってやってくれ!」

 

 

ビッパ達の住処から立ち退くよう伝えるために、ボロボロでもう戦意がないガマゲロゲ達に不破のアリゲイツが近寄り、話し掛ける

 

 

「アリゲイ!アリ、アリゲ!」

 

「ゲロ…。ゲロゲェ、ゲロ…」

 

「アリゲ?」

 

「なんだか様子が変じゃないですか?」

 

「たしかに、なんかガマゲロゲ達も訳ありって感じがする…」

 

「どういうことだ?」

 

「もしかして…」

 

 

アリゲイツとガマゲロゲの会話からガマゲロゲ達の様子に違和感を感じたリゼ達

 

その中で、何か思い当たったアンジュはガマゲロゲ達に近付く

 

 

「お前達も…住処を奪われたの?」

 

「ゲロ、ゲロォ…」

 

 

アンジュの問いに、ガマゲロゲ達はこくりと頷く

 

 

「つまり、ガマゲロゲ達も元の住処を奪われて、行き場がなくなったからビッパ達の住処を奪ったってこと?」

 

「真の黒幕がいるってことか…!」

 

「こいつらも被害者だったんだな…」

 

 

リゼ達、そしてガマゲロゲ達に住処を奪われたビッパ達も彼等の境遇に同情の念を抱く

 

 

「なら!もう一仕事すっか!」

 

「えぇ!?ふわっち、マジで言ってんの!?」

 

「だって可哀想だろ!」

 

「それはまあ、そうだけど…」

 

「私も賛成です。ガマゲロゲ達の住処を奪った黒幕を放置してたら、いつかビッパ達の住処を襲うとも限らないし」

 

「野生ポケモンの問題にあまり首を突っ込むべきじゃないけど…困ってるなら助けてあげたい!」

 

「あ〜もう!分かった分かった!ここまで来たら最後まで付き合ってやるよ!」

 

 

リゼ達はガマゲロゲ達も助けることを決意し、簡単な治療を施してからガマゲロゲ達に元いた住処への案内をお願いする

 

 

 

 

「…で、なんでお前がいるの?」

 

「ビパァ!」

 

 

ガマゲロゲ達に案内されて湿地の奥へとリゼ達が進む道中、何故か一緒に付いて来たビッパにアンジュが問いかける

 

 

「そのビッパ、アンジュの傍を歩いてるよね。もしかして、アンジュのことが気に入ったんじゃない?」

 

「野生ポケモンに好かれるなんて…アンジュさん、貴方いいハンターになれますよ」

 

「ポケモンハンターの素質があるってこと!?」

 

「それならまだ念を極めてプロハンター目指すわ!」

 

 

と、会話を交えながら進む内に周囲に異変が出始める

 

 

「うっ…!なんか臭わないか…?」

 

「ほんとだ…!たしかに変な臭いがする…!」

 

「え?やっぱり私臭う?」

 

「アンジュ、いい加減にしないと怒るよ」

 

「ごめんて…」

 

「段々キツくなってきてるな…!鼻が曲がりそう…!」

 

 

進行方向からキツイ異臭が漂うなか、一行は目的地へと到着する

 

そこにいたのは…

 

 

「あれは…!」

 

「ベトベトンか…!」

 

 

ガマゲロゲ達の住処…そこには"ヘドロポケモン":ベトベトンの姿があった

 

 

「あいつのせいでガマゲロゲ達は住処を奪われたのか…!」

 

「なら今度こそ、あいつを倒してこの事件にケリつけるぞ!レイドバトルだ!」

 

「じゃあ、行きますよ!お願い!サイホーン!」

 

「いけ!ムクバード!」

 

「頼んだぞ!イワーク!」

 

 

打倒ベトベトンで意見が一致し、リゼ、明那、不破が飛び出し、それぞれのポケモンを繰り出す

 

そして、リゼ達の存在に気付いたベトベトンも戦闘態勢に入り、バトルが始まる

 

 

「サイホーン!"すてみタックル"!」

 

「ムクバード!"つばめがえし"!」

 

 

まずはリゼと明那が先手を取り、サイホーンとムクバードがそれぞれベトベトンに攻撃を仕掛ける

 

だが、ベトベトンはその身で易々とサイホーンとムクバードの技を受け止め、反撃に"のしかかり"を繰り出し、2体を下敷きにする

 

 

「サイホーン…!」

 

「ムクバード…!」

 

「イワーク!"しめつける"でベトベトンの動きを封じろ!」

 

 

不破の指示で、イワークは"しめつける"でベトベトンを拘束し、その隙にサイホーンとムクバードはのしかかられた状態から抜け出す

 

だが、ベトベトンは自身の体を自在に変え、イワークの拘束が容易に抜け出しつつ、反撃に"スモッグ"を放ってイワークにダメージを与えるとともに毒状態にさせる

 

 

「おい、マジかあいつ…!」

 

「ベトベトンの体は見た目通り粘着性のヘドロで構成されてる…!そのためか、物理攻撃はそれほど大きなダメージになってないんだ…!」

 

「なら特殊技で攻める方がいいってことだよね!戻って!サイホーン!」

 

「お前も戻れ!ムクバード!」

 

「お前もだ!イワーク!」

 

 

物理攻撃がほとんど効いていないベトベトンに対するアンジュの推測を聞き、リゼ達はポケモンをボールに戻し、新たに別のポケモンのボールを手にする

 

 

「お願い!バタフリー!」

 

「いけ!デンヂムシ!」

 

「頼んだぞ!アリゲイツ!」

 

 

リゼはバタフリー、明那は"バッテリーポケモン":デンヂムシ、不破はアリゲイツをそれぞれ繰り出す

 

 

「バタフリー!"ねんりき"!」

 

 

リゼの指示で、バタフリーは"ねんりき"を発動し、ベトベトンが自由に体を変形出来ないようその動きを封じる

 

 

「アリゲイツ!"こおりのキバ"!」

 

 

そこに、不破のアリゲイツが"こおりのキバ"で攻撃し、噛み付いた場所からベトベトンの体が凍り始める

 

 

「ベトォ…!」

 

 

リゼ達の連携に焦るベトベトンは自身の動きを封じているバタフリーに向けて"ヘドロこうげき"を放つ

 

 

「させるか!デンヂムシ!"エレキネット"でベトベトンの攻撃を防げ!」

 

 

それに対し、明那のデンヂムシが"エレキネット"を放ってベトベトンの"ヘドロこうげき"を受け止め、バタフリーを守る

 

"ねんりき"から逃れることが出来なかったため、ベトベトンは体を変形させることが叶わず、そのままアリゲイツの"こおりのキバ"により全身を凍り付けにされる

 

 

「よし!これでベトベトンは動けない!一斉に攻撃を叩き込みましょう!バタフリー!"サイケこうせん"!」

 

「デンヂムシ!"スパーク"!」

 

「アリゲイツ!"みずでっぽう"!」

 

 

ベトベトンが動けない間に、リゼ達は有効打のある技をそれぞれ繰り出し、炸裂させる

 

 

「ベトォ〜…っ!」

 

 

バタフリー、デンヂムシ、アリゲイツ…3体の技を同時に受けて大ダメージを与えられたベトベトンはその場に倒れ込み、戦闘不能となる

 

 

「ふぅ〜…!なんとか倒せたな…!」

 

「そうですね。あとはどうやってベトベトンをここから移動させるか…」

 

 

ベトベトンを倒したのはいいものの、どうやってガマゲロゲ達の住処から移動させるかでリゼ達は頭を抱える

 

ベトベトンは全身がヘドロのため、人間が触れれば毒に侵されてしまう危険性がある

 

耐毒性の装備や道具があれば別だが、当然そのようなものをリゼ達は持ってはいなかった

 

ポケモン達に運ばせるにしても、長時間触れ続ければ運ばせたポケモン達にも毒の影響が出てしまうかもしれない

 

策はない…リゼ達がそう思い始めた時、不破が声を上げる

 

 

「なら、ゲットすればいいんじゃね?それ!」

 

 

あっさりと告げたその言葉にリゼ達が呆然としている間に、不破はモンスターボールを軽く投げる

 

モンスターボールはベトベトンをその中に取り込み、2,3度左右に揺れた後にカチッとゲット成功の音を鳴らす

 

 

「ほ、本当に捕まえちゃった…」

 

「よ、よかったの?ふわっち…?」

 

「ん?べつに問題なくね?」

 

「そ、それならいいんだけど…」

 

 

リゼ達が不破の行動に驚いてるなか、ベトベトンがいなくなったことにガマゲロゲ達が喜ぶ

 

 

「とりあえず、一件落着だね」

 

「ビパァ!」

 

 

 

 

「…というわけだから、もう安心していいよ」

 

「ビパビパァ〜!」

 

 

ガマゲロゲ達の住処を取り戻したリゼ達はビッパ達の住処まで戻り、彼等に事件が解決したことを伝えた

 

 

「それにしても、すっかり日も暮れたな。今日のところは街に帰ろうぜ、ふわっち」

 

「そうだな。リゼさん達もどうっすか?たしか、ヤオウシティに向かってるんすよね?俺達の地元なんで案内しますよ」

 

「本当ですか…!助かります!」

 

「…そういうことだから、ウチらはもう行くな?元気にしてるんやで?」

 

 

明那、不破と共にヤオウシティに向かうことが決まり、アンジュはビッパ達にお別れの挨拶を済ませ、ビッパ達の見送られながら出発する

 

 

「ビパァ〜!」

 

 

その時、1匹のビッパがアンジュの下に駆け寄る

 

 

「どうした?お別れが恋しくなっちゃったのか?」

 

「ビパ!ビパビ〜!」

 

 

茶化すアンジュに、ビッパは必死で何かを伝えようと身振り手振りする

 

 

「もしかしてそのビッパ…アンジュと一緒に行きたいんじゃない?」

 

「え…?」

 

 

リゼの指摘に目を丸くするアンジュはリゼに振り返った後、再びビッパと向き合う

 

 

「そうなの…?」

 

「ビパァ〜!」

 

 

アンジュの問いに、ビッパは笑顔で応える

 

 

「分かったよ。なら、おいで」

 

 

アンジュは取り出したモンスターポケモンをビッパに向け、ビッパはそのボタンに触れて自らボールの中へと入る

 

 

「よろしくね、ビッパ」

 

 

ビッパをゲットして微笑むアンジュに、リゼ達が駆け寄る

 

 

「よかったね、アンジュ!」

 

「なんかめちゃくちゃエモいんだけど…!感動で涙出そう…!」

 

「俺も感動のあまり全身から涙溢れそうだわ…!」

 

「それはちょっとキショいかな、ふわっち」

 

 

不破と明那のボケとツッコミに一同は笑い合う

 

 

 

 

 

こうして、ベニズワイ湿地のポケモン達を助けたリゼ達

 

新たなライバルに出会い、そしてビッパを仲間に加え、一行は次なる街:ヤオウシティへと向かう

 

 

 

 

 

 

リゼ達がベニズワイ湿地を後にしてから約1時間後…

 

 

「あれ?変やなぁ…?リーダーから聞いたベトベトン全然見当たらへんねんけど…」

 

「誰かがゲットしちゃったんでしょうか?まあ、それならそれで私達のお仕事が1つ減ったってことで良しとしましょう!」

 

「そうやな。さて、それじゃあヤオウシティに行ってゆっくり休むか〜」

 





リゼ・ヘルエスタ
手持ち:ポッタイシ、イーブイ、バタフリー
   サイホーン

アンジュ・カトリーナ
手持ち:ゴルーグ、ビッパ

三枝明那
手持ち:ジュプトル、ムクバード

不破湊
手持ち:アリゲイツ、ピジョン、ソーナンス
   イワーク、ベトベトン
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