にじさんじ×ポケットモンスター   作:Mr.ソロ

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第21話「タッグバトル大会!セミファイナル!」

 

「いた…!アンジュー!」

 

「お…!リゼー!」

 

 

タッグバトル大会の会場となるヤオウジムの外…セミファイナルの試合開始までの休憩の間に、リゼはアンジュに会いに行っていた

 

 

「まずは予選突破、おめでとう。笹木さんとのタッグバトルも様になってたよ」

 

「ありがとう!次のセミファイナルも絶対勝つから、しっかり見ててよね!」

 

「もちろん!頑張って来いよ!」

 

 

アンジュの応援を受け、リゼは気合を入れてセミファイナルへと臨む

 

 

 

 

『さあ、いよいよタッグバトル大会セミファイナルの試合を始めたいと思います。第1試合の対戦はリゼ殿&笹木殿vs不破殿&天宮殿…はたして、どちらのタッグが決勝戦へと駒を進めるのか!』

 

 

グウェルからセミファイナルの試合がまもなく開始されることを告げられ、会場が予選の時以上の盛り上がりを見せるなか、第1試合の出場者であるリゼと笹木、不破と天宮はそれぞれバトルフィールドの所定位置に立つ

 

全員の準備が整ったところで、審判が試合前の説明を始める

 

 

「それではこれより、リゼ&笹木と不破&天宮のタッグバトルを始めます!使用ポケモンは1人1体!どちらかのポケモン全てを戦闘不能にした方の勝利とします!それでは、両者ポケモンを!」

 

「お願い!イーブイ!」

 

「任せたで!バチンキー!」

 

「頼んだ!アリゲイツ!」

 

「頑張って!ジャラコ!」

 

 

審判に指示され、リゼと笹木はイーブイとバチンキー…不破と天宮はアリゲイツと"うろこポケモン":ジャラコを繰り出す

 

 

「不破さんは予想通りアリゲイツ…!」

 

「そんで、あの天宮って人はジャラコか…。ほんまにドラゴンポケモンが好きなんやな」

 

「うえ…っ!またバチンキーか…!もしかして俺の選出読まれたんかなぁ…?」

 

「大丈夫です!バチンキーの攻撃は私のジャラコが受け止めます!」

 

「えぇ!いいんすか!?なら、お願いしますぅ!」

 

 

繰り出されたポケモンに対して互いに反応を見せるなか、審判が試合開始の宣言に移る

 

 

「それでは、バトル始め!」

 

「速攻やよ!バチンキー!"はっぱカッター"!」

 

 

試合開始と同時に笹木が指示を出し、バチンキーが"はっぱカッター"を繰り出す

 

 

『先制したのはバチンキー!"はっぱカッター"がアリゲイツとジャラコに迫る!』

 

「ジャラコ!アリゲイツを守るよ!"てっぺき"!」

 

 

それに対し、天宮の指示でジャラコはアリゲイツの前に飛び出して"てっぺき"によって防御力を高める

 

"はっぱカッター"は鋼鉄のような防御力を得たジャラコの前に全て弾かれて終わる

 

 

『ジャラコの"てっぺき"が"はっぱカッター"を全て防ぎました!凄まじい防御力です!』

 

「サンキュー、あまみゃ!アリゲイツ!"こおりのキバ"!」

 

 

"はっぱカッター"が止むや否や、アリゲイツが"こおりのキバ"で仕掛ける

 

 

「イーブイ!"アイアンテール"で迎え撃って!」

 

 

そのアリゲイツにイーブイは"アイアンテール"を繰り出し、"こおりのキバ"とぶつかり合う

 

 

『アリゲイツの"こおりのキバ"とイーブイの"アイアンテール"が激突…っ!威力は互角か…っ!』

 

「アリゲイツ!そのまま噛み掴んで投げ飛ばせ!」

 

 

不破の指示を受け、アリゲイツは"アイアンテール"を繰り出しているイーブイの尻尾をそのままガッチリと噛みつき、そのまま勢いよく投げ飛ばす

 

 

『アリゲイツ!自慢の顎の力を活かしてイーブイを軽々と投げ飛ばしました!』

 

「イーブイ…!」

 

「バチンキー!スティックを突き出せぇ!」

 

「…なるほど!イーブイ!バチンキーのスティックを踏み台にして、もう1度"アイアンテール"!」

 

 

笹木の指示でバチンキーは投げ飛ばされてくるイーブイにスティックを縦に突き出す

 

そのスティックに投げ飛ばされたイーブイは足を着けた後、反動を利用して踏み出し、再びアリゲイツへと突っ込んで"アイアンテール"を炸裂させる

 

 

『"アイアンテール"が決まったぁ…っ!イーブイとバチンキー!ピンチをチャンスに変えた素晴らしいコンビネーションです!』

 

 

一連の出来事に、会場から大きな歓声が上がる

 

 

「マジか…!即興でそんなこと出来るんか…!」

 

「流石はリゼさん…!葛葉さんがライバル視してるのも分かるかも…!」

 

「よし!この調子でいくでぇ!バチンキー!"ダブルアタック"!」

 

 

勢い付いた笹木はバチンキーに"ダブルアタック"を指示する

 

 

「ジャラコ!"いやなおと"!」

 

 

そのバチンキーに対し、ジャラコは"いやなおと"を繰り出してバチンキーの足を止めさせる

 

 

「くっ…!コウとりりむの時のカゲボウズと同じ手か…!なら"ちょうはつ"や!」

 

「させるか!アリゲイツ!"みずでっぽう"!」

 

 

ジャラコの"いやなおと"を封じようと"ちょうはつ"を繰り出そうとするバチンキーに、アリゲイツが"みずでっぽう"での妨害に出る

 

 

「イーブイ!"アイアンテール"を回転させて"みずでっぽう"を防いで!」

 

 

バチンキーに向けて放たれた"みずでっぽう"にイーブイが立ちはだかり、"アイアンテール"を発動させた尻尾を風車のように回転させて防御する

 

 

『イーブイ!"アイアンテール"を回転させることで"みずでっぽう"を弾いて防御しました!』

 

「うそ…!?」

 

「そんな方法ありか…!?」

 

 

予想外の対応に不破と天宮が驚くなか、イーブイのカバーのおかげで妨害されなかったバチンキーの"ちょうはつ"が決まり、ジャラコは補助技を封じられて"いやなおと"を止める

 

 

「よし!"いやなおと"が止んだ!イーブイ!"でんこうせっか"!」

 

 

"いやなおと"が止むと同時に、イーブイはジャラコに"でんこうせっか"で仕掛ける

 

 

「ジャラコ!"ずつき"で迎え撃って!」

 

 

それに対し、ジャラコは"ずつき"で迎撃

 

両者は正面からぶつかり合うが、威力はジャラコが勝り、押し負けたイーブイは吹き飛ばされる

 

 

「ジャラコ!続けて"ドラゴンクロー"!」

 

 

吹き飛ばしたイーブイに、ジャラコは"ドラゴンクロー"での追撃に出る

 

 

「イーブイ!"すなかけ"!」

 

 

迫るジャラコに向け、イーブイは"すなかけ"を繰り出すことでその視界を奪い、攻撃を外させる

 

 

「よし!バチンキー!"ダブルアタック"!」

 

「アリゲイツ!"こおりのキバ"!」

 

 

視界を奪われたジャラコにバチンキーが"ダブルアタック"を仕掛けるが、カバーに入ったアリゲイツの"こおりのキバ"が襲いかかり、バチンキーは片腕に噛み付かれ、その部分から徐々に凍結が広がっていく

 

 

「くっ…!負けるな、バチンキー!そのままアリゲイツに攻撃!」

 

 

笹木の呼び掛けに応え、バチンキーは封じられていないもう片方の腕で"ダブルアタック"の一撃をアリゲイツに炸裂させ、吹き飛ばす

 

 

『なんとバチンキー!効果抜群の技を受けてなお怯むことなく反撃!これはいい一撃が入りました!』

 

「リゼェ!」

 

「分かってる!イーブイ!"アイアンテール"!」

 

 

ジャラコにイーブイの"アイアンテール"が炸裂し、アリゲイツの傍まで吹き飛ばす

 

 

「トドメや、バチンキー!"はっぱカッター"!」

 

 

そして、一塊になって倒れているアリゲイツとジャラコにバチンキーの"はっぱカッター"が炸裂する

 

 

「アリゲイツ…!」

 

「ジャラコ…!」

 

「アリゲイィ…」

 

「ジャラァ…」

 

「アリゲイツ、ジャラコ、共に戦闘不能!よって勝者、リゼ&笹木!」

 

『決着ぅ…っ!激しい攻防の末、見事決勝戦に勝ち進んだのはリゼ殿&笹木殿です…!』

 

 

審判の勝利宣言とグウェルの実況が響き、会場からの大歓声に包まれながらリゼ達のセミファイナルに決着がつく

 

 

「ふぅ〜…っ!勝てた〜…!」

 

「リゼの情報のおかげでタイプ相性の不利を取られなかったのは大きかったな!まあ、あとはウチらのコンビネーションも上手いこといったし!」

 

「そうだね。イーブイもよく頑張ったよ」

 

「ブイブイ〜!」

 

 

勝利を喜び、奮闘したポケモン達を労うリゼ達に天宮と不破が歩み寄る

 

 

「今回は予選の時みたいなコンビネーション技が出来なかった分、連携や対応力で負けた感じやな〜。リゼさんも笹木さんも強かったっすわ」

 

「そっちのポケモン達もなかなかやったで」

 

「ありがとうございます。負けたのは悔しいけど、リゼさん達とのバトル凄く楽しかったです!決勝戦、頑張ってください!」

 

「うん!あまみゃ達の分も頑張るよ!」

 

 

リゼ達は互いに握手を交わし、セミファイナル第1試合は幕を閉じた

 

 

 

 

「リゼさん達が勝ったか」

 

「そうでなくっちゃな…!決勝戦が楽しみだぜ!」

 

 

リゼ達の試合を見届けた葛葉はニヤリと笑みを浮かべる

 

 

「それにはまず、このセミファイナルを勝たないとだよ。しかも相手が相手だ…少しの油断が命取りになる」

 

「女の方はともかく、男の方は相当強ぇことぐらい分かってる。でも、俺は躓くわけにはいかねぇ。リゼさんに母さん…それにチャンピオンに勝つためにも絶対勝つ…!」

 

 

拳をグッと握りしめ、葛葉は叶と共に入場口への通路へと足を踏み出す

 

 

「…っ!」

 

 

その曲がり角で、葛葉はセミファイナルの対戦相手であるイブラヒムと鉢合わせ、互いに目を合わせて立ち止まる

 

 

(びっっっくりしたぁ…っ!急に角から出てくんなよ心臓飛び出るかと思ったわ…!つーかなんでそっちも無言なわけ…!?この空気めちゃくちゃ気不味いんですけど…!?)

 

 

相手を睨むその表情とは裏腹に内心では激しく動揺する葛葉は、その場の空気に耐えられず、特に何も言うことなく再び通路を進み始める

 

 

「…お前等がシーズシティの"クロノワール"なんだってな。それに白髪のお前、シーズシティのジムリーダーの息子なんだろ?」

 

 

だが、横切った直後に話しかけてきたイブラヒムの言葉に葛葉は足を止める

 

 

「…だったらなんだよ?」

 

「いや怖っ…。そう睨むことないだろ?単なる確認だよ。噂通り強ぇのかな…って」

 

「んなもん、これから思い知らせてやるよ」

 

「いいね…なら全力で来てくれよ。俺もフレンもエースで勝負するからさ」

 

 

そう言い残し、イブラヒムは通路の奥へと消え去っていった

 

 

「なんだか楽しそうだったね。葛葉と同じでバトルジャンキーなのかな?」

 

「一緒にすんじゃねぇよ…。でも、上等だ…!望み通り全力で相手してやるよ…!」

 

 

 

 

『さあ!タッグバトル大会決勝戦進出を賭けたセミファイナル第2試合がまもなく始まります!葛葉殿&叶殿…イブラヒム殿&フレン殿…果たしてどちらのタッグがその切符を手にするのか!』

 

 

葛葉と叶、イブラヒムとフレンがバトルフィールド所定の位置で向かい合うなか、グウェルの実況が会場に響き渡る

 

観客席からの熱気と歓声に包まれるなか、審判の説明を執り行う

 

 

「それではこれより、葛葉&叶とイブラヒム&フレンのタッグバトルを始めます!使用ポケモンは1人1体!どちらかのポケモン全てを戦闘不能にした方の勝利とします!それでは、両者ポケモンを!」

 

「いけ!リザード!」

 

「頼んだぞ!ジャノビー!」

 

「いけ!イノムー!」

 

「頑張って!ワカシャモ!」

 

 

葛葉はリザード、叶は"くさヘビポケモン":ジャノビー、イブラヒムは"いのししポケモン":イノムー、フレンは"わかどりポケモン":ワカシャモを繰り出す

 

 

「こおりタイプにほのおタイプ…これは流石にキツいかな」

 

「イノムーにはじめんタイプもあるだろ。まずは集中してアイツを倒すぞ」

 

「あのリザード…!もしかして色違いじゃない…!?イブちゃん…!」

 

「マジじゃん…!って、たしかに凄ぇ珍しいけどバトルにはちゃんと集中しろよ、フレン」

 

 

双方が繰り出したポケモンに各々が反応するなか、セミファイナル最後のバトルの火蓋が切られる

 

 

「それでは、バトル始め!」

 

「リザード!"かえんほうしゃ"!」

 

 

試合開始と同時の葛葉の指示で、リザードが"かえんほうしゃ"をイノムーに向けて繰り出す

 

 

『イノムーにリザードが"かえんほうしゃ"!決まれば効果は抜群です!』

 

「イブちゃん…!」

 

「問題ねぇ!イノムー!突っ込んで"10まんばりき"!」

 

 

迫る"かえんほうしゃ"を回避しようとはせず、イブラヒムはイノムーに正面突破の指示を出す

 

イノムーはその指示に拒むことなく、勢いよく突っ込んで行く

 

 

『なんとイノムー…!効果抜群の"かえんほうしゃ"を浴びてなお、物ともせずに突き進んでいます…!特性はほのおとこおりタイプの技の威力を抑えられる"あついしぼう"か…!』

 

「嘘だろ…っ!?」

 

「このままだとマズい…っ!ジャノビー!"グラスミキサー"!」

 

 

予想外の耐久力を以って無理矢理攻撃を仕掛てくるイノムーを追撃を加えて止めようと、叶はジャノビーに攻撃の指示を出す

 

 

「ワカシャモ!"ほのおのうず"で防いで!」

 

 

イノムーへのジャノビーの追撃に対し、ワカシャモが"ほのおのうず"をぶつけて相殺する

 

そして、放たれる"かえんほうしゃ"を遂に突き抜けたイノムーの"10まんばりき"がリザードに炸裂し、大きく吹き飛ばす

 

 

「リザード…!大丈夫か…!?」

 

「…ッ!ザァド…ッ!」

 

 

吹き飛ばされて地に伏せたリザードだったが、葛葉の呼び掛けを受けて立ち上がる

 

 

「真っ向勝負は武が悪ぃか…!なら"えんまく"だ!」

 

 

技の押し合いは不利と判断し、葛葉は煙幕を利用した戦い方に切り替える

 

 

「ジャノビー!煙幕に突っ込め!"リーフブレード"!」

 

 

そして、葛葉の戦術に応じた叶の指示で、ジャノビーは素早い動きで煙幕の中へと突っ込んでいく

 

 

『ジャノビーが煙幕の中へと突っ込んでいきました!狙いはイノムーでしょうが、煙幕に紛れているため何処から飛び出してくるか分かりません!』

 

「甘ぇよ…!イノムー!"こごえるかぜ"!」

 

 

イブラヒムの指示で、イノムーは煙幕に向けて広範囲に"こごえるかぜ"を繰り出す

 

"こごえるかぜ"はその風圧によって煙幕をたちまちに吹き飛ばし、同時にその中にいたジャノビーを凍てつかせて動きを大きく鈍らせる

 

 

『イノムーの"こごえるかぜ"で煙幕が晴れ、更にジャノビーの動きが鈍ってしまいました…!』

 

「イブちゃん、ナイス!ワカシャモ!"つばめがえし"!」

 

 

煙幕が晴れたことで姿が見えるようになったジャノビーにワカシャモが"つばめがえし"を仕掛ける

 

 

「リザード!"りゅうのいかり"!」

「ジャノビー!その場で屈め!」

 

 

葛葉と叶が同時に指示を出し、背後から放たれるリザードの"りゅうのいかり"をジャノビーは動きが鈍っていながらもなんとか屈んで避け、通過したそれは迫って来ていたワカシャモに見事炸裂する

 

 

『リザードとジャノビー!見事な連携で危機を脱するとともにワカシャモにダメージ!』

 

「これで終わりじゃないよ…!ジャノビー!"へびにらみ"!」

 

 

"りゅうのいかり"が直撃したワカシャモに、更にジャノビーが"へびにらみ"を繰り出して麻痺状態にさせる

 

 

「やるじゃん…!イノムー!"こおりのキバ"!」

 

 

"へびにらみ"の厄介さを感じてか、イノムーがジャノビーに"こおりのキバ"を仕掛ける

 

 

「リザード!"かえんほうしゃ"でカバーしろ!」

 

「ワカシャモ!"でんこうせっか"!」

 

 

ジャノビーに迫るイノムーへリザードが"かえんほうしゃ"を放つも、麻痺状態によって鈍らせられた素早さを"でんこうせっか"で補ったワカシャモのカバーが間に合って防がれる

 

 

「ジャノビー!"リーフブレード"で迎え撃て!」

 

 

リザードのカバーが失敗に終わったと分かった瞬間、叶がジャノビーに迎撃の指示を出すも"こごえるかぜ"の影響で動きが鈍ったことが仇となり、迎撃が間に合わうことはなく、イノムーの"こおりのキバ"がジャノビーに炸裂する

 

 

「ジャノビー…っ!」

 

「ジャノ…」

 

「ジャノビー、戦闘不能!」

 

 

効果は抜群…技を諸に受けたジャノビーはその一撃によって戦闘不能となった

 

 

「…っ!戻れ、ジャノビー…!」

 

 

悔しそうな表情で、叶はジャノビーをボールへと戻す

 

 

「お疲れ様、ゆっくり休んでくれ…。ごめん、葛葉…」

 

「謝る必要はねぇし、謝るにしてもまだ早ぇだろ…。俺達はまだ負けてねぇんだから…!」

 

 

最初に落ちたことを責任に感じて謝る叶に、葛葉は闘志の宿った眼でフィールドを睨みつけながらそう言った

 

 

「フレン、俺が仕留めるから援護頼む」

 

「OK!」

 

「イノムー!"10まんばりき"!」

 

 

葛葉達の最後の1体となったリザードに、イノムーが"10まんばりき"を仕掛けに突っ込んでいく

 

 

「……」

 

「あれ…?迎撃してこない…?」

 

 

突っ込むイノムーに対し、リザードに迎撃の指示を出そうとしない葛葉を不思議に思い、フレンが言葉を溢す

 

だが、イノムーとリザードの距離があと僅かとなった瞬間に葛葉が動いた

 

 

「リザード!後ろを向いて地面に"かえんほうしゃ"!最大火力だ!」

 

 

葛葉の指示通り、リザードは迫るイノムーに背を向けて地面に"かえんほうしゃ"を繰り出す

 

フルパワーで繰り出された"かえんほうしゃ"はその勢いでロケットの如くリザードを爆発的な推進力で押し飛ばし、イノムーのやや上を通り越してその後方にいるワカシャモの真上へと一気に迫らせる

 

 

『リザード…!"かえんほうしゃ"を推進剤に大きく飛躍…!イノムーの攻撃を躱してワカシャモへと迫りました…!』

 

「いけ!"ドラゴンクロー"!」

 

「ワカシャモ…!避けて…っ!」

 

 

ワカシャモは頭上から落下に身を任せて仕掛けてくるリザードの攻撃を回避しようと動くが、その瞬間に麻痺の痺れに襲われて動きが止まり、そのまま間に合わずに"ドラゴンクロー"が直撃する

 

 

「ワカシャモ…っ!」

 

「シャモォ…」

 

 

リザード渾身の"ドラゴンクロー"をその身に受け、ワカシャモは力無くその場に倒れ込み、戦闘不能となる

 

 

「よし!あとはイノムーだけ…!」

 

「いやぁ、驚かされたわ…。でも、この勝負は俺達の勝ちだ。イノムー!"げんしのちから"!」

 

 

ワカシャモを撃破し、一息吐く暇もなく最後の相手イノムーに臨もうと葛葉とリザードが気を引き締め直したその時…既に攻撃態勢に入っていたイノムーから"げんしのちから"が繰り出される

 

 

「…っ!リザード…!"ドラゴンクロー"…!」

 

 

飛来する"げんしのちから"をリザードは"ドラゴンクロー"で粉砕していくが、その数に対応が追い付かず、1発が直撃したのを皮切りに飛来する残り全てが炸裂する

 

 

『リザード!"げんしのちから"を凌ぎ切れず直撃!効果は抜群です!』

 

「リザード…っ!」

 

「ザ…ザァド…」

 

 

効果抜群の"げんしのちから"を受けて倒れるリザードに葛葉が叫ぶ

 

だが、リザードに立ち上がる様子はなかった

 

 

「ワカシャモ、リザード、戦闘不能!よって勝者、イブラヒム&フレン!」

 

『決着…っ!手に汗握るバトルを制し、決勝戦へと勝ち進んだのはイブラヒム殿&フレン殿です…っ!』

 

 

審判の判定とグウェルの実況によって勝敗が決したことを告げられ、会場からは大きな歓声が沸き上がる

 

 

「よくやった、イノムー。いいバトルだったぞ」

 

「やったぁ〜!これで次の決勝戦に勝てばタマゴだ〜!タマゴ♪タマゴ♪」

 

 

イブラヒムは奮闘したイノムーを労い、フレンは決勝戦進出に小躍りして喜ぶ

 

そして、敗北してしまった葛葉は…

 

 

「…っ!」

 

 

負けたことが相当悔しく、俯いてリザードを戻したボールを強く握り締めていた

 

 

「残念だったね、葛葉…。今回は僕も力不足だったよ。でも、気にし過ぎないでいいんじゃない?今回はタッグバトルなんだから…」

 

「それでも負けは負けだ…!しかもあんな啖呵切っておいて…!」

 

 

慰める叶の言葉を遮り、葛葉は声を荒げて自身の不甲斐なさに対する苛立ちを吐露する

 

だが、しばらくして葛葉は何かを決意したかのように顔を上げ、自身を打ち負かしたイブラヒムを睨む

 

 

「だからもう1度挑むわ…!この大会が終わったら、今度はサシのフルバトルで…あいつに勝つ…!これ以上、誰にも負けるわけにはいかねぇ…!いずれ母さんや四天王…そしてチャンピオンを超えるためにも…!」

 

 

闘志と苛立ち…それらが混じり合った感情を向けた相手はイブラヒムか、それとも自分自身か

 

そう宣言した葛葉はまだ歓声が響くなか、早々にバトルフィールドから立ち去り、そんな葛葉を心配そうに見つめながら少し遅れて叶もその後を追って行った

 





リゼ・ヘルエスタ
手持ち:ポッタイシ、イーブイ、バタフリー
   サイホーン

アンジュ・カトリーナ
手持ち:ゴルーグ、ビッパ

葛葉
手持ち:リザード、ゴルバット、???
   ???


手持ち:ジャノビー、ニャルマー、テッシード
   ???

天宮こころ
手持ち:ミニリュウ、チルット、ジャラコ

不破湊
手持ち:アリゲイツ、ピジョン、ソーナンス
   イワーク、ベトベトン

イブラヒム
手持ち:イノムー、???、グソクムシャ

フレン
手持ち:ワカシャモ、ラッキー、???
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