にじさんじ×ポケットモンスター   作:Mr.ソロ

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間隔がかなり空き、久しぶりの投稿となってしまいました。

理由は…ゲームしてました!(しかもイカじゃなくてapex)
あとダラダラ動画も見漁ってました!
すみません!!!


第28話「脅威!主ポケモン:オニシズクモ!」

 

「ところで、兄上はどうしてここに…?」

 

 

泣き止み、落ち着きを取り戻したリゼは何故チャイカがこの遺跡に来たのかを問いかける

 

 

「ここの遺跡は、この地方の歴史に関係している。そこから何か得られないかと思ってな」

 

「歴史から…?」

 

「ああ、この地方は他のどの地方と比べても異質だからな。このビーチもその1つだ」

 

「ここがアローラ地方の性質を持っていること…ですか?」

 

「そうだ。古い言い伝えでは、この地方は元々様々な島々が集まって出来たものだと言われているからな」

 

「あ…!たしか、凛月さんが前に同じようなことを言ってたかも…!」

 

「ポケモンによるものじゃないか、とも言ってたっけ?」

 

「よく知ってるな。まあ、結果的に私の当ては外れだった。遺跡にはこれ以外で目立ったものはないし、ここに関係するプレートなるものもないから収穫出来るものはない」

 

「プレートの存在を知っているんですか?」

 

「知人から聞いてね。話だと、ここの遺跡のプレートは鷹宮財閥が所有するあのホテル内に保管されているそうだ。私は事情が事情だから出来ないが、研究者のお前なら借りることが出来るんじゃないか?」

 

「…なるほど、有益な情報ありがとうございます」

 

「構わないよ」

 

「よし、じゃあここの位置を地図にマーキングして、プレートを借りに一旦戻る?」

 

「…そうしましょうかね」

 

 

チャイカから得た情報でレインとレオスが今後の方針を決めたその時、遠くから木々が薙ぎ倒されていくような微かな音をその場の全員が耳にした

 

 

「なに…!?」

 

「向こうの方だな…!何かが暴れ回っているのか…!」

 

「…っ!皆さん!アレを見てください!」

 

 

レオスが上空に指を刺して叫ぶ

 

密林の高い木々が邪魔で時間がかかったが、上空を飛んでいるそれが何か分かった途端にリゼが声を上げる

 

 

「アレは…アンジュのゴルーグ…!もしかして、アンジュの身に何かあったんじゃ…!」

 

「木々を薙ぎ倒してる何かと関係があるのかもしれませんね…!」

 

「なら早く行こう!」

 

「うん…!」

 

 

リゼ、レイン、レオスは音の方へと向かって走り出す

 

だが、その場に留まるチャイカに気付いてリゼは足を止める

 

 

「あ、兄上…?」

 

「…リゼ、悪いが私とはここでお別れだ。私は出来る限り人目を避けなければならないからな。それと私に会ったことはアンジュにも内緒にしてくれ。理由は分かるな?」

 

 

行方不明の身であるチャイカにとって、その生存と彼が今何を成そうとしているのかを知る者が増えることは不都合であることをリゼは思い出す

 

 

「…分かりました」

 

 

チャイカがちゃんと生きていたこと…そして自慢の兄が何のために家を飛び出し、成そうとしているのかを家族やアンジュに伝えられない上に、数年振りに再会出来たチャイカと早くも別れることとなったことで、リゼの表情が暗くなる

 

 

「フッ、そう寂しそうな顔をするな。お前がこれからも旅を続けるなら、きっとまた何処かで会える。そして、いつか目的を達成したら、また一緒にいられる。約束だ」

 

「…はい!約束ですよ!兄上!」

 

 

チャイカの言葉に元気を取り戻したリゼは手を振りながら別れを告げ、レイン達と共に走り去る

 

その場に1人残ったチャイカは微笑みながらリゼ達を見送る

 

 

 

 

「…行ったか」

 

 

リゼ達を見送った後、チャイカはスマホを取り出して誰かへと電話をかける

 

 

「私だ。例の研究者を見つけた。場所はRRRビーチ、現地にいる×××と協力してプレートを奪取しろ」

 

 

電話相手への指示を伝え終え、チャイカは今一度リゼが走って行った方角を見つめた後、自身もその場から去って行った

 

 

 

 

「ソシエ…!また来る…!」

 

 

ニュイと共にギャロップの背中に乗っているアンジュは自分達を追い掛けるオニシズクモが攻撃の構えを取ったのを見て叫ぶ

 

 

「ギャロップ!"とびはねる"!」

 

 

オニシズクモの"ねっとう"が放たれると同時にニュイが指示を出し、ギャロップは"とびはねる"で軽やかに右へ左へ跳び回ってその攻撃を回避する

 

アンジュとニュイはオニシズクモとの遭遇以降、オニシズクモがビーチへと行かないように引きつけることに成功

 

その後は、先ほどのようにオニシズクモからの攻撃を避けながらビーチから引き離すためにひたすら逃げ走っていた

 

 

「ビーチからは十分遠ざかったと思うけど…!ここからどうするの…!?」

 

「それは…っ!」

 

 

アンジュの問いに、ニュイは言葉を詰まらせる

 

たしかに、馬鹿でかいオニシズクモをビーチから十分遠ざけることは出来た

 

だが、ここで逃げてしまえば、このオニシズクモは野放しとなってしまう

 

この明らかに異質なポケモンを放置すれば、誰かに被害が及んでしまうのは目に見えていた

 

かと言って、ニュイには1人でバトルして勝てる勝算がなかった

 

アンジュが一緒に戦ってくれれば話は別だが、ニュイはアンジュがある日からバトルに"酷いトラウマ"を抱えていることを知っている

 

そして、再会してからの会話でそれがまだ克服出来ていないことも察していた

 

それらを考慮した上で、ニュイは1つの決断に至る

 

 

「…私がアイツを足止めする!その間にアンちゃんには応援を呼びに行ってほしい!」

 

「そんな…!?無茶だよ…!ソシエ…!」

 

「酷なことを言うかもしれないけど、アンちゃんは今戦力になれない…!ゴルーグも他のポケモン達も置いて来てるし、トラウマもまだ克服出来てないんでしょ…!なら、腕の立つトレーナーを呼びに行ってもらうのが1番いい…!」

 

「そ、それは…!でも…!ソシエ1人で足止めなんて…!」

 

「心配ないよ、アンちゃん…!アンちゃんがバトルを止めた後も私はポケモン達と鍛錬を積み重ねてるんだから…!ちょっとやそっとじゃ…っ!?」

 

 

納得出来ないアンジュを安心させるために、ニュイが後ろを振り返って声をかける

 

だが、その最中にニュイはオニシズクモが自分達を追い掛けるのを止め、来た道を引き返そうとしているのが見えて形相を変える

 

 

「ここまで来て引き返す気…っ!?ふざけんじゃないわよ…!ギャロップ!"メガホーン"!」

 

 

オニシズクモの進行を止めようと、ギャロップは"メガホーン"を繰り出す

 

 

「キシャァァァァ…ッ!」

 

「マズい…っ!?」

 

「うわっ…!?」

 

 

だが、それと同時にオニシズクモは急にギャロップへと向き直って"ねっとう"を繰り出す

 

ニュイは咄嗟にアンジュを引っ張ってギャロップから飛び降り、直後にギャロップは"ねっとう"に正面から突っ込むもその威力に押し負けて吹き飛び、その先の大木に叩きつけられてダウンする

 

 

「ギャロップ…っ!戻って…!」

 

 

ニュイは戦闘不能となったギャロップをボールへと戻し、こちらに敵意を向けるオニシズクモと睨み合う

 

 

「やってくれたわね…!コイツ、私達に興味を無くして背を向けたと思わせて騙し討ちを仕掛けてくるなんて…!」

 

 

単純な強さだけでなく、オニシズクモのその狡猾さにギャロップを一撃で倒されたニュイは歯噛みする

 

 

「やっぱり、コイツを相手取るには1人じゃ厳しいかもね…!アンちゃん…っ!私が足止めしてる間に早く行って…っ!」

 

「でも、ソシエが…っ!」

 

「いいから早く…っ!」

 

 

自分だけ逃げることに割り切れないアンジュに、ニュイが叫ぶ

 

その最中、オニシズクモはアンジュ達に向かって突っ込んで来る

 

 

(マズい…!避けられない…っ!)

 

 

ニュイは咄嗟にボールを手を伸ばすが、既にオニシズクモとの距離は数m程にまで迫っており、このまま突進されて吹き飛ばされると悟り、目を瞑る

 

ズシィィン…ッ!

 

その瞬間、ニュイとオニシズクモの間を割り入るように空からポケモンが着地し、オニシズクモの突進を受け止めた

 

 

「「ゴルーグ…っ!?」」

 

 

窮地に現れたアンジュのゴルーグに、驚いた2人は声を上げる

 

 

「ゴルーグだけじゃないですよ…!」

 

 

そして、ゴルーグの傍から人の声が聞こえた直後、6体のポケモン…リザード、ニャルマー、ベイリーフ、ハスブレロ、ミニリュウ、ヨクバリスが飛び出し、一斉にオニシズクモへと攻撃する

 

6体の攻撃…更にゴルーグが繰り出した"シャドーパンチ"を食らい、オニシズクモは大きく仰反る

 

 

「アンジュさん!大丈夫ですか!」

 

「ありがとう、助かったよ…!」

 

「アンちゃんの知り合い…?って、郡道さん…!」

 

「ニュイじゃん!ジム戦以来ね!でも話は後、まずはコイツを片付けるわよ!」

 

 

ゴルーグと共に駆け付けに来た郡道達と共にアンジュとニュイはオニシズクモに相対する

 

 

「みんな気を付けて…!見ての通りだけど、このオニシズクモは普通の個体とはまるで違う…!」

 

「知ってるわ。なんでも、アローラの主ポケモンらしいわよ」

 

「アローラの主ポケモン…!?コイツが…!なんでそんなのがここに…!?」

 

「いいからニュイもポケモンを出して!来るわよ!」

 

 

郡道がそう言った直後、オニシズクモがアンジュ達に目掛けて勢いよく突っ込んで来る

 

 

「守りは私に任せてください!ベイリーフ!"リフレクター"!更に"ひかりのかべ"!」

 

 

凛月の指示を受け、ベイリーフは"リフレクター"と"ひかりのかべ"を展開する

 

 

「よし!これでみずタイプの技も怖くねぇぞ!リザード!"かみなりパンチ"!」

 

「僕達も行くよ!ニャルマー!"つばめがえし"!」

 

 

壁の恩恵を盾にリザードとニャルマーは強気に攻撃を仕掛け、オニシズクモは"アクアブレイク"で迎え撃つ

 

両者の技がぶつかり合うが、"リフレクター"による技の威力半減があるにも関わらず、技のぶつかり合いはオニシズクモが勝り、リザードとニャルマーを吹き飛ばす

 

 

「リザード…っ!」

 

「ニャルマー…っ!」

 

「ザァド…ッ!」

 

「ニャルゥ…ッ!」

 

 

吹き飛ばされる2体に葛葉と叶が叫ぶが、2体は空中で体勢を立て直してそのまま着地し、戦闘続行の意志を示す

 

 

「"リフレクター"で"アクアブレイク"の威力は弱まってるはずなのになんで…!」

 

「オニシズクモの特性:"すいほう"の影響ね…!みずタイプの技の威力が倍になる上に、ほのおタイプの技のダメージを半減させる。加えて火傷状態にならない厄介な特性よ…!」

 

「なにそれ…!?ぶっ壊れやん…!」

 

 

郡道の説明にひまわりが声を上げるなか、オニシズクモが"ねっとう"を繰り出してくる

 

 

「ベイリーフ!受け止めて!」

 

 

凛月の指示でベイリーフはリザード達の前に飛び出し、オニシズクモの"ねっとう"を"ひかりのかべ"を通して受け止める

 

"すいほう"で威力が増しているとはいえ、壁に加えてタイプ相性の有利もあってベイリーフはそれを難なく耐え切る

 

 

「葛葉さん!叶さん!オニシズクモの攻撃は私が引き受けます!その隙に攻撃してください!」

 

「ひまも!ハスブレロ、お願い!」

 

「ニュイ!あなたも攻撃に回って!私と天宮がカバーするわ!」

 

「分かった!出てきて!ムウマージ!」

 

 

リザードとハスブレロ、ニャルマーとベイリーフ…そして、ニュイが繰り出した"マジカルポケモン":ムウマージはヨクバリスとミニリュウと組んでオニシズクモへ仕掛ける

 

それぞれが別々の方向から分かれて迫るなか、オニシズクモはリザード達に狙いを定め、再び"ねっとう"を繰り出す

 

 

「ハスブレロ!受け止めて!」

 

「リザード!"かみなりパンチ"!」

 

 

それをハスブレロが受け止めた瞬間、その後ろから素早く飛び出したリザードが一気にオニシズクモへと迫り、"かみなりパンチ"を炸裂させる

 

オニシズクモは少しよろめくも、すぐさま反撃に"アクアブレイク"を繰り出す

 

 

「ニャルマー!"でんげきは"!」

 

「ムウマージ!"チャージビーム"!」

 

 

そこへニャルマーとムウマージが同時に攻撃を繰り出し、オニシズクモに炸裂させる

 

それにより、オニシズクモは一瞬動きが止まるも怯むことはなく"アクアブレイク"をリザードへと放つ

 

だが、その一瞬の隙にリザードは後ろへと飛び退いたことで"アクアブレイク"を回避した

 

 

「今のを受けて怯まないか…!流石は主ポケモン…!」

 

「攻撃が決まったからと言って少しも油断は出来ないわね…!」

 

 

効果抜群の技…それも2体分を受けてなお、怯むことなく攻撃を続行したオニシズクモのタフさに叶とニュイは声を漏らす

 

だが、ダメージはしっかりと蓄積されているらしく、その証拠にオニシズクモは永続的に体力を回復させる技:"アクアリング"を発動させる

 

 

「"アクアリング"…!?」

 

「長期戦になると厄介ね…!でも、あの技を使ったってことはアイツも相当ダメージが溜まってるはず…!」

 

「なら多少無理してでも攻勢に出た方が良さそうですね…!」

 

「よし!一気に畳み掛けるぞ!リザード!もう1度"かみなりパンチ"!」

 

「ニャルマー!"でんげきは"!」

 

「ムウマージ!"チャージビーム"!」

 

 

早期決着を狙い、リザードが再びオニシズクモへと迫り、ニャルマーとムウマージも射程のある技で攻撃に出る

 

だが、それぞれの攻撃が炸裂する直前にオニシズクモはその場から大きく跳躍…唯一、必中技である"でんげきは"を空中で食らいながらもそのままリザードの後ろにいるハスブレロ目掛けて"とびかかる"攻撃を繰り出す

 

 

「ハスブレロ…っ!避け…っ!」

 

 

突然の攻撃にひまわりが叫ぶが回避は叶わず、"とびかかる"が炸裂し、ハスブレロは戦闘不能となる

 

 

「ハスブレロ…っ!戻って…っ!」

 

「あんにゃろ…っ!」

 

 

ひまわりがハスブレロをボールに戻すなか、オニシズクモにしてやられたことに葛葉が怒りの声を漏らす

 

同時に、それに呼応したかのようにリザードが突撃し、対するオニシズクモは"ねっとう"を放つ構えを取る

 

 

「避けてそのまま突っ込め…っ!」

 

 

それを察した葛葉は事前にリザードへ回避の指示を出し、直後にオニシズクモから"ねっとう"が繰り出される

 

だが、繰り出された"ねっとう"はリザードの少し側面を逸れ、更に後ろにいるニャルマー達に迫る

 

 

「狙いはこっちか…!」

 

「ベイリーフ…!ニャルマーを守って…!」

 

 

攻撃を仕掛けたリザードではなく、自分達に攻撃が飛んで来たことに叶が驚くなか、凛月の指示でベイリーフがニャルマーの前に出て"ねっとう"を受け止める

 

先程と同様にベイリーフは攻撃を受け切ることに成功したが、それと同時に"リフレクター"と"ひかりのかべ"の効果が切れる

 

更に…

 

 

「ベイ…ッ!?」

 

「ベイリーフ…!?」

 

「火傷状態…!"ねっとう"の追加効果か…!」

 

 

ベイリーフは"ねっとう"の追加効果により火傷状態となってしまい、そのダメージに苦しめられる

 

 

「コイツ…!まさかリザード達からじゃなくて、援護に徹してるベイリーフ達に狙いを変えたのか…!」

 

「嫌に頭が回るな、コイツ…!リザード!」

 

 

葛葉がリザードに指示を出そうとするが、それよりも早く、オニシズクモは再び跳躍して今度はムウマージ達に向けて"とびかかる"で襲いかかる

 

 

「ミニリュウ!"ドラゴンテール"で迎え撃って!」

 

「ムウマージも"パワージェム"で迎撃!」

 

 

ミニリュウとムウマージがそれぞれ迎撃するも、攻撃を受けたオニシズクモは怯まずにそのまま突っ込み、"とびかかる"を2体へ炸裂させる

 

そして、攻撃を受けて地面に倒れた2体にオニシズクモは続けて"ねっとう"を繰り出す

 

 

「危ない…っ!」

 

「ヨクバリス!受け止めて!」

 

 

郡道の指示に素早く反応し、ヨクバリスはミニリュウ達に迫る"ねっとう"をその身を呈して受け止める

 

だが、ベイリーフ同様にヨクバリスも"ねっとう"の追加効果によって火傷状態となってしまう

 

 

「ヨクバリスまで火傷に…!」

 

「いえ、むしろ好都合よ…!ヨクバリス!"からげんき"!」

 

 

ヨクバリスが火傷状態になったことで笑みを浮かべた郡道は、状態異常時に威力が増す技:"からげんき"を指示する

 

火傷のダメージを負いながらも繰り出されたヨクバリスの"からげんき"が炸裂し、その威力にオニシズクモは体勢を崩す

 

 

「今よ!一気に畳み掛けて!」

 

「任せろ!リザード!"かみなりパンチ"!」

 

「ニャルマー!"つばめがえし"!」

 

「ムウマージ!"パワージェム"!」

 

「ベイリーフ!"しぜんのちから"!」

 

 

郡道の呼び掛けで4体が一斉に攻撃し、オニシズクモに炸裂…大きく仰け反って崩れるように倒れ込む

 

 

「た、倒した…?」

 

 

まだ緊張が残る静寂のなかでひまわりが窺うように声を漏らす

 

全員が注視するなか、倒れていたオニシズクモは瀕死寸前の体に鞭を打つかのようにグググッと立ちあがろうとする

 

 

「まだ倒れねぇか…!」

 

「本当にタフね…!みんな!もう一押しよ!」

 

 

今度こそ戦闘不能にしようと葛葉達が再び指示を出そうと口を開く

 

 

「キシャァァァァァァァァ…ッ!!!」

 

 

その時、オニシズクモがけたたましい咆哮を轟かせる

 

 

「なんだ?悪足掻きに威嚇ってか?」

 

「そうじゃない…!これは…!」

 

 

慌てた様子でアンジュが何かに気付いたその直後…

 

 

「…っ!なんだ…!?」

 

「どういうこと…!?」

 

「むしポケモンがいっぱい…!?」

 

 

突然、葛葉達はその周りをヤンヤンマやストライク、パラセクト等の大量のむしポケモン達に取り囲まれた

 

 

「往生際が悪い…!アイツ、仲間を呼び寄せたんだ…!」

 

「仲間…!?ってことは、このポケモン達全部アイツの味方ってこと…!?」

 

「ポケモンの中には、群れの仲間や共生関係にあるポケモンを呼ぶ個体がいるのは知ってるけど、これだけ多くのポケモンを呼び寄せるなんて…!」

 

「アローラの主ポケモンは別格ってこと…!?」

 

 

オニシズクモ最大最悪の抵抗に動揺するなか、集まってきたむしポケモン達は一斉にアンジュ達へ攻撃を仕掛ける

 

 

「来るぞ…っ!」

 

「ベイリーフ…っ!リフレクター"と"ひかりのかべ"…っ!」

 

 

凛月の指示でベイリーフが"リフレクター"と"ひかりのかべ"を展開するが、同時かつ大量に飛来する攻撃に2つの壁は瞬く間に破壊され、更にそれらの攻撃がベイリーフ、ミニリュウ、ニャルマーに直撃する

 

 

「ベイリーフ…っ!」

 

「ミニリュウ…っ!」

 

「ニャルマー…っ!」

 

 

倒れたポケモン達を叶達はすぐにボールへと戻し、その光景を見ていた郡道は歯噛みする

 

 

「流石にこの数相手は不利だわ…!みんな、急いで逃げるわよ…!アンジュのゴルーグに飛び乗って…!」

 

 

多勢に無勢…そう判断した郡道は全員に逃げるよう叫ぶ

 

 

「でも逃げる隙なんて…!」

 

「一瞬だけ稼ぐわ…!葛葉君もお願い…!」

 

「俺とリザードならこのくらい…!」

 

「ごちゃごちゃ言わない!みんな無事に戻ることが最優先よ!」

 

「…っ!分かったよ…!」

 

 

郡道の一喝に葛葉はオニシズクモの打倒を諦め、逃げるための隙を作るべくリザードに指示を出す

 

 

「リザード!"かえんほうしゃ"!」

 

「ヨクバリス!"はかいこうせん"!」

 

 

リザードとヨクバリスがそれぞれの技を放つと、それを恐れた周囲のポケモン達は大きく後退する

 

その隙に叶達はゴルーグの肩や背中に掴まり、葛葉と郡道もリザード達をボールに戻してゴルーグにしがみつく

 

 

「全員乗ったわよ!アンジュ!」

 

「よし!ゴルーグ!飛ん…!」

 

 

全員がゴルーグに乗ったと同時にアンジュがゴルーグに空へ飛ぶよう指示を出そうとしたその時、正面からオニシズクモの"ねっとう"が飛来

 

直撃したゴルーグは持ち堪えようと踏ん張るが、そこへ更に周囲のむしポケモン達が攻撃を仕掛けて来る

 

 

「マズい…っ!みんな離れて…っ!」

 

 

アンジュが叫ぶとともに全員がゴルーグから飛び降りる

 

直後、むしポケモン達の一斉攻撃がゴルーグに直撃…この追撃まで持ち堪えることが出来ず、ゴルーグはその場に倒れ伏す

 

 

「やってくれたわね…!アイツ、私達を逃がさないつもりだわ…!」

 

 

逃げようとした矢先、この場でその唯一の手段であるゴルーグを狙ってきたオニシズクモに郡道は悪態をつく

 

 

「ゴルーグ…っ!」

 

「アンちゃん…っ!危ない…っ!」

 

 

倒れたゴルーグの下へ駆け寄るアンジュ

 

そこへ先程攻撃を仕掛けてきたむしポケモン達が迫り、再び一斉攻撃が放たれる

 

 

「…っ!」

 

「ポッタイシ!"うずしお"!」

 

 

アンジュとゴルーグに攻撃が直撃すると思われた瞬間、側面から飛来した"うずしお"がその攻撃を呑み込んで相殺した

 

 

「アンジューっ!みんなーっ!」

 

「リゼ…っ!」

 

「リゼちゃんや…!」

 

「それにエデンシティのレインさん達まで…!」

 

 

"うずしお"が飛来してきた方向からこちらへ走って来るリゼ達の姿を目にし、絶望的な状況にいたアンジュ達の表情に光が差す

 

 

「アンジュ!大丈夫!?」

 

「うん、おかげさまでなんとか…!」

 

「うっし!リゼにレインさんもいるならこの状況も逆転できるだろ!」

 

「それはどうだろうね…。限度はあるだろうけど、オニシズクモが呼び寄せたむしポケモン達が次から次へと来るなら倒してもキリがないよ」

 

「一度に倒せたらいいんだけど、四方八方にいる上に数も多い…!悔しいけど、ここはもう包囲網を突破することに戦力を集中して全速力で逃げるのが1番だよ…!」

 

「私もそれがいいと思いますレイン君!こんな状況逃げの一択ですよぉ!周囲のポケモン達を1箇所に誘き寄せることが出来るなら突破も可能ですが、そんな方法都合よく…!」

 

「あ…!それなら出来ると思います…!」

 

 

レオスが口にしたこの状況を打破するための一手…それに必要な役割を担うことが可能だと告げた凛月に全員がギョッとする

 

 

「え?それ本当ですか…?」

 

「はい…!私のピッピなら…!」

 

「ピッピ…!たしかに、あの技が使えるならいけますよ!」

 

 

活路を見出したレオスは声を張り上げる

 

 

「では、凛月君!君はポケモン達を誘き寄せてください!私のポケモンが技を繰り出す瞬間にはボールに戻すことを忘れずに!レイン君!君はヤドンの"まもる"で我々を守ってください!」

 

「はい!」

 

「わ、分かった…!」

 

「では、いきますよ!出番です!バクーダ!」

 

「いくよ!ピッピ!」

 

「いけ!ヤドン!」

 

 

3人はそれぞれのポケモンを繰り出し、レオスが伝えた作戦通りに指示を出す

 

 

「ピッピ!"このゆびとまれ"!」

 

「皆さん!1箇所に集まって伏せてください!」

 

 

レオスの指示に全員が従うと同時に、ピッピが繰り出した"このゆびとまれ"によって、オニシズクモに呼び寄せられた周囲のむしポケモン達がピッピとその傍にいるバクーダに向かって集まり始める

 

そして、むしポケモン達をギリギリまで引き付けたところでレオスが再び叫ぶ

 

 

「今です!バクーダ!"ふんえん"!」

 

「ピッピ!戻って!」

 

「ヤドン!"まもる"!」

 

 

凛月がピッピをボールへ戻し、レインのヤドンがリゼ達全員を包み込むように"まもる"を展開したと同時に、バクーダが繰り出した広範囲技:"ふんえん"がその射程内に集まってきたむしポケモン達に炸裂する

 

しばらくして"ふんえん"が晴れると、周囲に集まってきていたむしポケモン達は軒並み戦闘不能となって地面に倒れ伏していた

 

 

「ヴィンさん、凄〜い!あんなにいたポケモン達を一瞬で倒しちゃうなんて!」

 

「褒めても何も出ませんよ〜!レインく〜ん!とはいえ、これは凛月君のピッピがいてこそです!本当に助かりましたよぉ!」

 

「いえ、私もピッピも役に立ててよかっ…」

 

「って、レオスさん…っ!前!前ぇ…っ!」

 

 

状況を打破したことに喜び、安堵するレオス達にリゼが叫ぶ

 

その叫びで、1箇所に集まったリゼ達を逆に一網打尽に葬ろうとオニシズクモが"アクアブレイク"を繰り出しながら迫って来ていることに全員が気付く

 

 

「「「「ギャァァァァァァァァッ!!?」」」」

 

 

むしポケモン達を倒したかと思いきや、その希望を打ち砕かんと迫る絶望を前に各々は叫び、抱きしめ合い、庇い、目を瞑る

 

 

「…あれ?」

 

 

だが、覚悟してから数秒経っても攻撃が直撃せず、リゼ達は不審に思いながらゆっくりと目を開く

 

その眼前…僅か1mあるかどうかの距離で攻撃を仕掛けてきたはずのオニシズクモの動きが止まっていた

 

 

「な、なにが起こって…!」

 

「良くないぞ、オニシズクモ」

 

 

全員が状況を呑み込めないなか、オニシズクモの後ろから女性の声が響く

 

 

「急に見慣れぬ土地に放り出されたとはいえ、その地のポケモン達を巻き込んでまで人に危害を加えて暴れ回ってしまうとは…。それでもお主はアローラ地方で讃えられる主ポケモンなのか?」

 

 

リゼ達は恐る恐る立ち上がり、オニシズクモに言葉を投げかけたその女性を目にした瞬間に声を上げる

 

 

「嘘…!?あの人ってまさか…!」

 

「ニジサンジ地方四天王のトップ…!」

 

「たしか、みずタイプポケモンの使い手の…!」

 

「竜胆尊…っ!」

「尊様…!?」

「竜胆さん…!?」

「尊…!?」

 

 

主ポケモンであるオニシズクモの後ろ足をガッシリと掴んでその動きを止めている"ぬまうおポケモン":ラグラージ

 

そのポケモンを従える女性…竜胆尊の登場にリゼ達は驚愕を露わにする

 

 

「あっ!アンジュに美玲!それにニュイも!久しぶり〜!」

 

 

アンジュ達と知り合いなのか、助けた相手が彼女達だと気付いた竜胆は手をぶんぶんと振って再会の喜びを表現する

 

そんななか、更なる敵が現れたと認識したオニシズクモがラグラージにその足を掴まれながらもじたばたと激しく体をのたうつ

 

 

「お〜!お主、まだ暴れるのか!元気じゃね〜!でも、そろそろ大人しくしような?ラグラージ!」

 

 

竜胆の呼び掛けに、ラグラージは足を掴んでいた腕にグッと力を入れてオニシズクモを投げ飛ばし、地面へと叩きつける

 

 

「す、凄い怪力…!」

 

「あの巨体を投げ飛ばしちゃうなんて…!」

 

「いや、感心してる場合じゃない…!今のうちにトドメを…!」

 

「よっしゃ…!」

 

 

地面に叩きつけられて隙が出来たオニシズクモに郡道と葛葉がボールを構えるが、それを遮るように竜胆がスッと手を横に出す

 

 

「その必要はないよ、美玲。お主達が頑張ったおかげであの子ももう限界じゃよ。美味しいところを持っていってしまうけど、最後は妾とラグラージに任せて。ラグラージ!"ストーンエッジ"!」

 

 

竜胆の指示でラグラージが地面に拳を突き立てると、そこから相手に向かって次々と尖った岩が隆起して迫る技"ストーンエッジ"が繰り出され、オニシズクモに炸裂する

 

 

「キシャァァァ…」

 

 

技が炸裂した際に起こった爆発とともに弱々しい声を上げながら、力尽きたオニシズクモはその場に倒れ伏す

 

 

「今の"ストーンエッジ"…!」

 

「ああ、かなりのパワーだった…!流石は四天王が鍛えたポケモンの力…!」

 

「これが四天王…!母さんの上をいくトレーナーのポケモン…!」

 

 

繰り出された技からラグラージの強さを感じ取ったリゼと叶、葛葉はそれを従える竜胆のトレーナーとしての実力に息を呑む

 

その竜胆は倒れたオニシズクモに歩み寄る

 

 

「安心して、オニシズクモ。妾達は敵じゃない。だからもう無闇に暴れたらダメじゃよ?」

 

 

頭を撫でながら優しく言葉を掛ける竜胆の気持ちが伝わったのか、オニシズクモは先程まで抱いていた敵意を沈め、安心したようにそのまま眠りにつく

 

その様子に竜胆はニコリと微笑み、スマホを取り出して電話をかける

 

 

『もしもし、力一?うん、妾。お主達が逃したオニシズクモを大人しくさせたから迎えに来て。それと協力してくれた一般人が11人おるから、その子達を送迎する車も忘れないでね。それじゃあ〜』

 

 

手短に電話を終わらせた竜胆はリゼ達に向き直る

 

 

「お主達、大変な目にあったね。オニシズクモは妾達が敵じゃないと分かってくれたから、これ以上暴れることはない。もう安心じゃよ」

 

「よ、よかったぁ〜…」

 

 

竜胆からの言葉に、リゼ達は安堵するとともに緊張が解けて力が抜けたのかその場に座り込む

 

 

「ふふっ、みんなお疲れ様。舞元達の迎えが来るまで、ゆっくり休んでね」

 

 

 

 

 

こうして、リゼ達の奮闘と竜胆の助けによって主ポケモン:オニシズクモの暴走は収められた

 

RRRビーチでの数々の出会いと騒動を経たリゼ達を次に待ち受けるのは、舞元が主催しようと計画している未知なるイベント

 

果たして、どのような試練が待ち受けているのだろうか…!

 





リゼ・ヘルエスタ
手持ち:ポッタイシ、イーブイ、バタフリー
   サイホーン

アンジュ・カトリーナ
手持ち:ゴルーグ、ビッパ

葛葉
手持ち:リザード、ゴルバット、ギャラドス
   ガバイト


手持ち:ジャノビー、ニャルマー、テッシード
   ミミッキュ

本間ひまわり
手持ち:ハスブレロ、???

桜凛月
手持ち:ベイリーフ、チェリム、ピッピ

天宮こころ
手持ち:ミニリュウ、チルット、ジャラコ

花畑チャイカ
手持ち:ニューラ(ヒスイ)

郡道美玲
手持ち:ヨクバリス

ニュイ・ソシエール
手持ち:ムウマージ、ギャロップ

竜胆尊
手持ち:ラグラージ

レイン・パターソン
手持ち:インテレオン、ヤドン(ガラル)、ウデッポウ

レオス・ヴィンセント
手持ち:バクーダ
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