「着いた!ここがグンカンシティのトレーナーズスクール!」
グンカンシティに着き、キャタピーを仲間に加えた翌々日…リゼはこの街のトレーナーズスクールに訪れた
「ねぇ、アンジュ。グンカンシティのトレーナーズスクールって他の街とどう違うの?」
「グンカンシティのトレーナーズスクールは現役のジムリーダーが先生をやってるんよ。だから他よりもバトルの腕が磨かれた子が多いことで有名になってる」
「へぇ、現役のジムリーダーが…。それってこの街のジムリーダーなんだよね?」
「そう、この街のジムリーダーの1人」
と、アンジュの言葉に違和感を覚えるリゼだったが、その時ちょうど後ろから聞き馴染みのある声がかかる
「お!リゼやん!」
「よっ!一昨日ぶりだな」
「笹木さん!コウさん!」
リゼ達の下に笹木とコウが駆け寄る
「リゼは今日ここに着いたんか?」
「ううん、私とアンジュは一昨日の内に着いて、昨日はこの街でショッピングしたりして過ごしてたの。そういう2人は?」
「俺と笹木は一緒にヘルエスタシティを出た後にグンカンシティまでの道中を1日中探索してたんだよ」
「おかげで夜までいたから道分からんくなってその日は初めての野宿やったわ」
「で、昨日の夕方頃にようやくここに着いたってわけ。リゼはあの道でポケモン探したりしなかったのか?」
「私の方はちょっとしたトラブルがあってあんまり…。でも、ポケモンはゲットしたよ!」
「ウチらもや!なんなら後でバトルするか?」
と、会話に花が咲いていると1人の女性が近づいて来る
「ちょっとあなた達!学校の前でなにたむろしてるの!」
「あっ…!す、すみません…!実は私、この街のトレーナーズスクールを見てみたくて見学に来たんです!」
「ウチらも同じく」
「へぇ…。あなた達、ポケモントレーナー?」
「はい!とは言っても、一昨日から旅に出たばかりですけど…」
「なるほど、新米ってことね。いいわ、私が案内してあげる」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
「べつにいいわよ」
"こっちにも都合がいいし…"と、女性が最後にぼそりと呟く
「あぁ…そういえば自己紹介がまだだったわね。私は郡道美玲。ここのトレーナーズスクールで職員をやってるの…って、あら?」
郡道は自己紹介の最中、リゼの傍にいたある人物に気付く
「アンジュじゃない!久しぶりじゃん!」
「ど、どうも〜…」
「え!?アンジュ知り合いなの!?」
「ま、まあちょっとしたね…」
「ちょっとどころじゃないでしょ?私とアンジュは昔ポケモントレーナーとして覇を競い合った旅仲間なんだから!」
「えぇ!?そうなの!?」
と、驚くリゼにアンジュは頷く
「まったく、あんたのその陰湿さは変わってないわね」
「いや、その…単に私が郡道さんにこうなのはスキンシップが苦手だからというか…」
「何言ってんのよ、女の子同士なんだから…」
「あーーーー!!!それ以上はいけない!!まだうら若き少年少女がここにいるんですよ!!?」
「おっと、そうだったわ。まあ、積もる話はまた今度しましょうか。じゃあ、改めてここを案内するわ。付いて来てちょうだい」
と、一瞬ある意味でやばそうな雰囲気を郡道から感じ取るも、一向は彼女の案内に付いて行った
*
「それで、ここではどんな特別な授業をするんですか?バトルに自信のある人が多く輩出されるって聞いたんですけど…」
「まあ、すぐに分かるわ」
と、郡道に連れられてリゼ達は学校のグラウンドへと出る
そこには5人…おそらくはこの学校の生徒と思わしき子達がいた
「みんな!お客さんよ!」
郡道がそう叫ぶと、グラウンドにいた5人が駆け寄り、列を整える
「ほら、みんな自己紹介しなさい」
郡道に促され、青、緑、赤、黄色、ピンクの髪が特徴の子達がそれぞれ名乗り出る
「はい!西園チグサです!」
「北小路ヒスイで〜す!」
「朝日南アカネです!」
「東堂コハクと言いま〜す!」
「周央サンゴで〜す!どうも〜!」
生徒達の自己紹介が終わると、郡道は彼女達の前に立ち、リゼ達と向き合う
「この子達が、今私が受け持ってる生徒なの。じゃあ早速だけど、今からあなた達には私の生徒達とポケモンバトルをしてもらうわ」
「え…?えぇぇぇぇ〜〜〜!!?」
突然のことに、リゼは思わず声を上げる
「いいい、いきなりバトルってどういうことですか!?」
「ここのトレーナーズスクールではこの街に来た色んなトレーナーと勝負することでその腕を磨いてるの。バトルは身内同士でも出来るけど、初見の相手と多くやれる方が経験値は段違いに大きいから」
「なるほど、面白いやん!」
「なら、いっちょやってやるか!」
「うん。そこの2人はやる気十分ね。あなたはどうする?」
郡道に問われ、リゼは数秒考えて覚悟を決める
「…やります!」
「そうこなくっちゃ…!それじゃあ、ルールを説明するわ!あなた達にはウチの生徒と団体戦を行なってもらう!5人それぞれに1対1のバトルで先に3勝した方の勝ちとする!あなた達3人の内2人には2戦やってもらうわ!」
「2人だけ2戦…誰がやる?」
「ウチは全然ええで!」
「なら俺が1戦だけにさせてもらおうかな」
「じゃあ、私と笹木さんが2戦だね」
「決まったみたいね。それじゃあ、最初にバトルする人は位置について!」
「よし!先鋒はウチに任せろ!」
と、笹木が1番手を名乗り出てフィールドに立つ
対する生徒からは黄色髪の子…東堂コハクが位置につく
「よろしくお願いしますね」
「手加減はせぇへんからな!」
「では、両者ポケモンを!」
郡道の指示を受け、両者はボールを投げる
「行ってこい!スバメ!」
笹木が繰り出したのはこツバメポケモン:スバメ
「行ってきて!ピチュー!」
対するコハクが出したのはこねずみポケモン:ピチュー
「でんきタイプか…。ノーマル・ひこうタイプのスバメには相性の悪い相手だな…」
「問題ない!ウチのスバメはそんじょそこらの鳥ポケモンとは格が違うんや!」
コウの分析を笹木が謎理論で否定したところで、郡道がバトル開始の宣言を始める
「それでは、バトル始め!」
「ピチュー!"でんきショック"!」
開始と同時に先手を取ったのはコハク。ピチューの"でんきショック"がスバメに向かって放たれる
「スバメ!"でんこうせっか"や!」
"でんこうせっか"によって素早く動くスバメはピチューの"でんきショック"を躱し、そのままピチューへと攻撃する
「どうや!どんな攻撃も素早い動きで避ければなんてことないんや!」
笹木の言う通り、"でんこうせっか"によって素早く動くスバメにピチューは狙い通り攻撃を当てることが出来ず、一方的にダメージを与えられていた
「なるほど、そんな戦術が…」
「たしかに、ポケモンバトルにおいて素早さは重要になる。でも、素早さだけで勝負は決まらない」
リゼの関心に、アンジュがそう言ったところで異変は起きた
「スバメ!このまま"でんこうせっか"で倒しきれ!」
笹木の指示が飛ぶが、スバメが技を繰り出すことはなかった
いや、正確には技を繰り出すことが出来なかった
「ス、スバ…!」
「やっぱり…ピチューの特性:せいでんきで麻痺しちゃったか…!」
そう、スバメは幾度にもなるでんこうせっかによってピチューに接触したことで、ピチューが持つ特性:せいでんきによって麻痺してしまったのだ
「嘘やろ…!?頑張れスバメ…!あともう少しや…!」
笹木が懸命に叫ぶも、スバメの体は麻痺によって思うように動かなかった
「今だよ、ピチュー!"でんきショック"!」
そして、スバメの動きが鈍ったところで再びピチューの攻撃。こうかばつぐんの"でんきショック"が遂に命中する
「スバ〜…」
「スバメ…!?」
"でんきショック"の一撃に沈み、スバメは戦闘不能となった
「スバメ、戦闘不能!よって勝者、コハク!」
「やったー!よくやったね!ピチュー!」
バトルに勝ったコハクはピチューを抱きかかえてほっぺをすりすりしながら褒める
「くぅ〜…!麻痺さえ引かんかったらな〜…!ご苦労様、スバメ。ゆっくり休んでくれ」
「まずは生徒側の1勝ね。次は誰がやる?」
「…私がやります!」
「リゼ、ファイトやで!」
2戦目に名乗りを上げたリゼは笹木と入れ替わってフィールドに立つ
「それじゃあ、次は私が行こうかな」
対して生徒側から名乗り出たのは緑髪の子…北小路ヒスイだった
「では、両者ポケモンを!」
「お願い!キャタピー!」
「頼んだよ!キバニア!」
リゼはキャタピー、ヒスイはどうもうポケモン:キバニアを繰り出す
(このフィールドで水生ポケモン…!?いや、あの子もバトルに自信があるはずだから、油断は出来ない…!)
「それじゃあ、バトル始め!」
「キャタピー!いとをはく!」
まずは動きを鈍らせることから…と、リゼに指示に従い、キャタピーがいとをキバニアに向けて発射する
グラウンドの上をぴちぴちと跳ねるキバニアが避けることはない…そう思っていたが…
「キバニア!"アクアジェット"!」
水を纏ったキバニアは勢いよく空中へと飛び上がっていとをはくを躱し、そのままキャタピーへと攻撃する
「キャタピー…!大丈夫…!?」
リゼの心配に、キャタピーは"まだやれる"と言わんばかりに立ち上がる
「キャタピー!"たいあたり"!」
「キバニア!"どくどくのキバ"で迎え撃って!」
キャタピーとキバニア、2匹のポケモンの技がぶつかり合い、爆発が起こる
そして、爆発の煙が晴れたそこには…
「ピィ〜…」
キャタピーが目をグルグルさせて倒れていた
「キャタピー、戦闘不能!よって勝者、ヒスイ!」
「ナイス!キバニア!」
ヒスイはキバニアの頭を撫で、その勝利を褒める
「お疲れ様、キャタピー…。頑張ってくれてありがとう」
リゼは労いの言葉を述べ、キャタピーをボールに戻す
「さて、これでそっちはもう後がなくなったわね。それじゃあ、次は誰が行く?」
「…俺が行く」
と、この土壇場でコウが名乗りを上げる
「卯月、頼んだで!」
「コウさん、頑張って!」
「任せろ、俺が流れを変える」
まるで頼れる主人公のようにそう言って、コウはフィールドに立つ
果たして、リゼ達はここから3連続での逆転勝利ができるのか…!?
リゼ・ヘルエスタ
手持ち:ポッチャマ、イーブイ、キャタピー
アンジュ・カトリーナ
手持ち:ゴルーグ
笹木咲
手持ち:サルノリ、スバメ
卯月コウ
手持ち:ヒバニー
郡道美玲
手持ち:???
東堂コハク
手持ち:ピチュー
北小路ヒスイ
手持ち:キバニア