にじさんじ×ポケットモンスター   作:Mr.ソロ

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第30話「協力!vs主ポケモン!」

 

「バトル?今じゃないとダメなのか?」

 

 

イベントの真っ最中にも関わらず、バトルを申し込んで来た葛葉に竜胆は尋ねる

 

 

「ああ、普通に申し込んでも断られちまうからな。この数日間がそうだった」

 

 

葛葉はオニシズクモの一件から昨日までの間、竜胆とバトルしようと何度も彼女の下を訪ねたが、"酔っ払ってるから無理"、"これから用事があるから無理"等の理由で断られていた

 

だからこそ、相手がポケモンを連れ出していれば半強制的にバトルすることが出来るイベントのルールを葛葉は利用した

 

 

「そこまで妾とバトルしたかったのか…。なら、これまで無碍にしてごめんよ。えっーと…」

 

「葛葉だ」

 

「葛葉君ね。でも、"結果が見えている"バトルをすることに何の意味があるんじゃ?」

 

「"結果が見えてる"?なら、その結果を覆してやるよ…!俺をさっきの雑魚共と一緒にしてたら痛い目見るぞ…!」

 

「あやつ等と一緒だなんて思っとらんよ。お主はドーラの息子じゃからね」

 

 

竜胆の最後の言葉で、葛葉の中で何かがプツンと切れた

 

 

「どいつもこいつも…!俺のことをジムリーダー…ドーラの息子だからって…っ!俺は…俺達は母さんの実力を測るための物差しじゃねぇ…っ!母さんの実力から俺達を測ろうとすんじゃねぇ…っ!」

 

 

怒鳴り声を上げながら、葛葉はギャラドスを繰り出す

 

 

「お〜、ギャラドスか。うん、よく育てられておる」

 

 

竜胆は一目見ただけで、葛葉のギャラドスが強く育て上げられていることが分かり、感心を示す

 

 

「おい、葛葉!何やって…!」

 

 

イベントそっちのけでバトルを始めようとする葛葉に叶は声を掛けるが、彼の横顔を見た瞬間に口を噤んでしまった

 

葛葉の表情は怒りに満ちていた

 

それもイブラヒムの時以上であり、叶にとって、これほど怒りを露にした葛葉を見るのは幼少の頃以来であった

 

こうなった葛葉を止めることは出来ない。だからといって、叶はそんな葛葉を放って置くことは出来なかった

 

 

「…ごめん、ひまちゃん。それに凛月さんと天宮さんも。先に行っててもらってもいいかな?」

 

「兄やん…!?」

 

 

この場に残る…と、叶はひまわり達に伝える

 

 

「後で必ず追いかけるよ。葛葉のことは僕に任せて」

 

「…分かりました」

 

 

叶の頼みを聞き入れ、ひまわり達は自分達が挑戦する主ポケモンがいる場所へと走って行く

 

 

「…お前が付き合う義理はねぇだろ」

 

「寂しいこと言うなよ。僕達、クロノワールだろ?それに、一緒に強くなるって約束したじゃないか。1人勝手に進まれて迷子にでもなったら僕が苦労するんだから」

 

「…勝手にしろ」

 

 

叶にそう言い、葛葉は竜胆とラグラージに目を向ける

 

 

「やれやれ、ドーラも大変じゃな…。いいよ、少しだけ付き合ってあげる!ラグラージ!"ストーンエッジ"!」

 

「ギャラドス!"ハイドロポンプ"!」

 

 

葛葉と竜胆…2人のバトルが始まり、ギャラドスとラグラージの技が衝突する

 

 

「あらら…。おっ始めちゃったよ…」

 

「あいつ、Zリング欲しくないわけ…?」

 

「まあ、これも人それぞれって奴だ。さて、各場所の状況はどうなってるか…おっ…!」

 

 

舞元が各参加者の様子が映し出されたモニターに目を向けると、早くも主ポケモンの1体に接触するトレーナー達に注目する

 

 

 

 

「おい、いたぞ!あいつじゃないか…!?」

 

 

密林の東…そこにある湖の中央に佇む1体の主ポケモン:オニシズクモを見つけ、草陰の後ろからその様子を窺う1人のトレーナーが一緒に行動していた仲間に声を掛ける

 

 

「あれが主ポケモン…!デカいな…!」

 

「ああ、でもそれだけだ!3人がかりでやれば大したことはないだろ!」

 

「オニシズクモはみず・むしタイプ…。でんきかひこうタイプのポケモンで一気に勝負をつけるぞ…!」

 

「誰が倒しても恨みっこなしだからな?よし、いくぞ!いけ!レアコイル!"10まんボルト"!」

 

「いけ!カモネギ!"エアスラッシュ"!」

 

「いけ!ルクシオ!"でんげきは"!」

 

 

3人のトレーナーは草陰から飛び出すと、それぞれのポケモンを繰り出すとともに技を指示し、オニシズクモに仕掛ける

 

それに気付いたオニシズクモは"ねっとう"を繰り出して迎撃…3体全ての技を押し返し、炸裂させる

 

 

「レ、レアコイル…!?」

 

「カモネギ…!」

 

「ルクシオ…!」

 

 

たったの一撃で3体全員が戦闘不能寸前となり、3人のトレーナーは慌て出す

 

そこへトドメを刺そうとオニシズクモが3体に迫る

 

 

「ゴローン!"いわなだれ"だ!」

 

 

その時、オニシズクモの側面から現れた山男のゴローンが"いわなだれ"で奇襲…オニシズクモに直撃し、大きく土煙が舞う

 

 

「むっはっは!悪いな、お前さん等!ZリングとみずのZクリスタルは儂が…っ!?」

 

 

オニシズクモを倒したと思い、声高らかに勝ち誇る山男

 

だが、その最中に土煙の中からオニシズクモが飛び出し、ゴローンに"アクアブレイク"を炸裂させて戦闘不能にさせる

 

 

「ば、馬鹿な…っ!?」

 

「効果抜群の技をまともに食らったはずなのに…っ!」

 

「ぜ、全然効いてねぇだと…っ!」

 

 

効果抜群の技を受けたにも関わらず、早く力強い反撃を行ったオニシズクモに、山男だけでなく、それを見ていた3人のトレーナーも戦慄を覚える

 

 

『ゴローン、戦闘不能です。次のポケモンを10秒以内に出してください』

 

「ハッ…!い、いけ…!ノズパス…!」

 

 

警告を伝えに来たドローンロトムによって我に返った山男は次のポケモン:ノズパスを繰り出す

 

 

「こ、こりゃあ、1人では敵わんわい…!お前さん等…!ここは協力しようじゃないか…!」

 

「横取りしようとした癖によく言うぜ…!」

 

「でも、俺達3人でも歯が立たないんだ…!あいつが弱るまで、共闘してくれる奴は多い方がいい…!」

 

「だな…!レイドバトルだ…!」

 

 

山男を仲間に加えたトレーナー達は改めて、オニシズクモと相対する

 

 

「うひゃ〜…!アレが主ポケモンか〜…!おっかない強さだな…!」

 

 

そんな彼等を少し離れた木の陰から見ている青年が1人いた

 

 

「これは馬鹿正直にバトルに参加しない方がいいな。というか、あの4人だといい具合まで弱らせることも無理じゃないか?」

 

 

バトルをしなければ倒せず、横取りが成功するだけ弱らせることも出来ない

 

かといって、生半可な戦力ではそもそも弱らせることすら出来ない

 

どうすれば自分にとって楽な展開になるか、青年は少し考える

 

 

「そうだ!いいこと思い付いた!」

 

 

ニヤリ、と悪そうな笑みを浮かべた青年はその場から移動する

 

 

 

 

「いた…!もうバトルも始まってる…!」

 

 

密林の南西…そこに位置する洞窟の中に辿り着いたアンジュとニュイは主ポケモン:エンニュートとそれに相対するトレーナーとポケモン達を見つける

 

 

「ほのおタイプの主ポケモンはエンニュートか…!どくタイプも合わせ持ってるから状態異常に気を付けないと…!」

 

「うん、分かってる!私達も行くよ、アンちゃん!」

 

「ま、待って…!ソシエ…!」

 

 

エンニュートとのバトルに加わりに行こうとするニュイをアンジュが呼び止める

 

 

「その…ここでのバトルは…」

 

 

アンジュは何かを恐れ、不安そうにバトルに加わることを避けたい意志をニュイに伝える

 

アンジュの思う所を理解したニュイは少し考え、1つの提案を出す

 

 

「…分かった!なら、こうしよう!ここのバトルでは、アンちゃんは攻撃じゃなくて援護に回ってくれないかな?エンニュートの注意を引きつけてくれるだけでもいいから!」

 

「そ、それくらいなら…」

 

 

まだ少し不安が残っているようだったが、アンジュはニュイの提案を受け入れる

 

 

「よし、じゃあ改めて行くよ!出てきて!マフォクシー!」

 

「頼んだよ…!ビッパ!」

 

 

ニュイは"キツネポケモン":マフォクシー、アンジュはビッパを繰り出し、他の参加者達に加わってエンニュートとのバトルに臨む

 

 

「ヒヤッキー!"ねっとう"!」

 

「スナバァ!"マッドショット"!」

 

「ガントル!"ロックブラスト"!」

 

 

前線に立つトレーナー達が一斉に指示を出し、エンニュートへ攻撃を仕掛ける

 

複数のポケモンから繰り出された技をエンニュートは素早い動きで地を這い、跳び回りながら易々と躱していく

 

 

「くそ…!あの巨体でなんて速さだ…!」

 

「手数が全然足りてねぇ…!おい…!そこのあんた達も協力してくれよ…!」

 

 

前線に立つトレーナーの1人が離れた場所でバトルに参加せず、眺めているトレーナー達に呼び掛ける

 

 

「おいおい、このままだと自分達がピンチだからって俺達を巻き込もうとするなよな?」

 

「そうそう、先陣切って主ポケモンとまともにやり合ったお前等の自業自得だろ?」

 

「最後に自分が倒せりゃいいんだから、そのチャンスが来るまで馬鹿正直な連中に任せればいいんだよ。あっ!馬鹿正直なお前等にはそんなこと考えられなかったか!」

 

 

呼び掛けに対し、まだバトルに参加しないトレーナー達はゲラゲラ笑いながら協力を拒む

 

そんななか、全ての技を避け切ったエンニュートが反撃に転じ、"ヘドロウェーブ"を繰り出す

 

 

「よ、避けろぉ…!」

 

「無理だ…!広範囲技だぞ…!しかもこの洞窟の中じゃ…!」

 

 

エンニュートとバトルする場所は洞窟内の一際広い空間

 

そこは遮蔽物となりそうな岩もなければ、地面以外で足場に出来そうなものもない整えられた場所だった

 

そして、そんな場所での広範囲技による攻撃を避ける手段は限られる

 

空中を飛ぶことも地面の中に潜る術も持たず、その射程範囲外へと逃げ切ることが叶わないポケモン達はその攻撃を食らう以外に他なかった

 

 

「マフォクシー!"ひかりのかべ"!」

 

 

そこへ、ニュイのマフォクシーが"ひかりのかべ"を展開し、他の参加者のポケモン達を"ヘドロウェーブ"で大ダメージを負わないよう援護する

 

 

「た、助かったぜ…!」

 

「協力しないと倒すことは愚か、その寸前まで追い込むことも難しいだろうからね!それまでは、みんな協力した方が確実だと思うんだけどなぁ?それとも、ここで協力しない人達はすぐにやられちゃうような弱いトレーナーなのかなぁ?」

 

 

前線に立っていたトレーナー達の感謝に応えつつ、ニュイは協力しようとしない後方のトレーナー達を煽る

 

 

「聞き捨てならないが、その手には乗らないぜ?そうやって俺達も盤上に上がらせようって魂胆なんだろ?」

 

「そうだね。でも、そうした方が身のためだと思うよ?」

 

「ど、どういうことだ…?」

 

 

意味深な発言を口にするニュイに、トレーナー達が問い掛ける

 

 

「あんまり時間をかけ過ぎると、他の試練を終えたトレーナー達がここにも来る可能性があるって分かってる?」

 

 

ニュイの言葉にトレーナー達はギョッとする

 

そして、思い出すと同時に気付く…このイベントにおいて、チャンピオン:舞元は説明の時に"Zリングとクリスタルを貰えるのは最大で5人"と言った

 

だが、"1人1つしか貰えない"とは言っていない

 

つまり、1人が複数のZクリスタルを勝ち取ることも可能だということだった

 

そして、5つある試練の中で早く終わった参加者はその後どうするか?

 

当然、まだ終わっていない試練にも参加してくるだろう

 

それを理解したトレーナー達はニュイの言うことに一理あると考えが揺らぐ

 

 

「あなた達が思ってる以上にこの主ポケモンは強いよ。実は先日、別の主ポケモンと戦ったんだけど、その時は7人がかりでも苦戦して、結局のところは倒せなかったんだよねぇ」

 

 

"そして…"と、ニュイは付け加える

 

 

「あの主ポケモンは数人程度なら余裕で相手出来る強さがある。さっきのバトルを見ててそれは分かってると思うけど?」

 

「…つまり、相応の数がいなければバトルにならないと?」

 

「あなた達が四天王やチャンピオンくらい強ければ話は別だろうけど、そうでもない人達が数人程度で挑んでも、あの主ポケモンは弱らせることすら困難だよ」

 

 

Zリングとクリスタルの入手がそもそも不可能になる可能性がある

 

ニュイの言葉でそれを認めたのか、トレーナー達は次々と立ち上がり、ニュイ達に並ぶ

 

 

「チッ、そう上手いこといくわけはないか…。流石はチャンピオンが企画したイベントだ」

 

「協力してくれるってことでいいんだね?」

 

「ああ。だが、アイツが十分に弱るまでの間だ。そこから先は他の奴等を潰してでも取りに行かせてもらう」

 

「望む所!その時は返り討ちにしてあげる!」

 

「へっ!威勢のいい姉ちゃんだ!」

 

 

その場に集ったトレーナー全員の協力を得て、ニュイとアンジュは主ポケモン:エンニュートに相対する

 

 

 

 

「この辺りのはずなんだけどな…」

 

 

密林の東…オニシズクモがいる湖から少し離れたところでは、試練の場所を見つけ出せないでいたトレーナー達が彷徨っていた

 

 

「あっ…!そこの皆さーん!もしかして、みずタイプの主ポケモンに挑む人達ですかー?」

 

 

そこへ白いパーカーを着た金髪の青年が走り寄ってくる

 

 

「そ、そうだけど…」

 

「場所はあっちの方角ですよ!しかも既にバトルが始まってます!」

 

「ほ、本当か…!くそ、先を越された…!」

 

「でも安心してください。主ポケモンがめちゃくちゃに強くて、正直今バトルしてる人達だけだと弱らせるのも難しそうなんですよね」

 

「そ、そんなに強いのか…!?」

 

「でも、僕達がみんなで協力すれば誰かが最後に倒せるところまで追い詰められると思うんですよね!だから、ここは変に様子見とかせずに恨みっこなしで協力しません?」

 

「ま、まあ、実際に見てからだな。あんたの言う通り、先にバトルしてる連中が手こずってるようなら…」

 

「いやいや、むしろアレは加勢しないとヤバいですよ!効果抜群の技を受けても全然平気そうな様子だったし!しかも技も強力で、一撃で戦闘不能にさせられてたんですよ!このままだと、こっちの戦力が無くなって太刀打ち出来ない。みんな仲良く試練失敗…なんてことも…!」

 

 

自分達だけは安全に…等という考えでは試練をクリア出来ない可能性が高いことを青年に力説され、トレーナー達は危機感を抱く

 

 

「そ、それは流石に避けたいところだな…!分かった!あんたの言う通り、俺達も協力するぜ!」

 

「ありがとうございます!僕はまだ他にここの試練に挑む人が近くで迷っていないか探してから向かいます!あの主ポケモン相手には、人は多い方がいいですからね!」

 

 

感謝を伝え、青年は協力の意志を示してくれたトレーナー達を見送る

 

そして、ニヤリと悪い笑みを浮かべた

 

 

(よしよし、流石にあれだけの人数がいれば、あのめちゃくちゃ強い主ポケモンも追い詰めることが出来るだろ!あとは頃合いを見て最後を掻っ攫うだけ…!)

 

 

そう、この青年は自分だけがバトルを避けて楽をし、主ポケモンを弱らせるまでのバトルは他の参加者に任せようとしているのだ

 

 

「さて、後は誰にも見つからなさそうな場所から高みの見物でも…ん…?」

 

 

青年は移動しようと思ったところで、更に3人の参加者らしき3人のトレーナーを見つける

 

 

(まだいたのか…!うーん、これ以上人を増やすと最後を掻っ攫うのが難しくなるかもしれないけど、あの人数でも無理だった時がなぁ…。まあ、ヤバそうなら早めに対処すればいいし、一先ずあの人達にも声掛けるか)

 

 

少し考えた結果、青年は更に見つけた3人のトレーナーにも声を掛けることに決めた

 

 

 

 

「マズいな、他の参加者を見失っちゃったぞ…!」

 

「ごめんなさい、レインさん…。私があの時に足を止めちゃったから…」

 

 

密林の東…オニシズクモのいる湖の近くまで来ていたリゼはレインに謝罪する

 

イベント開始直後、リゼ達はオニシズクモのいると示された密林の東へ走り出したが、アンジュ達が気になったのか、リゼが後ろを少し振り返った時に竜胆がゴロツキ達に囲まれているのが目に入ってしまい、その時に思わず足を止めてしまった

 

だが、心配には及ばず、竜胆は見事にそのゴロツキ達を一蹴してみせ、結果的にリゼ達は要らぬ心配をして出遅れる形となった

 

 

「ううん。リゼさんが足を止めちゃったのは優しさからですし、四天王と言ってもあの数に囲まれてるのを見たら心配しちゃうのは当然だと思います。気にしないでください」

 

「それに相手はあの主ポケモンです。そう簡単にやられることもないでしょうから、焦らず行きましょうよ」

 

「はい…!」

 

 

レインとレオスにそう言われ、リゼは顔を上げる

 

 

「おーい!」

 

 

その時、リゼ達の下に1人の青年が駆け寄って来る

 

 

「もしかして、皆さんもみずタイプの試練に挑む参加者ですか?」

 

「は、はい…そうですけど…」

 

「主ポケモンがいるのはあっちの方角ですよ!既に大勢の人達がバトルに参加してます!」

 

「そうなのか!わざわざ教えてくれてありがとうな!」

 

「いえいえ、あんなに強い主ポケモンを倒すには参加者全員の協力が必要だと思ったので。皆さんは先に行ってください。僕はまだ他に場所が分からなくて迷ってる人がいないか探すので!」

 

「いや、その必要はないですよ」

 

「え…?」

 

 

レオスの言葉に、青年は素っ頓狂な声を上げる

 

 

「実は我々他の方々よりも出遅れてしまって、ここに挑戦する参加者の中で最後だと思うんですよ」

 

「たしかに、ここまでで追い抜いた人も後ろを走る人もいなかった!」

 

「そ、そうなんですか…。で、でもこことは違う方向に行って迷ってる人がいるかもしれませんし…!」

 

(ふむ…?)

 

 

青年の様子に不信感を覚えたレオスは彼に質問を投げかける

 

 

「ちなみに、主ポケモンがいる場所には既に何人くらい行きましたか?」

 

「えっと…20人以上はいたかな?」

 

「なら、あまり時間もかけていられませんね。それだけの参加者が既に協力してバトルしているなら、あの主ポケモンを追い詰めることは十分可能です」

 

「へ、へぇ…?主ポケモンを見てもないのに随分と自信たっぷりな推測ですね…」

 

「実は私達の友人がここにいる主ポケモン…オニシズクモとバトルしたんだけど、その時は7人でいいところまで追い込んでたよ」

 

「7人で…!?そ、それじゃあ…!」

 

「ええ、20人もいるならオニシズクモが追い詰められるのにそう時間は掛からないかもしれません」

 

 

事実を根拠にしたレオスの推測に青年は頭を抱える

 

 

「だから我々も早く参加した方がいいかもしれません。貴方もそうした方がいいんじゃありませんか?」

 

「そ、そうですね…!まだ迷ってる人がいたら申し訳ないけど、チャンスは逃したくないからな〜!」

 

 

ここで断れば変に怪しまれるかもしれない…そう思った青年は仕方なくレオスの提案に同意を示す

 

 

「じゃあ、一緒に行きましょう。私はリゼって言います。お互い、頑張りましょうね!」

 

「私はレイン!よろしくね〜!」

 

「レオス・ヴィンセントです。よろしく」

 

「エ、エクス・アルビオです…。よろしく…」

 

 

互いに自己紹介を済ませ、一同はオニシズクモのいる湖に向かって歩き出す

 

その最中、後ろを歩くエクスを怪しみながら、レオスはレインの傍に寄る

 

 

「どうしたの、ヴィンさん?」

 

「レイン君…詳しいことは省きますが、彼はかなり狡猾な人みたいです。一先ず、目が届くように同行させることは出来ましたが、ここから先は何をしでかすか分かりません。十分に気を付けてください」

 

 

小声でそう忠告するレオスに、レインは静かに頷く

 

 

(くそぉ…!まさか、あの主ポケモンが10人もいれば倒せるなんて…!しかも、この人達はオニシズクモのことを知ってるかもしれないから1番厄介な存在かもしれない…!正々堂々と最後だけ掻っ攫おうと思ったけど、こうなったらやるしかない…!誰かに倒される前に、参加者を全員脱落させる…!)

 

 

そして、レオスに疑われた当の本人:エクスは最後に自分が勝つために何でもする覚悟を決めるとともに道中の間でその算段を考える

 





リゼ・ヘルエスタ
手持ち:ポッタイシ、イーブイ、バタフリー
   サイホーン

アンジュ・カトリーナ
手持ち:ゴルーグ、ビッパ

葛葉
手持ち:リザード、ゴルバット、ギャラドス
   ガバイト

ニュイ・ソシエール
手持ち:マフォクシー、ムウマージ、ギャロップ

竜胆尊
手持ち:ラグラージ、???、???
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