にじさんじ×ポケットモンスター   作:Mr.ソロ

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第39話「攫われたメロエッタ!笹木、親友との再会!」

 

スメシシティの遊園地…そのアトラクションの1つ、お化け屋敷の中で幻のポケモン:メロエッタを連れたアイドルにしてポケモンパフォーマーの相羽ういはと出逢ったリゼ達は動揺していた

 

 

「な、なんで相羽ういはちゃんがこんなところに1人で…?」

 

「それに幻のポケモンを持ってるってどういうことなん…!?」

 

「そ、それは…」

 

 

素顔が露わになってしまったからか、ういはも焦る様子を見せる

 

そんななか、リゼ達とういはの間にアンジュが割って入る

 

 

「まあまあ、リゼも笹木さんも落ち着いて。気になることもあるだろうけど、ここに留まってると後から来る人達にも見られる。これ以上、メロエッタと自分が目撃されるのは困る…ですよね?」

 

「は、はい…」

 

「なら、まずはお化け屋敷を出ましょう。その後で、もし話を聞かせてくれるなら一緒にお昼ご飯を食べながらでどうですか?」

 

「…分かりました」

 

 

アンジュの提案をういはが承諾し、リゼ達は昼食を取るためにお化け屋敷を出てレストランへと向かう

 

 

 

 

「ふぅ〜!美味かったな〜!」

 

「そうだね。リオルも美味しかった?」

 

「リオ!」

 

「メロ〜!」

 

「メロエッタも美味しかったみたいだね」

 

 

遊園地のレストラン…その隅の席でリゼ達はういはと共に昼食を堪能した

 

 

「それじゃあ、改めまして相羽ういはと言います。本業はアイドル兼ポケモンパフォーマーだけど、今はポケモンリーグに挑戦するためにジムにも巡っています」

 

「ってことはチャンピオンを目指すライバルになるってことか!ウチは笹木咲!よろしく!」

 

「アンジュ・カトリーナです。よろしくお願いしますね」

 

「リゼ・ヘルエスタです。よろしくお願いします」

 

 

ういはとの自己紹介を終えたリゼ達は早速本題に入る

 

 

「あの…なんであんなところに1人でいたんですか?ういはさんくらい有名な人ならプライベートでもない限り付き添いの人がいたりするじゃ…」

 

「実は午後に行うパフォーマンスの運営を手伝ってくれてる遊園地のスタッフさんから"本番前の息抜きも兼ねて遊園地を回ったらどう?"って言われて、付き添いの方々が一緒にいると満足に楽しめないだろうからってコッソリ抜け出させてもらったんです」

 

「それで見つかると騒ぎになっちゃうから変装ってことか〜」

 

「でも、それだけじゃないですよね?」

 

「はい、せっかくだからメロエッタにも遊園地を楽しんでもらおうと思って…。でも、メロエッタは幻のポケモンだから私がトレーナーだと分かったら居場所もバレて危険だって知り合いからも注意されてて…。だからお願いします…!メロエッタのことはどうか誰にも言わないでください…!」

 

 

と、ういはは頭を下げてお願いする

 

 

「そ、そんな…!顔を上げてください、ういはさん…!」

 

「勿論、他言するつもりはありません。幻のポケモンともなれば尚更です」

 

「そうやな。最近だとにじレジ団とかいう連中がこの地方で悪さしてるみたいやし。そんな奴等の手に渡るよりもういはちゃんと一緒の方がメロエッタも嬉しいやろうしね」

 

「皆さん…ありがとうございます!」

 

「メロ〜!」

 

「リオ〜!」

 

 

リゼ達に約束してもらえて笑顔になるういはにつられてメロエッタとリオルも喜ぶ様子を見せる

 

 

「あはは、リオルもメロエッタとすっかり仲良しだね」

 

「ところで、差し支えなければメロエッタとは何処で出逢ったんですか?」

 

「メロエッタとはコーヴァスシティの東に位置するメイフ砂漠…そこにあるオアシスで出逢ったんです」

 

「さ、砂漠に行ったんですか…!?」

 

「はい、ジム戦前に砂漠のポケモン達とバトルして特訓しようと思って。それで当てもなく歩いてたらオアシスに辿り着いちゃって、そこで一休みしながら歌とダンスの練習をしてたら、この子が私の前に現れたんです」

 

「メロエッタは歌やダンスが好きなポケモンだから、きっと、ういはさんの歌とダンスが気に入ったんでしょうね」

 

「というか、砂漠歩いて野生のポケモンとバトルして、オアシス着いてからも歌とダンスの練習て…」

 

「うん…歌って踊るアイドルだから多少はと思ってたけど、かなり体力あるんだね…」

 

 

さらっと聞かされた内容からリゼと笹木はういはの人並みならぬ体力に呆然となる

 

 

「コーヴァスシティのジム戦前…ということは、ういはさんはもう既にコーヴァスのジムをクリアしているんですね」

 

「はい、バッジは今6個です」

 

「6個…!?早っ…!」

 

「ちゃんと旅をしてる皆さんと違って、私は街から街へはアーマーガア・タクシーや車で向かうので…。なんだかすみません」

 

「まあ、有名なアイドルならお仕事の都合もあるだろうからね」

 

「でも、そんななかでポケモンリーグに挑戦するなんて大変だと思うのに凄いです」

 

「えへへ、そうかな〜?とは言っても、チャンピオンを目指すのが目的じゃないんです」

 

「え?そうなん?」

 

「じゃあ、どうしてポケモンリーグに挑戦を…?」

 

 

リゼ達の質問に、ういはの表情にほんの少し哀しさが浮かぶ

 

 

「…知り合いに勝ちたい人がいるんです。ポケモンパフォーマーの私とは違う意味で凄い人なんだけど、バトルが楽しくなくなっちゃってるみたいで…。私が張り合えるくらい強くなれば、バトルに対する熱を取り戻してくれるんじゃないかって。そう思って友達や他の知り合いの人達と一緒にポケモンリーグ…チャンピオンリーグを目指そうと決めたんです」

 

「え?心配されてるその知り合いの人、めちゃくちゃ幸せ過ぎん?」

 

「何人にもそう思ってもらえるなんて本当に凄い人なんだろうね」

 

「その人を想う、ういはさんとご友人方の気持ち…素晴らしいです!ライバルとしてチャンピオンを目指すことを譲る気はないですけど、応援します!」

 

「ありがとうございます。それに敬語じゃなくていいですよ。リゼさん達ももう友達です。改めて、よろしくね」

 

「こ、こちらこそ…!」

 

「いや、全然畏まってるって」

 

「だ、だってアイドルだよ…!?そう簡単に馴れ馴れしく出来ないよ…!」

 

「自分は皇女なのに馴れ馴れしくされるのはいいのに?」

 

「そ、そこは兄上譲りの寛大な心があるからだよ…!」

 

「じゃあ、ういはちゃんは寛大じゃないんか〜」

 

「いや、そうじゃなくて…!そこは私の気持ちの問題で…!」

 

「あはは、困らせちゃってごめんね?少しずつ慣れてもらえたら嬉しいから、無理しなくていいですよ」

 

 

笹木に弄られるリゼに、ういははそう言葉を掛けて席を立ち上がる

 

 

「さて、それじゃあ特別パフォーマンスが始まる前に最後のアトラクションに行こうかな。良かったら一緒に行きませんか?」

 

「はい、是非!」

 

 

ういはに誘われ、リゼ達はレストランを出て最後のアトラクションなるものへと向かう

 

 

 

 

「えーっと…メモが添付された地図にはここのはずなんだけど…」

 

「周りに誰一人おらんけど、本当にここで合ってるん?」

 

「あ…!アレじゃない…!?アトラクション…!」

 

「アトラクション…にしてはだいぶ小さくない?」

 

 

遊園地の西端…人気のない通りに入ったリゼ達は周囲の様子に不安こそ抱くも、その奥にアトラクションと思しきテントを見つけた

 

 

「これ、本当にアトラクションなんか?というかちゃんとやってるん?」

 

「あ…ゲストの方でs…うえっ!?」

 

 

あまりの怪しさに笹木が訝しんでいるとテントの中からスタッフと思われる黒いフードを深く被った声からして女性の人が出てきて、その矢先に何故か急に大声を上げて動揺を見せる

 

 

「え…?な、なんすか…?」

 

「げほっ!げほっ!あ…いや…その…」

 

「あら、ゲストさんかい?どうかなさったんで?」

 

 

様子のおかしいフードの女性にリゼ達が引くなか、テントの中から更に1人…黒いフードを被った女性が姿を現す

 

 

「じ、実はそちらの方の様子がおかしいみたいで…」

 

「ほう?どうしたんだい?」

 

 

フードの女性Yに呼ばれ、フードの女性Sは慌てて駆け寄りゴニョゴニョと耳打ちする

 

 

「あ〜…そういうことかい。いやぁ、すみませんねゲストの皆さん。この人、ゲストの皆さんがあまりに素敵な女性の方々だったために驚いてしまって」

 

「…!?」

 

「そ、そうだったんですか…?」

 

「まあ、あの焦り様はそういうこと…なんかな?」

 

「へぇ、見る目あるじゃん」

 

「いや、なんで嬉しそうなのアンジュ…?」

 

 

フードの女性Sはフードの女性Yの発言に何か言いたげな様子だったが、特に声を上げることはなく後ろへと退がっていき、リゼ達はとりあえずその説明に納得した

 

 

「ま、まあええわ…。ところで、ここはどんなアトラクションなんや?」

 

「ここでは占いをやっています。通な人達からは専ら人気なんですよ?今日はこの後の特別パフォーマンスというイベントもあって空いてますが」

 

「いや、だとしても空き過ぎやろ…」

 

「まあまあ、せっかくだし私は1つ占ってもらおうかな」

 

「ええ、どうぞどうぞ。中へお入りください。皆さんも」

 

 

と、フードの女性Yに促されてリゼ達は蝋燭が灯る暗いテントの中に入る

 

 

「さあ、こちらへ」

 

 

フードの女性Yにそう言われ、水晶玉が置かれた机を挟む形で女性の対面にういはが座り、リゼ達はその後ろの椅子に座る

 

 

「では、占いますよ〜」

 

「よろしくお願いします」

 

「むぅ〜…。むむむ…!貴女、とても珍しいポケモンを持っていますね?それも最近出逢ったそうな」

 

「「「「…!?」」」」

 

 

フードの女性Yの言葉にリゼ達は動揺する

 

 

「ほっほっほ!本当に当たるとは思ってなかった…という反応ですね」

 

「…そのポケモンに何か?」

 

「う〜む…。良くない出来事がこの先に起こるのは分かってるんですが、はっきりとまでは…。もしよければ、そのポケモンを直接見せてもらえないかい?無理ならボールに入れたままでも」

 

「そ、それなら…」

 

 

と、メロエッタの存在を的中させたフードの女性Yに従い、ういははメロエッタが入っているボールを取り出して見せる

 

 

「ふむふむ、これがそのポケモンの…」

 

「この子に一体何が起こるって言うんですか…?」

 

 

ういはが不安そうに質問すると、フードの女性Yはニヤリと笑みを浮かべる

 

 

「誘拐…だよ」

 

 

ボンッ…!

 

 

「「「「…っ!!?」」」」

 

 

フードの女性Yが質問に答えた直後、テントの中に煙幕が充満する

 

 

「…っ!?」

 

「な、なに…!?」

 

「何も見えない…!」

 

「これもアトラクションの一環か…!?だとしたらやり過ぎやろ…!」

 

「皆さん、伏せてください!アゲハント!"ぎんいろのかぜ"!」

 

 

動揺するリゼ達にういはが叫び、アゲハントを繰り出して"ぎんいろのかぜ"を指示する

 

 

「う、うわああああああああ…っ!?」

 

「きゃああああああああ…っ!?」

 

 

"ぎんいろのかぜ"が放たれた直後にフードの女性2人の叫び声が上がり、煙幕及びテントが吹き飛ぶ

 

 

「おお…!煙が晴れた…!」

 

「で、でもなんで急に煙幕が…?」

 

 

リゼが困惑するなか、ぐちゃぐちゃになったテントの底からフードの女性2人が這い出てくる

 

 

「いたた…!無茶苦茶するやん、どこが可愛らしいアイドルやねん…」

 

「いた…!アゲハント!"スピードスター"!」

 

「え…!ういはさん…!?」

 

 

驚くリゼ達に構うことなく、ういはは出てきたフードの女性2人に向けてアゲハントに"スピードスター"での攻撃を指示する

 

 

「あわわ…っ!?フ、フーディン!お願い!」

 

 

迫る"スピードスター"にフードの女性Yが慌てて繰り出した"ねんりきポケモン":フーディンがその身で攻撃を受け止める

 

 

「え…!?どういう状況…!?」

 

「ういはさん…!なんであの人達に攻撃を…!?」

 

「奪られたんです!さっきの煙幕に乗じて、メロエッタが入ってるモンスターボールを!」

 

 

質問に対するういはの発言にリゼ達は驚愕する

 

 

「な、なんだって…!?」

 

「ポケモン泥棒…!?」

 

「おい!お前達何者なんや!」

 

 

体を起こしたフードの女性2人に笹木が問い詰める

 

 

「お嬢ちゃん!こうして顔を隠してる相手が親切に正体を教えてくれると思ったら大間違いだよ!」

 

「な、なぁ…!例のポケモンは手に入ったんやろ…!?ならさっさと逃げようよ…!」

 

「そうですね!それじゃあ、フーディン!"テレポート"の準備!逃げるよ!」

 

「させない!アゲハント!"ぎんいろのかぜ"!」

 

 

フードの女性2人が短距離から長距離まで瞬時に移動できる技"テレポート"で逃走しようとするなか、即座に反応したういはの指示にアゲハントも素早く応え、フーディンに効果抜群となる"ぎんいろのかぜ"を炸裂させる

 

 

「フ、フーディン…」

 

「えぇっ!?嘘でしょ!フーディン!」

 

「ちょ…!どないすんの…!?」

 

「こ、こうなったら…!全速力で逃げる…!」

 

「やっぱそうなるかー!」

 

 

フーディンがやられて"テレポート"による逃走が叶わなくなったフードの女性2人はフーディンを戻した途端に全速力で西に向けて走り出す

 

 

「逃しません!いくよ!アゲハント!」

 

「ウチ等も追うぞ!」

 

「うん!アンジュは警備の人にこのことを伝えに行って!」

 

「くっ…!わ、分かった…!でもリゼ…!無茶だけはしないでよ…!」

 

「うん…!分かってる!」

 

 

アンジュと分かれ、リゼはういは、笹木と共にフードの女性2人を追い掛ける

 

 

 

 

「はぁ…。やっぱり人が多いところは苦手だなぁ…。エビ先輩に付いて来てもらえばよかったかも…」

 

 

遊園地の警備施設…迷子や盗難等が無ければまず人が寄らないその近くのベンチで座っていたアルスは溜め息を吐いていた

 

アルスは本来、人…特に俗に陽キャと呼ぶ人達も大勢いる所に1人で行くことが苦手であった

 

だが、そんなアルスは今そういった人達が集まりやすい遊園地に来ていた

 

 

「でも、遊園地で遊ぶつもりもないし、ういはちゃんのパフォーマンスよりもスタジアムで"あの2人"とバトルしてる方が退屈しないだろうしなぁ…」

 

 

アルスが遊園地に来た理由…それは友人であるういはの特別パフォーマンスを見るためだった

 

 

「トゲ?」

 

「トゲデマルもごめんね?本当は遊園地で遊びたいと思うのに…。でも、ういはちゃんのパフォーマンスは凄いからそれで勘弁してね」

 

「トゲ〜!」

 

 

連れ歩いているトゲデマルを撫でながら特別パフォーマンスの開始を待つなか、アルスはこちら…警備施設に向かって走って来る人物に気付くと同時に見知ったその人物がここにいることに驚きの声を上げる

 

 

「ア、アンジュさん…!?」

 

「あ…!アルスさん…!」

 

「そんなに慌ててどうしたんですか…?それにリゼさんは…?」

 

「ごめん、アルスさん…!詳しい話は後で…!」

 

 

と、アンジュはアルスの質問に答えるのを後回しにして、急いで警備施設に入っていく

 

 

「すみません…!遊園地の西端で相羽ういはさんのポケモンが奪われたんです…!本人と私の友人達が追い掛けてるので、至急応援をお願いします…!」

 

「ういはちゃんのポケモンが奪われた…!?」

 

 

外からでも聞こえたアンジュの言葉にアルスは驚愕し、慌てふためく

 

 

(ど、どうしよう…!助けに行きたいけど、事件が起きた場所からはもう離れてるだろうし、今から追い付くことなんて出来ない…!かと言ってこのまま何も出来ずにただ待つなんて…!)

 

「そうだ…!」

 

 

ういはの危機に思考を巡らせたアルスはある人物に頼ろうと考え、スマホを取り出して電話を掛ける

 

 

 

 

「ん…?アルスから電話…?なんだろう…もしもし、アルス?」

 

 

スメシシティの南に位置する児童施設…その薄暗い一室の中で何台ものモニターに囲まれている男性がアルスからの着信に出る

 

 

『まゆ君…!大変なんだ…!力を貸して…!』

 

「落ち着きなって、アルス。それで、何があったの?」

 

『遊園地でういはちゃんのポケモンが奪われたみたいなんだよ…!』

 

「なんだって…?」

 

『ういはちゃんは知り合いと一緒に追い掛けてるらしいんだ…!僕、いてもたってもいられなくって…!でも、僕には何も出来ないから…!お願いだよ…!まゆ君…!』

 

「話は分かった。とりあえず、遊園地のどの辺りで起こったか分かる?」

 

『えっと…目撃した知り合いは西の端っこって言ってた…』

 

「西の端だね?ありがとう、アルス」

 

『で、でもそれだけで犯人とういはちゃんの居場所が分かる…?』

 

 

アルスの不安に男性は尚も冷静に答える

 

 

「問題ないよ。後は俺とういはとその知り合い達に任せて」

 

 

 

 

「待てーっ!」

 

「メロエッタを返せーっ!」

 

 

スメシシティ西側…リゼ達とフードの女性2人との逃走劇は遊園地の外へと続いていた

 

 

「はぁ…!はぁ…!マジでしつこい…!このままじゃ追い付かれるよ…!」

 

「最悪バトルで迎え撃つしかないけど、先輩1対1じゃないバトル苦手ですからね…!」

 

「うん!無理ぃ!」

 

「となると、実質私とあの3人の1対3かぁ…流石に私もそれは無理がありますね。2人までならなんとか出来るかもしれないけど…」

 

 

"そうだ…!"と、何か閃いたフードの女性Yは急に1つのモンスターボールをフードの女性Sに渡す

 

 

「え…?これなに…?」

 

「先輩!囮作戦です!向こうがどう分かれても今よりマシにはなるから、負けたらすぐに逃げてください!いけ!マタドガス!」

 

「ちょ…っ!?嘘やろ夜見ぃ…!?」

 

 

1人置き去りとなったフードの女性Sが叫ぶなか、フードの女性Yはそう告げると通常とは異なるガラルの姿である"どくガスポケモン":マタドガスを繰り出してその体に乗って空へと逃げる

 

 

「おい!1人空に逃げたぞ!」

 

「でも、今ボールがもう1人に…!」

 

「1人に絞らせないための囮かもしれません!私は空を飛んでる人を追います!」

 

「ならウチはあいつを追う!リゼはういはちゃんと一緒に行って!」

 

「え…!笹木さん1人で大丈夫なんですか…!?」

 

「置いてけぼり食らったあいつ、様子からしてなんか弱腰や!ウチ1人でなんとかなるやろ!ただ、もう1人は分からへん!だから念のためにそっちは2人の方がいいと思う!」

 

「わ、分かった!気を付けてね!」

 

「そっちこそな!」

 

 

フードの女性2人の行動に対応するべく、リゼとういはは笹木と分かれてマタドガスに乗って逃げる女性を追う

 

 

「さあ!観念しろよ!このポケモン泥棒がぁ〜!」

 

「嘘やろ…!勘弁してよ…!」

 

(ふざけんなふざけんなふざけんな…!あてぃしを囮にした夜見もそうやけど、なんでよりにもよってお前が追い掛けて来んねん…!いや、もう1人おったあいつにも顔は知られてるんやけど、だとしてもまだあっちの方がよかったわ…!)

 

 

そして、笹木に追い掛けられることとなったフードの女性は内心でこの状況に対する愚痴をぶちまけ、絶対に追い付かれるわけにはいかないと全速力で走る

 

 

「逃げ足だけは早いな…!仕方ない、これもお前等の自業自得や!任せたで!オオスバメ!"でんこうせっか"!」

 

 

このままでは事態がなかなか好転しないと判断した笹木は"ツバメポケモン":オオスバメを繰り出し、"でんこうせっか"を指示する

 

 

「いったぁ…っ!」

 

 

オオスバメの"でんこうせっか"による体当たりが背中に直撃し、女性が倒れ込むと同時に被っていたフードがめくれてその素顔が露になる

 

 

「…っ!?」

 

 

その正体に笹木は思わず驚愕して足を止める

 

 

「椎名…?お前なんか…?」

 

「……」

 

 

正体がバレて、本人なのかどうか確認してくる笹木に名前を呼ばれた椎名は攻撃を受けて痛む背中を摩りながらゆっくりと立ち上がる

 

 

「仮にあてぃしじゃなかったとしても…」

 

「え…?」

 

「背中向けてる相手にポケモンの技で攻撃するとか酷過ぎるやろーっ!いけぇ!ゲンガー!"10まんボルト"!」

 

 

立ち上がった直後、攻撃されたことへと怒りを表した椎名は"シャドーポケモン":ゲンガーを繰り出して"10まんボルト"をオオスバメに炸裂させる

 

 

「スバァ…ッ!」

 

「…っ!オオスバメ…!戻れ…!」

 

 

"10まんボルト"によって大ダメージを受けたオオスバメを笹木はボールに戻し、椎名に向かい合う

 

 

「あーあ…。本当、最悪や…。まさかお前にバレてまうなんて…」

 

「やっぱり椎名で間違いないよな…!お前、今まで何処におったんや…!それになんでこんなことしてるんや…!」

 

「笹木…悪いけど、それは答えられへんわ。それと出来ればお前とは戦いたくない…。ここは見逃してくれへんか?」

 

「出来るわけないやろ…!中等部卒業後、急に行方を晦まして…ようやく会えたと思ったら人のポケモンを奪おうとしてる…!"親友"がそんなことしてるの知って、見て見ぬ振りなんて出来るわけないやろ…っ!任せたで…!ゴリランダー!」

 

 

椎名の頼みを断固拒否し、笹木は"ドラマーポケモン":ゴリランダーを繰り出す

 

 

「隠してること全部洗いざらい話してもらうぞ、椎名!力尽くでや!」

 

「そっか…ならしょうがないな。あてぃしもまだ捕まるわけにはいかんから、面倒だけど本気で抵抗させてもらうよ」

 

 

笹木と椎名…かつて、幼い頃からの親友だった2人は最悪の形で再会し、バトルに臨み合う

 





リゼ・ヘルエスタ
手持ち:エンペルト、イーブイ、バタフリー
   サイホーン、リオル

アンジュ・カトリーナ
手持ち:ゴルーグ、ビッパ

笹木咲
手持ち:ゴリランダー、オオスバメ、ガラガラ(アローラ)

椎名唯華
手持ち:ゲンガー

夜見れな
手持ち:フーディン、マタドガス(ガラル)

相羽ういは
手持ち:メロエッタ、アゲハント
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