グンカンシティのトレーナーズスクールで出会った女性…郡道が受け持つ生徒5人と団体戦での勝負をすることとなったリゼ、笹木、コウ
1戦目のコハクと2戦目のヒスイに笹木とリゼがそれぞれ敗れ、あと1戦負ければ敗北となる土壇場で3戦目のバトルにコウが名乗りを上げる
「それで、そっちの3人目は誰が相手だ?」
「それじゃあ、私が」
3戦目のコウの相手として名乗り出たのは赤髪の子…朝日南アカネ
2人が位置についたのを確認し、郡道が指示を出す
「では、両者ポケモンを!」
「行け!ヒバニー!」
「行っておいで!ポニータ!」
コウとアカネがそれぞれ繰り出したのは互いにほのおタイプのポケモン…うさぎポケモン:ヒバニーとひのうまポケモン:ポニータ
「ほのおタイプ同士の戦いか…。これは勝敗が予想つかないな」
アンジュの意見を聞き、リゼと笹木は固唾を飲んでバトルを見守る
「それでは、バトル始め!」
「ポニータ!"ひのこ"!」
先に動いたのはポニータ。"ひのこ"をヒバニーへと放つ
「ヒバニー!こっちも"ひのこ"だ!」
対するコウもヒバニーに"ひのこ"を指示し、ポニータの"ひのこ"とぶつけ合わせ相殺させる
「ポニータ!"たいあり"!」
「ヒバニー!"でんこうせっか"!」
ポニータとヒバニーが互いに突っ込む
だが、ヒバニーは狙いが定まらないよう"でんこうせっか"のスピードを活かした不規則な動きでポニータを翻弄する
「今だヒバニー!ポニータの足下目掛けて"にどげり"!」
ポニータの動きが止まったところで、ヒバニーはポニータの足目掛けて"にどげり"を炸裂させる
「ポニータ…!?」
攻撃を受けたポニータは体勢を崩し、その場に大きく倒れ込む
「決めろヒバニー!"たいあたり"だ!」
「ヒバァ…!」
そして、ヒバニー渾身の"たいあたり"が決まり、ポニータはダウンする
「ポニータ、戦闘不能!よって勝者、卯月!」
「よし!よくやったぞ!ヒバニー!」
「ヒバァ!」
コウとヒバニーは互いに拳を突き出して勝利の喜びを分かち合う
「お疲れ様、ポニータ。ゆっくり休んでね」
アカネはポニータの体を優しく撫で、労いの言葉とともにボールへと戻す
「コウさん!ナイス!」
「毎回上から目線なだけはあるな!」
「笹木のそれは褒めてないだろ」
コウの勝利にリゼと笹木が声を上げて喜ぶ
「まだ1勝取り返しただけよ?まだ崖っぷちなことに変わりないことを忘れないでよね。さあ、次は誰がやるの?」
郡道の言葉で我に返ったリゼは気持ちを切り替える
「よし、今度こそ私が…!」
「リゼ、大将は任せた!ウチが行ってくる!」
「え!?ちょっ…!笹木さん待ってよ…!」
大将戦をなすり付けられて叫ぶリゼに構うことなく、笹木は再びフィールドに立つ
「よーし!アカネの敵はあたしが取ってくるからね!」
生徒達の4番手に青髪の子…西園チグサが元気よく名乗りを上げ、フィールドに立つ
「では、両者ポケモンを!」
「頼んだで!サルノリ!」
「行けぇ!キャモメ!」
笹木が繰り出したのはサルノリ。対するチグサが繰り出したのはうみねこポケモン:キャモメ
「みずタイプのキャモメならサルノリが不利じゃないよね!」
「いや、キャモメにはひこうタイプも付いてる。2戦ともタイプ相性の運が悪いとか、あいつゴーストポケモンでも取り憑いてるんじゃないか?」
「おい!聞こえてんねん!勝手に負けムードになってるんちゃうぞ!」
コウの発言に、笹木が噛み付く
「それでは、バトル始め!」
「行け、サルノリ!"えだづき"や!」
先手を取ったのは笹木…指示を受けたサルノリはスティックを手にキャモメに突っ込む
「キャモメ!"でんこうせっか"!」
対するチグサはこれまでのバトルでも使われた"でんこうせっか"による撹乱戦術に出る
そしてこれまでと同様、キャモメの"でんこうせっか"による素早い動きに狙いが定められず、サルノリの動きが止まる
「その手にはかからんで!サルノリ!"なきごえ"!」
だが、笹木は冷静に指示を出し、サルノリの"なきごえ"を受けたキャモメの攻撃が弱まる
「相手の技の威力を弱めれば、こっちがそう簡単に倒れることはない!デバフ様々や!サルノリ、もう1度"なきごえ"!」
前回、リゼとの戦いで得た経験から補助技の有用性に気付いた笹木はまずは相手の弱体化を狙うべく、デバフ攻撃を続行する
「キャモメ!"ちょうおんぱ"!」
対するチグサは"なきごえ"と同じ音技である"ちょうおんぱ"でキャモメに迎え撃たせる
2つの技がぶつかり合うが、キャモメの"ちょうおんぱ"が僅かに勝り、"なきごえ"を押し退けてサルノリに命中し、"ちょうおんぱ"を受けたサルノリは混乱する
「ル、ルキィ〜…?」
「サ、サルノリ…!?しっかりしろ…!"えだづき"や…!」
笹木は指示を出すも、混乱状態のサルノリは自身にダメージを与える
「よしよし!キャモメ!"でんこうせっか"だ!」
混乱状態でまともに動けないサルノリを、チグサはここぞとばかりに攻め、キャモメの"でんこうせっか"が連続で炸裂する
「くっ…!頑張れサルノリ!お前はウチが見込んだポケモンや!こんなところで負けるな!」
「ル…ルキッ!」
笹木の想いが届いたのか、混乱状態が解けたサルノリは"えだづき"でキャモメに反撃する
「混乱が解けちゃったか…!でももう1度やれば関係ないね!キャモメ!もう1度"ちょうおんぱ"!」
再びキャモメが"ちょうおんぱ"を放つ体勢に入る
だが、それが放たれる前に笹木とサルノリが動いた
「そうはさせへんで!サルノリ!"ちょうはつ"や!」
サルノリの"ちょうはつ"によって煽られ、キャモメは"ちょうおんぱ"を放つのを止める
「キャ、キャモメ…!?」
「今やサルノリ!"えだづき"ぃ!」
「ルキィ〜ッ!」
サルノリ渾身の"えだづき"が決まり、キャモメは地面に落ちる
「キャモメ、戦闘不能!よって勝者、笹木!」
「よっしゃあ!よくやったぞ!サルノリィ!」
「ルキルキィ〜!」
見事な勝利を収めたサルノリを笹木はこれでもかと抱き締めて褒める
「あちゃ〜…!勝てると思ったんだけどな〜…!キャモメ、お疲れ様」
勝利のビジョンが見えていただけに悔しさを吐露したチグサは奮闘したキャモメを労い、ボールへと戻す
「笹木さん!凄かったよ!」
「ああ、相手の厄介な補助技をちょうはつで封じた判断はナイスだったぞ!」
「ふふん!前のウチとは一味違うからな!」
と、笹木は胸を張る
「やるじゃない。これで2対2…次で勝負が決まるわ。最後はリゼとうちのサンゴね」
「は、はい…!」
「は〜い!よろしくお願いしま〜す!」
郡道に言われ、2人はフィールドへと移動する
「1番幼そうなあの子が向こうの大将か…。全然緊張してるようにも見えないし、一体どんなポケモンを使うんだろうな」
「リゼー!絶対勝てよー!」
「自分の番が終わったからって気楽に言わないでよ笹木さん!あぁ…勝敗の命運を分ける大将戦なんて荷が重いよぉ…」
大将戦の重荷を感じてナーバスになるリゼに、向かい合うサンゴが声を掛ける
「まあまあ、お姉さん。そう緊張しないで楽しくバトルしよ?」
「え?あ、う、うん…そうだね?」
ニコニコと陽の者を漂わせるサンゴに、リゼは後退り気味に応える
「では、両者ポケモンを!」
「お願い!ポッチャマ!」
「行っておいで!プリン!」
最後のバトル…リゼはポッチャマは繰り出し、サンゴはふうせんポケモン:プリンを繰り出す
「プリンか…。なかなか厄介なポケモンが相手に出てきたな…」
「そうなん?あんまり強そうには見えないんやけど…」
「見た目はな。でも、プリンの代名詞とも言える技が非常に厄介なんだよ」
プリンというポケモンの厄介さについてアンジュとコウがそう語る
「それでは、バトル始め!」
「ポッチャマ!"はたく"攻撃!」
「プリン!"まるくなる"!」
ポッチャマの"はたく"はプリンの"まるくなる"による防御で小さいダメージで受けられる
「"まるくなる"…!これだと物理技の効き目が薄い…!ポッチャマ!"あわ"攻撃!」
防御力を上げられるならと、リゼは特殊技で攻めることに切り替え、ポッチャマの"あわ"がプリンに炸裂する
「プリン!"うたう"攻撃!」
「まずい…!リゼ…!それを食らったらダメだ…!」
アンジュが叫ぶ。だが、プリンの歌声とともに放たれた無数の音符がポッチャマを包み込む
「ポ、ポチャ…Zzz…」
「ポッチャマ…!」
そして、音符に当たったポッチャマを激しい眠気が襲い、そのまま眠り状態になる
「これだ…!"うたう"は相手を眠り状態にさせる技…!麻痺みたいな継続的な状態異常じゃないけど、その間は一切何も出来なくなる…!」
「マジか…!あの子、あの見た目で相当やばい戦法使うやん…!」
「ふふん!こうすればもうこっちのもんだよ!プリン!連続で"はたく"攻撃!」
ポッチャマが動けなくなったのを好機に、プリンの"はたく"が連続して炸裂する
そして何度目かのはたくで大きく吹き飛ばされた時、ようやくポッチャマの目が覚める
「ポッチャマ…!大丈夫…!?」
「ポ、ポチャ…っ!」
だが、幾度と受けたはたくのダメージで既に体力はあと僅かとなっていた
「意外とタフだね〜。でも、もう終わりだよ!プリン!もう1度眠らせちゃえ!"うたう"攻撃!」
サンゴの追い討ちをかける
だが、リゼの闘志は消えてはいなかった
「ううん!まだ勝負は終わってない!私は最後まで諦めない!ポッチャマ!"あわ"攻撃!」
リゼの想いを受け、ポッチャマが技を放つ
だが、放たれたそれはリゼが指示したあわではなかった
「あれは…"バブルこうせん"!?」
そう、この土壇場でポッチャマは"バブルこうせん"を覚えたのだ
"バブルこうせん"は"うたう"の音符を容易く打ち砕き、そのままプリンへと炸裂する
「プリィ〜…!」
"バブルこうせん"を受け、プリンはその場にダウンする
「プリン、戦闘不能!よって勝者、リゼ!そして3対2でチャレンジャー側の勝利!」
「勝った…。やった…!やったよ!ポッチャマ!」
「ポチャ〜!」
バトルに勝利し、リゼとポッチャマは喜びのあまりに抱きつき合う
「凄いよポッチャマ!あなた、"バブルこうせん"を使えるようになったのね!それに威力も凄かった!」
「いや、威力が凄かったのはポッチャマの特性のおかげだよ」
「特性…あっ…!」
アンジュに指摘され、リゼが気付く
「そう、ポッチャマの特性:げきりゅう。体力が僅かになった時にみずタイプの技の威力が上がるんだよ」
「追い込まれたことで、逆にポッチャマの力を引き出すことになったのね」
「あ、郡道さん…!」
「最初は拍子抜けしちゃうかと思ったけど、3人共後半はポケモンの特徴や技を活かしたいいバトルだった。うちの生徒達にもいい刺激になったわ」
「はい!楽しかったです!」
「色々と学ばせてもらいました」
「課題も見つかったしね」
「次またバトルする時は負けませんからね!」
「もっともっとバトルして、いつかポケモントレーナーとして最高に楽しいバトルをしようね!」
「おう、楽しみにしてるよ」
「その時はウチらも強くなってるけどな!」
「みんな、今日はありがとう!」
と、リゼ達と生徒達は互いに再戦の約束を交わす
「さて、それじゃあ条件をクリアしたあなた達にこれを渡してあげるわ」
と、郡道は3人に平べったいケースのようはものを渡す
「郡道さん、これは…?」
「それはジムバッジを入れるバッジケースであると同時に、ポケモンリーグに挑戦するために必要な参加資格証となるものよ」
「えぇ!?なんでそんなものを郡道さんが!?」
「なんでって…私がこの街のジムリーダーの1人だからよ」
「「「え〜〜〜〜〜!!?」」」
「あれ?アンジュ言ってなかったの?」
「まあ、言うタイミングを逃したというか…あんまり教え過ぎてもどうなのかなと思ったというか…」
「なるほどね。とにかく、これであなた達はポケモンリーグへの参加資格を得た。平日はここの関係で午後のみ、休日ならいつでもジムにいるから準備が出来たら挑みに来なさい!」
こうして、トレーナーズスクールでの団体戦に勝利し、ポケモンリーグ参加資格を得たリゼ
次に待ち受けるはいよいよジムリーダー
果たしてリゼは最初の関門を突破することができるのか…!
リゼ・ヘルエスタ
手持ち:ポッチャマ、イーブイ、キャタピー
アンジュ・カトリーナ
手持ち:ゴルーグ
笹木咲
手持ち:サルノリ、スバメ
卯月コウ
手持ち:ヒバニー
郡道美玲
手持ち:???
東堂コハク
手持ち:ピチュー
北小路ヒスイ
手持ち:キバニア
朝日南アカネ
手持ち:ポニータ
西園チグサ
手持ち:キャモメ
周央サンゴ
手持ち:プリン