にじさんじ×ポケットモンスター   作:Mr.ソロ

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第5話「vsグンカンジム」

 

「ここだ…!グンカンシティのポケモンジム…!」

 

 

グンカンシティのトレーナーズスクールで郡道の提案により行われた団体戦のポケモンバトルに勝利したリゼは、ポケモンリーグの参加資格証となるバッジケースを手に入れ、その翌日に郡道がジムリーダーを努めるポケモンジムへと訪れた

 

 

「いよいよ初のジム戦か…。でもええんか?笹木さんやコウさんみたいに道路に戻って野生のポケモンとバトルしてレベルアップしてからじゃなくても…」

 

「たしかにそれはそうなんだけど、もう我慢出来ないっていうか、早く挑みたい気持ちが抑えられそうにないんだよね!」

 

「まあ、負けても何度でも挑戦は出来るしな。でも油断は禁物だよ、リゼ。ジムリーダーはリーグ委員会から認められたトレーナー。昨日のトレーナーズスクールの生徒達とは比べ物にならない強さだからね」

 

「うん、分かってる…!」

 

 

と、気合いも十分なリゼはジムの扉を開けようと手を伸ばす

 

 

「おいそこの女ぁぁぁ!!ちょっと待ったぁぁぁ!!」

 

 

その時、後ろから自分達に向かって叫ぶ声が聞こえ、リゼとアンジュはハッと振り向く

 

こちらへと凄い勢いで走ってきた男はジムの扉の前で急ブレーキをかけ、リゼの眼前に立つ

 

 

「悪ぃけど、このジムには俺達が先に挑戦させてもらう!そこら辺でポケモンの特訓でもしてから出直せ!」

 

「ちょっ…!いきなり割り込んできて何言うんですか…!?」

 

「うるせぇ!こっちは本当なら昨日ジムに挑んでるはずだったんだ!だから気持ち的には俺達が優先されるべきなんだよ!」

 

「なんですかそのめちゃくちゃな理論は!?」

 

 

と、急に現れた男の言い分にリゼが反発していると1人の女の子がその男に向かって突っ込む

 

 

「おーい!葛葉ぁ!人に迷惑かけたらあかんやろぉ!」

 

「へぶっ…!」

 

 

現れた女の子にゲンコツを入れられ、男はその場に倒れ伏す

 

 

「すみません、僕達の連れがご迷惑かけたみたいで…!」

 

 

更に女の子に続いて、爽やかそうな青年が駆け寄り、リゼ達に謝罪の言葉を述べる

 

 

「何やってるんだよ、葛葉。流石に順番は守らないとダメだろ」

 

「はあ!?お前らが昨日ショッピングとか道路に戻ってポケモン探すとかしなければジムに挑戦出来てたんだろうが!待たされた俺の身にもなれよ!」

 

「なら1人で行けば良かったやん」

 

「いや、それはほら…俺達一蓮托生だろ?それに姉ちゃんに何かあったら俺が母さんに怒られるだろうが!」

 

「物は言いようだけど、要するに1人が心細いんだね」

 

「ち、違ぇし…!そういうんじゃねぇし…!」

 

「あ、あのぉ…」

 

「ああ…!すみません、置き去りにしちゃって!えっと、まずは自己紹介からですね。僕は叶、先日ポケモントレーナーとして旅に出たばかりの新米です。そして、こっちは僕の親友の葛葉とその姉のひまちゃん」

 

「本間ひまわりと言います!この度はウチの葛葉がご迷惑をおかけして本当にすみませんでした!」

 

「い、いえ…!そんなに謝らないでください…!ジムに挑戦したいって気持ちは私もよく分かりますから…!私はリゼって言います。こっちは親友のアンジュ」

 

「リゼちゃんかぁ…!よろしく!」

 

 

と、ひまわりはリゼと握手を交わす

 

 

「リゼにアンジュ…?もしかして、ヘルエスタシティの第2皇女と道具の錬金術師の方ですか?」

 

「はい、そうですけど…」

 

「おい、葛葉…!本当に謝った方がいいって…!彼女、ヘルエスタシティの王族だよ…!」

 

「お、王族ぅ〜〜…っ!?す、すんませんっしたぁ〜〜!!どうか打首だけは勘弁を〜〜!!」

 

「え…!?い、いや、流石にそこまでしない…っていうか、打首ってどれだけ時代遅れなんですか…」

 

 

立場が明かされた途端態度が急変…そして土下座する葛葉にリゼは困惑する

 

 

「葛葉…?もしかして、シーズシティの葛葉さんですか?」

 

「アンジュ、知ってるの?」

 

「シーズシティのバトル自慢で有名なんだよ。たしか、親御さんがその街のジムリーダーだった気が…」

 

 

と、その時ジムの扉が開き、1人の男が現れる

 

 

「そこの君達、ジムの前で揉め事はやめてくれないかな?」

 

「す、すみません…!」

 

 

男の注意に、叶が代表して謝罪を述べる

 

 

「一部始終はそこの防犯カメラで見ていたよ。そこの君、ジム戦に対する気持ちは理解するけど、それで誰かに迷惑をかけるのはトレーナーとして言語道断だ」

 

「はい…すみません…」

 

「分かってくれたならいい。さて、先に来たチャレンジャーはそこの君だね?中へどうぞ」

 

「は、はい…!」

 

 

と、リゼとアンジュが男性の案内について行こうとするとひまわりが声を上げる

 

 

「あの!ひま達見学してもいいですか!?ウチ、リゼちゃんのバトル見てみたい!」

 

「構わないけど…君は?」

 

「そ、そこまで言うなら…。でも、あまり期待はしないでほしいかな…」

 

「やったー!」

 

「たしかに、ヘルエスタシティの皇女様がどんなバトルをするのかは見てみたいね。葛葉もどう?」

 

「まあ?いずれは俺の相手になる奴かもしれないしな…。それにここのジムリーダーがどんなポケモンを使うのか知れるし、待つ間暇だしな」

 

 

と、ひまわりの提案に叶と葛葉も同意し、一向は男性に案内され、ジムへと入る

 

受付すぐ横の通路を抜けると、そこには広いバトルフィールド…そしてその中央に、トレーナーズスクールで出会った郡道が立っていた

 

 

「来たわね、リゼ!それにアンジュ…って、あら?あなた達は一昨日の…」

 

「先日はどうも、郡道さん。叶と葛葉、そしてひまちゃんです。リゼさん達とはジムの前で知り合って、順番を待つ間にバトルを見せてもらうことになったんです」

 

「そういうことね。いいわよ、ならアンジュとあなた達はそこの観客席で見ていてちょうだい」

 

 

郡道にそう言われ、アンジュと葛葉達はバトルフィールド横の観客席へと移動する

 

 

「さて、リゼ!ジム戦を始める前に、あなたには戦う相手を選んでもらうわ!」

 

「戦う相手…?郡道さんがここのジムリーダーなんですよね?」

 

「あら?聞いてない?ここのジムリーダーは私と…」

 

「この私、神田笑一の2人で努めてるんだ」

 

「「えぇ!?ジムリーダーが2人!?」」

 

 

と、リゼと観客席にいた葛葉が驚きの声を上げる

 

 

「ここのジムでは、私と神田君…それぞれの使用ポケモンを見た上でチャレンジャーが相手を指名するの」

 

「相手が使うポケモンの特徴とチャレンジャーが使うポケモンの特徴を考慮してどんなバトルをするのか…ここではそういったところを見せてもらいたいんだ」

 

「まあ、あとは単純に初心者トレーナーが最初に訪れることが多いジムでもあるから、チャレンジャー側が比較的有利になるよう配慮してるのよね」

 

「さて、説明はこのくらいに。まずは私達のポケモンを見せよう!」

 

 

と、郡道と神田はそれぞれ1匹ずつポケモンを出す

 

 

「ヨクバ!」

 

「エネー!」

 

 

郡道が繰り出したのはよくばりポケモン:ヨクバリス。そして神田が繰り出したのはこねこポケモン:エネコ

 

 

「私のヨクバリスは耐久力と技1つ1つの重みが特徴よ。ただ、動きは素早くないわ」

 

「私のエネコは逆に郡道さんのヨクバリスほど耐久力も攻撃力もないけど、素早い動きと豊富な技範囲が特徴だ」

 

「さあ、リゼ!あなたは私と神田君、どっちのポケモンと勝負する?」

 

 

与えられた選択に、リゼは考え込む

 

 

「俺ならヨクバリスだな。要は素早いポケモンで技全部躱しながらじっくり攻めればいいわけだろ?」

 

「僕はエネコかな。ヨクバリスの底が分からないから持久戦はちょっと怖いね」

 

「うーん…。ひまはよく分かんないよ〜…」

 

 

観客席の葛葉達が色々意見するなか、リゼは決心する

 

 

「…決めました!両方とバトルさせてください!」

 

「「え…!?」」

 

「はあ!?」

 

「あはは!なるほど、リゼらしいや」

 

 

リゼの選択に、郡道と神田…そして葛葉が声を上げ、アンジュは笑みをこぼす

 

 

「お前聞いてなかったのか!?どっちかって言ってただろ!?」

 

「でも、せっかくの機会なのにどちらか片方としか勝負出来ないなんて勿体ない。それに、ポケモンリーグに挑戦するならどんな相手にも勝てないと!」

 

 

リゼのポケモンバトル…延いてはポケモンリーグに対する気持ちに、郡道と神田は顔を見合わせて微笑む

 

 

「分かりました。なら、今回は君の要望にお応えして私と郡道さんの2人でお相手します」

 

「ありがとうございます!」

 

「お互いの使用ポケモンは2体…私と郡道さんはそれぞれ1匹を使い、交代はチャレンジャーのみ。どちらかのポケモン全てを戦闘不能にした方の勝ちとします」

 

「私達2人と戦いたいなんて人、ジムリーダーを努めて初めてだわ。リゼ、あなたとあなたのポケモン達とのバトル…楽しませてもらうわ!」

 

「はい!よろしくお願いします!」

 

 

ルールが決まり、リゼと神田はフィールドに、郡道は審判台に移動する

 

 

「それじゃあ、先行は私が相手します。頼んだぞ、エネコ」

 

「お願い!ポッチャマ!」

 

 

神田のエネコに対し、リゼはポッチャマを繰り出す

 

 

「では、バトル始め!」

 

「ポッチャマ、"バブルこうせん"!」

 

「エネコ、"シャドーボール"!」

 

 

バトル開始と同時に、ポッチャマが"バブルこうせん"を放ち、それにエネコは"シャドーボール"で対抗する

 

両者の技はぶつかり合い、爆発するとともに煙を発生させる

 

 

「ポッチャマ、"つつく"攻撃!」

 

 

リゼの指示に、ポッチャマは煙の中へと突っ込む

 

 

「煙に紛れての接近…悪くない手だけど、私のエネコには通用しない!エネコ、"でんげきは"!」

 

 

エネコの"でんげきは"が煙の中へと放たれ、見えないはずのポッチャマに命中し、弾き飛ばす

 

 

「あのエネコ、"でんげきは"を使えるのか…。なかなかに厄介だね…」

 

「なあ、なんで今の技は煙の中のポッチャマに当たったん?」

 

「"でんげきは"は相手に必ず命中する技なんだ。だから煙の中にいたポッチャマにも技が当たったんだ」

 

 

と、ひまわりの疑問に叶が解説する

 

 

「ポッチャマ…!大丈夫…!?」

 

「ポ、ポチャ…!」

 

 

ポッチャマは立ち上がるが、こうかばつぐんの技によるダメージは相当なものだった

 

 

「さて、どうします?」

 

「…ポッチャマ!戻って!」

 

 

ポッチャマでの戦闘は不利と考え、リゼは一旦ボールへと戻す

 

 

「イーブイ!お願い!」

 

 

そして、リゼはポッチャマに代わってイーブイを繰り出す

 

 

「お!ノーマルタイプ同士の対決か!」

 

「エネコの"シャドーボール"はノーマルタイプには効果がない。相手の技を1つ封じてるし、手数ではイーブイに分があるかな?」

 

「その程度で有利不利が覆るほど、ジムリーダーは甘くない。まだまだ油断は出来ないよ」

 

 

叶の意見に、アンジュは真剣な眼差しでそう答える

 

 

「イーブイ!"たいあたり"!」

 

 

リゼの指示にイーブイは素早く動き、エネコに"たいあたり"を炸裂させる

 

 

「早い…!」

 

「リゼのイーブイは普段からよく走り回っているからね。素早さは一級品だよ」

 

 

イーブイの素早さに驚く叶に、アンジュはやや自慢げに答える

 

 

「イーブイ!もう1度"たいあたり"!」

 

「そう何度も通用はしませんよ!エネコ!"しっぽをふる"!」

 

 

向かってくるイーブイに対し、エネコは自身の尻尾を突き出し、"しっぽをふる"を繰り出す

 

ゆらゆらと揺れるその尻尾にイーブイは思わず技を止め、夢中になってそれを目で追いかける

 

 

「イーブイの動きが止まった…!?」

 

「"しっぽをふる"にあんな使い方があるなんて…!」

 

「成熟していないポケモンに対してこそのあの使い方…。流石はジムリーダーと言ったところだね」

 

 

神田の対応力と技の使い方に、観客席の一同は口々に声を上げる

 

 

「エネコ!"おうふくビンタ"!」

 

 

そして、動きが止まったと同時に防御力が下がったイーブイにエネコの"おうふくビンタ"が決まる

 

 

「さあ!今度は君が対応する番です!私のエネコを攻略出来ますか?」

 

(また近付いても、"しっぽをふる"でイーブイの気が逸らされる…!物理攻撃しかないイーブイでエネコを突破するにはアレをどうにかしないと…!)

 

 

思考を巡らた末、リゼは1つの解決策を導き出す

 

 

「そうだ…!イーブイ!もう1度"たいあたり"!」

 

「万策つきましたか?なら私の勝ちです!エネコ!"しっぽをふる"!」

 

 

再びエネコの"しっぽをふる"でイーブイの動きが止まり、尻尾に夢中になる

 

 

「イーブイ!尻尾目掛けて思いっきり"すなかけ"!」

 

 

イーブイはエネコの尻尾を的当てとして楽しむように、フィールドの砂を思い切り蹴り上げる

 

勢いよく蹴り上げられた砂はエネコの尻尾のみならず、エネコ自身にも命中し、目に砂が入ったエネコは思わぬハプニングに技を止め、動きが止める

 

 

「上手い…!」

 

「なるほど、ポケモンの心理状態をも利用した発想…!郡道さんが認めただけのことはある…!」

 

「イーブイ!"たいあたり"!」

 

 

動きが止まり、同時に視界を奪ったエネコに畳み掛ける

 

 

「おっと…!エネコの視界も封じたつもりでしょうが、必中の技があることを忘れていませんか?エネコ!"でんげきは"!」

 

 

神田は焦ることなく、エネコに"でんげきは"を指示する

 

 

「イーブイ!"すなかけ"で防いで!」

 

「なに…っ!?」

 

 

迫る必中の"でんげきは"を、イーブイは蹴り上げた砂をぶつけることで相殺させる

 

そして、その防御から流れるように"たいあたり"をエネコに炸裂させる

 

 

「ネ、ネ〜…」

 

「エネコ、戦闘不能!イーブイの勝ち!」

 

「よし!まずは1匹!頑張ったよ、イーブイ!」

 

「ブイ!」

 

「やられたか…。でも、悔いの残らない清々しいバトルだった」

 

「ありがとうございます!」

 

 

リゼへの言葉を述べ、神田は審判台の郡道と入れ替わる

 

 

「流石ね、リゼ。やっぱり私が見込みは間違ってなかったわ。でも、私は神田君と同じようにはいかないわよ!」

 

「はい!」

 

「うん、いい表情ね!じゃあ、いくわよ!出てきなさい!ヨクバリス!」

 

「バリィッ!」

 

 

郡道から繰り出されたヨクバリスがフィールドへと着地する

 

 

「では、バトル始め!」

 

「イーブイ!"すなかけ"!」

 

 

先手はリゼ…イーブイの"すなかけ"でヨクバリスの命中率の低下を狙う

 

 

「まずは相手の視界を奪う…堅実だね」

 

「イーブイはスピードもあるし、これは一方的にボコれるんじゃねぇか?」

 

「さあ、どうかな?郡道さんのヨクバリスはそう簡単に倒せないよ」

 

 

叶、葛葉、アンジュがそれぞれ意見を口にする

 

 

「そろそろかな…!イーブイ!"アイアンテール"!」

 

「"アイアンテール"ゥ…!?さっきは使ってなかっただろ!?」

 

「"アイアンテール"はリゼのイーブイが今覚える技の中で1番威力のある技。それを警戒させないために、エネコとのバトルでは敢えて温存してたんだ」

 

 

驚く葛葉に、アンジュが説明する

 

イーブイは真っ直ぐヨクバリスへと突っ込み、その体に目掛けて"アイアンテール"を叩き込む

 

 

「ヨクバリス!受け止めなさい!」

 

 

だが、イーブイ渾身の"アイアンテール"をヨクバリスはビクともせずに受け止め、更にはイーブイを捕まえる

 

 

「そんな…!?」

 

「言ったでしょう?私のヨクバリスは耐久力に自信があるって。それに視界を奪われても、接触技を受けた瞬間なら相手の位置は分かる。ヨクバリス!そのまま"のしかかり"よ!」

 

 

そしてイーブイを掴んだまま、ヨクバリスは地面へと倒れ込んで"のしかかり"を炸裂させる

 

 

「イーブイ…!」

 

 

技が決まり、ヨクバリスがゆっくりと体を起こしたその下には目をグルグルとさせたイーブイが倒れていた

 

 

「イ、イブ…」

 

「イーブイ、戦闘不能!ヨクバリスの勝ち!」

 

「イーブイ、負けちゃった…」

 

「まあ、"おうふくビンタ"でのダメージに、"しっぽをふる"でのデバフもあったからね」

 

「でも今の"アイアンテール"であんな平気な様子じゃ、ポッチャマに凄ぇ強い技でもないとダメージにならないだろ!?」

 

「ポッチャマはまだ博士から貰ってばかりだから、そこまで強力な技はまだない…。でも、ここから勝つ方法はあるはず…。頑張れ、リゼ…!」

 

 

アンジュ達が見守るなか、リゼは奮闘したイーブイをボールに戻す

 

 

「イーブイ、お疲れ様。ゆっくり休んでね」

 

「さあ、あなたの最後のポケモンはポッチャマ!ここからどうやって私のヨクバリスを攻略するのか!見せてもらうわ!」

 

「はい…!お願い…!ポッチャマ…!」

 

「ポチャチャ〜!」

 

 

再び、ポッチャマがフィールドへと降り立つ

 

 

「それでは、バトル始め!」

 

「ポッチャマ!"バブルこうせん"!」

 

 

ポッチャマの"バブルこうせん"がヨクバリスに直撃…だが、ヨクバリスは屁でもないといった様子でそれを受け止める

 

 

「ポッチャマ!そのまま距離を保って"バブルこうせん"を続けて!」

 

 

見た目は効いてないようでも、少しずつではあるがダメージは確実に与えている

 

そして、ヨクバリスに接近戦は危険だと判断したリゼは"バブルこうせん"による中距離戦を継続する

 

 

「たしかに、ヨクバリスの素早さだとポッチャマには追い付けない。距離を取って戦うのはいい選択よ。でも、こっちにもそういう技がないとは限らないわ!ヨクバリス!"はかいこうせん"!」

 

「"はかいこうせん"…!?ポッチャマ!避けて!」

 

 

"バブルこうせん"もお構いなしに放たれたヨクバリスの"はかいこうせん"を、ポッチャマは既の所で回避する

 

 

「おいおいマジかよ…!」

 

「"はかいこうせん"…!最初のジムなのにそんな強力な技を…!」

 

「とは言え、ヨクバリス自身が遅いおかげでなんとか避けられるものにはなってる。それでも、あの耐久力に攻撃を続けて、"はかいこうせん"を全力で避けていたらポケモンにも疲れが出てくる」

 

「うわ…意外と戦法がえげつねぇ…」

 

(アンジュの言う通り、"はかいこうせん"は反動があるから連発して撃てないけど、ヨクバリスとの持久戦になるといつまでも避けられるとは限らない…!)

 

 

難敵ヨクバリスを前に、リゼは思考を巡らす

 

 

(攻略するには、あの耐久力を上回る威力の技をぶつけるしかない…!そしてポッチャマにそれが出来るのは"あの技"だけ…!一か八かの賭けだけど、私はポッチャマを信じる…!)

 

「ポッチャマ!"バブルこうせん"!」

 

「持久戦で行こうってわけ?いいわ!私のヨクバリスの耐久力とあなたのポッチャマの持久力!どちらが上が勝負よ!ヨクバリス!動けるようになったら"はかいこうせん"よ!」

 

 

反動で動けない間も、ヨクバリスはポッチャマの"バブルこうせん"を難なく受け止める

 

そして反動がなくなった瞬間、"はかいこうせん"を撃つ体勢に入る

 

 

「ポッチャマ!ここが正念場だよ!"がまん"!」

 

「えぇ…っ!?」

 

「"がまん"…!?」

 

「まさか、"はかいこうせん"を耐えるつもりか…!?」

 

「勝負に出たな…リゼ…!」

 

 

全員が驚愕するなか、ポッチャマは"はかいこうせん"が放たれる前に"がまん"を発動

 

そして直後、ヨクバリスの"はかいこうせん"がポッチャマに直撃する

 

 

「ポ…ポチャ〜〜…!」

 

 

ヨクバリスの"はかいこうせん"をポッチャマは正面から懸命に耐える

 

 

「お願い…!頑張って、ポッチャマ…!」

 

 

リゼの想いに応えようと、ポッチャマは力を振り絞り耐える

 

そして遂に、"はかいこうせん"がその発射を終える

 

ポッチャマは…息を切らしながらもその場に立っていた

 

 

「耐えた…!?」

 

「なんて根性だ…!」

 

「よぉし!いけぇ!リゼェ!!」

 

「ポッチャマ!"がまん"解放!」

 

「ポッチャマァ〜!!」

 

 

"はかいこうせん"の威力を倍にして凝縮されたエネルギーが"がまん"から解き放たれ、ヨクバリスに炸裂する

 

 

「バリィ〜〜…ッ!!」

 

「ヨクバリス…!」

 

 

流石の威力にヨクバリスは吹き飛ばされ、フィールドに倒れ込む

 

 

「バ、バリィ…」

 

「ヨクバリス、戦闘不能!ポッチャマの勝ち!よって勝者!ヘルエスタシティのリゼ!」

 

「やった!やったよ!ポッチャマ!」

 

 

難敵ヨクバリスを見事打ち倒し、ボロボロになったポッチャマに駆け寄ったリゼは喜びのあまり思い切り抱き締める

 

 

「ポ、ポチャ〜…!」

 

「あ…!ご、ごめんね…!ポッチャマ…!でも本当によく頑張ったよ…!」

 

 

今度は痛がらないよう、リゼはポッチャマを優しく抱きしめる

 

 

「ヨクバリス、お疲れ様…。見事だったわ、リゼ。そして、トレーナーの想いに応えたポッチャマ…2人の絆あってこその素晴らしいバトルだった」

 

「いやぁ、本当に終始熱いバトルだった…!こんな気持ちは久しぶりだよ」

 

「ありがとうございます!」

 

 

郡道と神田の賛辞を、リゼは心良く受け取る

 

 

「リゼ!やったな!」

 

「リゼちゃん!おめでとう!もうすんごい試合でずっとハラハラしてたわ!」

 

「そうだね、非常に参考にもなったし」

 

「へっ、やるじゃねぇの。なかなか面白ぇし、俺のライバルとして認めてやってもいいぜ?」

 

 

リゼの勝利にアンジュ達が口々に述べる

 

 

「さあ、リゼ。あなたには私達に勝った証として、このグンカンバッジを渡すわ」

 

「わあ!ありがとうございます!」

 

 

最初となるグンカンバッジを手に入れ、リゼは大いに喜ぶ

 

 

「あなたの実力なら、しっかりポケモンを育てれば次のジムもきっと勝てるわ」

 

「そうだな。次のジムを目指すなら、ここから北にある洞窟を抜けた先にあるエデンシティに行くことをお勧めするよ」

 

「はい!分かりました!お2人とバトル出来て、私良かったです!」

 

「こっちもよ。またバトルしましょうね」

 

「残り7つのジムも頑張れよ!応援してる!」

 

 

 

見事、最初のジムバッジを手に入れることができたリゼ

 

彼女の旅は一歩…大きく前進した

 





リゼ・ヘルエスタ
手持ち:ポッチャマ、イーブイ、キャタピー

アンジュ・カトリーナ
手持ち:ゴルーグ

郡道美玲
手持ち:ヨクバリス

神田笑一
手持ち:エネコ
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