にじさんじ×ポケットモンスター   作:Mr.ソロ

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にじさんじ×ポケットモンスターをご愛読されてる皆様、Mr.ソロです。
5月は別の創作に筆が乗っていたため、こちらは投稿が1ヶ月も空いてしまい申し訳ありませんでした!

今後の構想も纏まってきたので今月はこれからしばらくはこちらの創作に力を入れるつもりです。拙いですが完結まで失踪せず書き切れるよう、頑張ります。


第55話「総力戦!vsキョダイマックスポケモン!」

 

「着いた…!ここが、この巣穴の最奥の部屋だよ…!」

 

「うわぁ…!これまで通って来た部屋と比べて一段と広いですね…!」

 

 

奈羅花達と共にマックスダイ巣穴を進んでいた葛葉達は幾つもの部屋を抜け、遂に最奥の部屋へと辿り着いた

 

部屋には葛葉達が通って来たのと同じような通路としての大きな穴が幾つかあることに加えて、奥の壁にはそれらと比べれば小さな穴が幾つか空いてあった

 

 

「奈羅花さん、あの奥の壁の穴は何ですか?」

 

「掘り出した跡だよ。あの壁の奥に"ねがいぼし"が埋まってるの」

 

「たしか、ニジサンジ地方で"ねがいぼし"はここでしか手に入らないんでしたよね?」

 

「うん。ニジサンジ地方には"ねがいぼし"が降って来ないから、ここに埋まってる残りが尽きれば、ガラル地方に行かないとダイマックスバンドは手に入らない。最も、ここと違って必ず手に入るかまでは分からないけどね」

 

「まだある内に挑戦出来る人達はラッキーってことですね」

 

 

叶達が奈羅花の話を聞いているなか、部屋を見渡していた葛葉はある物を見つける

 

 

「お…?あそこにある機械は何なんすか?」

 

 

葛葉が指を差した"ねがいぼし"が埋まっている壁付近の岩陰…そこには、何やら奇妙な機械が置かれていた

 

 

「いや、私はあんな機械知らないよ…。誰か知ってる…?」

 

 

と、奈羅花は奇妙な機械についてスタッフのトレーナー達に尋ねるが、誰一人としてその機械について知る者はいなかった

 

 

「この巣穴を管理してる奈羅花さん達が知らない機械…。もしかして、アレがここのポケモン達を暴走させた原因なんじゃ…」

 

「一体誰が何の目的で…?とりあえず、詳しく調べてみないと…!」

 

 

そう言った奈羅花に続く形で葛葉達が怪しい機械に近寄ろうとした…その時だった

 

 

「それに近付くなっ!」

 

 

葛葉達が通って来たのとは別の通路…そこから姿を現した虹色の服を身に纏った一団の1人が大声を上げ、その声に奈羅花達は足を止めた

 

 

「あの格好…!RRRビーチの奴等と同じ…!」

 

「ってことは、あいつ等にじレジ団か…!」

 

「にじレジ団…!たしか、最近この地方で組織的な悪事を働いてるって噂の…!」

 

「あなた達!ここで一体何をしているの!その機械はなに!?」

 

 

その一団が身に纏う服に見覚えがあった葛葉達が声を上げ、その正体に伏見とリリが驚くなか、奈羅花は下っ端達を率いているリーダー格の男に問い詰める

 

 

「話す道理はない。だが、これの回収の邪魔だけはしてくれるなよ。俺達は早くここから…」

 

「た、隊長〜…っ!奴等がもうすぐ後ろに…っ!」

 

 

男は奈羅花の問いには答えず、逆に要求を口にする最中に下っ端の1人が怯えた声を上げ、警告された方向に男だけでなく葛葉達も視線を移す

 

 

「リンダァァァァッ!」

 

「あのポケモンは…!?」

 

「ストリンダーだ…!」

 

 

視線の先…この最奥の部屋に通ずる穴の1つからキョダイマックスしたストリンダーが咆哮を上げながら姿を現した

 

 

「も、もう追い付いてきやがったのか…!お前等…!最悪、機械の方は持ち帰れなくていい…!エネルギーを充填させたカプセルだけ回収しろ…!」

 

 

背後に迫るキョダイマックス:ストリンダーに焦りながら、にじレジ団の男は下っ端に指示を出して謎の機械へ駆け寄る

 

 

「グラァァァァッ!」

 

「ダァァァァスッ!」

 

「ひぃぃっ…!?」

 

 

にじレジ団が機械へ駆け寄ったその時、ストリンダーが出て来た反対側の穴から更にキョダイマックスした"はさみポケモン":キングラーと"ゴミすてばポケモン":ダストダスが姿を現す

 

 

「ええい…っ!鬱陶しい奴等だ…!我々の邪魔をするなら、キョダイマックスの姿になれる貴重な個体だからと言って容赦はしないぞ…!いけ!スカタンク!」

 

 

にじレジ団の男は目の前に現れたキョダイマックス:キングラー達にそう吐き捨てると"スカンクポケモン":スカタンクを繰り出す

 

 

「やれ!スカタンク!"だいばくはつ"だ!」

 

 

にじレジ団の男の指示を受けたスカタンクはキョダイマックス:キングラーとダストダスに突撃し、自身の身を犠牲にしての大技"だいばくはつ"を発動する

 

 

ドカァァァァァァンッ!!!

 

 

凄まじい威力の爆発がキョダイマックス:キングラー達を襲い、その姿は爆煙によって見えなくなった

 

 

「よし、今の内にカプセルを回収しろ!」

 

 

"だいばくはつ"の炸裂を確認した男は瀕死状態となったスカタンクをボールへ戻すと共に下っ端達に機械に取り付けられたカプセルの回収を急がせる

 

 

「グラァァァ…ッ!」

 

「ダァァァス…ッ!」

 

「なっ…!?」

 

 

だが、下っ端達が機械からカプセルを回収しようと動いてまだ数十秒も経たないなか、"だいばくはつ"を受けたキョダイマックス:キングラー達は唸り声を上げて男とにじレジ団の下っ端達を睨み付ける

 

 

「グラァァァッ!!」

 

「ダァァァスッ!!」

 

 

次の瞬間、キョダイマックス:キングラーとダストダスはそれぞれ固有のダイマックス技"キョダイホウマツ"と"キョダイシュウキ"をにじレジ団に向けて繰り出す

 

 

「「「うわあああああああああ…っ!?」」」

 

 

にじレジ団は"キョダイホウマツ"の泡に呑まれて身動きが取れなくなると共に"キョダイシュウキ"の毒ガスに包み込まれる

 

 

「毒を吸うなよ、お前等…!なんとかこの泡から抜け出して…!」

 

「リンダァァァッ!」

 

「…っ!?」

 

 

にじレジ団の男が下っ端達に呼び掛けるなか、そこへ更に背後から来ていたストリンダーが固有のダイマックス技"キョダイカンデン"を繰り出す

 

 

「「「あばばばばばばば…っ!?」」」

 

 

泡で身動きが取れないにじレジ団は当然それを回避することは出来ず、"キョダイカンデン"によって体を痺れさせられてその場に倒れ伏した

 

 

「あのキングラー達、"だいばくはつ"を受けて何ともないのか…!?」

 

「あの子達はこのダイマックスアドベンチャーで最後の関門として立ちはだかるために他の子達よりもタフに育てられてるの…!」

 

 

"だいばくはつ"を受けて少しも弱った様子のないキョダイマックス:キングラー達に驚く伏見に奈羅花が理由を説明するなか、にじレジ団を仕留め終えたキングラー達の視線が葛葉達に向く

 

 

「こっちを向いた…!来ますよ…!」

 

「あの3体がこれまでのポケモン達より強いなら、疲弊している今の戦力だと厳しいんじゃないか…!?」

 

「そうだね…!戦えるポケモンが十分に残っていない人は退避…!まだ戦える人は少しだけ私に付き合って…!にじレジ団をこのまま放置するわけにもいかないから…!」

 

「手伝います!」

 

 

奈羅花の頼みに動けるスタッフのトレーナー達以外に叶、リリ、伏見が名乗りを上げる

 

 

「私も…!」

 

「ちょっ…!りつきんさん…!?」

 

「心配しないでください、葛葉さん。私は大丈夫。それに、にじレジ団には聞きたいこともあるから…!」

 

 

叶達に続いて名乗りを上げる凛月を葛葉は心配するが、彼女から何処か必死な様子を感じたため、無理に止めようとは思わなかった

 

 

「…分かりましたよ。でも、危なくなったら嫌でもリザードンに連れて行かせますからね」

 

「はい。ありがとうございます、葛葉さん」

 

 

どういう理由があるのかは分からないが、凛月の意志を汲んだ葛葉は条件付きで彼女の要望を承諾し、我儘を聞いてくれた葛葉に凛月は感謝を伝える

 

 

「それじゃあ、スタッフの皆でにじレジ団の確保をお願い!その間、私と葛葉君達でストリンダー達の足止めをするよ!出てきて!フシギバナ!ニャオニクス!」

 

「いけ!クロバット!」

 

「頼んだぞ!ジャローダ!」

 

「いくよ!チェリム!」

 

「頼みましたよ!バクフーン!」

 

「いくっすよ!ペルシアン!」

 

 

奈羅花の指示に従い、葛葉達はそれぞれのポケモンを繰り出してキョダイマックス:ストリンダー達に挑む

 

 

 

 

「…っ!この音…誰かがバトルしてる…!あっちからだ…!」

 

 

マオの友人を探そうと巣穴の中を進んでいた剣持、ひまわり、天宮は通路の先から響く戦闘音を耳に捉える

 

 

「もしかしたら葛葉達かも…!」

 

「この感じ…相手のキョダイマックスポケモンは1体じゃないよ…!早く合流しないと…!」

 

 

聞こえる音からしてバトルの規模が大きいと感じたひまわりと天宮は早く加勢しようと走り出す

 

 

「魔使、どうしたんだ…?」

 

 

だが、通路の先へ進もうとする天宮達と違い、その場から動こうとしないマオに気付いた剣持が彼女に声を掛ける

 

 

「いや、その…僕は…」

 

 

剣持の問いにマオは目を逸らし、理由を言い出さなかったが、数秒置いて天宮が何かに気付き、ハッとする

 

 

「そっか…!マオのバサギリはまだ万全じゃないからバトルに参加することは出来ないんだよ…!」

 

「え…?あ…!う、うん…!そうなんだよね…!一緒に付いて行っても足手纏いかなって…!」

 

「それはたしかに…。でも、置いて行くわけにもいかないからなぁ…」

 

「なら、この先にガッくん達がいて、キョダイマックスポケモン達とバトルしてたら僕達は加勢に入るけど、魔使はバトルが終わるまで何処か近くに隠れておいてくれ!」

 

「わ、分かった…!」

 

 

剣持の提案にマオは頷き、一同はバトルの音が聞こえてくる巣穴の奥へと走り向かう

 

 

 

 

ダイマックスアドベンチャーを管理するスタッフのトレーナー達がにじレジ団の確保に急ぐなか、葛葉達はそれぞれ分かれてキョダイマックス:ストリンダー達と相対していた

 

 

「ダァァァスッ!」

 

「ニャオニクス!"サイコキネシス"!」

 

 

キョダイマックス:ダストダスと相対するのは葛葉と奈羅花

 

ダストダスが繰り出す"キョダイシュウキ"に対して、奈羅花は雄と雌2体のニャオニクスに"サイコキネシス"を指示し、迫る毒ガスを自分達に直撃しないようその軌道を逸らさせる

 

 

「クロバット!"エアカッター"!」

 

「フシギバナ!"だいちのちから"!」

 

 

そして、葛葉のクロバットと奈羅花のフシギバナがそれぞれ技を繰り出し、ダストダスへ炸裂させる

 

 

「グラァァァッ!」

 

「チェリム!"ソーラービーム"!」

 

 

キョダイマックス:キングラーと相対するのは叶と凛月

 

キングラーが繰り出す"キョダイホウマツ"に対して、凛月のチェリムがバトル開始時に繰り出した"にほんばれ"による擬似日光の恩恵で即時発射を可能にした"ソーラービーム"を放って相殺させる

 

 

「ジャローダ!"リーフブレード"!」

 

 

"キョダイホウマツ"と"ソーラービーム"の相殺によって引き起こされた爆発の煙に紛れて叶のジャローダは素早くキングラーへも迫り、その身を支える4本の足に目掛けて"リーフブレード"を炸裂させる

 

 

「リンダァァァッ!」

 

「来るよ、ガッくん!バクフーン!"だいもんじ"!」

 

「おう!ペルシアン!"てだすけ"!」

 

 

キョダイマックス:ストリンダーと相対するのはリリと伏見

 

ストリンダーが繰り出す"キョダイカンデン"に対して、リリのバクフーンは"だいもんじ"で迎え撃つ

 

そこに伏見のペルシアンによる"てだすけ"、更に"にほんばれ"による晴れ状態の恩恵も加わって威力が増大した"だいもんじ"は"キョダイカンデン"を打ち破ると共にストリンダーに炸裂する

 

 

「ダァァァス…ッ!」

「グラァァァ…ッ!」

「リンダァァァ…ッ!」

 

 

葛葉達それぞれのポケモン達の攻撃を受けてキョダイマックス:ストリンダー達が体勢を崩すなか、にじレジ団を確保したスタッフのトレーナー達が奈羅花の下へ駆け寄る

 

 

「奈羅花さん!にじレジ団の確保、完了しました!」

 

「よし!それじゃあ、彼等を連れて皆は地上へ退避して!私は足止めのためにもう少しだけ残るから、葛葉君達も先に…!」

 

「プオォォォッ!」

 

「マァガァァァッ!」

 

 

奈羅花が全員に指示を出している最中、目の前のストリンダー達とは異なる咆哮が轟いた

 

咆哮の聞こえた方へ振り返るとストリンダー達と挟む形で新たに2体のキョダイマックスポケモン…"のりものポケモン":ラプラスと"ポケモン":アーマーガアが奈羅花達の前に姿を現した

 

 

「おいおい嘘だろ…!更に2体増えたぞ…!」

 

「バトルの音を聞き付けて来たのね…!流石にこれはちょっとマズいかも…!」

 

 

ストリンダー達を弱らせているとは言え、奈羅花達の戦えるポケモンも数が残り少なく、体力も消耗している

 

そこへ新たにほぼ万全の状態と見られる2体のキョダイマックスポケモンが加わってきたのは絶望的と言わざるを得ない状況だった

 

 

(皆を逃がすには出口側のアーマーガア達を何とかしないといけない…!でも、その隙をストリンダー達が見逃してくれるはずもない…!なら、この状況を切り抜けるには…これしかない…!)

 

 

この状況に思考を巡らせた末、1つの決断に至った奈羅花はフシギバナを一度ボールへと戻した

 

 

「皆…!私が退路を作る…!そう長くは保たないから、隙が出来たら早く逃げてね…!」

 

 

その場の全員にそう告げた奈羅花は右腕の袖を捲り上げる

 

 

「それは…!」

 

「ダイマックスバンド…!?」

 

 

曝け出された右の手首にはダイマックスバンドが装着されており、奈羅花はそれを起動させてボールを巨大化させる

 

 

「いくよ、フシギバナ…!キョダイマックス…っ!」

 

 

奈羅花が勢いよく投げたボールが開き、その中からキョダイマックスの姿となったフシギバナが再びフィールドへと飛び出した

 

 

「奈羅花さんのフシギバナ…!キョダイマックスになれる個体だったのか…!」

 

「背中の花が一段と大きくなって、凄い迫力…!」

 

「フシギバナ!"キョダイベンタツ"!」

 

 

キョダイマックス:フシギバナに葛葉達が驚くなか、奈羅花の指示でフシギバナは専用技"キョダイベンタツ"を繰り出す

 

背中から伸びた巨大なツルをラプラスとアーマーガアに叩き付け、更に絶え間ない猛打を浴びせてその動きを押さえる

 

 

「今だよ!皆、出口に向かって全力で走って!」

 

 

奈羅花の指示に従い、全員は全速力で地上へと続く通路に向かって走り出す

 

 

「ダァァァスッ!」

「グラァァァッ!」

「リンダァァァッ!」

 

 

全員の退避が完了するまでフシギバナがアーマーガア達を食い止める最中、背後からストリンダー達が一斉に迫ってくる

 

 

「そうくるよね…!ニャオニクス!"サイコキネシス"!」

 

 

奈羅花の指示を受けて、2体のニャオニクスが"サイコキネシス"でストリンダー達の動きを止めようとする

 

だが、3体のキョダイマックスポケモン達を止めることは一瞬しか叶わず、"サイコキネシス"による拘束が破られると共にニャオニクス達は突っ込んで来るストリンダー達の体当たりによって吹き飛ばされてしまう

 

 

「ニャオニクス…っ!」

 

 

巨体による体当たりを受けて大ダメージを受けてしまったニャオニクス達はこれまでの体力消耗も合わさって力尽き、奈羅花は2体をすぐさまボールへと戻す

 

その間に、ストリンダー達はフシギバナへと迫って一斉に攻撃を仕掛ける

 

 

「バ…ナァァァ…ッ!」

 

 

自身の体を覆う背中の花の非常に分厚く、強靭な花弁を盾にフシギバナは懸命にストリンダー達の攻撃を耐え続ける

 

だが、相手は3体のキョダイマックスポケモン

 

流石の攻撃の厚さにフシギバナの表情はどんどん苦しくなっていく

 

 

(頑張って…!フシギバナ…!)

 

 

任された役目を全うしようと踏ん張るフシギバナに奈羅花は心苦しみながらもそう祈る

 

 

「クロバット!"クロスポイズン"!」

 

「ジャローダ!"リーフブレード"!」

 

「チェリム!"ソーラービーム"!」

 

「バクフーン!"だいもんじ"!」

 

「ペルシアン!"きりさく"!」

 

 

その時、フシギバナを攻撃するストリンダー達に葛葉達のポケモン達が一斉に攻撃を炸裂させ、後ろへ大きく退け反らせる

 

逃げるように言った葛葉達が戻って来たことに奈羅花は驚き、思わず声を上げる

 

 

「葛葉君…!?それにあなた達まで…!なんで戻って来たの…!」

 

「なんでって、まだ俺は戦えるからっすよ!つーか、このくらいの困難を越えられないでチャンピオンになれるわけねーっての!」

 

 

と、葛葉が答えた戻って来た理由に奈羅花はポカンとした呆気にとられた表情になる

 

 

「にじレジ団を連れて行かないといけないスタッフの人達はともかく、こんな状況で奈羅花さん1人置いて逃げられるほど僕達が割り切れなかっただけです!」

 

「これで奈羅花さんに何かあったら、後味悪いですからね!」

 

「いや、俺は叶達とは違うから!ここで逃げるのが負けを認めたみたいで嫌だっただけだから!」

 

「素直じゃないなぁ、葛葉君は。ここまで付き合ったんです!皆で無事に帰りましょうよ!」

 

「出来ることなら、ストリンダー達を助けたいもんね!」

 

「…まったく、困ったお人好しだね。君達」

 

 

と、自分を助けるために残ってくれた葛葉達に奈羅花は呆れながらも嬉しそうに笑みを浮かべる

 

 

「ダァァァスッ!」

 

 

そんななか、いち早く体勢を立て直したダストダスが怒りの咆哮を上げる

 

次の瞬間にダストダスが繰り出してくるであろう攻撃に備え、葛葉達が身構えた…その時だった

 

 

「キリキザン!"アイアンヘッド"!」

 

「ゲッコウガ!"みずしゅりけん"!」

 

「ハクリュー!"りゅうのはどう"!」

 

 

ダストダスにその側面から飛び出してきたキリキザンの"アイアンヘッド"と同じ方向から飛来した"みずしゅりけん"と"りゅうのはどう"が炸裂する

 

 

「ダァァァス…」

 

 

それが決め手となったダストダスはダイマックスの効果が切れて元の大きさへと戻り、力尽きて横倒れた

 

 

「葛葉〜!兄や〜ん!」

 

「りっちゃ〜ん!」

 

「ガッくん!夕陽!無事か!?」

 

「持さん…!」

 

「ひまちゃんとこころちゃんも…!みんな無事だったんだね…!」

 

 

ダストダスを倒したキリキザン達と共に剣持達が葛葉達の下へ合流し、互いの無事を確認し合う

 

 

「それにしてもエラい状況だな…!キョダイマックスポケモンが4体もいるなんて…!」

 

「ああ、でもストリンダーとキングラーは相当弱ってきてる…!」

 

「なら、まずはその2体から倒さんとやな!」

 

「ガッくんと夕陽はアーマーガアを押さえててくれ!僕がストリンダーを倒す!」

 

「私も手伝う!ハクリューなら電気は今一つだし、状態異常も特性の"だっぴ"でなんとかなるから!」

 

「なら、僕と凛月さんでキングラーを仕留める!葛葉とひまちゃんはラプラスをお願い!」

 

「っしゃあ!任せろ!」

 

 

剣持達も加わり、葛葉達は改めてそれぞれが相手をすると決めたキョダイマックスポケモン達とのバトルに臨む

 

 

 

 

「だ、大丈夫かな…?」

 

 

その最奥の部屋に通じる数ある出入り口の穴の手前…そこの岩陰に隠れていたマオは天宮達の戦況を覗き見してそう呟いた

 

天宮達の相手である4体のキョダイマックスポケモン

 

その内の2体…ストリンダーとキングラーは既に弱ってきていることもあって、倒すのにそう時間はかからなそうだった

 

だが、問題は残りの2体…ラプラスとアーマーガアはまだ相当に体力があるらしく、加えて、2体はラプラスの専用のキョダイマックス技"キョダイセンリツ"による追加効果によってオーロラベールに守られていた

 

2体を押さえる葛葉達のポケモンには疲労も見受けられ、状況は少し厳しく見えた

 

 

(ま、まあ…負けちゃうならここにいると危険だし、正体がバレるわけにもいかないから今の内に逃げとこうかなぁ…。でも…)

 

 

と、この隙に逃げようかと考えるマオだったが、すぐにその行動に踏み出すことは出来なかった

 

"う〜ん、う〜ん…"とマオが葛藤するなか、突然、後ろからポンッと誰かに肩を叩かれる

 

 

「ひゃああああ…っ!?」

 

「うわああああああ…っ!?」

 

「…って、ルイス…っ!」

 

 

驚いたマオが反射的に振り返ると、そこにはにじレジ団の仲間であるルイスがいた

 

 

「いきなり叫ばないでよ、マオ…!こっちまでビックリしたじゃん…!」

 

「こ、こんな状況で急に後ろから来たら誰だって驚くよ…!」

 

「まあ、とにかく無事で良かったよ」

 

「まあ、なんとかね」

 

「って、安心してもいられないよ!さっき、にじレジ団の皆が連れて行かれてるところを見たの!早く助けに行かないと!」

 

「ちょ、ちょっと待って…!ルイス…!」

 

 

すぐにその場から動こうとするルイスを引き止めたマオは後ろめたさを感じながらも話を切り出す

 

 

「あ、あそこでキョダイマックスポケモン達とバトルしてる人達…!天宮達が苦戦してるんだ…!だから…その…!」

 

「もしかして、助けたいってこと…?そんなの私達には…っ!」

 

 

"関係ない"…と言い切ろうとしたところでルイスは口を噤ませる

 

その理由は視線の先…マオが指すトレーナー達の中に凛月の姿を捉えたからだった

 

最愛の姉の危機を前に、ルイスもまたにじレジ団という立場を天秤に思い悩むなか、マオは意を決して声を上げる

 

 

「我儘言ってるのは分かってる…!でも、天宮達は僕とバサギリを助けてくれたんだ…!たとえ、天宮達がにじレジ団と相容れなくても、僕はここで天宮達を見捨てたくない…!」

 

 

正体がバレれば、天宮達とは敵対する関係になるかもしれない

 

それでも、自分達の危険を顧みずに助けてくれた天宮達を切り捨てることが出来なかったマオはルイスにそう告げるとバサギリをボールから出した

 

 

「バサギリ!僕の話を聞いて!」

 

 

バサギリと向かい合い、マオは真剣な面持ちで口を開いた

 

 

「これが最初で最後でもいい!やれるだけでいいから、天宮達を助けてあげてほしいんだ!お願い!」

 

 

ただ必死に声を張り上げ、頭を深く下げてマオはバサギリに頼み込む

 

 

「……」

 

 

数秒の沈黙が流れた後、マオをジッと見つめていたバサギリは特に声も上げず、天宮達がキョダイマックスポケモン達とバトルしている最奥の部屋に向かって歩き出した

 

 

「…っ!ありがとう…!バサギリ…!」

 

 

表情こそ見えなかったが、少なくとも初めて嫌がるような素振りもなく、心から頼みに応えようと動いてくれたバサギリに顔を上げたマオは嬉しそうに感謝を伝えた

 

 

「まあ、私もお姉ちゃんを助けてあげたいし。付き合ってあげるか。出てきて、マルマイン!」

 

 

そして、マオとバサギリのやり取りを見ていたルイスは成長した彼女に免じて我儘を聞いてあげようと思い、その手助けとして通常の個体とは見た目が異なるマルマインを繰り出す

 

 

「マルマイン、あなたもマオとバサギリを手伝ってあげて。あと、ついでに機械を粉々に破壊しておいて。調べられると色々と面倒だから」

 

 

ルイスの頼みを聞いたマルマインはコクリと頷くとバサギリの後を追って行った

 

 

「ルイス…!ありがとう…!」

 

「我儘を聞いてあげるのは今回だけだからね?あと、あまり時間はかけないこと。それじゃあ、後で落ち合おうね。マオ」

 

 

ルイスはそう言い残して連れて行かれたにじレジ団の仲間を助けるべく走り去って行った

 

 

 

 

「プオォォォッ!」

 

「クロバ…ッ!」

「コウガ…ッ!」

「ジャロォ…ッ!」

「チェリィ…ッ!」

 

「クロバット…ッ!」

 

「ゲッコウガ…!?」

 

「ジャローダ…ッ!」

 

「チェリム…!」

 

 

天宮達の加勢でダストダスに続いてストリンダーとキングラーを倒した葛葉達は残す2体のキョダイマックスポケモン:ラプラスとアーマーガアと対峙していた

 

 

「マァガァァァッ!」

 

「バクゥ…ッ!」

「ペルゥ…ッ!」

「キザ…ッ!」

「クゥ…ッ!」

 

「バクフーン…ッ!」

 

「ペルシアン…!」

 

「キリキザン…ッ!」

 

「ハクリュー…!?」

 

 

だが、ここに来てバトルで疲弊していた葛葉達のポケモンはアーマーガアとラプラスの攻撃によって次々と戦闘不能に陥っていった

 

 

「悪い、皆…!俺の手持ちはもう全員戦闘不能になっちまった…!」

 

「マズいな…!ラプラスの"キョダイセンリツ"でオーロラベールを張られてるせいで全然怯みもしない…!」

 

 

剣持達が合流したとは言え、葛葉達の残す戦力でアーマーガア達を倒すのは厳しい状況だった

 

 

「これ以上無理にバトルする必要はないよ…!なんとかアーマーガア達を怯ませることが出来れば、その隙に逃げられる…!」

 

 

そんな状況に葛葉達が焦りを見せるなか、奈羅花が退避を提案する

 

先程までは4体のキョダイマックスポケモン達に囲まれていたことで逃げる隙もそれを作ろうとすることも困難だった

 

だが、残り2体となった今なら分散していた戦力を集中でき、逃げるための隙を作ることが出来ると奈羅花は判断した

 

 

「に、逃げるんですか…!?なら、ちょっと待ってください…!実は…!」

 

「マァガァァァッ!」

 

「プオォォォッ!」

 

 

退く提案をした奈羅花に天宮がマオの存在を告げようとするなか、アーマーガア達が攻撃を繰り出す体勢に入る

 

 

「来るぞ…!」

 

 

剣持に警告され、攻撃に葛葉達は身構える

 

だがその時、思わぬ存在が彼らの目の前に現れた

 

 

「バサァァッ!」

 

 

突如、葛葉達の目の前に現れたのはバサギリ

 

バサギリはアーマーガアの側面から"かわらわり"を炸裂させ、オーロラベールを破ると共にその隣にいたラプラスを巻き込む形でアーマーガアの体勢を崩させた

 

 

「な、なんだ…!?あのポケモン…!」

 

「あれはバサギリ…!もしかして、マオ…!?」

 

 

バサギリの登場に葛葉や天宮がそれぞれ声を上げるなか、体勢を崩して重なり倒れるアーマーガア達の頭上にバチバチと電気を帯びた暗雲が立ち込める

 

バリバリバリ…ッ!

 

次の瞬間、暗雲から放たれた"かみなり"が直下にいるアーマーガア達に炸裂する

 

 

「こ、今度は何だ…!?」

 

 

バサギリに続いてアーマーガアに炸裂した謎の"かみなり"に伏見が声を上げる

 

ドカァァァンッ!

 

その最中、背後で何かが爆発した音が聞こえて一同が振り返ると、そこにはマルマインらしきポケモンと破壊されたにじレジ団の機械の残骸があった

 

 

(あのマルマイン…!たしか、ルイスちゃんの…!)

 

「マルマイン…なのか?あれは…?」

 

「さっきの"かみなり"はあいつの仕業か…!」

 

「プオォォォ…ッ!」

 

「マァガァァァ…ッ!」

 

 

目の前のマルマインに凛月や剣持達が反応を示すなか、バサギリ達の攻撃を受けて怒りを爆発させた様子のアーマーガアとラプラスはそれぞれ"ダイスチル"と"キョダイセンリツ"をバサギリとマルマインへ繰り出す

 

 

「バサァ…ッ!」

 

「マルマァ…ッ!」

 

 

攻撃が直撃したバサギリとマルマインはなんとか持ち堪えるもそのダメージはかなり大きく、苦痛に表情を歪ませる

 

 

「このままだとバサギリ達が…!助けないと…!」

 

「さっきの攻撃でアーマーガア達もかなり弱ったはず…!今ならオーロラベールがある状態でも一斉に攻撃を叩き込めば隙を…いや、なんなら倒せるかもしれない…!」

 

「何が何だか分からねぇけど、助けてもらって見捨てるなんて真似は出来ねぇからな!」

 

 

バサギリ達を助けるため、そしてアーマーガア達を倒せる希望を見出した葛葉達はそれぞれの残す手持ち全てを繰り出す

 

 

「リザードン!"かえんほうしゃ"!」

 

「ニャルマー!"アイアンテール"!」

 

「ルンパッパ!"エナジーボール"!」

 

「ピクシー!"ムーンフォース"!」

 

「シードラ!"うずしお"!」

 

「ダイケンキ!"シェルブレード"!スリーパー!"きあいだま"!」

 

「アブソル!"かまいたち"!」

 

 

葛葉達の指示を受けて、リザードン達はアーマーガア達へ一斉に攻撃を繰り出す

 

攻撃は直撃するが、オーロラベールに守られているアーマーガア達はそれを正面から受け止め、必死に耐えながら反撃するため技を繰り出そうと構える

 

 

「おい…!このままじゃ耐えられるぞ…!」

 

「くっ…!甘く見てた…!まさか、こんなにタフだなんて…!」

 

「あともう一押しあれば…!」

 

 

オーロラベールに阻まれたポケモン達の攻撃が徐々に弱まっていき、葛葉達が諦めかけた…その時だった

 

 

「いけ、ゲンガー!キョダイマックス!」

 

 

葛葉達の背後から声が聞こえ、次の瞬間には投げられた巨大化したボールからキョダイマックスしたゲンガーが飛び出した

 

 

「このゲンガー…!?まさか…!」

 

「どうやら、間に合ったみたいだね!奈羅花ちゃん!」

 

 

そのゲンガーに見覚えがあった奈羅花が振り返ると、そこにはニジサンジ地方四天王の1人であるましろの姿があった

 

 

「ましろん…!来てくれたんだ…!」

 

「ましろ…!?もしかして、あの四天王の…!」

 

「美味しいところを持っていくみたいでなんだか申し訳ないんだけど、そこは許してね!いくよ、ゲンガー!"キョダイゲンエイ"!」

 

 

ましろの指示が飛び、ゲンガーは専用のダイマックス技"キョダイゲンエイ"を繰り出し、何処からともなく現れた巨大なポットや椅子等の物がアーマーガア達に襲い掛かる

 

 

「マァ…ガァァァ…ッ!」

 

「プオォォォ…ッ!」

 

 

"キョダイゲンエイ"が決め手となってオーロラベールは破れ、リザードン達の攻撃と共にアーマーガア達へと炸裂する

 

そして、ダイマックスの効果が切れて元の大きさへと戻りながら、アーマーガア達は大きな呻き声を上げて倒れ伏した

 

 

「た、倒せた…?」

 

「うん。アーマーガア達はもう戦闘不能だよ」

 

「よ、よかった〜…!」

 

 

激しいバトルに終止符が打たれ、緊迫した空気から解放されたひまわりや天宮達は安堵から腰が抜けて座り込み、葛葉や剣持達は共にバトルを乗り切った仲間と拳を突き合わせたり、ハイタッチして勝利を喜び合う

 

 

「あっ…!そうだ、マオ…!」

 

 

まだ一同がバトルを終えた安堵に浸るなか、マオのことを思い出した天宮は彼女が身を潜めているであろう場所へと駆け寄る

 

 

「あれ…?マオ…?」

 

 

だが、隠れるよう伝えた場所にマオの姿はなかった

 

代わりに手紙のようなものがそこには残されており、それを拾った天宮は内容を確認する

 

"天宮達へ

黙って居なくなってごめんね。天宮達がバトルしてる最中に友達が見つけに来てくれたから、この場を去ることにしました。助けてくれてありがとう。また何処かで会えたらいいな。バイバイ"

 

 

「そっか…。ありがとう、マオ。おかげで助かったよ。また何処かで会おうね」

 

 

手紙を読み終えた天宮は別れを惜しみつつもマオが仲間と合流出来たことに安堵し、バサギリの助けに感謝し、そして、いつかまた再会出来ることを心から願った

 

 

 

 

 

こうして、葛葉達を巻き込んだダイマックスアドベンチャーの事件は一先ずの幕を下ろした

 





葛葉
手持ち:リザードン、クロバット、ギャラドス
   ガバイト、???


手持ち:ジャローダ、ニャルマー、ナットレイ
   ミミッキュ

本間ひまわり
手持ち:ゲッコウガ、ルンパッパ、ストライク

桜凛月
手持ち:メガニウム、チェリム、ピクシー

天宮こころ
手持ち:ハクリュー、チルタリス、ジャランゴ
   シードラ

剣持刀也
手持ち:ダイケンキ、キリキザン、オノンド
   スリーパー

夕陽リリ
手持ち:バクフーン、アブソル、ブリムオン

伏見ガク
手持ち:キュウコン、ペルシアン

魔使マオ
手持ち:バサギリ、ギモー

ルイス・キャミー
手持ち:レパルダス、マルマイン?

ましろ
手持ち:ゲンガー、ヨノワール

奈羅花
手持ち:フシギバナ、ニャオニクス(♂と♀)
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