にじさんじ×ポケットモンスター   作:Mr.ソロ

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第56話「腕試し!葛葉vsましろ!」

 

「ふぅ〜…!お腹いっぱ〜い…!」

 

 

マックスダイ巣穴での激闘を終え、その日の夕刻に地上へと帰ってきた葛葉達は奈羅花達が寝泊まりしている宿泊所に招かれ、そこで夕食をご馳走されていた

 

 

「どう?口に合ったかな?」

 

「はい、とても美味しかったです」

 

「ひま、ママの次に奈羅花さんの料理が好きになっちゃった!いくらでも食べられるよ〜!」

 

「ほんと、もっと太るんじゃねぇか?ってくらいに食ってtグフッ…!?」

 

「い、今のは葛葉さんにデリカシーがなかったかな〜…」

 

「すみません、奈羅花さん。今夜泊めてもらえるばかりか、こんなにご馳走してもらって…」

 

「ううん、気にしないで。叶君達のおかげで事態の収束も早くなったわけだし。これくらいさせてよ。あっ…!それと…はい、これ!」

 

 

と、奈羅花は葛葉達に人数分の"ねがいぼし"を差し出した

 

 

「"ねがいぼし"…!?」

 

「でも、僕達はダイマックスアドベンチャーをクリアしてないですよ…?」

 

「今回の調査で君達の実力を見た私の判断で渡していいと思ったの。協力してくれたお礼でもあるから、是非受け取って」

 

「そうですか…。なら、遠慮なく頂きます」

 

 

奈羅花の厚意に甘えて、葛葉達は"ねがいぼし"を受け取った

 

その直後、宿泊所の玄関が開き、その後のマックスダイ巣穴の調査に行っていたましろが帰って来る

 

 

「奈羅花ちゃ〜ん!ただいま〜!」

 

「ましろん、おかえり〜!夕食作ってるんだけど食べる?」

 

「本当!?食べる食べる〜!ありがとう、ママ〜!」

 

「ママはやめろぉっ!」

 

 

悪巫山戯に怒られながらも席に着いたましろは奈羅花から夕食を頂く

 

 

「それで、マックスダイ巣穴の方はどう?」

 

「とりあえず、巣穴のポケモン達は全部回収出来たよ。ガラル粒子の濃度も下がってきてて、明日には元通りになるそうだよ」

 

「そっか。でも、ポケモン達の健康状態を診ないとだから、しばらくダイマックスアドベンチャーはお休みだね」

 

 

マックスダイ巣穴での調査についてましろと奈羅花が話すなか、凛月が2人に尋ねる

 

 

「あの、ましろさん…。にじレジ団の行方は…?」

 

「探せるだけ探したけど、それらしい姿は何処にも見当たらなかったよ」

 

「こことは別の出入り口がある北部にも何人か調査させに送ったけど、収穫は今のところ無し。多分、もうこの辺りからはいなくなってるだろうね」

 

「そうですか…」

 

 

ましろと奈羅花の答えに凛月は残念そうに呟いた

 

ましろの助けを借りて葛葉達が地上へと戻るまでの間に、マックスダイ巣穴を管理するスタッフ達に連れて行かれるはずだったにじレジ団の団員達は、突如現れた謎の女性とウインディに酷似していたポケモンによって取り逃すこととなってしまったのだ

 

 

(連れて行かれるはずだったにじレジ団の人達を助けた女性は多分ルイスちゃん…。そして、こころちゃん達が出会ったって言うバサギリがパートナーの女の子も、あのマルマインが一緒にいたことからにじレジ団の仲間…)

 

 

凛月は今日知り得たルイスとにじレジ団に関する情報を整理すると共に、天宮達がショックを受けないよう、マオがにじレジ団の仲間である可能性は伏せておくことにした

 

 

(旅を止めたりはしない。でも、今度またにじレジ団と遭遇する時があったら、その時はルイスちゃんについて知ってることを聞き出さないと…!)

 

「りっちゃん?どうかしたん?」

 

 

神妙な面持ちで考え込んでいた凛月はその姿に心配したひまわりに声を掛けられ、ハッと我に返る

 

 

「うぇっ…!?い、いや…!なんでもないよ、ひまちゃん…!今日はもう疲れてるから、眠たくなっちゃったのかも…!あはは…!」

 

「たしかに、今日は大変だったからな〜」

 

「夕食も頂いたし、今夜は早い内に寝るとしようか」

 

「そうですね」

 

 

と、この辺りで談笑を終えて早めに就寝しようと一同が席を立つ

 

 

「ましろさん、ちょっといいすか?」

 

 

そんななか、真剣な面持ちで葛葉がましろに声を掛ける

 

 

「なんだい?えっと…」

 

「葛葉って言います。明日の朝、俺とバトルしてくれないすか?」

 

 

唐突な四天王へのバトルの申し込みをする葛葉に叶達は目を見開く、声を上げる等の驚きを示す

 

 

「軽い気持ち…で申し込んでるわけじゃないね?」

 

「チャンピオンリーグ以外で四天王とバトル出来る機会なんて滅多にねぇからってのもあるけど、今の俺がどれだけ通用するか…それを確かめたいんすよ」

 

 

ましろの問いに対し、葛葉はそう答えた

 

先日、リゼが四天王の1人である黛に挑戦するのを見て感化されていたこと

 

そして、以前ニジサンジ地方の四天王最強と謳われる竜胆とバトルした際は、直近でイブラヒムに負けていたことや母:ドーラの名前を口にされたことから冷静な勝負が出来ていなかった

 

故に、四天王という高い壁に今の自身がどれだけ迫れているか明確に把握しておきたいと思っていた

 

 

「威勢は十分。だからと言って思い上がってるわけじゃない。うん、いいよ。それじゃあ、明日の朝にこの宿泊所裏のバトルコートで」

 

 

 

 

翌日…準備を整えた一同は宿泊所裏のバトルコートに集まり、葛葉とましろはコートの立ち位置、叶達は観覧席のベンチ、奈羅花が審判台へそれぞれ移動する

 

 

「これより、葛葉君とましろんのポケモンバトルを始めます!使用ポケモンは3体!どちらかのポケモン全てを戦闘不能にした方の勝利とします!」

 

「葛葉さんと四天王のバトル…!なんだかジム戦の時よりもドキドキするね…!」

 

「でも大丈夫かなぁ…?竜胆さんとバトルした時はボコボコにされたんだよね…?」

 

「竜胆って…あの四天王最強の竜胆尊さん…!?」

 

「そんな凄い人にもバトルを挑んでのか…?とんだバトルジャンキーだな…」

 

「剣持さんも人のこと言えませんよ」

 

「葛葉もあの時より強くなってる。一方的な試合にはならないと思うよ」

 

「葛葉さ〜ん!頑張れ〜!」

 

「それじゃあ、両者1体目のポケモンを!」

 

「出番だよ!ヨノワール!」

 

 

奈羅花からポケモンの選出を宣告されたましろはその1体目としてヨノワールを繰り出す

 

 

「ヨノワールか…!なら、俺はコイツだ!いけ!ルガルガン!」

 

 

対する葛葉は"オオカミポケモン":ルガルガン(真昼の姿)を繰り出す

 

 

「ルガルガンとヨノワールか…。タイプ相性上の有利不利は無さそうだけど…」

 

「ルガルガンは足が速いから、それを活かせば…!」

 

「天宮さんには悪いけど、それくらいで勝てるほど四天王は甘くないと思うよ」

 

 

ルガルガンとヨノワールのマッチアップに剣持達が意見を口にするなか、準備が整ったことで奈羅花が試合開始の宣言を下す

 

 

「それでは、バトル始め!」

 

「ルガルガン!"アクセルロック"!」

 

 

先手を取ったのは葛葉…ルガルガンは"アクセルロック"を繰り出し、目にも止まらぬ早さでヨノワールの懐へ炸裂させる

 

 

「ヨノ…!」

 

 

だが、ヨノワールは平気な様子で大したダメージにはなっていないようだった

 

 

「おお〜!先制技とは言え、凄い早さだね!」

 

「余裕っすね…!でも、今のは挨拶代わりだ!ルガルガン!続けて"かみくだく"!」

 

 

ましろと軽く言葉を交わしてすぐ、葛葉の続く指示でルガルガンは"かみくだく"を繰り出し、ヨノワールの右腕に炸裂させる

 

 

「ヨノォ…ッ!」

 

 

先程の"アクセルロック"と違い、効果抜群の技を受けたヨノワールはその苦痛に呻き声を漏らした

 

 

「おお〜!効いてるみたいだよ!」

 

「流石に効果抜群ともなれば良いダメージを与えられるな」

 

「これならもしかするんじゃないか…!?」

 

「…いや、そうでもなさそうだぞ」

 

 

ルガルガンの攻撃がヨノワールに通用したことで天宮達が期待の声を上げるのに対し、剣持は否定的な言葉を呟いた

 

その彼の視線の先では、バトルに臨んでいるましろがニヤリと笑みを浮かべていた

 

 

「よし!ルガルガン!もう一度…!」

 

「させないよ!ヨノワール!"かなしばり"!」

 

 

再び"かみくだく"を指示しようとした葛葉だが、それよりも先にましろの指示でヨノワールが"かなしばり"を発動

 

これにより、ルガルガンは直線に繰り出した技"かみくだく"を封じられてしまう

 

 

「ガル…ッ!?」

 

「なっ…!?」

 

「えぇ…っ!?何がどうなったん…!?」

 

「"かなしばり"は相手が直前に出した技をしばらく使えなくするんだよ」

 

「ゴーストタイプならではの技だね…!」

 

「自分にとって不利な攻撃を縛ることで状況を有利に傾けさせる…!やっぱり四天王は手強いな…!」

 

 

この一手に葛葉とルガルガンは思わず動揺し、叶達は解説や意見を口にする

 

 

「今度はこっちからいくよ!ヨノワール!"シャドーパンチ"!」

 

「ルガルガン!"アクセルロック"!」

 

 

"かみくだく"を封じると共に攻勢に出たましろの指示でヨノワールは"シャドーパンチ"を繰り出す

 

対するルガルガンは"アクセルロック"を繰り出し、その瞬間的に跳ね上がった素早さを以って正面からの"シャドーパンチ"を躱しつつ、ヨノワールに炸裂させる

 

 

「なるほど、早さを活かしての回避か。でも…」

 

 

と、ましろが呟いた直後、躱したはずの"シャドーパンチ"が軌道を変えて追従し、ルガルガンに炸裂する

 

 

「ガルゥ…ッ!?」

 

「ルガルガン…ッ!」

 

「"シャドーパンチ"は必中の技。避けても当たるまで追従するよ」

 

「くっ…!だったらこれでどうだ…!ルガルガン!"かげぶんしん"!」

 

「無駄だよ!ヨノワール!"シャドーパンチ"!」

 

 

避けられないなら本体への狙いを定められないようにしようと、葛葉はルガルガンに"かげぶんしん"を指示する

 

だが、ヨノワールが繰り出した"シャドーパンチ"はルガルガンの分身ではなく、真っ直ぐ本体へと飛び炸裂した

 

 

「"かげぶんしん"でも当たるなんて…!」

 

「必中技の威力はそう高くない。"かみくだく"が封じられていなければ、相殺しながら攻めることが出来ただろうけど…」

 

「こうなったら、攻撃を受ける覚悟で攻めるしかねぇ!ルガルガン!"アクセルロック"!」

 

 

絶対不可避の"シャドーパンチ"に叶達が表情を険しくするなか、防御を捨てた攻勢に出た葛葉の指示でルガルガンは"アクセルロック"を繰り出す

 

 

「そうくるよね。でも、それが命取りになるよ!ヨノワール!ルガルガンを掴み押さえて!」

 

 

ましろの指示を受けたヨノワールは"アクセルロック"を正面から受け止めた直後、左手でルガルガンの口をガッシリと掴み押さえた

 

 

「ガルゥ…ッ!?」

 

「ルガルガンの口が掴まれちゃった…!?」

 

「あの状態じゃ、噛み付く系の技を繰り出せないですよ…!」

 

「それだけじゃない…!抜け出さないと"アクセルロック"も繰り出せないし、"かげぶんしん"も意味を成さない…!」

 

「完全に動きを封じられた…!」

 

 

ルガルガンが手も足も出せくなった光景を目の当たりにした叶達が口々に声を上げるなか、ましろはルガルガンにトドメを刺すための指示を出す

 

 

「ヨノワール!"きあいパンチ"!」

 

 

ヨノワールは左手でしっかりとルガルガンの口を掴んでその動きを押さえながら、右手に"きあいパンチ"を繰り出すためのエネルギーを集中させる

 

 

「"きあいパンチ"だって…!?」

 

「ゴーストタイプが弱点とする、あくタイプポケモン対策で覚えさせているのか…!」

 

「ルガルガン〜ッ!逃げて〜ッ!」

 

「ルガルガン…ッ!早くヨノワールから離れろ…!」

 

 

かくとうタイプの技の中でも脅威の威力を誇る"きあいパンチ"

 

直撃すれば、効果抜群となるいわタイプのルガルガンは確実に戦闘不能の大ダメージを負うこととなる

 

ルガルガンは必死にその拘束から逃れようと踠き暴れるが叶わず、集中が完了したヨノワールの"きあいパンチ"を懐へと炸裂させられ、吹き飛ばされる

 

 

「ルガルガン…ッ!」

 

「ガ…ガルゥ…」

 

「ルガルガン、戦闘不能!ヨノワールの勝ち!」

 

 

葛葉が呼び掛けるもルガルガンは弱々しい呻き声と共に力尽き、奈羅花から戦闘不能を宣告された

 

 

「つ、強い…」

 

「"かなしばり"で"かみくだく"を封じてからずっとましろさんのペースだった…」

 

「相手に不利な要素を与えることで圧倒的な有利を得る…。流石は四天王になるだけの実力を持ったトレーナーだな…」

 

 

流れを作ってから完璧なバトルをしてみせたましろの実力に叶達が驚嘆し、葛葉は倒れたルガルガンをボールへと戻す

 

 

「よくやった、ルガルガン。次はお前だ!いけ!クロバット!」

 

 

続く2体目に、葛葉はクロバットを繰り出す

 

 

「葛葉君の2体目はクロバットか…」

 

「能力的にはクロバットはルガルガンよりも素早いポケモンだけど、それでどうにかなると思ってるのか?」

 

「葛葉はそこまで脳筋じゃないよ。何かしら考えがあっての選出のはず」

 

「クロバット〜!頑張れ〜!」

 

 

続くクロバットとヨノワールのバトルはどうなるのかと叶達が注目するなか、奈羅花が試合の再開を宣言する

 

 

「それでは、バトル始め!」

 

「ヨノワール!"シャドーパンチ"!」

 

「クロバット!"クロスポイズン"で迎え撃て!」

 

 

ましろ、葛葉の指示を受けてヨノワールとクロバットはそれぞれの技を繰り出す

 

放たれた"シャドーパンチ"にクロバットが"クロスポイズン"で衝突

 

それによって発生したエネルギーによって爆発が生じ、クロバットは爆煙に包まれる

 

 

(煙が邪魔でクロバットの姿を捉えられない…。となると、葛葉君がこれを利用しないわけがない)

 

 

煙に身を隠せたことで動きを捕捉されずに接近でき、強力な一撃を叩き込んでくるはず

 

そう考えたましろは敢えて攻撃の指示を出さず、次の瞬間に仕掛けてくる攻撃にヨノワールを備えさせる

 

そして、数秒後にましろの予想通り…

 

 

「クロバッ!」

 

 

爆煙の下から飛び出したクロバットが一瞬にしてヨノワールの足下まで迫る

 

 

(やっぱりね…!さあ、最初で最後になる君の大技は何かな?)

 

 

ここで繰り出してくる技を耐え、ルガルガンの時と同じように再び"かなしばり"で封じてやろうと、ましろはニヤリと笑みを浮かべる

 

 

「クロバット!"ちょうおんぱ"!」

 

「え…!?」

 

 

だが、予想していた攻撃技ではなく変化技を指示した葛葉にましろは思わず驚いて声を上げた

 

ダメージに身構えていたヨノワールもこれには対応出来ず、至近距離から繰り出されたクロバットの"ちょうおんぱ"を諸に食らってしまい、混乱状態に陥ってしまう

 

 

「有利な状況を作り出す!そういう手段はこっちだって持ってるんだよなぁ!更にダメ押しといくぜ!クロバット!"どくどく"!」

 

「ヨノワール!"シャドーパンチ"!」

 

 

葛葉は混乱に続いて猛毒状態を狙い、それを阻止するためにましろはヨノワールに"シャドーパンチ"の指示を出す

 

 

「ヨ…ノォ…ッ!」

 

 

だが、ヨノワールは混乱によって訳も分からず自身を攻撃してしまい、クロバットが"どくどく"を繰り出すことを阻止出来ず、直撃して猛毒状態になる

 

 

「決まった!これでヨノワールは時間が経てば経つほど大きくなる猛毒のダメージを食らい続ける!」

 

「なかなかにエグいけど、これもバトルの戦略の1つ…。あいつ、こういう戦略もちゃんと考えてるんだな」

 

 

ヨノワールを追い込み始めた戦略に叶達が声を上げるなか、葛葉は更に攻め立てる

 

 

「クロバット!"クロスポイズン"!」

 

「ヨノワール!"シャドーパンチ"!」

 

 

混乱と猛毒に苦しむヨノワールにクロバットは"クロスポイズン"を炸裂させ、直後に素早く上空へと飛び上がる

 

対するヨノワールは混乱状態のなか再び"シャドーパンチ"を繰り出す

 

今度は成功し、放たれた"シャドーパンチ"は上空へと飛び上がったクロバットを追尾する

 

 

「クロバット!"エアカッター"で迎え撃て!」

 

 

命中するまで何処までも追いかけてくる"シャドーパンチ"に対し、葛葉の指示を受けたクロバットは"エアカッター"を繰り出して迎撃

 

"シャドーパンチ"は"エアカッター"との衝突の末にそのパワーが尽きて消滅し、クロバットに炸裂することは叶わなかった

 

 

「これは…クロバットの勝ちだね」

 

「え…?どうして?」

 

 

勝負の行方を断定する叶にひまわりが疑問符を浮かべ、それにリリと剣持が答える

 

 

「ヨノワールがあの高さにいるクロバットへ攻撃出来るのは今のところ"シャドーパンチ"のみ。でも、それは"エアカッター"をぶつけることで相殺される」

 

「そして、ヨノワールは猛毒状態によって体力を削られていく。攻撃しなくても、クロバットは守りに徹するだけで勝てるんだ」

 

「葛葉さん、凄〜い!」

 

 

ルガルガンを圧倒したヨノワールを今度は逆に圧倒してみせた葛葉とクロバットに天宮達から関心の声が上がる

 

 

「これはしてやられたね…。いや、僕が君を過小評価した結果か」

 

「チャンピオンを目指すなら、色んな戦い方を知ってなきゃならないっすからね。単純な力だけで勝てるとは思ってないっすよ」

 

「なるほど。君のポケモンバトルと強さに対する熱意は本物だね」

 

 

"それじゃあ…"と、葛葉の実力を認めたましろは笑みを浮かべる

 

 

「小手調はこのくらいにして、僕も本気を出そうかな!ヨノワール!"トリックルーム"!」

 

 

ましろの指示を受けてヨノワールはここまで見せてこなかった4つ目となる技"トリックルーム"を発動させる

 

そして、発動を終えると同時にヨノワールは猛毒のダメージによって体力が尽き、その場に倒れ伏した

 

 

「ヨノワール、戦闘不能!クロバットの勝ち!」

 

 

奈羅花からヨノワールの戦闘不能が告げられるが、クロバットの勝利に歓声を上げる者はいない

 

ましろがヨノワールの最後に繰り出させた技"トリックルーム"…これが次のバトルにどう影響するのか非常に注目していたからだ

 

 

「お疲れ様、ヨノワール。それじゃあ、僕の2体目はこいつだ!出番だよ!オーロット!」

 

 

ヨノワールをボールに戻し、ましろは続く2体目に"ろうぼくポケモン":オーロットを繰り出す

 

 

「オーロット…?たしか、くさ・ゴーストタイプのポケモンだよね?ひこうタイプのクロバットには相性が悪いと思うんだけど…」

 

「それに早く動けるクロバットに比べて、オーロットは早く動けそうには見えないんだけど…」

 

「タイプ相性上はそうだね。そして、素早さもオーロットはクロバットに比べてかなり低い」

 

「でも、"トリックルーム"にはその不利を覆すだけの効果がある」

 

 

オーロットの選出に疑問を抱く凛月達に叶と剣持が意味深に言葉を口にするなか、奈羅花が試合の再開を宣言する

 

 

「それでは、バトル始め!」

 

「何か仕掛けてくるってんなら、その前に追い詰めりゃいいだけだ!クロバット!"エアカッター"!」

 

 

試合再開と同時に、葛葉の指示でクロバットが"エアカッター"を繰り出す

 

 

「その前に?いいや、もう仕掛けは十分に整ってるんだよ!オーロット!"ゴーストダイブ"!」

 

 

迫る"エアカッター"を前に、ましろの指示でオーロットは"シャドーダイブ"を繰り出す

 

そして、それは一瞬のことだった

 

 

「ロットォッ!」

 

「クロバ…ッ!?」

 

「早ぇ…っ!?」

 

 

凄まじい早さでその場から姿を消したオーロットはその後1秒もかからずに空中にいるクロバットの背後に姿を現し、"ゴーストダイブ"を炸裂させた

 

 

「は、早っや…!?」

 

「オーロットって、あんなに素早く動けるポケモンなの…!?」

 

「で、でも…叶さんはオーロットはクロバットよりも素早さが低いって…!」

 

「その矛盾の正体がこの"トリックルーム"だよ。素早いポケモンほど行動が遅くなり、逆に遅いポケモンほど行動が素早くなるんだ」

 

 

驚くひまわり達に叶がそう解説する

 

"トリックルーム"はポケモンバトルにおいて重要な素早さによる有利不利を逆転させる技

 

この技を用いれば、足は遅いが火力のあるポケモンも限定的にとは言え、足が早く火力のあるポケモンへと変わるのだ

 

 

「高い素早さが仇となる技か…!流石は四天王…!一筋縄とはいかねぇなぁ…!クロバット!"クロスポイズン"!」

 

 

遠距離から接近戦に切り替えた葛葉はクロバットに"クロスポイズン"を指示し、オーロットへと突っ込ませる

 

 

「オーロット!"やどりぎのタネ"!」

 

 

迫るクロバットに対し、ましろの指示でオーロットは"やどりぎのタネ"を弾丸の如く発射

 

額に直撃した種は直後に芽を出し、ツルが生え、クロバットに絡み付く

 

 

「クロバァァ…ッ!?」

 

 

そして、絡み付いたツルがクロバットから体力を奪い、その動きを鈍らせる

 

 

「"やどりぎのタネ"か…!これで葛葉のクロバットは一定時間毎に体力を奪われていくことになる…!」

 

「怯むな、クロバット!」

 

 

厄介な技である"やどりぎのタネ"に叶が顔を顰めるが、葛葉が鼓舞し、それによって奮い立ったクロバットは"やどりぎのタネ"のダメージを堪えてオーロットへと突っ込む

 

 

「オーロット!"ゴーストダイブ"!」

 

 

だが、"クロスポイズン"が直撃する寸前でオーロットは"ゴーストダイブ"を発動させて一瞬にして姿を消し、背後に現れてクロバットに攻撃を炸裂させる

 

 

「負けるな、クロバット…ッ!」

 

 

再び葛葉が鼓舞の声を上げ、それに応えたクロバットは"ゴーストダイブ"によるダメージを堪えて体勢を立て直し、オーロットに反撃の"クロスポイズン"を炸裂させる

 

 

「ロットォ…ッ!?」

 

「追加効果で毒を浴びちゃったか…!」

 

 

"クロスポイズン"の追加効果によってオーロットは毒状態となり、その不運にましろは歯噛みする

 

 

「よし!よくやったぞ、クロバット!」

 

「クロ…バァァ…ッ!?」

 

「…っ!?クロバット…っ!」

 

 

奮闘してくれたことを葛葉が褒めた直後、"やどりぎのタネ"によるダメージが発生したクロバットはそれによって力尽きてしまった

 

 

「クロバット、戦闘不能!オーロットの勝ち!」

 

「…いや、仕方ねぇ。頑張ったな、クロバット。ゆっくり休んでくれ」

 

 

奈羅花から戦闘不能を言い渡され、葛葉は労いの言葉をかけると共にクロバットをボールへと戻す

 

 

「なんとか最後に一矢報いれましたね」

 

「でも、"トリックルーム"の効果はまだ続いている。あいつの3体目も素早いポケモンなら、もうしばらくは厳しい展開になるだろうな」

 

「葛葉さんに残っている手持ちポケモンの中で比較的足が遅いのはギャラドスだよね?」

 

「うん。でも、葛葉の3体目は多分…」

 

「最後はお前だ…!いけ!リザードン!」

 

 

叶達が注目するなか、葛葉は最後の3体目として相棒のリザードンを繰り出す

 

 

「やっぱり、リザードンやな!」

 

「まあ、毒状態になっているとは言え、まだオーロットは一度しか攻撃を受けてない。ましろさんの3体目とまともにバトルするなら、弱点を突いた一撃で仕留めないといけないしね」

 

「問題は"トリックルーム"の効果が切れるまでの間をどれだけ凌げるかだな」

 

「リザードン、頑張れ〜!」

 

 

バトルもいよいよ終盤…追い込まれた葛葉がましろに何処まで迫れるか一同は注目する

 

 

「それでは、バトル始め!」

 

「リザードン!"ドラゴンクロー"!」

 

「オーロット!"ウッドホーン"!」

 

 

バトル再開と同時に葛葉とましろは互いに指示を出し、リザードンとオーロットはそれぞれの技を繰り出して相手へと突っ込む

 

両者の技がぶつかり合う…かに思われたが、"トリックルーム"によってより早く動けるオーロットはリザードンが突き出した"ドラゴンクロー"を屈んで回避しつつ、その懐へ"ウッドホーン"を炸裂させる

 

だが、効果が今一つだったのが功を奏したか、リザードンは苦痛に表情を少し歪ませるも怯むことはなく、反撃に"ドラゴンクロー"をオーロットへ炸裂させる

 

 

「オーロット!"やどりぎのタネ"!」

 

 

"ドラゴンクロー"を受けて突き飛ばされたオーロットはましろの指示で"やどりぎのタネ"を発射

 

リザードンの懐に着弾し、芽生え絡み付いたツルが体力を奪う

 

 

「"やどりぎのタネ"が…!」

 

「これはなかなか苦しいですね…」

 

「でも、そろそろ…!」

 

 

と、叶達がバトルを見守るなか、ここで"トリックルーム"の効果時間が切れて時空の歪みが元に戻る

 

 

「よし!これで素早さ関係は元通りだ!リザードン!"かえんほうしゃ"!」

 

 

葛葉の指示を受けて、リザードンは"かえんほうしゃ"を繰り出す

 

 

「オーロット!"ゴーストダイブ"で躱せ!」

 

 

だが、オーロットは"かえんほうしゃ"が炸裂する前に"ゴーストダイブ"を発動してその場から姿を消す

 

 

「リザードン!後ろに注意しろ!」

 

 

このバトル中、オーロットは"ゴーストダイブ"を繰り出した時にずっと背後に現れて攻撃してきたことから、葛葉はリザードンに警告する

 

だが…

 

「ロットォ…!」

 

「…っ!?」

 

 

オーロットが現れた場所はリザードンの背後ではなく、離れた位置だった

 

 

「攻撃してこない…?」

 

「これはどういうことなんだ…?」

 

「…なるほど、そういうことか」

 

「叶さん…?何か分かったんですか?」

 

 

"ゴーストダイブ"で攻撃してこないオーロット…その理由を理解した叶に凛月が問い掛ける

 

 

「おそらく、ましろさんは守りに徹するつもりなんだ。何もしなくても、リザードンは"やどりぎのタネ"の影響で体力を奪われるからね」

 

「それって…!さっき葛葉がクロバットでヨノワールに勝ったのと同じ…!」

 

 

叶の答えにひまわり達は驚愕する

 

先程のヨノワールを倒す決め手となった"どくどく"の猛毒状態と同じく、"やどりぎのタネ"もまた相手の体力を徐々に奪っていく

 

ましろもまた、相手の戦略を仕返したのだ

 

 

「足の遅いオーロットでも、"ゴーストダイブ"でなら回避も間に合う」

 

「それで逃げ続けて、"やどりぎのタネ"のダメージでリザードンを削り倒すってことか…!」

 

 

オーロットが近付かない限り、リザードンの攻撃は"ゴーストダイブ"を用いた回避で届かない

 

近付いてくればカウンターも狙えたが、"やどりぎのタネ"で体力を削れる以上、オーロットが接近するリスクを負う必要はない

 

"これは詰んだ"と、冷静にバトルを分析していた剣持やリリは判断し、絶望的な状況にひまわり達も表情を暗くする

 

 

「悪いね、葛葉君。本気で勝つためには、こうするのが最適なんだ」

 

「謝ることないっすよ。これもバトルの戦略の1つだし、これで文句言う奴は甘ぇだけっすからね」

 

 

"それと…"と、敗北が濃厚となったこの状況でなお、葛葉の表情は諦めておらず、笑みを浮かべて言葉を続ける

 

 

「俺はまだ詰んだとは思ってねぇっすよ!リザードン!フィールドに向かって最大火力の"かえんほうしゃ"だ!」

 

 

葛葉の指示が飛び、上空へ飛んだリザードンはフルパワーの"かえんほうしゃ"をバトルフィールドの中心に向かって繰り出す

 

 

「一体何を…?」

 

 

と、葛葉の思惑が読めないましろは疑問符を浮かべるが、その答えはすぐに明らかとなった

 

 

「ロットォ…ッ!?」

 

「なに…っ!?」

 

 

突然、苦痛の声を上げるオーロット…その理由は"かえんほうしゃ"によってフィールドが熱されたからだった

 

 

「フィールドを利用した熱による攻撃…!?」

 

「そんなのアリなのか…!?」

 

「"かえんほうしゃ"を直接当てるよりもダメージは低いだろうけど、たしかにこれなら"ゴーストダイブ"で避けることは出来ない…!」

 

「それに高温になればなるほど、くさタイプのオーロットにとっては苦しくなる!」

 

「流石は葛葉さん…!凄い発想力…!」

 

 

予想外の葛葉の戦法に剣持達は驚き、叶達は興奮から声を上げる

 

 

「くっ…!このままじゃジリ貧だ…!オーロット!"ゴーストダイブ"!」

 

 

このまま地上にいては熱によるダメージによっていずれやられるため、選択を余儀なくされたましろの指示でオーロットは"ゴーストダイブ"を発動

 

地上から姿を消し、空中にいるリザードンの背後へと現れて攻撃を炸裂させる

 

 

「ようやく来てくれたなぁ!リザードン!"かえんほうしゃ"!」

 

 

仕方ない攻撃に打って出たオーロットの攻撃を堪えたリザードンは至近距離からの"かえんほうしゃ"を炸裂させ、そのまま地上へ叩きつける

 

 

「ロットォ…ッ!?」

 

「オーロット…っ!」

 

 

効果は抜群…その一撃を以って、戦闘不能となったオーロットは仰向けに倒れ伏した

 

 

「オーロット、戦闘不能!リザードンの勝ち!」

 

「やった!これで2体目も突破だよ!」

 

「まさか、あの状況から勝つなんてな…!」

 

 

奈羅花から判定が下され、オーロットの突破に天宮達は喜びの声を上げ、剣持達は葛葉への認識を改める

 

 

「お疲れ様、オーロット。ナイスファイトだったよ」

 

 

ましろはオーロットへ労いの言葉を贈ると共にボールへと戻し、改めて葛葉と向かい合う

 

 

「やるね、葛葉君!バッジ4つ目にしてポケモンだけでなく、君自身の強さ…想像以上だよ!」

 

「四天王様の御眼鏡に適ってそりゃ光栄。でも、余裕こいてたら足元掬われるっすよ」

 

「だろうね。君は勝つ気満々みたいだし。それにこれは余裕じゃないよ。楽しいんだ、君とのバトルが!だから今、僕も心から君に勝ちたいと思ってる!僕は君を舐めたりなんてしない!出番だよ!ゲンガー!」

 

 

葛葉とのバトルに対する想いを告げ、ましろは3体目のポケモンにパートナーであるゲンガーを繰り出す

 

その直後、ましろは何処からともなく1本のシャベルを取り出した

 

 

「シャベル…?」

 

「どうしてあんなものを急に持ち出して…?」

 

「お…!宣言通り、ましろんも本気を出すみたいだね!皆、シャベルの柄をよく見てみて」

 

 

不思議に思う叶達が奈羅花に促されてシャベルの柄に注目すると、そこにはメガシンカに必要なアイテム:キーストーンが埋め込まれていた

 

 

「キーストーン…!?」

 

「ってことは、まさか…!」

 

「そのまさかだよ!ゲンガー!メガシンカ!」

 

 

叶達が驚くなか、ましろはキーストーンに指を添える

 

次の瞬間、輝き出したキーストーンからエネルギーが溢れ、それがゲンガーの持つメガストーンと繋がる

 

眩い光に包まれたゲンガーはその姿形を変え、メガゲンガーへとメガシンカする

 

 

「メガシンカ…!上等だ、相手にとって不足はねぇ!気張れよ!リザードン!」

 

「ウォォォンッ!」

 

「いい気迫だね!全力でいくよ!ゲンガー!」

 

「ゲンガァッ!」

 

 

葛葉とましろが互いに気合を入れ、最後のバトルの火蓋が切って落とされる

 

 

「それでは、バトル始め!」

 

「リザードン!"かえんほうしゃ"!」

 

「ゲンガー!"シャドーボール"!」

 

 

奈羅花の試合再開の宣言と同時にリザードンは"かえんほうしゃ"、ゲンガーは"シャドーボール"を繰り出す

 

衝突する2つの技…しかし、その威力は"シャドーボール"が勝り、"かえんほうしゃ"を押し退けてリザードンに炸裂する

 

 

「リザードンの"かえんほうしゃ"があんな簡単に押し負けるなんて…!」

 

「凄い威力…!」

 

「ゲンガーはメガシンカすることで元々高い特攻の力を更に増大させるからね…」

 

「流石はメガシンカ…!なんて強さだ…!」

 

 

リザードンの強さをよく知る叶達は勿論、剣持達もメガシンカしたゲンガーの強さに驚愕する

 

 

「まだまだぁ!リザードン!"ドラゴンクロー"!」

 

「ゲンガー!躱せ!」

 

 

技の撃ち合いで負けるならばと、葛葉は接近戦を狙ってリザードンに"ドラゴンクロー"を指示して突っ込ませる

 

だが、ゲンガーは接近したリザードンが繰り出す"ドラゴンクロー"を危なげなく躱していく

 

 

「ゲンガーの方が早くて、攻撃が当たらない…!」

 

「ゲンガーはメガシンカしたことで素早さも高まってますからね。とは言え、素早さにこれほどの差があるなんて…」

 

「パートナーポケモンというだけあって、相当なレベルに育て上げられてますね…」

 

「それじゃあ、こっちも攻撃だ!ゲンガー!"ヘドロウェーブ"!」

 

 

リザードンを上回る圧倒的な素早さを持つゲンガーに凛月達が驚くなか、攻勢に出たましろの指示を受けてゲンガーは"ヘドロウェーブ"を繰り出す

 

毒の波がリザードンを呑み込み、更にオーロットによって植え付けられた"やどりぎのタネ"の継続ダメージが襲いかかる

 

 

「ウォォォン…ッ!」

 

「頑張れ、リザードンっ!"エアスラッシュ"だ!」

 

 

"ヘドロウェーブ"を堪えるなか、葛葉の激励を聞いたリザードンは力を振り絞って"エアスラッシュ"を繰り出し、"ヘドロウェーブ"を吹き飛ばすと共にゲンガーへと炸裂させる

 

 

「ゲン…ッ!」

 

 

そして、"エアスラッシュ"を受けたゲンガーは追加効果によって怯んでしまう

 

 

「怯んだ…!なら今がチャンスだ!リザードン!"ドラゴンクロー"!」

 

 

ゲンガーに一撃を叩き込めるチャンスが到来し、葛葉の指示で肉迫したリザードンは渾身の"ドラゴンクロー"を炸裂させる

 

 

「よし!このまま連続で…!」

 

「甘いよ!ゲンガー!"さいみんじゅつ"!」

 

 

ゲンガーに体勢を立て直す暇を与えまいとする葛葉だったが、リザードン渾身の"ドラゴンクロー"を堪えたゲンガーは至近距離からの"さいみんじゅつ"を命中させ、リザードンを眠り状態に陥らせる

 

 

「なっ…!?」

 

「リザードンが眠らされちゃった…!」

 

「リザードン〜!起きて〜!」

 

「いいや、これで終わりだよ!ゲンガー!"シャドーボール"!」

 

 

ひまわり達の呼び掛けも虚しく、眠り状態のリザードンにゲンガー渾身の"シャドーボール"が炸裂し、大きな爆発を引き起こす

 

 

「ぐっ…!リザードン…!」

 

 

爆風に耐えながら葛葉はリザードンの安否を想うが、しばらくして爆発による煙が晴れたそこには力尽きて倒れ伏すリザードンの姿があった

 

 

「リザードン、戦闘不能!ゲンガーの勝ち!よって勝者、ましろん!」

 

「…まあ、これが今の実力差か。よくやってくれたな、リザードン。ゆっくり休んでくれ」

 

 

奈羅花の宣言によってバトルは終了し、葛葉は負けたもののそれを潔く受け入れ、奮闘したリザードンに労いの言葉を掛けてボールへと戻した

 

 

「葛葉、負けちゃった…」

 

「まあ、四天王が相手だからな。当然の結果だ」

 

「でも、いいバトルでしたよね…!」

 

「そうですね。思ってたよりも焦ることなく、葛葉らしいバトルでましろさんに迫れてたと思います」

 

 

葛葉とましろのバトルを見届けた叶達がそれぞれの感想を伝え合うなか、当の本人達は互いの健闘を称えて握手を交わす

 

 

「ましろさん、バトルあざっした」

 

「こちらこそ、楽しいバトルだったよ。君の素質と実力なら、残りのジムも全てクリア出来るはず。ポケモンリーグへの挑戦、応援してるよ」

 

「あざっす。でも、俺はポケモンリーグを優勝してチャンピオンリーグにも挑戦するんで、首を洗って待っておいた方がいいっすよ」

 

「あはは!それは楽しみだね!」

 

 

自信満々な葛葉の返しにましろは笑い声を上げる

 

 

「四天王に一目置かれるトレーナーか…。手強いライバルが出来ましたね、剣持さん」

 

「そうだな。今はバッジの数が多いからって、僕達ものんびりしてられない。残す2つのバッジも手に入れて、更に強くなるために特訓するぞ」

 

「あ…!ちょっと待ってくださいよ、刀也さん…!それじゃあ皆さん、俺達は先に行くんでここでお別れです!また何処かで会いましょうね!」

 

「はい!伏見さん達もお元気で!」

 

「次に会えた時は一緒にご飯食べたり、観光したりしようね〜!」

 

「ええ、楽しみにしています」

 

 

葛葉とましろのバトルを見て対抗心を燃やした剣持は次のジムがあるヘルエスタシティへと向けて歩き出し、リリと伏見は天宮達に別れを告げて彼の後を追い掛けて行った

 

 

「それじゃあ、僕達もオウマシティへ向かおうか」

 

「なら、車で送ってあげようか?私も今回のことを街に報告しないといけないから。ましろんもどう?」

 

「乗る乗る〜!」

 

「何から何までありがとうございます、奈羅花さん」

 

「うっし!お前等ぁ!次のオウマジムも勝つぞぉっ!」

 

「「「「おおーっ!」」」」

 

 

ポケモンリーグ挑戦への気合を入れ直し、葛葉達は次のジムがあるオウマシティへと出発した

 

 

 

 

「見えた…!あそこがコーヴァスシティ…!」

 

 

そして、時は少し過ぎ…葛葉達と入れ替わる形でオウマシティを出発したリゼとアンジュは次なる街:コーヴァスシティに辿り着いた

 





葛葉
手持ち:リザードン、クロバット、ギャラドス
   ガバイト、ルガルガン(真昼)

ましろ
手持ち:ゲンガー、ヨノワール、オーロット
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