「わあ〜!コーヴァスシティって凄く活気に溢れた街なんだね!」
5つ目のジムバッジ:オウマバッジを手に入れたリゼはアンジュと共に次なるジムがあるコーヴァスシティへと辿り着いた
「コーヴァスシティはすぐ東のメイフ砂漠や来る途中で見かけた北の鉱山、南のエニカラ雪山に囲まれてることから、厳しい環境の中にある街っていうイメージが強い。でも、実際はその特殊な環境で取れる素材を利用して発展を遂げた産業街なんだ」
「それじゃあ、市場に出回る進化の石や道具だったりは…!」
「うん。ニジサンジ地方で出回るそのほとんどは、この街で採取採掘されたものだよ。それと、コーヴァスシティは化石の街でも有名なんだ」
「聞いたことある!たしか、北の鉱山で発掘されてるんだよね!」
「そう。鉱山には一般のトレーナーも立ち入りを許可されてるから、そこで化石ポケモンを手に入れる人もいるんだよ」
「化石ポケモンか〜!手持ちはもう6匹揃ってるからゲットする気はないんだけど、ポケモン達は実際にこの目で見てみたいな!」
「コーヴァスシティには化石の展示と復元させた化石ポケモンを飼育している博物館兼研究所があったはずだから、滞在中の何処かで見に行こっか」
「うん!」
初めて訪れる街にワクワクしながら、まずはポケモンセンターへと向かうリゼとアンジュ
その最中、聞き覚えのある声に呼ばれて2人は足を止めた
「あれ?あそこにいるの、もしかしてリゼさんじゃね?」
「本当だ…!お〜い!リゼ様〜!」
「あっ…!イブラヒムさん達だ…って、コウさんとりりむさんまで…!?」
声のした方へ振り向くと、そこにはヤオウシティで出会ったイブラヒム、フレン、メリッサの3人
そして、リゼと同じ日に旅に出たコウとその旅仲間であるりりむの姿があった
「久しぶりだな、リゼ」
「ひ、久しぶりだけど、どうしてコウさん達がイブラヒムさん達と…?」
「ヒム達とはコーヴァスシティに到着した日に会ってな。ヤオウシティのタッグバトル大会でその実力は見てたから、バトルを申し込んだんだ」
「コウ君とイブラヒムのバトルは凄く白熱してね!いつの間にか意気投合して仲良くなったんだ!」
「そうだったんだ…!」
「あ〜、そういえばウヅコウ達はリゼさんと知り合いだったな」
「ああ、同じ学校に通ってた友達だよ。そういうヒム達もリゼと知り合いだったんだな」
「タッグバトル大会の後に話す機会があってね」
と、挨拶がてらに互いの知り合った経緯を話し合ったところでメリッサがリゼに質問する
「リゼさん達は今日コーヴァスシティに着いたの?」
「うん。ジムに挑戦する前に、しばらく街を観光しようと思ってるんです」
「なら、私達が街を案内してあげますよ!リゼ様!」
と、目を輝かせながらフレンが提案する
「そういえば、フレンさん達はコーヴァスシティ出身でしたね」
「でも、フレンさん達にも色々予定があるんじゃ…?」
「そんなの気にしないでください、リゼ様!私達、久しぶりに街に帰ってきたから今はリフレッシュ期間なんです!」
「まあ、本当のところは次の街へ行くにも今は道が塞がってて回り道しないといけねぇから、面倒で待ってるだけなんだけどな。とは言え、暇であることは事実だな」
「そうなんですか?なら、お言葉に甘えさせてもらいます」
「はい!遠慮なく甘えてください!それと私のことは呼び捨てで大丈夫ですよ、リゼ様!敬語も大丈夫です!」
「そ、そう?じゃあ、分かった。ありがとう、フレン。それじゃあ、ポケモンセンターで宿泊部屋を取った後で…」
と、リゼが喋っている途中でフレンはまたも目を輝かせた
「リゼ様、まだ宿を取ってないんですか…!?なら、イブちゃんの屋敷に泊めてあげますよ!あっ…!安心してください、リゼ様!私とメリーも泊まるから、イブちゃんに変な気は起こさせません!」
「いや、勝手過ぎるし悪い印象操作すんのやめろ。出禁にするぞ」
「出禁だけは勘弁してください!」
「なんて早さの土下座…!?」
と、色々と好き勝手言った挙句イブラヒムに怒られて即土下座するフレンに、驚いたリゼは思わず声を上げる
「まあ、別に部屋は余ってるし、泊めるのは全然いいんだけどさ」
「ほ、本当にいいんですか?」
「まあ、これも何かの縁ってことで」
「な、何から何までお世話になってすみません…」
「いいんですよ、リゼ様!これくらい当然のことです!」
「他人に優しいのは良いことだけど、それで俺を良いように扱うのは頂けねぇよなぁ?フレン」
フレンの立ち直りの早さに一同は呆れ、リゼとアンジュはイブラヒム達の厚意に甘えることにした
「それじゃあ、早速コーヴァスシティを案内します!と、その前に私達の予定に付き合ってもらってもいいでしょうか?」
「予定?」
「実は俺達、これから街の北にある鉱山へ化石を掘りに行くんだ」
「化石…!ってことは、コウさん達は化石ポケモンをゲットするつもりなんですね!」
「そういうこと」
「とは言っても、一筋縄では手に入らないんだけどな」
「どういうことですか?」
「なに、行けば分かりますよ」
*
「わぁ〜…!中はこんなに広がってるんだ…!」
イブラヒム達の案内を受けてコーヴァスシティの北にある鉱山へ訪れ、坑道に足を踏み入れたリゼはそう言葉を溢す
中の坑道は大きく、通路は幾つも枝分かれしており、発掘作業員は当然、コウ達と同じく化石を手に入れるために訪れたであろう一般の人達の姿も多く見受けられた
「それじゃあ、俺とフレンさんは化石を掘ってくるから、みんなはその辺で待っといてよ」
「コウ君!りりむも手伝うよ!」
「じゃあ、私はフレンを手伝ってもいいかな?化石ポケモンが欲しいわけじゃないけど、発掘なんてなかなか出来る機会がないから」
「い、いいんですか…!?分かりました…!リゼ様が発掘を楽しめるよう、私が全力でサポートします!」
「フレンの奴、趣旨変わってねぇか?」
「楽しそうだからいいんじゃない?」
コウとフレンと共にリゼとりりむも化石を掘りに向かい、アンジュはイブラヒムとメリッサと共に近くの岩場に腰掛け、互いのこれまでの旅の話をしながら待つことにした
*
「へぇ〜!オウマシティの北の森にそんなポケモンがいたんだ〜!」
「パルデア地方のポケモンか…。ニジサンジ地方はどの地方よりも多くの種類のポケモンが生息してるけど、まだまだ俺達の知らないポケモンが世界にはいるんだな…」
「ソウブレイズ…だっけ?そのポケモンがリゼさんと仲良くなったら、手強いライバルになるね!イブラヒム!」
会話が弾むなか、リゼ達が化石の発掘に向かってから1時間が経過した
「さて、リゼ達はまだかな…って、あれ…?イブラヒムさん、あそこの立ち入り禁止のテープで塞がれている穴は何なんですか?」
そろそろリゼ達が戻ってくる頃かと、ふと坑道を見渡したアンジュは腕の立ちそうなトレーナー2人がその前に立つ、立ち入り禁止のテープで塞がれた穴を見つけ、イブラヒムに質問する
「あ〜、あそこはコーヴァスシティのジムリーダーだけが入ることを許されている秘密の穴っすね」
「コーヴァスシティのジムリーダーだけが入れる秘密の穴…?何か珍しいアイテムが採掘出来るんですか?」
「俺達トレーナーには無用の物だけど、ピンクのダイヤモンドが採掘出来るらしいんすよ」
「ピンクのダイヤモンド…!たしか、ダイヤモンドの中でも希少価値の高い宝石ですよね…!」
「そうっすね。何故か分からないんですけど、今のジムリーダーが就任した数年前から採掘されるようになったとか」
「それがあの穴の先で…」
「立ち入り禁止の理由は不特定多数による乱掘を防ぐためだそうです」
「まあ、そんな価値の高い物を誰でも掘り出せるようにするわけにはいかないですもんね」
「お〜い!お待たせ〜!」
「化石発掘出来たよ〜!」
と、謎の穴についての話に区切りがついたところで発掘を終えたリゼ達がアンジュ達の下に合流する
「よし。それじゃあ、化石を鉱山入口の管理スタッフに預けて、外の横合いへ移動するぞ」
「鉱山の外に…?そこに化石が一筋縄では手に入らない何かがあるんですか…?」
「そういうことです。まあ、何があるのかは行ってからのお楽しみということで」
と、答えを焦らすイブラヒムに従い、一同は入口の管理スタッフに発掘した化石を預け、鉱山外の横合いへと移動する
*
「これって…!?」
鉱山の横合いに設けられている整地された場所…そこへ移動したリゼ達が目にしたのは、ポケモンバトルだった
「エビワラー!"ドレインパンチ"!」
「トリデプス!耐えて"メタルバースト"!」
バトルコートで対戦しているのは空手王の男と濃いオレンジ髪が特徴の少女
空手王の男のエビワラーが"ドレインパンチ"を繰り出し、少女のトリデプスがそれを受け止める
そして、その攻撃を耐え切ったトリデプスが"メタルバースト"を発動させ、受けたダメージを倍にしてエビワラーへと与え返す
「エビワァ…ッ!?」
「ああ…!?エビワラー…っ!」
"メタルバースト"を受けたエビワラーは戦闘不能となり、その場に倒れ伏した
「お疲れ様、トリデプス。残念だけど、勝負ありだね!」
「くそぅ…!強ぇ…!」
「発掘した化石はちゃんと預かっておくから、諦めずにまた挑戦しに来てよ」
「…そうさせてもらう。ありがとうございました!押忍!」
「押忍〜!」
負けを認めた空手王の男は少女にバトルの礼をして鉱山から去って行った
「これは一体どういうことなんですか…?」
「この鉱山で発掘した化石を手に入れるためには、あの人とバトルして勝つ必要があるんすよ」
「この鉱山は誰でも立ち入ることが出来るから、お金儲けのために化石を乱掘する悪い人も時々いるんだよね」
「つまり、化石を手にするに相応しいトレーナーを見極めるための処置…ということですね」
イブラヒムとメリッサの説明を分かり易く言い換えたアンジュの結論を聞き、リゼは"なるほど…"と納得を示す
「さて、次の挑戦者はいるかな〜?」
「俺達が挑戦しますよ!プティさん!」
「お…!誰だ〜?…って、あ〜っ!卯月さんにイブラヒム達じゃん!」
プティと呼ばれた少女は、挑戦の意志を示すコウ達を見つけると親しげな表情を浮かべて駆け寄ってくる
「あの人とは、皆さん知り合いなんですか?」
「まあ、そうだな。あの人はラトナ・プティ。主に、この鉱山でポケモンの化石の管理をしながら、時々コーヴァスジムの審判も務めてる人っすよ」
プティと面識のあるイブラヒムから、リゼは簡単な素性を聞く
「皆ジム戦以来だね!…って、あれ?初めて見る顔もいるね」
「はじめまして、リゼといいます」
「アンジュ・カトリーナです。どうぞよろしく」
「リゼちゃんにアンジュさんだね!よろしく〜!」
「リゼさんは俺達と同じで、ポケモンリーグ挑戦を目指すトレーナーなんすよ」
「そうなんだ〜!ってことは、ここまでジムリーダーを探しに来たの?」
「いや、今日のところはコーヴァスシティを観光する案内のついでで俺達の用事に付き合ってもらってるだけです」
「プティさん!私と卯月さんは化石を手に入れるためにバトルを申し込みます!」
「そういうことか〜!いいよ!じゃあ、まずはどっちがバトルする?」
プティがリゼとアンジュとの挨拶が済んだところで、コウとフレンは彼女からバトルの順番を聞かれ、それをジャンケンで決めることにした結果、先にコウがプティに挑戦することなった
「じゃあ、まずは卯月さんからだね!バトルのルールは1対1だよ!」
「おっけー!」
軽いルール説明を終え、コウとプティはバトルコートの立ち位置へと移動し、リゼ達は近くの丁度いい岩に腰掛ける
「卯月さんはコーヴァスジムをクリアしてるからね!手加減はしないよ!いけ!プテラ!」
コーヴァスジムでのジム戦でコウの実力を知っているプティは"かせきポケモン":プテラを繰り出す
「プテラか…!なら、俺はこいつだ!いけ!サーナイト!」
対するコウは"ほうようポケモン":サーナイトを繰り出す
「サーナイトだ〜!綺麗〜!」
「たしかに美しいポケモンですよね!リゼ様には敵いませんけど!」
「いわ・ひこうタイプのプテラとエスパー・フェアリータイプのサーナイト…!どんなバトルになるんだろう…!」
リゼ達が注目するなか、いよいよ化石を懸けたコウとプティのバトルが始まる
「先攻はどうぞ」
「それじゃあ、遠慮なく!サーナイト!"シャドーボール"!」
先攻を譲られたコウの指示と共にバトルが始まり、サーナイトは"シャドーボール"を繰り出す
「プテラ!躱して!」
プティの指示に従い、サーナイトが繰り出した"シャドーボール"をプテラは素早い動きで難なく回避する
「早い…!」
「プテラは数多くいるポケモンの中でも高い素早さを誇ってるからね…!」
「流石は太古の大空を支配していたポケモンっすね」
と、プテラの素早い動きにリゼ達は言葉を溢す
「プテラ!"ストーンエッジ"!」
サーナイトの攻撃を凌いで攻勢に出たプティの指示で、プテラは"ストーンエッジ"を発動
自身の周囲に生成した無数の鋭利な岩礫をサーナイトへと射出する
「サーナイト!最大パワーの"サイコキネシス"で跳ね返せ!」
迫る"ストーンエッジ"に対し、サーナイトは"サイコキネシス"を発動
その強力な念動力で"ストーンエッジ"を直撃寸前で止め、次の瞬間にプテラへと広範囲に向かって跳ね返す
プテラは先程"シャドーボール"を回避した時ように素早く飛行するも、放たれた範囲の広さに避け切れず直撃してしまう
「コウさんのサーナイトも凄い…!プテラの"ストーンエッジ"を全部跳ね返しちゃった…!」
「あの"サイコキネシス"…強力だね…!」
「イブちゃんがバトルした時も、大抵の技はアレで防がれちゃってたよね〜」
「ああ。厄介な技だよ、アレは」
と、強力な"サイコキネシス"を見せたサーナイトにリゼ達は感心の声を上げる
「やっぱり強いねぇ…!でも、まだまだ勝負はここからだよ!プテラ!"すてみタックル"!」
プテラは"サイコキネシス"で跳ね返された"ストーンエッジ"の直撃を受けて落下する最中、プティの指示が届いて意識を取り戻し、体勢を立て直して"すてみタックル"を繰り出す
「サーナイト!"マジカルシャイン"で迎え撃て!」
コウの指示で、サーナイトは"マジカルシャイン"を繰り出し、プテラの"すてみタックル"とぶつかり合う
だが、先程最大パワーで"サイコキネシス"を繰り出したことで少し疲労していたのか、"マジカルシャイン"は突破され、プテラの"すてみタックル"が炸裂してしまう
「サーナイト!大丈夫か!?」
「サーナ…ッ!」
無事を確認するコウの呼び掛けに、吹き飛ばされたサーナイトは力強く返答して立ち上がる
「さっきの"サイコキネシス"の直後で少し疲れていたとは言え、タイプ一致技の"マジカルシャイン"を押し切るとはな」
「プティさんのプテラもよく育てられてる…!」
「でも、"すてみタックル"は反動がある技なんでしょ?なら、反動のダメージが…!」
と、りりむはプテラに目を向けるが、ダメージに苦しむ様子は少しも見受けられなかった
「全然ダメージを受けてる様には見えないけど…」
「その理由は、あのプテラの特性が反動のダメージを受けない"いしあたま"だからだな」
「私のサイドンと同じだ…!」
フレン達が不思議に思うなか、プテラが反動のダメージを受けていない理由を見破ったイブラヒムが説明する
「強いですね!プティさんのプテラ!」
「君のサーナイトもね!正直、君になら化石を渡してもいいと思ってるんだけど…」
と言いながら、プティは腰のベルトに取り付けているポーチを外して手に取る
「せっかくの機会だし、本気で戦わせてもらうね!」
そう告げたプティは手にしたポーチの蓋部分に埋め込まれたキーストーンに指を添える
「キーストーン…!ということは…!」
「プテラ!メガシンカ!」
キーストーンを目にしてリゼが声を上げるなか、プティの掛け声と共にキーストーンは輝き出し、溢れたエネルギーがプテラの持つメガストーンと繋がってメガプテラへとメガシンカを遂げさせる
「メガシンカか…!だったら、俺達もメガシンカだ!サーナイト!」
「サーナッ!」
プテラのメガシンカを受けたコウは左腕の袖を捲り上げて、そこに装着したメガリングを露にすると共にキーストーンを輝かせ、サーナイトの持つメガストーンと呼応…メガサーナイトへとメガシンカさせる
「コウさん達もメガシンカ…!?」
「メガシンカ同士のバトルか…!これは面白くなってきたな…!」
「コウ君〜!サーナイト〜!頑張れ〜!」
プテラに続いてサーナイトのメガシンカにリゼは驚き、イブラヒムは興奮し、りりむは声援を送る
「いくよ!プテラ!"すてみタックル"!」
「サーナイト!"マジカルシャイン"!」
メガシンカしたプテラが繰り出す"すてみタックル"にサーナイトは再び"マジカルシャイン"で迎撃する
先程はフルパワーの"サイコキネシス"を使った直後の疲労があって突破されたが、万全を喫した状態での衝突は拮抗し、サーナイトはプテラの"すてみタックル"を防ぎ切った
「プテラ!"ストーンエッジ"!」
「サーナイト!"サイコキネシス"!」
プテラが上空から繰り出す"ストーンエッジ"をサーナイトは再び"サイコキネシス"で対応する
しかし、今回はコウからフルパワーで臨む指示が飛ばなかった
にもかかわらず、サーナイトは迫る"ストーンエッジ"をまたしても"サイコキネシス"で止めて、プテラへと跳ね返す
「また跳ね返した…!」
「でも、今度のはさっきと違って力を込めてない様子だよ…!?」
「メガシンカしたサーナイトは特攻が飛躍的に上がってるからな。当然、その出力は段違いだ」
と、力む様子もなくメガシンカ前のフルパワー以上の"サイコキネシス"を繰り出すサーナイトにフレン達は驚き、イブラヒムは解説する
「プテラ!躱して"かみなりのキバ"!」
バトルの序盤と同様、再び広範囲で跳ね返される"ストーンエッジ"をプテラはメガシンカで更に強化された素早さを以って躱し切り、サーナイトへと迫って"かみなりのキバ"を炸裂させる
「サーナ…ッ!?」
そして、"かみなりのキバ"の追加効果によってサーナイトは麻痺状態となってしまう
「サーナイトが麻痺しちゃった…!」
「これは皮肉な展開だな…。ウヅコウのサーナイトの特性は自分がなった状態異常を相手にも付与する"シンクロ"。だが、メガシンカした今のサーナイトの特性は"フェアリースキン"に変わってる。メガシンカ前なら状況は五分五分だったんだが…」
「ラッキー!このまま畳みかけちゃうよ!プテラ!"フリーフォール"!」
サーナイトの麻痺にリゼ達の表情に焦りが出るなか、それを機にプティはプテラに"フリーフォール"を指示する
「サーナイト!"マジカルシャイン"で迎え撃て!」
突っ込んで来るプテラに対し、コウはサーナイトに"マジカルシャイン"で迎撃するよう指示する
「サ…ナァ…ッ!?」
「…っ!体が痺れて動けないか…!」
だが、このタイミングでサーナイトは麻痺状態による強烈な痺れに襲われ、"マジカルシャイン"を繰り出すことが出来なかった
麻痺状態による行動不能の不運にコウが歯噛みするなか、サーナイトはプテラの足に掴まれて天高く連れて行かれる
そして、十分な高さまで飛んだプテラはそこから"フリーフォール"の最終段階…相手を地面へ叩き落とすための急降下を始める
「あの勢いで叩き付けられたらひとたまりもないよ…!?」
「早く"サイコキネシス"や"マジカルシャイン"で反撃しないと…!」
「いや、技を繰り出すのが間に合ったとしても、あの勢いをすぐに止めるのは無理だ…!」
サーナイトのピンチにリゼ達は焦燥の声を上げる
「いや、まだだ!サーナイト!"あやしいひかり"!」
だが、バトルに臨んでいたコウは諦めていない
地上まで残り約50mのところで、サーナイトは落下の風圧や麻痺の痺れに抗いながら"あやしいひかり"を発動させる
「プテェ…ッ!?」
「プテラ…!?」
"あやしいひかり"によって混乱したプテラはその瞬間に力が緩んでしまい、掴んでいたサーナイトを放してしまう
「今だ、サーナイト!"サイコキネシス"!」
プテラから解放されたサーナイトは"サイコキネシス"を発動させ、まずは安全に地上へと着地
その後、"サイコキネシス"の対象をプテラに変えて地面へと叩き落とす
バコォォォン…ッ!
「プテラ…ッ!」
叩き付けた衝撃で土煙が巻き起こり、プテラの身を案じたプティがその名を叫ぶ
「プテェ…」
土煙が晴れた先では、戦闘不能となってメガシンカの効果が切れたプテラが弱々しい声を上げて倒れ伏していた
「よし!俺達の勝ちだな!」
「サーナッ!」
プテラの戦闘不能を確認し、バトルに勝利したコウはサーナイトと喜び合う
「お疲れ様、プテラ…良いバトルだったよ。流石だね、卯月さん。約束通り、発掘した化石は君のものだよ」
「ありがとうございます!プティさんとのバトル楽しかったです!またいつか、今度はフルバトルで勝負しましょう!」
「お…!いいね〜!楽しみにしてるよ!」
互いの健闘を称え、プティとの再戦を約束した次の挑戦者であるフレンと交代し、リゼ達の下へ戻る
「初めてのメガシンカだった割には、ちゃんと物にしてたな」
「当然だろ!俺とサーナイトの絆はバッチリだからな!」
戻って来たコウにイブラヒムがバトルの感想を伝えるなか、その会話の中であることが気になったリゼはコウへ質問する
「初めてって…コウさんがキーストーンとメガストーンを手に入れたのって最近のことなの?」
「そうだね。ただ、詳しい理由は話せないんだけど…」
「えぇ…!どうして…!」
「どうして…って言われてもなぁ…」
歯切れの悪い返答をするコウの様子から、"何か言えない事情があるのかも?"とリゼが思考したところで、フレンとプティの準備が整う
「よし!それじゃあ、フレンさん!いくよ〜!」
「はい!リゼ様にカッコいいところ見せるためにも、負けません!」
「あ…!そろそろフレンのバトルが始まるよ!」
何か事情があるのかもしれないとは言え、キーストーンとメガストーンについてはっきりとした答えを得られなかったリゼはそれに対するモヤモヤした気持ちを抱えながらも、これから始まるフレンとプティのバトルに意識を向ける
そんなリゼを見かねてか、バトルが始まる直前にイブラヒムが声を掛ける
「まあ、今は気にしても仕方ないっすよ。ただ、1つ言えるとしたらキーストーンとメガストーンはコーヴァスシティで手に入れることが出来ます。最も、誰でも手に入れられるわけじゃないんだけど、リゼさんにその資格があるなら、街を出る時には手に入れてるかもっすね」
「…っ!それってどういう…!?」
「リゼさんに言えるのはこれが限界です。とりあえず、今はフレンのバトルを応援しましょうよ」
今教えてもらえる最大限の解答…それにリゼは一先ず納得し、イブラヒム達と共にフレンのバトルを応援する
リゼ
手持ち:エンペルト、イーブイ、バタフリー
サイドン、リオル、ソウブレイズ
アンジュ・カトリーナ
手持ち:ゴルーグ、ビッパ
卯月コウ
手持ち:サーナイト
ラトナ・プティ
手持ち:プテラ、トリデプス