にじさんじ×ポケットモンスター   作:Mr.ソロ

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※本投稿に際して前話(60話)にて末尾に加筆を行いましたので、未読の方は先にご拝読することを勧めます


第61話「メイフ砂漠!波乱を呼ぶウルトラビースト!」

 

時は少し遡り、リゼ達が鉱山に着いた頃…

 

 

「君達の言うプレートはこの部屋で厳重に保管されてる」

 

 

コーヴァスシティに残ったコウ、りりむ、フレン、メリッサの4人は街を襲う にじレジ団の目的が博物館に保管されている古代のプレートではないかと睨んで訪れ、そこの職員と共にその保管室の前に来ていた

 

 

「たしかに頑丈そうな扉ですね。でも、この扉以外から侵入してる可能性があるかもしれないんです」

 

「分かった。中の様子を確認してくるから、君達はここで待っててくれ」

 

「はい!怪しい奴は1人も近付けさせません!」

 

 

部屋の中にあるプレートの無事を確認するため職員が入り、コウ達は自分達以外の人間が近付いて来ないか周囲を警戒する

 

 

「君達、プレートは無事だ」

 

「そうですか。ということは、あいつらはまだ来てはいないんだな」

 

「一先ずは安心だね」

 

「でも、これから来るかもしれないってことでしょ?なら、イブちゃん達が戻るまでここに残ってた方がいいかも」

 

「そうだね!」

 

 

しばらくして、部屋から戻ってきた職員からプレートの無事を告げられ一安心するも、先を見据えてコウ達はプレートの保管室前で待機することにした

 

 

「それじゃあ、ここは君達に任せるよ。私は念のため、他の場所で異常が無いか一回りしてくる。一応、この無線機を渡しておく。何かあればこれで連絡するよ」

 

「分かりました」

 

 

そして、職員はコウ達に無線機を手渡し、館内の状況を確認するべくその場から去って行った

 

 

 

 

「来ないな…」

 

「そうだね。それに外の状況はどうなったんだろ…?」

 

「リゼ様達とイブちゃんも大丈夫かな…?」

 

 

それから数十分後…何事も起こることなく待ち続けていたコウ達はこの不気味な時間に加え、街の様子や鉱山へ向かったリゼ達の安否に不安を募らせた

 

 

「それにしても、あの職員さん遅いね〜」

 

「まあ、広い博物館だからな。保管室の数も相当あるだろうし、時間がかかるのは仕方ないよ」

 

「でも、こうも連絡が無いのは不安だね」

 

「じゃあさ、こっちから聞いてみない?」

 

「そうだな。何事もないならそれはそれでこっちも安心できるしな」

 

 

立ち去ってから未だ連絡の無い職員の様子が気になり、フレンの提案を受けてコウが無線機の通信を入れる

 

 

「もしもし?他の場所はどうでしたか?」

 

『……』

 

「あれ?聞こえてないのか?もしもーし!他の場所はどんな状況ですかー!?」

 

『……』

 

「おかしい、返事がないぞ…」

 

「どういうこと…?」

 

「もしかして、何かあったんじゃ…!」

 

 

職員が無線機での呼び掛けに応じないことから、何かあったのではないかとコウ達の不安が一気に膨れ上がる

 

 

「ね、ねぇ…!職員さんを探しに行った方がいいんじゃ…!」

 

「でも、この広い博物館の中からどうやって…!」

 

「…っ!そうだ!私に任せて!出てきて!パルスワン!」

 

 

闇雲には動けないと職員の捜索に足踏みするなか、フレンがパルスワンを繰り出す

 

 

「パルスワン…!そうか…!無線機の臭いで…!」

 

「そういうこと!パルスワン!この無線機と同じ臭いを追って!」

 

 

パルスワンの優れた嗅覚を利用することを思い付いたフレンは職員から渡された無線機の臭いを嗅がせる

 

 

「ワゥンッ!」

 

「追えるみたい!」

 

「よし!なら行こう!」

 

 

パルスワンの嗅覚を頼りに、コウ達は行方が分からなくなった職員の元へと駆け出す

 

 

 

 

「いや〜、大漁大漁〜♪これだけ持ち帰れればリーダーも褒めてくれるやろ!」

 

 

博物館内の化石保管室…そこで、にじレジ団幹部の1人である椎名は大きな袋にポケモンの化石をせっせと詰め込んでいた

 

 

「ゲンガッ!ゲンゲンッ!」

 

「おわっ…!?き、急に大きな声出すなよ…!ゲンガー…!てか、なに…?もしかして、ヤバい感じ…?」

 

 

その最中、椎名のポケモンであるゲンガーが床下から勢いよく飛び出し、慌てた様子で何かを伝え、そこから嫌な予感を感じ取った

 

 

「ワゥンッ!ワンッ!」

 

「ここだね!パルスワン!」

 

「誰だ…あの女…?博物館の職員には見えないけど…」

 

「ねぇ、あそこに倒れてるのさっきの職員さんじゃない…!?」

 

「ということは、あの女の子が…!」

 

 

直後、パルスワンと共に部屋の出入り口に辿り着いたコウ達は見知らぬ少女と倒れている職員を見て状況を理解し、警戒を強める

 

 

「おい!怪しい袋を持ってるお前!もしかして、にじレジ団の仲間か!?」

 

(バレるの早すぎやろ…!しかも人数も多いし…!)

 

 

コウに声を掛けられ、内心で文句を垂れながら椎名は振り向く

 

 

(…っ!?)

 

「え…?」

 

「…!お前…何処かで見たことがあるような…?」

 

 

椎名が振り向いた直後、互いに見覚えがあるのか椎名は驚き、りりむは呆気に取られ、コウは怪訝な表情を浮かべる

 

 

「…っ!いけぇ!バクフーン!"えんまく"!」

 

 

コウとりりむが一瞬動きを止めるなか、先に我へと返った椎名はおどろおどろしい風貌のバクフーンによく似たポケモンを繰り出し、すかさず"えんまく"を放ってコウ達の視界を奪う

 

 

「煙幕…!?」

 

 

ボコォン…ッ!

 

一同が煙幕に動揺するなか、間髪入れずに壁を破壊する音が響き渡る

 

 

「今の音…!まさか、部屋の壁を壊して…!」

 

「…っ!待って…!」

 

「りりむちゃん…!?」

 

 

椎名が壁を破壊して逃げ道を作ったのだとコウが悟るなか、まだ煙幕が立ち込める中でりりむが走り出すのを感じた

 

 

「りりむさん1人じゃ危険だよ!僕達も追おう!フレン!」

 

「そうだね、メリー!コウさん!イブちゃん達が戻ってきたらこのことを伝えてくださいね!」

 

「ちょっ…!?フレンさんとメリッサさんまで…!?」

 

 

りりむに続き、フレンとメリッサも化石を盗んだ少女を追って駆け出し、コウは1人その場に残されることとなった

 

 

 

 

そして、現在…

 

 

「待てぇぇぇっ!化石泥棒ぉぉぉっ!」

 

「フラァッ!」

 

「おい…!このままやと追いつかれるってぇ…!もっとスピード出ぇへんの…!?」

 

「全速力です…!ですが、砂に足を取られてこれが限界で…!」

 

 

フレン、メリッサ、りりむの3人はフレンのポケモンである"せいれいポケモン":フライゴンの背中に乗って空を飛び、メイフ砂漠の東に向けて車を走らせる椎名とにじレジ団の下っ端を追っていた

 

 

「よし!ここまで近付ければ十分でしょ!フライゴン!"りゅうのいぶき"!」

 

 

攻撃の射程圏内に捉えたと判断したフレンの指示を受け、フライゴンは椎名達にじレジ団が乗る車に向けて"りゅうのいぶき"を繰り出す

 

ボゴォォォンッ!!!

 

 

「「「「「うわぁぁぁぁぁぁっ!!?」」」」」

 

 

"りゅうのいぶき"が見事命中し、爆発の勢いで車は大きく転倒

 

椎名及びにじレジ団の下っ端達は砂上へと放り出される

 

 

「あいたたた…!」

 

「フライゴン!よくやったね!」

 

「フラァ〜!」

 

「"よくやったね"ちゃうわ!お前ぇ!人に向かって技を繰り出すとか容赦なさすぎやろぉ!」

 

 

ようやくにじレジ団に追い付き、地上へと降り立ったフレン達は椎名と向かい合う

 

 

「さあ!観念して盗んだ化石を返して!」

 

「そう言われて大人しく"はい、分かりました"ってなるわけないやろ!こっちには容赦なく攻撃された恨みもあるんや!そっちこそ覚悟しろよ!いけぇっ!ゲンガー!」

 

「「「「「お前達もいけぇっ!!」」」」」

 

 

抵抗の意志を見せる椎名はゲンガーを繰り出し、彼女に続いて共にいた にじレジ団の下っ端達もベロリンガ、グランブル、シザリガー、デンチュラ、ナゲツケザルをそれぞれ繰り出す

 

 

「まあ、そうなるよね…!頼んだよ!バシャーモ!」

 

「僕も手伝うよ!出てきて!エモンガ!スピアー!」

 

 

相手の数からフライゴンだけでは厳しいと感じたフレンは"もうかポケモン":バシャーモを繰り出し、彼女に加勢すべく、メリッサも"モモンガポケモン":エモンガと"どくばちポケモン":スピアーを繰り出す

 

 

「あたし等を怒らせたこと、後悔させてやるからなぁ!」

 

「そっちこそ!私達の街を滅茶苦茶にした報い!受けてもらいますからね!」

 

「ちょっ…!ちょっと待って…!先にどういうことか話を聞かせてよ…!しぃs…!」

 

 

フレン達と椎名達のバトルの火蓋が切られようとするなか、りりむが声を上げた…その時だった

 

 

ピキ…ッ!ピキキ…ッ!バリィィィィン…ッ!!!

 

 

「「「「…っ!!?」」」」

 

 

丁度、睨み合う両者の真ん中上空で空間に急速なヒビが入ったかと思えば、瞬く間に割れて大きな穴が開いた

 

 

「な、なに…っ!?」

 

「し、椎名さん…!あの穴はもしかして…!?」

 

「ウルトラホールや…!なんでこんな時に…!?」

 

 

突然に発生したウルトラホール…それを初めて見るフレン達は困惑と未知への警戒で、椎名達はそこから出てくる"ある存在"への恐怖で体を強張らせる

 

 

「フェロ?」

 

「フェロー…」

 

 

一同がウルトラホールに呆気に取られるなか、そこから2体のウルトラビースト"えんびポケモン":フェローチェが姿を現し、彼女達の目の前に降り立った

 

 

「な、なに…?あのポケモン…?凄く綺麗な見た目してるけど…」

 

「うん…。でも、なんだか嫌な感じがする…」

 

 

冷や汗を流しながら、フェローチェを見つめるフレンとりりむはそれぞれの所感を呟く

 

 

「な、なんなん…!?あのウルトラビースト…!」

 

「以前、夜見さんが手に入れた資料で見たことがあります…!たしか名前は…フェローチェ…!」

 

「フェローチェ…!アレもウルトラビーストならとんでもなく強いんやろ…!他の追手が来るかも分からんし、こんなところで足止めされるのは得策じゃない…!ここは隙を作ってさっさと逃げるよ…!」

 

「し、しかし椎名さん…!ウルトラビーストは我々が保護するべきポケモン…!このまま野放しにするのは組織の意向に反するのでは…!?」

 

「アホか!1体ならまだしもウルトラビースト2体を相手に勝てるわけないやろ!それに、あいつ等以外の追手が来るかも分からんのにこんなところで足止めされるのは…!」

 

 

ヒュンッ!

 

ドゴォッ!!

 

 

「ベロ…ッ!?」

 

「「「「「…っ!!?」」」」」

 

 

フェローチェの捕獲を訴える下っ端に椎名が反論する最中、フェローチェの1体が目にも止まらぬ速さで動き出し、にじレジ団のベロリンガに強烈な"とびひざげり"を炸裂させた

 

 

「べ、ベロリンガ…っ!?」

 

「い、一撃…っ!?」

 

「なに…!?今の速さ…!?」

 

 

たった一度の行動…それだけでフェローチェの脅威的な強さにその場の全員が戦慄した

 

 

「シ、シザリガー…っ!"あくのはどう"…っ!」

 

「デンチュラ…!"10まんボルト"…!」

 

 

反撃しなければ一方的にやられる…そう感じたにじレジ団の下っ端達は恐怖に声を震わせながらも指示を出す

 

指示を受けてシザリガーとデンチュラがそれぞれ技を繰り出すが、2体のフェローチェはそれを軽々と避け、直後に1体はシザリガーの背後に素早く移動して"はいよるいちげき"を、もう1体は高く跳躍して繰り出した"とびはねる"をデンチュラに炸裂させる

 

 

「シザァ…ッ!?」

 

「チュラァ…ッ!?」

 

「シザリガー…っ!?デンチュラ…っ!?」

 

「う、嘘だろ…!また一撃で…!?」

 

 

先程のベロリンガ同様にシザリガーとデンチュラも一撃で戦闘不能に陥り、にじレジ団下っ端達の表情がますます恐怖に染まる

 

 

「捕獲なんて考えんな…!ここから逃げ切るために車を起こすのが先やって…!今はそのために少しでも時間を稼げればそれでいいから…!」

 

「わ、分かりました…!グランブル…!防御に専念して時間を稼いでくれ…!」

 

「ナゲツケザルも頼む…!」

 

 

椎名に従い、にじレジ団の下っ端達は残るグランブルとナゲツケザルに時間を稼ぐよう指示を出し、その間に逃走の準備を計る

 

 

「にじレジ団のポケモンがああも一方的に…!あのポケモンの強さ…この辺りに生息してる野生ポケモンの比じゃない…!このままだと私達も襲われるかもしれない…!メリー…っ!りりむさん…っ!残念だけど、化石は諦めてここから早く逃げよう…っ!」

 

「う、うん…っ!」

 

「……」

 

「メリー…?ねぇ、聞いてる…!?メリー…!」

 

 

フェローチェの脅威的な強さに危機感を覚え、にじレジ団を取り逃すよりも自分達の安全を優先にしたフレンは2人に撤退を提案する

 

だが、フレンの声が聞こえていないのか、メリッサはじっとウルトラホールを見つめていた

 

 

(何だろう…。あの穴…ウルトラホールだっけ…?アレを見てると妙に胸がざわつくような…)

 

「メリー…!ねぇ…!メリーってば…!」

 

 

メリッサの耳元でフレンが呼び掛けるが、それでも彼女の意識はウルトラホールに囚われており、返事は返って来なかった

 

 

「…っ!フレン…っ!1体こっちに来るよ…っ!」

 

 

りりむの叫び声を聞いてフレンが振り向くと、にじレジ団を襲っていた2体のフェローチェの内の1体が自分達に向かって迫って来ていた

 

 

「りりむさんは下がってて!バシャーモ!"ブレイズキック"!フライゴン!"りゅうのいぶき"!」

 

 

フレンの指示を受けて、力強く地を蹴ったバシャーモはフェローチェへ突っ込んで"ブレイズキック"を繰り出し、それを援護するようにフライゴンが"りゅうのいぶき"を繰り出す

 

フェローチェは体を捻らせて紙一重でバシャーモの"ブレイズキック"を避けた直後、すかさず跳躍してフライゴンの"りゅうのいぶき"を躱す

 

 

「フェロッ!」

 

 

そして、跳躍により上空のフライゴンへと迫ったフェローチェは氷のエネルギーを纏った連続の蹴り技"トリプルアクセル"を繰り出し、3回全てをフライゴンに炸裂させる

 

 

「フラァイ…ッ!!」

 

「フライゴン…っ!」

 

 

効果抜群の強烈な攻撃を受けたフライゴンは地上へと叩き落とされてしまう

 

 

「フェロッ!」

 

「…っ!?やめて…っ!!」

 

 

フライゴンが地に落ちた直後、フェローチェはトドメを刺そうと地を蹴って迫り、それを見てフレンが悲痛な声を上げる

 

 

「エモォッ!」

 

「…ッ!」

 

 

だが、フェローチェの追撃がフライゴンに届く寸前でメリッサのエモンガが"ほうでん"を繰り出した

 

"ほうでん"は味方も巻き込んでしまう技だが、地面タイプを持つフライゴンには効果が無いため、その無差別な広範囲攻撃はフライゴンにとっての防壁として機能し、当たればダメージを食らうフェローチェは追撃を諦めてその場から離れた

 

 

「スピッ!」

 

 

更に、メリッサのスピアーが"ヘドロばくだん"でフェローチェを追撃する

 

攻撃は1発も当たりはしなかったが、エモンガの"ほうでん"と合わせてフェローチェに攻撃へ転ずる隙を与えさせず、その間にバシャーモがフライゴンを担いでフレンの元へ後退した

 

 

「ありがとう…!エモンガ…!スピアー…!よく頑張ったね、フライゴン!ゆっくり休んで!」

 

 

フレンは窮地を救ってくれたエモンガとスピアーにお礼を言い、戦闘不能となったフライゴンをボールへと戻す

 

 

「グランブゥ…ッ!?」

 

「ナゲッキィ…ッ!」

 

「し、椎名さん…っ!グランブル達もやられました…!」

 

 

一方、椎名達にじレジ団側は転倒した車を起こし終えるが、丁度同じタイミングでフェローチェとバトルしていたグランブルとナゲツケザルが戦闘不能となった

 

 

「すぐにでも逃げたいところだけど、あの速さじゃすぐに追いつかれる…!ああ、もう…!やってやる…!ゲンガー!」

 

「ゲンガァッ!」

 

 

この場から無事逃げ切るための十分な隙を作るため、にじレジ団の中で戦えるポケモンが唯一残っている椎名は嫌々ながらも腹を決め、ゲンガーと共にフェローチェとのバトルに臨む

 

 

(マズい…!にじレジ団の逃げる準備が整った…!向こうもまだあのポケモンに狙われてるけど、きっと最後まで戦うつもりはない…!隙を作れればそこで逃げるつもりのはず…!そうなったらもう1体を押し付けられる…!)

 

「出し惜しみしてる場合じゃない…!いくよ!バシャーモ!」

 

「バシャッ!」

 

 

にじレジ団の状況を見て悠長にはしていられないと判断したフレンは椎名よりも先にフェローチェを倒すため、左手の羽根付き手袋に埋め込んである特殊な石…キースストーンを構える

 

椎名とフレン、2人と2体のフェローチェのそれぞれのバトルが火蓋を切ろうとしていた…その時だった

 

 

「「「カバァァァッ!!」」」

 

「「「ダグゥゥゥッ!!」」」

 

「…っ!?」

 

「な、なに…!?」

 

 

突如、フレン達と椎名達を取り囲むように砂の中から合わせて十を超える数の"じゅうりょうポケモン":カバルドンと"もぐらポケモン":ダグトリオが姿を現した

 

 

「な、なんだ…!こいつら…!?」

 

「なんか怒ってないか…!?」

 

「もしかして、ここは奴等の縄張りなんじゃ…!?」

 

「ということは、俺達とあのウルトラビーストとのバトルが縄張りを荒らしてると思って…!」

 

「「「カバァァァッ!!」」」

 

「「「ダグゥゥゥッ!!」」」

 

 

にじレジ団の下っ端達が敵意を見せるカバルドン達に怯えるなか、カバルドン達は一斉に"すなじごく"を繰り出し、一同の足下に大規模な砂地獄を発生させる

 

 

「う、うわぁぁぁぁぁ…っ!!?」

 

「く、車のエンジンを掛けろぉっ…!!」

 

「だ、駄目だ…っ!力が強すぎて引き摺り込まれ…っ!うわぁぁぁぁぁ…っ!!?」

 

 

危機を感じるや否やすぐさま車のエンジンを掛けるが、10体以上のポケモンによって生み出された強力な砂地獄に馬力が足らずに抜け出せず、終いには再び車を転倒させられ、放り投げ出されたにじレジ団の下っ端達は砂地獄に呑み込まれていく

 

 

「うわぁぁぁぁぁ…っ!!?ゲンガーぁぁぁぁぁ…っ!!」

 

「ゲンガ…ッ!」

 

 

同じく、砂地獄に呑まれそうになった椎名は泣きじゃくりながら助けを求め、ゲンガーに引っ張り上げられる

 

 

「よし…!これであたしだけでも…!」

 

「「「ボラァ…!」」」

 

「ひぃっ…!?」

 

 

抱き抱えられる形で空中へと逃れてホッとしたのも束の間、カバルドン達と共に集まった同じ砂漠の野生ポケモン"とりもどきポケモン":シンボラーの群れに取り囲まれる

 

 

「ゲ、ゲンガー…っ!逃げ…っ!」

 

「「「ボラァッ!」」」

 

 

再び涙目になり、急いでゲンガーに逃げるよう叫ぶ椎名だったが、その隙を与えられることもなく、シンボラー達から"サイケショック"を放たれる

 

 

「ゲンン…ッ!?」

 

「ゲンガー…っ!?うわぁぁぁぁぁ…っ!!!」

 

 

椎名を抱えたままでは避けることも叶わず、ゲンガーはシンボラー達の"サイケショック"をまともに受けて大ダメージを負って力尽き、椎名は泣き叫びながらゲンガーと共に砂地獄へと落ちていく

 

 

「うわっ…!?エモンガ…っ!スピアー…っ!」

 

「きゃあああああああ…っ!!?」

 

「バシャーモ…っ!戻って…!」

 

 

砂地獄によって足場が崩れたことで意識を呼び戻したメリッサは咄嗟に自身のポケモン達をボールへと戻し、フレンもまたバシャーモをボールへと戻す

 

唯一3人全員を乗せて飛行出来るフライゴンが戦闘不能となってしまい、逃れる術が無くなったフレン達も椎名達と同様にそのまま砂地獄へと呑まれていった

 

 

「フェロッ!」

 

 

そして、引き摺り込まれるフレン達を追いかけて2体のフェローチェは自ら砂地獄の中へと飛び込んでいった

 

 

 

 

「ウルトラホール…だったよな?アレが開いてた場所ってこの辺りじゃないか?」

 

「うん…。フレン達が巻き込まれてなければいいんだけど…」

 

 

数十分前…鉱山の一件を終えてコーヴァスシティに戻ったリゼ、アンジュ、イブラヒム、ベルモンドは博物館で合流したコウから事の顛末を聞き、同時にメイフ砂漠の上空に発生したウルトラホールを目撃し、一先ずその場所へとアンジュのゴルーグに乗って向かっていた

 

 

「……」

 

「イブラヒムさん、大丈夫ですか…?」

 

「ウルトラホールを見た時から顔色も悪かったし、やっぱり街に残っていた方が良かったんじゃないか?」

 

「…いや、大丈夫っす」

 

 

ウルトラホールを目撃した直後から、イブラヒムは酷く不安な様子を見せ、心配してアンジュとベルモンドが声を掛けるが、当の本人はその表情と裏腹に"大丈夫だ"と言い張っていた

 

 

「ん…!?おい…!あそこに何かあるぞ…!」

 

「本当だ…!アンジュ…!」

 

「うん!ゴルーグ!あそこへ向かって!」

 

 

メイフ砂漠を飛んでしばらく、ウルトラホールが発生したと思われる辺りでリゼとコウが何かを見つけ、一行はその場所へと降り立った

 

 

「これは…車…?一体誰の…?」

 

「…っ!おい、みんな…!中に何かあるぞ…!」

 

 

リゼ達が見つけたのは半分砂に埋もれた車だった

 

そして、降りてすぐにそれへ走り寄ったイブラヒムが窓から確認した車内に何かを見つけて皆に呼び掛ける

 

 

「その袋…!にじレジ団が盗んだ化石が入ってるやつじゃないか…!?」

 

 

一同が袋の中身を確認すると、コウの指摘通り中には博物館でにじレジ団に盗まれた大量の化石が詰め込まれていた

 

 

「でも、どうしてこんなところに車と盗まれた化石だけが…?」

 

「…っ!ねぇ…!あそこにも何か落ちてない…!?」

 

 

あそこまで大規模な襲撃に乗じてにじレジ団が盗んだ化石が逃走手段とされる車と共に置き去りにされていることに疑問が生じるなか、アンジュが新たに何かを発見する

 

 

「これは…!りりむちゃんのぬいぐるみだ…!」

 

「どうしてこんなところにりりむさんのぬいぐるみだけが…!まさか、ウルトラホールから現れたポケモンに襲われて…!?」

 

「じゃあ、にじレジ団も…!」

 

 

見つかったのはりりむが常に持ち歩いているぬいぐるみ

 

それが不自然にもウルトラホールから発生した辺りに置き去りとなっていることから、リゼとアンジュは最悪のシナリオを想像する

 

 

「いや、待て。たしか、この辺りは野生のカバルドンやダグトリオ達の縄張りだったはずだ。そこに砂に埋もれた車…。もしかすると、フレン達…と、おそらくにじレジ団は縄張りを荒らされたと思った彼等の怒りを買ってしまい、砂地獄に巻き込まれてしまった可能性が高い」

 

 

だが、メイフ砂漠に詳しいベルモンドがその知識と周辺の情報から1つの可能性を提示する

 

 

「たしかに、それならこの不自然に物が置き去りにされている理由にも説明がつきますね…」

 

「冷静に考えてる場合じゃないよ…!それが本当ならフレン達は生き埋めに…!」

 

「落ち着いてくれ、リゼちゃん。まだそうと決まったわけじゃない」

 

「え…?どういうことですか…?」

 

「このメイフ砂漠には地下迷宮が存在するんだ。過去にカバルドン達の被害に遭った人達は皆、その地下迷宮に辿り着いている」

 

「じゃあ、りりむちゃん達もその地下迷宮に…!」

 

「ああ。地下迷宮にはメイフ砂漠の東端にある古代の遺跡から入ることが出来る。ただ、中には当然野生のポケモンが彷徨いている上に彼女達が地下迷宮の何処に落ちたのかも分からない。それを念頭に置いてくれ」

 

「なんでもいい!メリッサ達がまだ無事なら早く助けに行かねぇと!」

 

「でも、この化石はどうするんですか…?今の話だと、にじレジ団も地下迷宮に辿り着いてるんだろうし…」

 

「それなら任せてくれ。出てこい!トロッゴン!」

 

 

運良く取り戻せた化石を置いて行くわけにはいかず、かと言って持って行った先で再びにじレジ団に奪われる危険性を懸念するアンジュにベルモンドはそう言うと"せきたんポケモン":トロッゴンを繰り出す

 

 

「トロッゴン。これを手紙と一緒に街の博物館まで届けてくれ」

 

「その手紙は…?」

 

「念のため、街のジュンサーさん宛にな。それじゃあ頼むぞ、トロッゴン」

 

「トロッゴッ!」

 

 

ベルモンドは化石の入った袋と一緒に救援の要請を記した手紙を渡し、それらを受け取ったトロッゴンは全速力でコーヴァスシティへと走り去って行った

 

 

「よし!それじゃあ、俺達は東にある遺跡から地下に入ってフレン達を探そう!」

 

「はい!」

 

(フレン…!メリッサ…!無事でいてくれよ…!)

 

 

トロッゴンを見送ったリゼ達は再びアンジュのゴルーグに乗り、目的地に定めたメイフ砂漠の東端にある古代の遺跡へと飛び立った

 





リゼ・ヘルエスタ
手持ち:エンペルト、イーブイ、バタフリー
   サイドン、リオル、ソウブレイズ

アンジュ・カトリーナ
手持ち:ゴルーグ、ビッパ

椎名唯華
手持ち:ゲンガー、バクフーン?

フレン・E・ルスタリオ
手持ち:バシャーモ、パルスワン、ラッキー
   フライゴン

メリッサ・キンレンカ
手持ち:エモンガ、スピアー
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