にじさんじ×ポケットモンスター   作:Mr.ソロ

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第7話「パニック!スローンズトンネル!」

 

「着いたぁ!」

 

「これがエデンシティに繋がってる"スローンズトンネル"…!」

 

 

新たなライバル:葛葉との初バトルに勝利したリゼとアンジュは、その翌日に葛葉、叶、ひまわりと共にエデンシティへと向かい、その入り口となるスローンズトンネルに辿り着いた

 

 

「中の方は広ぇし、結構明るいな」

 

「街に繋がる道だから整えられてるんだろうね」

 

「へぇ、時代を感じるなぁ…」

 

「その言い方、おばさん臭いよ?」

 

「おばさんちゃうわ!まだピッチピチの20代や!」

 

 

リゼの発言にアンジュが憤慨する

 

 

「アンジュさんはエデンシティに来たことがあるんですか?」

 

「君達くらいの時にね。あの時はTHE洞窟って感じで、こんなに綺麗なトンネルじゃなかったよ。まあ、ここ数年に街の治安に力を入れてたって聞いてるし、これもその1つなんだろうね」

 

「なぁなぁ!ここになんか置いてあるでー!」

 

 

叶の質問にアンジュが答えたところで、ひまわりがトンネルの入り口付近である物を見つける

 

 

「これは…発信機だね。注意書きもある」

 

「どれどれ…?えーっと、"このスローンズトンネルには野生のポケモン達の生態を考慮して、トンネル内の穴を塞がず、自然なままとしています。穴の先は迷路のように入り組んでいますので、そちらに用のあるトレーナーはもちろん、そうでないトレーナーも不足の事態のためにこちらに置かれている発信機を身につけて通過するよう、お願い申し上げます。エデン警備隊より"…だってよ」

 

「穴…?」

 

「さっきも言ったけど、ここは元々洞窟…つまり、野生ポケモン達の住処でもあるわけ。だからちゃんとしたトンネルを設けた時に壁の穴を残しているってことだと思う」

 

「じゃあ!洞窟に生息するポケモンに出会えるってこと!?」

 

「ちゃんと冒険要素残すとか分かってんじゃねぇか!早速行こうぜ!」

 

 

と、ポケモンに夢中なリゼと葛葉は置いてある発信機を手にすると足早にトンネルへと入っていく

 

 

「ちょっと、リゼ…!あんまり離れないでよ…!?」

 

「ひまちゃん、僕達も行くよ!」

 

「うん!」

 

 

そしてアンジュ達も2人の後を追うように発信機を手に取ってトンネルへと入る

 

 

 

 

「イッシ!イッシ!」

 

「ゴロ!ゴロ!」

 

「うわぁ〜〜…!!」「うほぉ〜〜…!!」

 

 

スローンズトンネル内部…綺麗に舗装されたトンネル内では様々なポケモンが行き交っており、その光景にリゼと葛葉は興奮のあまり声を漏らす

 

 

「うわ〜!本当にトンネルの中穴だらけやん!」

 

「それにポケモンが普通に人前を横切ってる…慣れてるのかな?」

 

 

と、ひまわりと叶も口々に感想を述べる

 

そして辺りを見渡していると、叶は緩めの警備員のような服を着ている人達がちらほらいることに気付く

 

 

「あの人達は多分、ここ数年以内に出来たって聞いてるエデンシティの警備隊の人達だね。トンネルは一般の人も通るはずだし、強いポケモンが出てきたりすることもあるだろうから」

 

「へぇ、なるほど…。詳しいんですね」

 

「リゼの親御さんの伝とか、友人の喫茶店に訪れる客の話とか…あとは仕事の依頼主から色々と各地の情報を耳にするんよ」

 

「…葛葉がジムリーダーの息子だってことも?」

 

「そうだね」

 

「流石、この地方で1番栄えてるヘルエスタシティの有名人ですね」

 

 

と、叶がアンジュの知識の豊富さに関心する最中、進行方向から何かが勢いよく壁に激突した音が聞こえる

 

ちょうどリゼと葛葉の少し前…壁に激突したであろう音の正体はがんせきポケモン:ゴローンだった

 

そして周りの人達も驚いているなか、ゴローンが吹き飛んできたであろう方向にある穴から1匹のポケモンが姿を現す

 

 

「サイィィィ…!!」

 

 

出てきたのはとげとげポケモン:サイホーン…それもかなり強そうな雰囲気を纏っていた

 

周りの警備隊は一般人を誘導してその場から離れさせ、ボールを構える

 

だが、すぐにポケモンを出す様子はなかった

 

何故なら、現れたサイホーンのすぐ近くには2人のポケモントレーナーがいたからだ

 

 

「すっげぇ…!あのサイホーン…!あのゴローンとバトルしてたんだろうけど、傷一つねぇ…!」

 

「それにあの眼…凄い自信と闘志が宿ってるように感じる…!カッコいい…!」

 

 

サイホーンを目にしたリゼと葛葉はそれぞれの所感を述べ、ボールを手にする

 

 

「おい、あのサイホーンは俺が最初に目を付けたんだぞ?」

 

「いいや!私は穴から出てくるところから目を付けてました!」

 

「だったら俺は…!って、これじゃキリがねぇ。ここはジャンケンで決めねぇか?」

 

「…まあ、公平にいくならそれが妥当かも」

 

「それじゃあ、いくぞ?さ〜いしょ〜は…行け!コイキング!」

 

 

"うわぁ…セコい…"と、周りの誰もが葛葉の狡さにドン引きした

 

 

「あっ!ズルい!」

 

「こういうのは早い者勝ちだ!それにちんたらしてると逃げられちまうかもしれないからな!コイキング!"ハイドロポンプ"だ!」

 

 

リゼの抗議に屁理屈で返し、葛葉はサイホーンとのバトルに臨む

 

コイキングの"ハイドロポンプ"が放たれるが、サイホーンはそれに対して正面から突っ込む

 

だが、ただ突っ込んで来たわけではない

 

命を賭けるかのような勢いを纏った攻撃…"すてみタックル"を以って"ハイドロポンプ"に正面からぶつかり、それをいとも容易く押し除け、突き進む

 

 

「なにぃ…っ!?」

 

 

いわ・じめんタイプに効果は抜群なみずタイプの技を正面から跳ね除けるパワーとタフさに葛葉はもちろん、リゼ達も驚きの表情を見せる

 

そして、圧倒されている間にサイホーンは"ハイドロポンプ"を押し切り、"すてみタックル"がコイキングに炸裂する

 

コイキングは大きく吹き飛び、一撃で戦闘不能となった

 

 

「戻れ!コイキング…!まさかこんなに強ぇなんてな…!ますますゲットしたくなったぜ…!次はお前だ!リザ…!」

 

「お願い!イーブイ!」

 

 

葛葉が2体目のポケモンを出すのを遮り、リゼがイーブイを繰り出す

 

 

「おい!横取りする気か!?」

 

「早い者勝ち…なんですよね?なら、先にポケモンを出した私にバトルの権利があると思うんですけど?」

 

「言うねぇ…!?」

 

 

先程の仕返しと言わんばかりに小悪魔のような笑みで論破するリゼに、葛葉はピキりながらそう言い返す

 

 

「よぉし!分かった!ならここからは1体ずつ交代してやろうぜ!」

 

「いいですよ?でも、私のイーブイがここで決めます!イーブイ!"アイアンテール"!」

 

 

イーブイは跳ね上がり、空中から叩きつけるような形で"アイアンテール"を発動

 

対するサイホーンは角にパワーを集中しての攻撃…"つのでつく"で迎え撃つ

 

両者の技がぶつかり合い、その瞬間の衝撃が空気を震わせる

 

パワーは互角…押し切れなかったイーブイは飛び退いて地面へと着地する

 

そして息つく暇もなく、今度はサイホーンからの攻撃…"うちおとす"が発射される

 

 

「イーブイ!もう1度"アイアンテール"!」

 

 

"うちおとす"を"アイアンテール"で粉砕させ、サイホーンの攻撃を防御する

 

だが、その一瞬の隙にサイホーンは猛スピードでイーブイへと迫り、反撃の間も与えずに"つのでつく"を炸裂させる

 

 

「イーブイ…!?」

 

 

攻撃を受けて吹き飛ばされたイーブイに、リゼは心配の声を漏らす

 

イーブイは立ち上がるが、かなりのダメージになったらしく、その表情は険しかった

 

 

「強いですね、あのサイホーン…!」

 

「うん。技の威力、スピード、そしてバトルの組み立て…あれは相当な数のバトルを経験してるよ」

 

「2人共頑張れー!特にリゼちゃーん!」

 

 

"姉なのに1番の味方じゃねぇのかよ!?"と、葛葉のツッコミが飛んだ…その時…

 

ドカーン…!と、トンネルの内部…正確には何処かの穴の奥から爆発の音が響き渡り、トンネル内が大きく揺れる

 

 

「な、なに…!?」

 

「どうした…!?」

 

 

全員が動揺して状況を把握出来てない内に…続けて幾つもの穴の奥からドドドド…!と、地響きが鳴り響く

 

次の瞬間、幾つもの穴から先程の爆発を受けてパニックを起こした野生のポケモン達が慌ただしく飛び出す

 

 

「リゼ!葛葉さん!こっちに来て!離れてると危ない!」

 

 

アンジュの呼び掛けにリゼと葛葉はすぐに従い、彼女達の元に駆け戻る

 

 

「おいおい…!どうなってんだよ…!?」

 

「分からない…!穴の先で何かが爆発したとしか…!」

 

「でもなんで…!工事とかそういうのがあるってわけでもなさそうなのに…!」

 

 

リゼの視線の先…トンネルの警備をしていたとされる人達も戸惑っている様子で事態に対応しようとしていた

 

つまり、先程の爆発はエデンシティ側でも把握していないということである

 

とはいえ、誰が何のためにやったのかまでをこの状況で冷静に思考する余裕はなかった

 

とりあえずはパニックなっている野生ポケモン達が鎮まるのを待つしかない…と、思った矢先に葛葉が声を上げる

 

 

「あっ…!おい、ちょっと待て…!?」

 

 

葛葉の目に止まったのは先程までバトルしていたサイホーン

 

サイホーンもこの状況でパニックになったのか、踵を返すように穴へと走って行く

 

 

「こんな機会逃せるかよ…!」

 

「あっ…!葛葉…!?」

 

 

サイホーンのゲットを諦められず、葛葉はその後を追っていく

 

 

「葛葉!今は離れたら駄目だ!葛葉…!」

 

「ちょっ…!兄やん待って…!」

 

「叶さん…!ひまちゃん…!…アンジュ!私達も追うよ!」

 

「あっ…!リゼ…!あ〜もう…!お願いだから今以上の面倒ごとにはならないでよ…!」

 

 

葛葉を追う叶に、ひまわり、リゼ、アンジュも続いて穴の中へと消える

 

そして、彼女達以外にも2人…この騒動の最中に穴へと入る者がいた

 

 

 

 

「畜生…っ!何処行きやがったんだ…!?」

 

 

しばらく追いかけたところで、サイホーンを見失った葛葉は悔しそうに足踏みする

 

 

「葛葉!こんな時にまで拘ることないだろ!」

 

「でもよ…!」

 

「今は事態が事態なんだし、リゼさん達も一緒なんだからもう少し考えて行動するべきだろ?」

 

「なら俺のことは放っておけばいいだろ。発信機もあるんだし、1人勝手に行動して何が起きてもそれは自業自得だって受け入れるつもりでいる」

 

「放ってなんておけません…!」

 

 

葛葉と叶の言い合いに、追い付いたリゼが割り込む

 

 

「葛葉さん…それに叶さんもひまちゃんも、もう私の友人です!友人の身に危険が迫るかもしれないなら、私はそれを見過ごせません!」

 

「うぐ…っ!わ、分かったよ…。俺が悪かった…。今後は心配かけさせないように気を付ける…出来る限り…」

 

「そこは"します"って言えー!」

 

「痛ってぇ…!?

 

 

リゼの言葉に葛葉は悔い改める。が、はっきりとしない物言いにひまわりがゲンコツを入れる

 

 

「とりあえず、これ以上事態が悪化したりする前にトンネルに戻るよ」

 

 

アンジュの指示に従い、全員が来た道を戻ろうと振り返る

 

 

「…ん?おい、ちょっと待ってくれ!何か聞こえないか…?」

 

 

その時、全員は葛葉にそう呼び止められ、耳を澄ます

 

すると微かに、ある方向から岩が砕かれる、壁に何かがぶつかる、技が放たれるような音が聞こえた

 

 

「聞こえる…!」

 

「…なあ、確認しに行かないか?」

 

「葛葉…!?」

 

「分かってる。でも、さっきの爆発と関係あるかもしれないだろ?ヤバそうなら手は出さないですぐに引き返す…それなら文句ないだろ?」

 

 

葛葉の言葉に、全員が思考する

 

 

「…私は賛成。この洞窟に住むポケモン達に影響のあることなら、放ってはおけない」

 

「私は反対したいけど…。リゼが行くならしょうがない」

 

「葛葉が宣言を守れるなら、僕は多数決に従うよ」

 

「ひまも!守らんかったら分かるよな?葛葉」

 

「母さんに言い付ける、だろ?分かってるよ」

 

「よし、なら行こう。慎重にね」

 

 

全員の意志を確認し、一向は忍び足で音のする方へと進む

 

 

 

 

「みんな、止まって…!」

 

 

声は小さく…しかし、緊迫した様子で先頭を進んでいたアンジュは後ろに続くリゼ達にそう言う

 

辿った音の発生源に着いたらしく、その正体を確認しようと全員で岩陰から顔を覗かせる

 

 

「チェリンボ!"マジカルリーフ"!」

 

「ミニリュウ!"ドラゴンテール"!」

 

 

視線の先では、2人の少女が虹色の服を身に纏う如何にも怪しい集団とバトルをしていた

 

それも相手は多数のポケモンを使って

 

 

「アーボ!"どくばり"!」

「マンキー!"からてチョップ"!」

「タタッコ!"いわくだき"!」

 

 

怪しい集団の反撃…少女2人のポケモンはその攻撃を受けて倒れ込む。相当なダメージが溜まっているのは一目瞭然だった

 

 

「なんだあの連中…!アレがさっきの爆発を起こした元凶なのか…!?」

 

「分からねぇけど、見た目とやってることからして善人って感じには見えねぇな」

 

「あの2人のポケモンも傷ついてる…!助けないと…!」

 

「ちょっと待って、リゼ…!相手のポケモンがどれだけいるかも分からないのに…!」

 

「でも放っておけない!私は行くよ!」

 

「ちょっ…!?リゼ…!」

 

 

アンジュの静止を振り切り、リゼはボールを手に岩陰から飛び出す

 

 

「あくまでも俺から破ったわけじゃねぇからいいよな?つーことで、俺も行くわ!」

 

「やれやれ、しょうがないね」

 

「みんな!待ってよぉ!」

 

「はあ…結局こうなるのか…。落ち着け、アンジュ・カトリーナ。"攻撃しなければ大丈夫"…よし!」

 

 

飛び出したリゼに、葛葉達も続く

 

 

 

 

「悪いが、大人しくしていろ。まだ邪魔をするというなら、お前達のポケモンを奪うことになるぞ!」

 

 

アーボを従える怪しい集団の男1人が、傷つき倒れた自分のポケモンを抱き抱える少女2人に迫り、脅迫する

 

 

「ポッチャマ!"バブルこうせん"!」

 

「ぐあっ…!?」

 

「シャボォ〜…!」

 

 

その時、少女2人の後ろから"バブルこうせん"が男とアーボを襲う

 

 

「何者だ…!?」

 

 

第三者の攻撃に、怪しい集団と2人の少女が視線を向ける

 

 

「え?こ、口上…?え、えっーと…!コ、コホン!わ、私は名はリゼ!ヘルエスタシティ出身のポケモントレーナーだ!あなた達が誰かは分からないけど、女の子2人相手に大人が大勢でバトルするなんて卑怯な真似は見過ごせない!だから…えっーと…と、とにかく覚悟しなさい!」

 

 

リゼの必死の名乗りを受け、困惑したのかその場の全員は呆然とリゼを見つめる

 

 

「いや、めちゃくちゃ滑ってるぞ、皇女様?」

 

「う、うるさいなぁ!急だったからちゃんと纏まったカッコいい名乗りにならなかったの!」

 

 

その空気を破るように葛葉がリゼにそう指摘し、された本人は憤慨する

 

 

「はいはい、いいから構えて。ひまちゃん、アンジュさん!そこの2人をお願いします!」

 

「分かった!」

 

 

叶に言われ、アンジュとひまわりは2人の少女に駆け寄る

 

 

「大丈夫ですか?」

 

「あ、ありがとうございます…。でも、あなた達は…?」

 

「君達と同じただのポケモントレーナーですよ。それよりも、もう少し下がって」

 

 

アンジュに連れられ、少女2人は後ろへと下がる

 

 

「子供が…!首を突っ込んだことを後悔させてやる…!行け!ヤングース!」

 

「「「お前等も行け!」」」

 

 

怪しい集団は先程のマンキー、タタッコに加え、ヤングース、サンド、イトマル、コロモリを繰り出す

 

 

「はっ!上等じゃねぇか!行け!リザード!」

 

「頼んだよ!ニャルマー!」

 

 

葛葉はリザード、叶はねこかぶりポケモン:ニャルマーを繰り出し、リゼのポッチャマに並ぶ

 

 

「ヤングース!"かみつく"!」

「マンキー!"からてチョップ"!」

「タタッコ!"いわくだき"!」

「サンド!"ひっかく"攻撃!」

「イトマル!"からみつく"!」

「コロモリ!"ハートスタンプ"!」

 

 

怪しい集団が一斉に攻撃を仕掛ける

 

 

「リゼさん!まずは僕と葛葉で相手を迎え撃つので、トドメをお願いします!」

 

「分かりました!」

 

 

リゼに作戦を伝え、叶は葛葉にアイコンタクトを送る

 

 

「リザード!"えんまく"だ!」

 

 

リザードの放つ"えんまく"があっという間に相手のポケモン達を包み込み、その中から視界を奪われて慌てているような鳴き声が聞こえる

 

 

「ニャルマー!"えんまく"に突っ込んで"つばめがえし"!」

 

 

叶の指示にニャルマーは素早く動き出し、煙幕の中に飛び込む

 

そして、視界の悪い煙幕の中でも有効な必中技である"つばめがえし"を相手のポケモン全てに炸裂させる

 

 

「リゼさん!今です!」

 

「はい!ポッチャマ!"バブルこうせん"!」

 

 

煙幕から吹き飛ばされて絡み合うように倒れ込む相手のポケモン達に、ポッチャマの"バブルこうせん"が炸裂し、まとめて戦闘不能にさせる

 

怪しい集団はポケモンがやられたことを受け、唸るように悔しがるだけで更にポケモンを繰り出す気配はない

 

つまり、今のポケモン達が最後だったということだ

 

 

「まあ!俺達にかかればざっとこんなもんよ!」

 

「とは言っても、先にバトルしてた2人が数を減らしてくれたおかげだけどね。リゼさんもナイスでした」

 

「いえいえ、それよりも叶さんと葛葉さんの連携が凄かったです!」

 

「まあ、葛葉とは長い付き合いだからね。一緒に組んでバトルすることも多かったから」

 

「おいおい、なに呑気に話してんだよ。こいつ等を連行する準備をするぞ」

 

「いや、連行って…。そもそもあの人数をどうやって抵抗さないようにするの?」

 

「んなもん、縄で縛ればいいだろ。俺持ってるから」

 

「そんなことしなくても、あの人達を逃さないようにしてれば警備隊が来ると思うよ。僕達が身に着けた発信機を追ってね」

 

「た、たしかに…!」

 

「叶、お前天才か?」

 

「葛葉よりはね」

 

「よぉし!バトルだ!ボッコボコにしてやるよ!」

 

「沸点低ぎだろ」

 

 

と、葛葉がキレたところでアンジュ達が駆け寄る

 

 

「リゼ、大丈夫か?」

 

「うん。葛葉さんと叶さんが強かったからなんとも」

 

「よぉやったな!葛葉!ひまが褒めてあげるわ!」

 

「姉とはいえ、その上から目線は苛つくな…」

 

 

安否の確認が済んだところで、リゼ達に助けられた2人の少女が声をかける

 

 

「あの、助けてくれてありがとうございます!皆さんがいなかったら私達…」

 

「いいんですよ、困った時はお互い様ですから。私はリゼと言います。ちなみにさっきの名乗りは忘れて下さい。恥ずかしいんで…」

 

「いやいや!さっきは呆然としちゃってたけど、正義のヒーローみたいでカッコよかったですよ!」

 

 

と、笑顔でそう答える少女にリゼは否定したい気持ちを飲み込み、恥ずかしさに耐える

 

 

「私は桜凛月って言います。みんなにはりつきんやりっちゃんと呼ばれてるので良かったら。そしてこっちはこころちゃん」

 

「あ、天宮こころって言います…!あまみゃとりっちゃんを助けてくれて、ありがとうございます…!」

 

「私はアンジュ・カトリーナ。よろしく」

 

「本間ひまわりで〜す!よろしくね!りっちゃん!あまみゃ!」

 

「叶です。どうぞよろしく」

 

「…葛葉っす。それじゃあ、俺と叶は警備の人が来るまであいつ等を見張ってるんで…。行くぞ、叶」

 

 

凛月、天宮との自己紹介を終えたところで、葛葉は叶を連れて先程の怪しい集団が逃げないよう見張りに行く

 

その時だった…洞窟のある穴の奥から何かが飛び出す

 

コロコロと転がりながら出てきたそれに、葛葉と叶…そして後ろにいたリゼ達も注意を向ける

 

 

「なんだあれ…モンスターボール…?」

 

 

赤と黄土色が綺麗に直線で分かれている丸い物体のそれに、葛葉はそう推測を述べる

 

 

「いや、あんなに大きいモンスターボールは見たことがない…。というか、そもそも材質が異なってるような…」

 

 

アンジュが物体に対して意見したその直後、それが強い光を発する

 

 

「これは…"フラッシュ"…!?ポケモンだ…!」

 

 

"フラッシュ"の光が洞窟内を包み、リゼ達はその強い光に思わず目を瞑る

 

そして視界を奪われた直後、今度はそれから甲高い音が発せられる

 

 

「今度は"いやなおと"…!?」

 

「うるっせぇ…!」

 

 

リゼ達はその騒音に耳を塞ぐ

 

しばらくして"いやなおと"が止み、全員が塞いだ耳を離した直後…トンネルの爆発が起きた後にも聞いた地響きが耳に届く

 

そして数秒もせずに、洞窟内に"いやなおと"でパニックを引き起こした野生ポケモン達が雪崩れ込む

 

先程のトンネルと違い、狭い洞窟内であったことからリゼ達はポケモン達の波に呑み込まれる

 

 

「きゃあ…っ!」

 

「リゼ…っ!?」

 

「うおっ…!?」

 

「くっ…!」

 

「葛葉…!?兄やん…!?」

 

「りっちゃ〜ん…っ!」

 

「こころちゃん…!?」

 

 

先程の"フラッシュ"でまだ鮮明にならない視界のなか、リゼ達は互いに手を伸ばし合うも誰の手も掴むことは出来ず、そのままポケモン達の波に連れていかれた

 





リゼ・ヘルエスタ
手持ち:ポッチャマ、イーブイ、トランセル

アンジュ・カトリーナ
手持ち:ゴルーグ

葛葉
手持ち:リザード、ズバット、コイキング


手持ち:ニャルマー

ひまわり
手持ち:???

桜凛月
手持ち:チェリンボ

天宮こころ
手持ち:ミニリュウ
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