にじさんじ×ポケットモンスター   作:Mr.ソロ

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第88話「イチカラシティ!集う実力者達!」

 

「リゼちゃ〜んっ!おめでとう〜っ!」

「リゼ様〜っ!おめでとうございま〜すっ!」

 

「あっ…!みんな…!」

 

 

ジム戦の勝利を喜ぶエンペルト達の興奮が落ち着いたところで、ソウブレイズと共に解放されたリゼの下へフレン達が駆け寄る

 

 

「お疲れ様です、リゼさん!ソウブレイズ達も!本当に凄いバトルでした!」

 

「うん!もう心臓がドキドキしっぱなしだったよ〜!」

 

「そうだね!二度目の"ストーンエッジ"が決まった時は終わったかと思ったけど、まさか耐え切るなんてビックリしちゃった!」

 

「直前までの"むねんのつるぎ"の猛攻で体力を回復させていたのもそうだが、あそこで耐えられたのはソウブレイズの気持ちの強さが大きかったように感じた。前回に続いて、良いバトルを見させてもらいましたよ」

 

 

凛月やイブラヒム達からも労いと祝福の言葉を貰うなか、ニッと笑みを浮かべる笹木がリゼに向けて拳を突き出す

 

 

「やったな、リゼ。まずはポケモンリーグ出場決定おめでとうやよ」

 

「ありがとう、笹木さん!」

 

 

そう御礼を返したリゼは笹木の拳に自身の右拳を突き合わせる

 

 

「ウチも負けてられへん!リゼよりも楽々とドーラさんに勝ってみせる!」

 

「うん!頑張って!」

 

「あら、言ってくれるじゃない。でも、その心意気は良し。手加減はしないわよ?」

 

 

対抗心を燃やす笹木にリゼがエールを送るなか、倒れたガブリアスを労い、ボールに戻し終えてリゼ達の下へ歩み寄って来たドーラが笹木にそう言葉を掛ける

 

 

「勿論です!」

 

「ふふ。アナタとのバトル、楽しみにしてるわ」

 

 

ドーラは自信に満ちた顔で言い返す笹木にそう告げると、改めてリゼに向き直る

 

 

「おめでとう、リゼさん。アナタとポケモン達のバトル、文句の付けようがない素晴らしいものだったわ」

 

「こちらこそ、ドーラさんとのバトルでまだまだ至らない点が自分達にあることを知れました!今日のバトルを糧にポケモンリーグまでにもっと強くなってみせます!ありがとうございました!」

 

 

称賛の言葉に対し、己が未熟を知れたことに感謝の言葉を返したリゼにドーラは柔らかい微笑みを返す

 

 

「その向上心があれば、アナタはもっと強くなれるわ。今度はジムリーダーとチャレンジャーじゃなく、互いに1人のポケモントレーナーとしてバトルしてみたいわ」

 

「はい!是非いつか!」

 

 

互いの健闘を讃え合い、いつか本気でバトル出来ることを望み合うリゼにドーラは柔らかい微笑みを浮かべると、社をちょいちょいと手招きする

 

2人の下へ駆け寄った社はポケットから1つのケースを取り出すと、それを開けた中から現れたシーズジムのジムバッジをドーラに差し出す

 

 

「それじゃあ、リゼさん。私とのジム戦に勝利した証として、アナタにこのシーズバッジを…」

 

 

ドーラがケースからバッジを手に取り、リゼに手渡そうと手を伸ばした…その時だった

 

 

「ふざけんなぁっ!!!」

 

 

突然の怒声が広い室内に響き渡った

 

声の主は葛葉…隣にいる叶と共にジム戦終了後も観覧席に留まっていた彼は席から立ち上がり、血走らせた鋭い眼でドーラを睨んでいた

 

 

「ふざけないでほしいのはアンタの方よ、葛葉。その苛立ちが妬みなら御門違い。それとも、私に勝ったリゼさんの実力に文句があるのかしら?」

 

「アンタに勝った…?全力でもないアンタにか?」

 

 

葛葉が返した言葉に呆れた表情を浮かべたドーラは溜め息を吐いた

 

 

「全力…?出すわけがないでしょう。ジムリーダーの仕事はポケモンリーグを目指すチャレンジャーの実力を計り、見極めること。本気ではあれ、実力の全てを以ってバトルしたりはしないわ」

 

「俺の時もそうだったってのか?」

 

「当然よ。それでも、あの時アンタが負けたのは私に勝てるだなんて根拠の無い慢心を抱いていたからよ」

 

 

そうドーラから敗北を喫した要因を告げられた葛葉は数秒沈黙した後に不敵に笑みを浮かべた

 

 

「ハハ…ッ!アハハハハハハハ…ッ!慢心…!そうか、慢心か!たしかにそうかもしれねぇなぁ!油断があった!驕りがあった!でなきゃ俺が負けるはずはねぇ!」

 

 

葛葉はそう言いながら一頻り高笑うと、徐に顔を下に向け深く息を吐いた

 

 

「今度バトルする時は容赦しねぇ…!ジムリーダーとしてのアンタを必ず叩き潰してやる!」

 

 

顔を上げた葛葉の形相は再び怒りに満ち、その鋭い眼でドーラを睨みながらそう言い放つと、大部屋の出入り口に向かって歩き出した

 

 

「葛葉、何処行くんだよ」

 

「決まってんだろ、ヘルエスタシティだ。リゼさんのバトルは見終わった。ならもうここに留まる理由はねぇ」

 

「ちょっ…!葛葉…!そんな急に…!」

 

「別に付いて来なくたっていい。俺が勝手に行くだけだ」

 

 

呼び止める叶、ひまわりに一瞥もせず、足を止めずにそう吐き捨てた葛葉はそのまま大部屋を出て行った

 

 

「…はあ、しょうがないなぁ」

 

「兄やんも…!?うぅ〜…っ!リゼちゃん、ごめん!ひまも葛葉追い掛けるわ!」

 

「う、うん…!私のことは気にしないでいいから…!」

 

「葛葉がほんまにごめんな!次に会う時にちゃんと謝らすから!」

 

 

葛葉の後を追おうと動く叶に困った表情を浮かべたひまわりは悩んだ末に自身も行くことを決め、リゼに謝罪を告げると凛月と天宮に顔を合わせる

 

 

「りっちゃん!あまみゃ!都合が悪かったら付いて来んくても全然いいからね!」

 

「…いや、私も一緒に行く!葛葉さんのこと、放っておけないから!」

 

「あみゃも!ここまで一緒に来たんだもん!最後まで付いて行く!」

 

「…っ!りっちゃん…!あまみゃ…!ありがとう…!」

 

 

葛葉のことを心配してくれている凛月と天宮の優しさにひまわりは目に涙を浮かべ、感謝を告げた

 

 

「そういうことだから、ごめんね!みんな!」

 

「私達、もう行くから!ドーラさん!ジムへの挑戦は次にお会いする時に!みんなと一緒に!」

 

「ええ。凛月ちゃん、こころちゃん。2人共ありがとう。無理はしなくていいわ。良ければ、2人が許容出来る限りであの子達のこと、よろしくお願いしてもいいかしら?」

 

 

リゼ達に別れを告げるなか、感謝と共にドーラから葛葉達のことを頼まれた凛月と天宮は互いに顔を見合わせた後、笑い合い改めてドーラに面と向かう

 

 

「「勿論です!」」

 

 

凛月と天宮は声を揃えてそう言うとひまわりの下へ駆け出し、共に葛葉達の後を追ってジムを飛び出して行った

 

 

「行っちゃったね…。ひまわりさん達、大丈夫かな…?」

 

「さぁな。少なくとも、俺達が関わっても問題が解決することはねぇ。せいぜい、事が良い方へ向かうことを祈ってやるくらいだ」

 

「それにしても、あんな奴と一緒なんて、ひまちゃん達も大変やな」

 

「そうですよ!せっかくリゼ様が勝ってお祝いムードだったのにさ〜!」

 

「本当に私は気にしてないから…。それだけ葛葉さんも悔しかったんだと思うし…」

 

「…いや、アレはそういうんじゃないわ」

 

「え…?」

 

 

フレン達がひまわり達への心配の声や葛葉への愚痴を溢すなか、背後から微かに聞き取った小さな呟きにリゼが振り返ると、ドーラが神妙な面持ちで葛葉達が出て行った大部屋の出入り口を見つめていた

 

ドーラは自身を見つめるリゼに気付くと一瞬だけ瞳を閉じ、表情を整え改めてリゼと向き合う

 

 

「ごめんなさいね、リゼさん。ウチのバカ息子が嫌な空気にしちゃって。あの子がどう思ってようと気にしなくていいから。あなたは間違いなく、ジムリーダーとしての私に勝った。それは揺るぎない事実よ」

 

 

"だから改めて…"と、ドーラは清々しい面持ちで言葉を続ける

 

 

「シーズジムのジムリーダーである私に勝った証として、このシーズバッジを受け取ってちょうだい」

 

 

そう言ってジムバッジを差し出すドーラにリゼも気持ちを改め、明るい表情で面と向かう

 

 

「はい!ありがとうございます!ドーラさん!」

 

 

こうして、リゼは遂に最後となる8つ目のジムバッジを手に入れた

 

 

 

 

それから数日、リゼはイチカラシティまでの行動を共にするイブラヒム達のジム戦を観戦することとなった

 

フレン、イブラヒムが無事ジム戦に勝利し、最後に残った笹木のジム戦が行われる当日の昼頃、リゼはフレン達とポケモンセンターの裏手に設けられたバトルコートで特訓を行っていた

 

 

「ルカリオ!"はどうだん"!エンペルト!"うずしお"!」

 

 

バトルでの特訓を行なっているのはリゼとフレン…互いのポケモンはルカリオとエンペルト、バシャーモとラッキーだ

 

エンペルトが"うずしお"を繰り出す準備を整えている間に、ルカリオはラッキーへ向けて"はどうだん"を放つ

 

 

「バシャーモ!"ブレイズキック"!ラッキー!"ひかりのかべ"!」

 

 

バシャーモはラッキーの前に飛び出ると繰り出した"ブレイズキック"で"はどうだん"と激突し、数瞬の競り合いの末に上空へと蹴り上げ爆散させる

 

 

「エンペェッ!」

 

 

その技を繰り出した直後の隙を狙ってエンペルトが動き出し、構えていた"うずしお"をバシャーモへ繰り出す

 

 

「ラッキッ!」

 

 

それとほぼ同時に、ラッキーが"ひかりのかべ"を繰り出し、自身とバシャーモの周囲八方を光の壁が取り囲む

 

 

「バ…シャアッ!」

 

 

直後にバシャーモは"うずしお"に呑まれるが、"ひかりのかべ"によってダメージが抑えられたことで力をすぐに発揮でき、繰り出した"スカイアッパー"で"うずしお"を弾けさせた

 

 

「いいよ、バシャーモ!"ほのおのうず"!ラッキーは"まねっこ"!」

 

 

お褒めの言葉と共に飛ばされたフレンの指示を受け、バシャーモは反撃に"ほのおのうず"を繰り出し、ラッキーも発動させた"まねっこ"で同じく"ほのおのうず"を繰り出し、2つは合わさって大きく威力を増す

 

 

「エンペルト!"うずしお"!ルカリオはそれに"はどうだん"!」

 

 

その"ほのおのうず"に対抗すべく、エンペルトとルカリオはリゼの指示によってそれぞれ"うずしお"と"はどうだん"を繰り出す

 

エンペルトが放った"うずしお"にルカリオが"はどうだん"を撃ち込むと2つの技は混ざり合い、波導を帯びた"うずしお"は激流を更に荒々しく逆巻かせる

 

そして、パワーアップした"ほのおのうず"と"うずしお"は激突し、激しいスパークを伴わせた数秒のぶつかり合いの末に引き起こった大爆発により相殺された

 

 

「そこまで!」

 

 

その時、休憩を挟むためイブラヒムがバトルの終了を告げ、リゼとフレン、エンペルト達は肩の力を抜き"ふぅ…"と軽く息を吐く

 

 

「お疲れ様、エンペルト、ルカリオ」

 

「バシャーモとラッキーもお疲れ〜!良いコンビネーションだったよ〜!」

 

「エンペッ!」

「ルオッ!」

 

「バシャ〜!」

「ラキィ〜!」

 

 

リゼとフレンはポケモン達を労うと、審判を務めたイブラヒムと共にバトルコートの側に設けられたベンチに腰掛けるメリッサの下へ集まる

 

 

「2人共お疲れ〜!エンペルト達もバシャーモ達も良い感じじゃない?」

 

「合体技もなかなかのもんだったしな。これなら、余程の相手でもない限りポケモンリーグのダブルバトルも問題なく戦えそうだな」

 

「ふふん!ヘルエスタシティのコンテストで得た経験のおかげで更に強くなれた気がする!この調子でいけば、イブちゃんに勝てる日もそう遠くないかもね!」

 

「コンテストバトルならともかく、普通のバトルで俺がお前に負けるなんて永遠にありえねぇよ」

 

「なにを〜っ!?だったら今ここで本気のバトルしようよ!私達がどれだけ強くなったか直接分からせてあげるから!」

 

「はいはい、ストップストップ!今からそんなことしたらお昼過ぎちゃうよ。それに笹木さんのジム戦ももうそろそろ終わる頃だろうし、結果次第で午後にはここを出発してイチカラシティへ向かう予定でしょ?」

 

「そうだね。2人のバトルは気になるけど、それはポケモンリーグまで取って置こうよ」

 

「だそうだぞ、フレン」

 

「むぅ〜…。メリーとリゼ様がそう言うなら…」

 

 

2人の説得を受けてフレンがイブラヒムへの対抗心を収めるなか、リゼはドーラとのジム戦に臨んでいる笹木のことを頭に思い浮かばせる

 

 

(笹木さんのジム戦、順調にいってるかな…?)

 

 

リゼ自身もそうだが、この数日の間に挑戦したフレンとイブラヒムのジム戦は凄まじかった

 

フレンはドーラを相手に序盤で数的有利を取られる苦戦を強いられたが、試合の後半ではバシャーモやフライゴンが大健闘し、辛うじて勝利することが出来た

 

イブラヒムは葛葉、リゼ、フレン3人のバトルを観戦していた甲斐もあってかドーラのラスト1体まで的確な判断で試合を運ばせた

 

だが、ドーラが最後に繰り出したエース:リザードンの強さに流石のイブラヒムも苦戦し、手持ちのポケモン達総出によるバトルを経て、最後には相棒のマンムーが見事に勝利を収めたのだった

 

そして今、笹木がドーラとのジム戦に臨んでいるわけなのだが、笹木本人の希望でリゼ達は試合の観戦を拒否されており、こうしてポケモン達の特訓をしながら待っているのだ

 

 

「そういえば笹木さんって、リゼ様のライバルなんですよね?」

 

「うん。笹木さんとコウさんはトレーナーズスクールに通っていた頃から競い合ってるライバルなんだ」

 

「コウさんとも…!じゃあ、相当な実力者ってことだね!ジム戦見てみたかったな〜!」

 

「まあ、バトルを観戦されたくないってのは仕方ねぇよ。8個のバッジを手に入れれば次はいよいよポケモンリーグ。その出場資格を既に得ている俺達はライバルだ。手の内は可能な限り隠したいだろうからな」

 

「そう言うイブちゃんは観戦を拒否しなかったよね?」

 

「ポケモンリーグで勝ち進めば、自ずと手持ちや戦術は知られるからな。フレンやリゼさんとはお互い様だし、アイツ1人にくらい情報アドバンテージを取られたところで痛くはねぇよ。序盤で当たる確率も低いしな」

 

「なるほどね〜」

 

「そう言うお前はどうなんだよ」

 

「私?小難しい事は苦手だから、そういう細かいことは気にしてない!」

 

「まあ、フレンに知略は無理だもんな」

 

「フレンはパッションや力技で押す方が得意だもんね〜」

 

「いやいや!私、超天才だから知略だって余裕だよ!ただ、頭を使うとほら…知恵熱が出ちゃって体調崩しちゃうから…。ほ、本当ですよ!?リゼ様!」

 

 

目を泳がせながらそう見栄を張るフレンにリゼは苦笑し、メリッサは温かい笑顔を浮かべ、呆れるイブラヒムが嘆息を吐く

 

 

「お〜〜〜い!リゼ〜〜!みんな〜〜!」

 

「あっ…!笹木さんだ!」

 

 

そんななか、リゼ達の下へジム戦を終えた笹木が元気な様子で駆け寄って来た

 

 

「その様子だと、ジム戦には勝ったみたいだな」

 

「勿論やよ!まあ、流石に楽勝とは言えなかったけど」

 

「おめでとう!笹木さん!」

 

「これで4人共、ポケモンリーグに参加出来るね!」

 

「よ〜し!時間も丁度いいし、お祝いってことで昼食は豪華にいっちゃおうよ!」

 

「あっ…!そうそう、お昼ご飯のことで話があるんやけど…!ウチら4人のジム戦勝利を祝って、ドーラさん達がまたお昼をご馳走してくれるって!」

 

「本当…!?わ〜い!!」

 

 

ドーラからの食事の誘いを笹木に告げられてフレン達は目を輝かせるなか、リゼは複雑な表情を浮かべた

 

 

「で、でもいいのかな…?もう何度も私達がジム戦に勝った度に御馳走させてもらってるのに…」

 

 

今日までに都度3度…リゼ達は自分達がジム戦に挑戦し、勝利した度にドーラ達から食事を御馳走されていた

 

そして、今回の4度目…流石に御好意に預かり過ぎではないかと、リゼの心中では申し訳ない気持ちが出てきていた

 

 

「まあ、向こうが申し出てるわけだし、貰えるもんは貰っておきましょうよ。特に社さんが作る料理は美味かったし、最後にもう一度食いてぇとは思ってたんだよな」

 

「イチカラシティへ出発する前の挨拶も兼ねて、ここはありがたく厚意に甘えましょうよ!リゼ様!」

 

 

だがしかし、既に都度3度も御馳走になっておいて遠慮するのは今更…遠慮するよりも感謝の気持ちを持って応えることこそが何よりの礼儀である

 

イブラヒムとフレンの説得を受けてそう思い至ったリゼは難しい顔を崩し、頬を緩めた

 

 

「…そうだね。せっかくのお誘いだし、御馳走になっちゃおうか」

 

「うんうん!それじゃあ、早く行こう!」

 

 

こうして一同はドーラ達に御馳走させてもらいに改めてシーズジムへと足を運んだ

 

 

 

 

「「「「「ご馳走様でした〜!」」」」」

 

「おう、お粗末様」

 

 

その後、シーズジムに訪れたリゼ達はドーラと社が作った豪勢な昼食をいただいた

 

 

「本当にありがとうございます。ドーラさん、社さん」

 

「気にしないで。ジム戦の勝利を祝うこともそうだけど、ひまわりと葛葉がお世話になったお礼でもあるから」

 

「俺達は言うほどっすけどね」

 

「ウチもつい最近会ったばかりやしな」

 

「この中でひまわりさん達と関わりが深いのはリゼ様だけですもんね」

 

「それでもよ。あなた達との出逢いがあの子達の成長に大なり小なり繋がってる。お礼をするには十分な理由よ」

 

 

そう告げるドーラに気恥ずかしさを感じながらもリゼ達は改めてその厚意に感謝を返した

 

 

「ところで、みんなは8個のジムバッジを手に入れたわけだけど、もうイチカラシティへ行くのかしら?」

 

「はい。イチカラシティにはポケモンリーグ参加資格を得たトレーナー専用の施設が沢山ありますから、開催までにそこでしっかりポケモン達とトレーニングしようかと」

 

「なら、イチカラシティまで築が車を出すから送ってあげるわ」

 

「え…!そ、そこまでしてもらうわけには…!」

 

「いいのよ。イチカラシティには築も用事があって行くから、そのついで。ねぇ!築!」

 

「ああ、勿論構わないぞ」

 

「そういうことなら…。すみません、ご厚意に甘えさせていただきます」

 

「ええ。遠慮せず受け取って」

 

 

まだ少し気が引ける気持ちが残りながらもその心遣いを受け取ったリゼにドーラは満面の笑みと共にそう告げた

 

 

 

 

「う〜ん!風が気持ちいいね〜!」

 

「そりゃ何よりだが、あんまり身を乗り出すなよ」

 

「それにしても、車での移動は快適やね〜!」

 

「旅に出てからはずっと歩いて街を巡ってたからね。久しぶりなのもあって、たしかに心地良いかも」

 

「予定よりも早く着くし、一通り街を見て回りましょうよ!」

 

 

場所はシーズシティとイチカラシティを繋ぐ道路…リゼ一同は社が運転する車に乗って、イチカラシティを目指していた

 

 

「そういえば、社さんはイチカラシティまで何をしに行くんですか?」

 

 

イチカラシティの到着までリラックスしながらそれぞれが車内での時間を過ごすなか、リゼはふと気になった事を社に尋ねる

 

 

「リーグ委員会から仕事を頼まれててな。この時期になると、8つ目のジムバッジを揃えたポケモンリーグ挑戦を控えるトレーナー達がイチカラシティに集まり始める。そんな彼等のためと迫るポケモンリーグ開催の宣伝を目的としたイベントを開くんだ」

 

「イベント…?何をするんですか?」

 

「俺が作る特製のカレーを御馳走するんだよ」

 

「え…?」

 

 

より詳しく聞こうとしたフレンに返答した社の言葉にリゼは思わず呆けた声を溢し、イブラヒム達もどういうことなのか分からないと言わんばかりに首を傾げさせる

 

社の作る料理が一般の店で出されるもの以上に美味しいことは実際に食べたリゼ達も理解しているが、カレーを御馳走することがトレーナー達にとってどのような利益をもたらすと言うのかと

 

 

「それってどういうことなん…?」

 

「お前等、ガラル地方にあるヨロイ島が発祥のダイスープって知ってるか?」

 

「聞いたことありますよ。なんでも、一部のポケモンを特別なダイマックスの姿…キョダイマックスの姿にさせることが可能になる料理だとか」

 

「キョダイマックス…!たしか、スメシシティのジムリーダー:加賀美さんのカイリキーがダイマックスした時のアレですね…!」

 

「ああ。昔、俺も現役のトレーナーだった時にヨロイ島へ立ち寄って食べたんだが、その後に長年の試作を経て、得意料理のカレーでそれと同じ効能を得られる料理:ダイカレーを開発したんだ」

 

「え〜っ!?それって凄くないですか!?」

 

「つまり、そのダイカレーをキョダイマックスすることが出来るポケモンを連れた人達に提供することが、リーグ委員会から頼まれた仕事ってわけなんですね!」

 

 

"そういうこと"…と、返答する社に身を乗り出した笹木が更に尋ねる

 

 

「なあなあ!ウチらのポケモンにもキョダイマックスが出来る子っておるん!?」

 

「いるぞ。笹木のゴリランダーやリゼのバタフリーがそうだな」

 

「私のバタフリーも…!社さん!私達にも是非そのダイカレーを…!」

 

「お前等はもうバッジを8つ集めてるからな、勿論だ」

 

「良かったですね!リゼ様!」

 

「うん!楽しみだな〜!」

 

 

明らかとなったバタフリーのキョダイマックスにリゼも胸を高鳴らせながら、一同を乗せた車はイチカラシティへと向かう

 

 

 

 

「着いた〜っ!」

 

 

それから約30分後、社に送られたリゼ達はイチカラシティに到着した

 

 

「へぇ〜!ここがイチカラシティ!」

 

「ヘルエスタシティやシーズシティと同じくらい大きな街だね!」

 

「そんで、これがポケモンリーグの舞台になるイチカラスタジアムか」

 

 

イチカラシティを初めて訪れたフレンとメリッサが物珍しげに辺りを見回すなか、リゼはイブラヒムの呟きに釣られ、視線を正面へと向ける

 

その目の前に聳え立つのはニジサンジ地方最大のスタジアムであり、ポケモンリーグの舞台となるイチカラスタジアムだ

 

 

(ようやくここまで来たんだね…!今までは観客席か画面越しから見ていたあのフィールドに、ニジサンジ地方で最強を競い合うトレーナーとして立つんだ…!)

 

 

緊張、感動、興奮…イチカラスタジアムを見上げるリゼは様々な感情をその内に湧かせる

 

 

「それじゃあ、俺はここで。イベントは明後日の昼、ここイチカラスタジアム前の広場で行われるからな」

 

「色々と本当にありがとうございます、社さん!またよろしくお願いします!」

 

 

お礼を告げたリゼ達はイベントに向けた運営スタッフとの打ち合わせへ向かう社を見送った

 

 

「それじゃあ、まずは選手登録をしに行くか」

 

 

社が乗る車が見えなくなったところでイブラヒムがそう切り出し、リゼ達は選手登録と宿泊先の部屋を確保するため、スタジアムへと足を踏み出した

 

 

 

 

「はい、これで選手登録は完了です。宿泊部屋の鍵はこちらに、期間はポケモンリーグ開催中までとなります」

 

「ありがとうございます!」

 

 

スタジアム内のロビーの受付口で選手登録を済ませ、ポケモンリーグ参加者とその同伴者が宿泊出来るホテルの部屋の鍵を受け取ったリゼはその後の待ち合わせに指定したロビーソファへと向かう

 

 

「あっ…!リゼ様〜!」

 

 

そこには先に登録を済ませたフレンと付き添っていたメリッサが既に待っており、手を振り呼び掛けてくる彼女達に迎え入れられ、リゼもロビーソファへと腰掛ける

 

 

「お待たせ!…あれ?イブラヒムさんは一緒じゃないの?」

 

「イブちゃんは受付さんに幾つか聞きたいことがあるらしくて、私達だけ先に」

 

「多分、スタジアム内にある施設について情報収集してるんだと思う」

 

「そうなんだ…!まだ来てない笹木さんもそうなのかな…?だとしたら2人共凄いなぁ…!」

 

 

イチカラスタジアムはポケモンリーグを開催する場所なだけあり、スメシシティにあるバトルスタジアムよりもその敷地は広い

 

その中にはポケモンセンターやトレーナー御用達のショップ、食事処もあり、広さを考えれば更に多くの施設や設備が存在するだろう

 

ポケモンリーグ挑戦に当たって利用出来るものは全て利用する…開催までにまだかなり日数があるが、そのための情報収集を今から欠かさないイブラヒムと笹木の熱量にリゼは感心する

 

その最中、リゼ達は偶然近くを通りすがった男性達の会話が耳に入り、静かに聞き入る

 

 

「なあ、今地下にあるバトルコートで今年のポケモンリーグ参加者がバトルしてるんだってよ!」

 

「それ本当か…!?なら、観戦しに行こうぜ!」

 

「あ〜…それは無理だな。関係者以外は立ち入れないプライベートマッチらしい」

 

「あちゃ〜…!マジか〜…!見てみたかったな〜…!」

 

「開催までに参加者同士のバトルが見れるなんて滅多に無いのはいつものことだろ?気長に待とうぜ」

 

 

男性達が完全に通り過ぎ去ると、リゼ達は彼等の会話から気になったことを呟き合う

 

 

「へぇ〜…!私達よりも早くバッジを8つ揃えたトレーナー、卯月さん以外にもいるんですね…!」

 

「うん…!それにバトルコートが地下にあるなんて…!流石はイチカラスタジアムだね!」

 

「ああ。その他にもポケモンリーグに参加するトレーナーにとっては当然、一般向けの施設もかなり充実してるみたいだ」

 

 

会話の最中、そこへようやくイブラヒムと笹木が合流する

 

 

「2人共お帰り〜」

 

「遅くなってごめんやよ」

 

「ううん、そんなに待ってないから大丈夫。2人は受付でイチカラスタジアム内の施設について聞いてたんだよね?他にはどんなのがあるの?」

 

「リゼさん達が話してた地下のバトルコートにトレーニング場、リラクゼーション施設に今年のポケモンリーグ参加者の情報を閲覧出来るコンピュータールーム」

 

「あと、色んな技を教えてくれる技教えの人がおったり、一度覚えたことのある技ならすぐに思い出せる技思い出しの設備なんかもあるらしいやよ」

 

 

イブラヒムと笹木が集めてきたイチカラスタジアム内にある様々な施設等の情報にリゼ達は"おお〜っ!"と目を輝かせる

 

 

「思ってた以上にポケモンリーグ開催までにやれることが多そうだね!」

 

「うん!特にバトルに関係する施設は早めに詳細を把握しておいた方がいいかも!」

 

「そうですね!でも、一先ずはゆっくりしましょう!」

 

「せやね。ここまでの旅も長かったし、少しくらいは休憩せんと」

 

「なら予定通り、今から軽く街を見て回るか」

 

 

ポケモンリーグに向けてリゼ達の気持ちが高まるなか、まずはこれまでの旅を労うべくイチカラシティを観光しようとロビーソファから立ち上がる

 

 

「あれ…!?リゼちゃんやん…!」

 

「…っ!楓さん…!?」

 

 

その時、聞き覚えのある声に名を呼ばれてリゼが振り返ると、そこにはかつて笹木と共に通っていたトレーナーズスクールの先輩である樋口楓の姿があった

 

 

 

 

「エースバーン!"かえんボール"!」

 

 

イチカラスタジアムの地下3階にあるバトルコートが設けられた大部屋の一室…そこでポケモンリーグへの挑戦が決まっているある2人のトレーナーが激しいバトルを繰り広げていた

 

1人は卯月コウ…リゼと笹木2人のライバルであり、3人の中でもバトルの腕前は頭一つ抜けている実力者だ

 

そして、バトルフィールドに立つのは最初のパートナーに選んだヒバニーが最終進化したポケモン:エースバーン…取り出した小石に炎を纏わせ蹴り放つ得意技"かえんボール"で攻撃を仕掛ける

 

 

「ミミロップ!"まねっこ"!」

 

 

対するはトレーナーズスクールではリゼ達と同級生に当たり、周囲からは委員長と呼ばれ慕われているトレーナー:月ノ美兎とミミロップ

 

ミミロップは自身を含めた範囲内全てのポケモンの中で最後に繰り出された技を模倣して繰り出せる技"まねっこ"を発動し、エースバーンが繰り出した"かえんボール"を繰り出し返す

 

放たれた2つの"かえんボール"は両者の間で衝突し、どちらかが制することなく拮抗した末に弾け散り合う

 

 

「"まねっこ"…!接近戦が得意なミミロップ相手なら距離を保って攻めれば優位にバトル出来ると思ったんだけどな…!厄介な技を覚えてやがるぜ…!」

 

「ふふん!私のミミロップを簡単に倒せると思ったら大間違いですよ!ミミロップ!"こうそくいどう"!」

 

 

コウのぼやきに美兎はそう言い返し、"こうそくいどう"を発動させるミミロップは素早い動きでエースバーンの周囲を駆け回り始める

 

 

「バ…ッ!?バァ…ッ!?」

 

「落ち着け、エースバーン!今は目で追わずに気配を感じて待つんだ!」

 

 

"こうそくいどう"によって驚異的なスピードを得たミミロップの動きにエースバーンは翻弄されるが、コウの呼び掛けに落ち着きを取り戻すと、相手が攻撃してくる瞬間を見逃さぬよう精神を集中させる

 

 

「流石ですね!だけど、無駄ですよ!ミミロップ!"ピヨピヨパンチ"!」

 

 

コウとエースバーンの信頼関係を評価するもスピードが上がったミミロップを捉え、正確に反撃することは不可能だと美兎は自信満々に宣言し、攻撃を指示する

 

ミミロップはフェイントを交えながら徐々にエースバーンとの間合いを詰め、背後を取った瞬間にその特徴的な大きな耳の先端を拳のように丸め、"ピヨピヨパンチ"を繰り出す体勢に入ると共に力強く踏み込む

 

 

「エースバーン!今だ!」

 

「…ッ!バァンッ!」

 

 

その時、コウの合図とほぼ同時にミミロップの攻撃の気配を察知したエースバーンは後ろへの振り返り様に素早く小石を蹴り放つ

 

 

「ミミロォ…ッ!?」

 

 

予想外の攻撃に驚いたミミロップは咄嗟に右脚で地を蹴り、左へと飛び退いて飛んで来た小石を回避する

 

 

「バァンッ!」

 

「ミミィ…ッ!?」

 

 

その直後、飛び退いた先にエースバーンが一瞬で距離を詰めてき、ミミロップの懐へ膝蹴りを叩き込む

 

 

("ふいうち"…!?技の指示も無しに繰り出してくるなんて…!)

 

 

たった今エースバーンが繰り出したのは"ふいうち"…攻撃しようとする相手の意表を突き、直後に一気に迫って一撃をお見舞いする技だ

 

スピードが上がったミミロップに対して"かえんボール"等の技で反撃を図るよりも最も効果的な手段…それを相手に気取られないよう言葉少なのやり取りで意思を共有しあったコウとエースバーンに美兎は内心で驚嘆した

 

 

「ミ…!ミロォォ…ッ!」

 

「バァ…ッ!?」

 

「「…っ!?」」

 

 

その最中、"ふいうち"を食らったミミロップは吹き飛ばされるのを耐え、自身の懐に叩き込まれたエースバーンの脚をガッツリと掴んだ

 

攻撃を諸に受けた直後とは思えない行動にエースバーンが驚くなか、ミミロップは両耳に力を込めた渾身の"ピヨピヨパンチ"を"ふいうち"の仕返しと言わんばかりにエースバーンの懐へと叩き込んだ

 

 

「バァァァ…ッ!?」

 

「エースバーン…!大丈夫か…!?」

 

「…ッ!バァンッ!」

 

 

"ピヨピヨパンチ"によってエースバーンは吹き飛び地を転がったが、コウに呼び掛けられるとダメージの痛みを闘志へと変え、すぐに体を起こし立ち直った

 

 

「ミミロップ!ナイスガッツです!」

 

「ミミロ〜!」

 

 

一方の美兎は"ふいうち"を食らってなお反撃してみせたミミロップの根性を褒め、ミミロップは"当然よ!"と言いたげにガッツポーズを返した

 

 

「なかなかやりますね!委員長のミミロップ!」

 

「コウさんとエースバーンも息が凄く合ってます合図だけで"ふいうち"を出してきたあの瞬間は脱帽しましたよ!」

 

「バァンッ!」

 

「ミミロ〜!」

 

 

コウと美兎、エースバーンとミミロップは互いの実力を認め合いながら、バトルの楽しさにニッと笑みを浮かべ合う

 

 

「コウく〜ん!エースバ〜ン!頑張れ〜!」

 

「ジュペペ〜!」

 

「強いねぇ、卯月さん。私もあとでバトルしてもらおうかな」

 

「凛〜!戻ったで〜!」

 

 

その2人のバトルを観覧席で見物しているのはりりむと凛…りりむはパートナーのジュペッタと一緒に声援を送り、コウの実力を評価する凛は自身も是非バトルしてみたいと楽しげに笑みを浮かべる

 

美兎達のバトルが更に熱を増すなか、そこへ飲み物を買いに出ていた楓が戻って来る

 

 

「おかえり、楓さん。あら…!リゼさんに笹木さん!久しぶりだね!」

 

「本当だ…!それにイブラヒム達もいるじゃん!久しぶり〜!」

 

 

楓の方へ顔を向けた凛とりりむはその彼女の後ろから顔を出したリゼ達を目にすると、思わぬ再会に声を弾ませる

 

 

「お久しぶりです、凛先輩!」

 

「りりむちゃん、久しぶり〜!」

 

「おっ…!委員長とウヅコウ、まだバトルやってるじゃん!」

 

「あの人が話に聞いた月ノ美兎か…。あのミミロップ、パワーもスピードもコウのエースバーンと互角とは、なかなか強く育てられてるな」

 

「立ったままもなんやから、そこら辺適当に座ってええよ」

 

「それじゃあ、失礼しま〜す!」

 

 

そう楓に促され、リゼ達は観覧席に腰掛ける

 

 

「そちらの3人は初めましてだね。私は静凛と言います。どうぞよろしく」

 

「メリッサ・キンレンカです。こっちはフレンとイブラヒム」

 

「フレン・E・ルスタリオです!こちらこそよろしくお願いします!」

 

「どうも」

 

「ねぇねぇ!ここにいるってことは、リゼ達もバッジを8個揃えたんでしょ!」

 

「うん!私も笹木さんもイブラヒムさんもフレンも全員無事に!」

 

「流石やんなぁ。偶然上で会った時は本当ビックリしたわ」

 

「最後の難関、シーズジムで足を止められるトレーナーは少なくないって聞くからね。そういえば、アンジュさんは一緒じゃないの?」

 

「アンジュは今、ポケモンリーグに参加するために1人でジムを巡ってるんです」

 

「アンジュさんもポケモンリーグに…!これはまた手強い人が参戦してきましたね…!」

 

「あの人のゴルーグ、結構強そうやったしなぁ。このポケモンリーグ、想像以上にハイレベルな大会になりそうやな」

 

 

自分達とそう差も無い早い段階で8つのジムバッジを手に入れたリゼに笹木、イブラヒム、フレン

 

そして、以前よりポケモンの強さからその実力の高さが窺えたアンジュ

 

ポケモンリーグに出場する手強いライバル達の多さを改めて認識した凛と楓はそんな彼女達と競い合えることを楽しみに思うと共に、より一層ポケモン達のトレーニングに励まなければと気を引き締め直す

 

 

「「「おお…っ!!」」」

 

 

その時、バトルを観戦していた笹木達が唸す声に釣られ、リゼ達もバトルコートへ目を向けた

 

 

「えぇ…っ!?」

 

「な、なんやアレ…!?」

 

 

視線の先に広がる光景にリゼ達は思わず目を見開かせる

 

 

「ミ…ッ!ミロォォ…ッ!?」

 

 

それは身動きが取れず両耳と腕を頭上に組んで身を守ろうとするミミロップに無数の火の礫が降り注ぐ光景だった

 

 

「今だ、エースバーン!"にどげり"!」

 

「バァンッ!」

 

「ミロォォォ…ッ!?」

 

 

リゼ達が未だ驚愕に囚われているなか、コウから飛ばされた指示を受けてエースバーンは火の礫の中を突っ切ってミミロップへ迫り、その懐へ"にどげり"を炸裂させる

 

 

「決まった…!」

 

「効果は抜群!いいぞ〜!コウく〜ん!エースバ〜ン!」

 

「ね、ねぇ…!さっきのは何だったの…!?」

 

「リゼ観てなかったん?アレはエースバーンの"かえんボール"が空中で弾け散ったものやよ!」

 

 

りりむ達が盛り上がるなか、先程ミミロップを襲った火の礫の正体が何なのか尋ねるリゼに笹木がそれに至る経緯まで含め答えた

 

笹木達がバトルを観戦し始めた時、コウは"こうそくいどう"で素早さを高め続けるミミロップを相手にそれをも上回るスピードが出せる"でんこうせっか"をエースバーンに繰り出させ対抗しようとした

 

だが、"まねっこ"を覚えるミミロップはそれで自身も"でんこうせっか"を繰り出し、エースバーンにスピードでの勝負を譲ることはなかった

 

完全にスピード勝負では歯が立たなくなったコウはそれからしばらく黙考した末に、エースバーンに天井へ向けて"かえんボール"を繰り出させた

 

これで最後に繰り出された技が"かえんボール"となったことでミミロップは"まねっこ"による"でんこうせっか"を維持できなくなり、程なくしてその技が解けた瞬間にコウは再び"かえんボール"を指示し、エースバーンは先程天井へ蹴り飛ばした"かえんボール"に向けて2発目の"かえんボール"を繰り出した

 

そして、空中で衝突した2つの"かえんボール"は互いに弾け散り、無数の火の礫となってフィールド全体に降り注いだのだ

 

 

「如何に素早くなったと言っても、広範囲を埋め尽くすほどの攻撃は避け切れんからな!」

 

「火の礫1つ1つは大した威力じゃないけど、数が当たれば熱いしダメージも蓄積する…!」

 

「しかも、そのダメージに足を止めてしまうミミロップと違って、炎タイプのエースバーンにはあの程度の火は微風も同然…!平気な顔で仕掛けることが出来るってわけやな…!」

 

「流石はコウさん…!追い詰められた状況の中でそんな戦法を思い付くなんて…!」

 

 

不利だった状況を逆転させたコウの作戦にリゼ達が驚嘆の声を上げるなか、美兎は"にどげり"のダメージに悶えるミミロップに声を掛ける

 

 

「大丈夫ですか…!?ミミロップ…!」

 

「ミ…!ミロォ…!」

 

 

美兎の声にミミロップは闘志を漲らせ、ダメージを堪えて体勢を持ち直した

 

 

「まあ、流石に今ので倒れはしねぇよな。でも、これでミミロップのスピードは封じた!この勝負は貰ったぜ!」

 

 

脅威だったミミロップのスピードさえ封じれば勝ったも同然だとコウが宣言するなか、美兎は覚悟を決めるかのような真剣な面持ちを浮かべて"ふぅ…!"と息を吐いた

 

 

「やりますね、コウさん。このままバトルを続ければ、私達の負けは必至です」

 

 

そうコウへ投げ掛けた美兎の言葉に、リゼ達は彼女が降参するのではないかと頭に思い浮かばせた

 

だが、次の瞬間にはそんなことはありえないと思わせる好戦的な笑みを美兎は浮かべた

 

 

「このままでは…ですけどね!」

 

 

美兎はそう言い放つと、唐突に勢いよく左腕の袖を捲った

 

 

「「「「「ああっ…!!?」」」」」

 

「「…っ!?」」

 

「「…♪」」

 

 

捲られ露わとなった美兎の左腕にあったその場の誰もがよく知るある物を目にし、リゼ達は驚きのあまり声を上げ、コウとイブラヒムは目を見開き、"そうくるだろうな"とこの展開を予想出来ていた楓と凛はニヤリと笑みを浮かべた

 

 

「ミミロップ!メガシンカ!」

 

 

美兎の左腕に装着されていたのはリゼ達も持つキーストーンとそれを埋め込んだバングルだった

 

美兎が左腕を突き上げると、キーストーンとそれに呼応してミミロップが持っていたメガストーン:ミミロップナイトが共に眩い光を輝き放ち、それぞれから伸び出した光の帯が互いに結びつき合い、虹色の輝きに包み込まれたミミロップがその姿を変化させていく

 

 

「ミミロォ〜!」

 

 

しばらくして虹色の輝きは晴れ、ミミロップはメガミミロップへとメガシンカを遂げる

 

 

「ミミロップがメガシンカ…!」

 

「可愛い〜っ!!」

 

「流石に8つのジムを制覇したトレーナー…!相応の切札はあるのは当然か…!」

 

「ミッ!ミロォ〜ッ!」

 

 

ミミロップのメガシンカにリゼ達が驚愕や興奮の声を上げるなか、先程までのダメージなど全く無かったかのような気力溢れる様子のメガミミロップは軽やかなステップを踏みながらその場でシャドーボクシングを披露する

 

 

「わぁ〜!ミミロップ、さっき以上にやる気満々だね!」

 

「ミミロップはメガシンカすると内に秘められた闘争本能が目覚めて、好戦的な気質になっちゃうんだよ」

 

「そうなんだ…!言われてみれば、さっきよりも目付きが鋭くなっているような…!」

 

「メガシンカしたミミロップはほんまに強いからなぁ。まだまだ勝負は分からんでぇ?」

 

 

そう告げる楓の言葉を受け、リゼ達の意識が2人のバトルに集中する

 

 

「まさか、メガシンカを使ってくるなんてな…!でも、いいのか…?ポケモンリーグが始まる前に手の内明かしちゃって…!」

 

「この程度は大した問題じゃありませんよ。いずれはバレることですからね。それに仕方なかったんです」

 

「仕方なかった…?」

 

「ええ!だって私、負けず嫌いですから!特にアナタや楓ちゃん達相手は!ミミロップ!"ピヨピヨパンチ"!」

 

「ミミロォッ!」

 

「バァ…ッ!?」

 

 

コウにそう言い放った美兎は同時に指示を飛ばし、軽やかに地を蹴ったメガミミロップは"でんこうせっか"を使っていた時とほぼ変わらぬ速さで疾駆し、一瞬でエースバーンとの間合いを詰める

 

 

「ミミロォッ!」

 

「バッ…!?アァァァァァン…ッ!?」

 

 

そして、驚きのあまり体が固まってしまったエースバーンにメガミミロップは目にも留まらぬ速さで2発の"ピヨピヨパンチ"を叩き込んで吹き飛ばした

 

 

「は、速い…っ!?」

 

「"でんこうせっか"を使ってた時とほとんど変わってなかった…!もしかして、メガシンカしたことでスピードが格段に上がってるんか…!?」

 

「そう。メガシンカしたミミロップは攻撃力と素早さの能力が格段に跳ね上がるの。"こうそくいどう"の能力上昇も相まって、もうエースバーンの"でんこうせっか"じゃ追い付けないよ」

 

 

メガミミロップの脅威的なスピードに驚愕するリゼ達に凛がそう答えるなか、コウが吹き飛ばされたエースバーンに声を掛ける

 

 

「エースバーン…!大丈夫か…!?」

 

「バ…バァン…ッ!」

 

「よし…!天井に向かって"かえんボール"だ!」

 

 

痛烈なダメージを堪え、よろめきながらも立ち上がったエースバーンは再び火の礫を降らせてメガミミロップの動きを止めるべく、1発目の"かえんボール"を天井に向けて蹴り上げる

 

 

「そうはさせません!ミミロップ!"ピヨピヨパンチ"!」

 

 

だが、それを確認した美兎の指示を受けて、メガミミロップは両耳をバネのように利用してその場から大跳躍し、"かえんボール"の前へと飛び出る

 

 

「ミミロォッ!」

 

 

そして、"かえんボール"に右ストレートの"ピヨピヨパンチ"をぶつけ、弾け散らした

 

 

「"かえんボール"を打ち砕いた…!?」

 

「とんでもねぇ攻撃力だな…!」

 

「ミミロップ!そのままエースバーンに向かって急降下!"ピヨピヨパンチ"!」

 

 

"かえんボール"を容易く打ち砕いたパワーにイブラヒム達が舌を巻くなか、姿勢を直立にしたメガミミロップはエースバーン目掛けて急降下する

 

 

「エースバーン!ギリギリまで引き付けてから"ふいうち"だ!」

 

 

対するコウは"ふいうち"でのカウンターを狙い、エースバーンはその瞬間に備えて意識を集中させる

 

 

「…ッ!バァンッ!」

 

 

そして、急降下してくるメガミミロップとの距離が5mを切る直前で、エースバーンは取り出した数個の石をまとめてメガミミロップへと蹴り放った

 

 

「ミミッ!」

 

「バァンッ!」

 

 

メガミミロップがそれを鞭のようにしなる両耳で払い飛ばすなか、その一瞬にエースバーンはその場から飛び退く

 

直後、直前までエースバーンがいた場所に"ピヨピヨパンチ"を衝突させ、大きな亀裂と共にメガミミロップが落下した瞬間にエースバーンは地を蹴り、その懐へ渾身の力を込めた"ふいうち"を叩き込む

 

 

「ミミロ♪」

 

「バァ…ッ!?」

 

 

だが、直撃を受けたメガミミロップは吹き飛ばず、"つ〜かまえた♪"と言わんばかりの笑みを浮かべると同時にエースバーンの右腕をガッチリと掴み捕らえた

 

 

「ほとんどダメージが無い…!?」

 

「それは当然です!メガシンカしたことで、メガミミロップには格闘タイプが加わっていますから!さあ!ミミロップ!」

 

 

悪タイプの技である"ふいうち"は格闘タイプに対して効果的な威力を望めない

 

メガシンカによるタイプの追加…この想定外にコウは驚き、同時に"やられた…!"と内心で悔しがるなか、メガミミロップは両耳を勢いよく振るい繰り出した"ピヨピヨパンチ"をエースバーンの懐へ炸裂させる

 

 

「バァ…ッ!!?」

 

 

その痛烈な一撃に声にならない嗚咽を上げるエースバーンは軽々と天高く吹き飛ばされる

 

 

「トドメです!ミミロップ!"とびひざげり"!」

 

 

そこへ立て続けに飛ばされる美兎の指示…メガミミロップは再び両耳をバネのように使って大跳躍し、瞬く間に吹き飛ばしたエースバーンを越えて天井へと到達する

 

 

「ミ〜ミロォッ!!!」

 

「バァァァ…ッ!!!?」

 

 

そして、天井を蹴ったメガミミロップは無防備なエースバーンの懐へ"とびひざげり"を炸裂させ、そのままの勢いで地上へと落下し、重く鈍い衝突音と共に衝撃による粉塵を巻き上がらせる

 

 

「「「「「…っ!!」」」」」

 

「「「……」」」

 

「…っ!エースバーン…っ!」

 

 

リゼ達は息を呑み、イブラヒムと楓達は真剣な面持ちで、美兎が微笑を浮かべ見守り、エースバーンの身を案じてコウが叫ぶなか、立ちこめた粉塵が次第に晴れたそこには堂々と立つメガミミロップとその足下で倒れ伏したエースバーンの姿があった

 

 

「バ…バァ〜ン…」

 

『エースバーン、戦闘不能!ミミロップの勝ち!よって勝者、月ノ美兎!』

 

「〜〜〜っ…!やりました〜っ!私達の勝ち〜っ!」

 

「ミミロ〜ッ!」

 

 

試合の審判を担うドローンロトムの判定に以って勝敗は決し、見事に勝利を収めた美兎はミミロップと盛大に喜び合った

 

 

「くぁ〜…!負けちまったか〜…!流石はメガシンカ、手強かったな〜…」

 

 

張り詰めたバトルから解放されたコウはどっと押し寄せた疲れに天を仰いで数秒固まり、呼吸を落ち着かせると奮闘したエースバーンの下へ歩み寄った

 

 

「よくやった、エースバーン。負けはしたが良いバトルだったぞ」

 

「バァン…」

 

 

労いの言葉を掛けてコウがエースバーンをボールへと戻したところで、彼の下へ歩み寄って来た美兎が右手を差し出す

 

 

「良いバトルでした、コウさん。おかげで、とても学びある時間になりました」

 

「こちらこそ。今回は勝ちを譲りましたけど、ポケモンリーグの本戦じゃ負けないですよ」

 

「臨むところです。お互いにまだ全力は出し切っていませんからね。本戦でバトル出来ることを願っていますよ」

 

 

互いの健闘を称え、いずれポケモンリーグで全力でバトルすることを望みながら、美兎とコウは堅い握手を交わした

 

 

「美兎ちゃ〜ん!卯月く〜ん!お疲れ〜!」

 

「惜しかったね〜!コウく〜ん!」

 

「楓ちゃん、ありがとう。…って、リゼさんに笹木さん…!?」

 

「イブラヒム達もいるじゃん…!」

 

 

そこへ折を見て顔を出した楓達の労いの言葉に振り返った美兎とコウは、彼女達と一緒に現れたリゼ達に目を丸くする

 

 

「お久しぶりです!美兎委員長!コウさん!2人のバトル、とっても凄かったです!」

 

「ありがとうございます!リゼさん達もバッジを8つ揃えて来たんですね!おめでとうございます!」

 

「まあ、当然やよ!それにしても、委員長もウヅコウも前に会った時に比べて相当実力を上げたね〜。これはウチもうかうかしてられへんなぁ〜!」

 

「でも、まさかこんなに早く来るとは思ってなかったぜ。少しは手間取るかと思ってたのに」

 

「相変わらず余裕だな。今すぐ掬ってやってもいいんだぜ?」

 

「駄目だよ、イブラヒム。僕達、これから街を巡り歩く予定なんだから」

 

「そうだよ!イブちゃんが居なくなったら誰が荷物持ちするの!」

 

「引き止める理由そこかよっ!」

 

 

久しぶりの再会をリゼ達は嬉しく思い合うなか、悪戯な笑みを浮かべるコウの煽りに乗せられて闘争心を剥き出すイブラヒムを割って入ったメリッサ達が制止する

 

その際のフレンの余計な一言にイブラヒムがキレて軽い言い合いに発展するなか、美兎がリゼに声を掛ける

 

 

「観光ですか?」

 

「はい。今日はこの後、宿泊するホテルに荷物を預けてから街を見て回って、明日は旅の労いも兼ねて街を観光しようかと」

 

「そういうことなら、私達が案内してあげますよ!イチカラシティの一推し所はバッチリ把握していますから!」

 

「本当ですか!?ありがとうございます!美兎委員長!」

 

「私等も付き合うよ。今から根詰めすぎてもやし、ポケモン達もリフレッシュさせてあげんと」

 

「そうだね。卯月さんとりりむちゃんはどうする?」

 

「りりむも街を見て回りた〜い!ねぇねぇ!みんなと一緒に行こうよ!コウ君!」

 

「う〜ん…。まあ、そうだな」

 

「決まりやな!それじゃあ、イチカラシティ観光にレッツゴ〜!」

 

 

こうして美兎達も加わったリゼ達はその日の残り時間を一杯に使い、明日の観光に備えてイチカラシティを見て回るのだった

 

 

 

 

その同日深夜…イチカラスタジアム内のある一般立ち入り禁止区画

 

 

「ん…?扉が開いている…?」

 

 

その区画を巡回していた夜間警備員の1人がある部屋の扉が開放されているのを発見し、ただの閉め忘れかと思い、施錠しようと歩み寄る

 

 

「…っ!?」

 

 

だが、扉の傍まで近付いたその時、部屋の中から物音と自分以外の声を耳にし、警備員は息を殺し立ち止まる

 

 

「はい!これでおしまい!」

 

「随分な荷物やけど、大丈夫なん?」

 

「大丈夫、大丈夫!私のフーディンは一度に最大20人以上一緒に"テレポート"出来るように鍛えてるんだから!この食材全部なんて楽勝だよ〜!」

 

(食材…!?"テレポート"…!?もしかして、泥棒か…!?)

 

 

聞こえた会話の内容から部屋にいるのは泥棒だと判断した警備員は気付かれぬよう手持ちのボールからガーディを繰り出し、意を決して中へ突入する

 

 

「ガウッ!ガウッ!」

 

「誰だ…!?そこで何をしている…!」

 

「うわっ…!?み、見つかった…!は、早く逃げようよ…!」

 

「OK〜!フーディン!マタドガス!お願い!」

 

 

警備員が向ける懐中電灯に照らされ、泥棒の1人が酷く慌てふためくのに対し、もう1人は余裕の様子でフーディンとガラルの姿のマタドガスを繰り出した

 

 

「さっき話していた"テレポート"のフーディンか…!ガーディ!フーディンを狙え!"かえんほうしゃ"!」

 

 

泥棒達の逃走手段だと判明しているフーディンを真っ先に無力化しようと警備員は指示を飛ばし、ガーディは"かえんほうしゃ"を繰り出す

 

 

「マ〜タドガ〜スッ!」

 

 

だが、ガラル:マタドガスが繰り出す"ワンダースチーム"が壁となって"かえんほうしゃ"を阻み、直後に小爆発を引き起こして視界が全く見えないほどの爆煙が立ち込め、部屋全体を呑み込んでしまう

 

 

「くっ…!ガーディ…!臭いで相手の位置を…!」

 

「ガウゥ〜…?」

 

 

警備員はガーディの鼻を頼りに追撃を試みるが、ガラル:マタドガスが"ワンダースチーム"を繰り出すと同時に撒いていた特殊な煙の臭いが強く、ガーディは泥棒達の正確な臭いを即座に嗅ぎ取ることが出来ないでいた

 

それからしばらくして煙が晴れると、泥棒達は会話から聞き取れた通りフーディンの"テレポート"を使ったらしく、その場からパッタリといなくなってしまっていた

 

 

「逃げられた…!一体、奴等は何を盗んで…!」

 

 

"テレポート"で移動した相手を追うのは困難と判断した警備員は一先ず泥棒達が何を盗んだのか把握するべく彼女達がいた辺りに目を向けた

 

 

「ここに保管されていた食材が丸々無くなっている…!?どうしてあんなものを…!いや、とにかくなんてこった…!すぐに上へ報告しないと…!」

 

 

警備員は無線機を手に取り、仲間へ事態の報告をする

 

 

「緊急事態発生!巡回中に食糧庫の一室で盗難事件!犯人は2人組の女性!連れているポケモンはフーディンとガラルのマタドガス!盗まれたのは近日開催されるイベントで使用予定の食材!ダイキノコとダイミツ、秘伝スパイスです!」

 





リゼ・ヘルエスタ
手持ち:エンペルト、グレイシア、バタフリー
   サイドン、ルカリオ、ソウブレイズ

月ノ美兎
手持ち:ゴウカザル、ルナトーン、マルヤクデ
   ミミロップ

卯月コウ
手持ち:エースバーン、サーナイト、ラプラス
   ニドキング、リングマ

魔界ノりりむ
手持ち:ジュペッタ

フレン・E・ルスタリオ
手持ち:バシャーモ、パルスワン、ラッキー
   フライゴン、ニューラ、パッチラゴン
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