にじさんじ×ポケットモンスター   作:Mr.ソロ

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本日2回行動につき、明日は投稿しません。練る!(展開を)


第9話「エデン警備隊!ローレン&アクシア!」

 

〜アンジュside〜

 

 

「なるほど、それで仲間と逸れてしまったと…」

 

 

怪しい集団との窮地を助けてもらったアンジュと叶は警備隊のローレンに爆発からここに至るまでの経緯を話していた

 

 

「となると、さっきの連中が爆発の原因であることは間違いなさそうだな」

 

「逃がしてよかったんですか?」

 

「出来れば捕まえたかったけど、今は救助が最優先ですから」

 

「すみません…」

 

 

逃がしてしまったのは自分達のせいなのでは?と感じた叶がローレンに謝罪する

 

 

「いやいや、むしろあんな連中を見逃して中に入れちゃってるこちら側の不手際なんで」

 

「でも、だとするとなんであの連中は洞窟内で爆発なんて起こしたんでしょうか?ポケモンを乱獲するとか、傷つけようしてたとかって訳じゃなさそうだったけど…」

 

「そうっすねぇ…。それこそ、ここエデンシティ近辺は規模こそ小さいものの、悪さする奴等は沢山います。でも、ここまでのことをする理由があるとしたら…」

 

「何かあるんですか?」

 

 

何か心当たりがある様子のローレンに、叶が問い掛ける

 

 

「多分…俺の知り合い関係かもしれないっすね」

 

 

 

 

〜リゼside〜

 

 

「へぇ!あまみゃ、育て屋さん目指してるんや!」

 

「うん!あまみゃ、ポケモンのこと大好きでお世話もよくしてたし、バトルするのも好きだから将来は故郷で育て屋をやって、みんなが預けたポケモンを大切にお世話したいの!」

 

「いい夢だね!じゃあ、あまみゃの夢が叶ったら私もお世話になろうかな!」

 

「いいよ〜!」

 

 

リゼ達は会話が弾み、不安は大分取り払われていた

 

 

「…!ブイ…!」

 

 

すると突然、地面で丸くなって休んでいたイーブイが鳴き声を上げ、ある方向を睨む

 

イーブイにつられてリゼ達もその場から立ち上がり、警戒する

 

すると複数の足音がこちらへと近付いて来るのが聞こえた

 

3人が身構えていると、正面から1人の男が走ってくるのが見えた

 

 

「そ、そこの君達ぃ〜…っ!た、助けてくださ〜い…っ!」

 

 

白衣を着たその男は情けない声を出しながらリゼ達に助けを求める

 

どういうことなのか?と、リゼ達が不審に思った直後、男の後ろから迫る大勢の影…その正体を視認して理解した

 

 

「あの人達…!さっき見た変な人達と同じ格好してる…!」

 

 

助けを求めてきた男を追うように現れたのは、先程対峙した虹色の服の怪しい集団…その仲間であった

 

男がリゼ達の後ろに隠れると、怪しい集団は距離を置いて立ち止まる

 

 

「おい、そこのガキ共…その男を捕まえてこちらに差し出せ。さもなければ痛い目を見るぞ」

 

 

集団の頭からの脅迫に、リゼ達は自分達の後ろに隠れる男にちらりと目を向けるが、すぐに互いの顔を見合わせて前を向く

 

 

「何が目的かは分からないけど、あなた達の行為は見過ごせません!」

 

 

リゼは戦闘の意思を示し、ひまわり、天宮はボールを構える

 

 

「正気か?ヒーロー気取りのつもりなら後悔するぞ!行け!デカグース!」

 

 

集団の頭が"はりこみポケモン":デカグースを繰り出し、周りの部下が更にゴクリン、スカンプー、カメテテを繰り出す

 

 

「イーブイ!お願い!」

 

「行っけぇ!ケロマツ!」

 

「頑張って!チルット!」

 

 

リゼはイーブイを、ひまわりと天宮はそれぞれ"あわがえるポケモン":ケロマツと"わたどりポケモン":チルットを繰り出す

 

 

「最後の警告だ。今ならまだ許してやるぞ?」

 

「何度脅されても、私達の意志は変わりません」

 

「ならば容赦はしない!行けぇ!」

 

 

集団の頭の言葉を皮切りに、バトルの火蓋が切られた

 

 

 

 

〜葛葉side〜

 

 

「…!」

 

「葛葉さん?どうしたんですか?」

 

 

何かに気付いたかのような表情で、葛葉がハッと顔を上げる

 

 

「今微かにこっちの方から音が聞こえた…。技がぶつかり合ってるような音が…」

 

「もしかして、誰かがバトルしてるんじゃ…!」

 

「行きましょう!」

 

 

葛葉と凛月は音のする方へ走る

 

しばらく進むと、2人は広々とした空間に出る

 

 

「なんだ…ここ…!」

 

「綺麗…!」

 

 

2人の目の前には澄み渡った大きな湖が広がっており、その光景に思わず声を漏らす

 

そして、端の穴から顔を覗かせるポケモンの気配に葛葉が気付く

 

 

「あれは…タツベイか!?」

 

 

葛葉達を見ていたのは"いしあたまポケモン":タツベイだった

 

 

「もしかしてここ…こころちゃんが探してたドラゴンポケモンの住処…!」

 

「ドラゴンポケモンの…!?ってことはめちゃくちゃレアなポケモンがゲット出来るってことっすか!くぅ〜…っ!こんな時じゃなければ探索してぇのに…!とりあえず、あのタツベイだけでもゲットを…!」

 

「葛葉さん、待って…!あの子…様子がおかしいと思うんやけど…!」

 

 

と、どうしても欲に抗えずにボールを取り出す葛葉を凛月が止める

 

指摘を受けて葛葉がタツベイの様子をよく見ると、凛月の言う通り…その姿は何かに怯えているようであった

 

 

「本当だ…!何かに怯えてんのか…?でも一体何に…?」

 

 

タツベイの様子を不審に思うと、葛葉はあることに気付く

 

 

(そういや、ここを入ってきた時からまったくポケモンの姿を見てねぇ…!つまり、あいつは俺達に怯えてるんじゃなく、別の何かに…!)

 

「ゴォドォォォ…!!」

 

 

葛葉が考えているなか、奥の岩裏からポケモンの咆哮が響き渡り、ゆっくりとそれが2人の前に正体を現す

 

 

「こいつは…!?」

 

「ボスゴドラ…!」

 

 

現れたのは"てつヨロイポケモン":ボスゴドラ

 

ボスゴドラは葛葉達に気付くと同時に攻撃態勢に入る

 

 

「りつきんさん…!危ねぇ…!」

 

 

危険を察した葛葉は咄嗟に凛月を突き飛ばすとともにその場から横へ飛び退く

 

直後、ボスゴドラが"アイアンヘッド"を発動し、直前まで葛葉達がいた場所を勢いよく突き抜ける

 

 

「すんません、りつきんさん!大丈夫っすか!」

 

「う、うん…!平気…!」

 

 

葛葉と凛月は立ち上がり、ボスゴドラと向かい合う

 

 

「ゴォドォォォ…!!」

 

 

ボスゴドラの荒れ狂うような咆哮に、葛葉と凛月は思わず後退りする

 

2人はバトルせずとも分かった。この野生のボスゴドラはレベルが違うと。少なくとも、今の2人では到底太刀打ちできる相手ではなかった

 

 

「りつきんさん、ここは逃げましょう…!」

 

 

葛葉は悔しそうに提案する

 

このボスゴドラを放置したくはないが、暴れればここにいる他のポケモン達を巻き込むかもしれない

 

そう考えた葛葉に凛月も悔しそうに同意し、一斉に元来た道を引き返そうと走り出す

 

だが、2人を逃すまいとボスゴドラは2人から近い穴の幾つかに向けて"がんせきふうじ"を放つ

 

そして、あと一歩のところで2人が戻ろうとした穴の出入り口が岩で塞がれ、退路を完全に断たれてしまった

 

 

「そんな…!」

 

「くそ…っ!やるしかねぇのか…!」

 

 

逃げることが出来ない以上、2人に残された道はボスゴドラを倒す他なかった

 

 

「行け…!リザード…!」

 

 

恐怖に震える体に喝を入れ、覚悟を決めた葛葉はリザードを繰り出す

 

 

「りつきんさん、俺があいつを引きつけます…!その間に塞がれていない穴から逃げてください…!」

 

「なっ…!馬鹿なこと言わんで…!それじゃ葛葉さんが…!」

 

「大丈夫っすよ…!俺、こう見えてしぶといんで…!」

 

 

隠し切れない震えた声で意地を張る葛葉の言葉を、凛月は素直に聞くことが出来なかった

 

 

「…私も戦う!葛葉さんを残して助かろうなんて出来ない!行くよ!チコリータ!」

 

 

そう言って、凛月は"はっぱポケモン":チコリータを繰り出す

 

 

「…っ!悪いっすけど…いざとなったら無理矢理逃げてもらいますよ…!」

 

 

葛葉はそう宣告し、凛月と共にボスゴドラとのバトルに挑む

 

 

 

 

〜リゼside〜

 

 

「ブイィ…っ!」

 

「イーブイ…!」

 

 

怪しい集団との戦闘からしばらく、リゼ達は相手のゴクリン、スカンプー、カメテテを戦闘不能にすることは出来たが、デカグースに苦戦を強いられていた

 

ひまわりと天宮のケロマツ、チルットは既に戦闘不能にされ、リゼのイーブイもデカグースの"とっしん"を食らい、戦闘不能となった

 

 

「イーブイ、よく頑張ったよ…。ゆっくり休んで」

 

「チッ…!ガキのくせに手間取らせやがって…!いい加減そいつをこっちに渡せ…!」

 

 

集団の頭が警告するが、リゼの瞳にはまだ諦めないと言わんばかりに力がこもっていた

 

 

「お願い!ポッチャマ!」

 

 

そして相手の警告には応えず、ポッチャマを繰り出して戦闘の意志を示す

 

 

「…この状況でその気迫、ガキにしてはなかなかのもんだ。まるで俺達のボスを相手してる気分だぜ」

 

 

リゼの瞳を見て、集団の頭が称賛の言葉を口にする

 

 

「だが、その実力じゃあ俺には勝てねぇなぁ!デカグース!"とっしん"だ!」

 

 

"とっしん"で迫るデカグースに、リゼとポッチャマは身構える

 

 

「ムーランド!"ギガインパクト"!」

 

 

その時、デカグースが横切ろうとした穴の1つからムーランドが飛び出し、"ギガインパクト"を炸裂させる

 

 

「な、なに…!?」

 

「デカグース…!?」

 

 

突然のことに驚くリゼ…そして強襲によりデカグースが戦闘不能となって慌てる集団の前にムーランドの後ろから1人の青年が現れる

 

 

「エデン警備機動部隊隊長のアクシア・クローネだ!発信機を持たないそこのお前達!無駄な抵抗はやめて投降しろ!」

 

 

名乗るアクシアを前に怪しい集団は慌て出す

 

 

「アクシアく〜ん…!」

 

「ヴィンさん…!?」

 

 

そして、リゼ達の後ろに隠れていた男は安堵した様子でアクシアの名を呼び、当の本人は男の存在が予想外だったのか驚きの声を上げる

 

 

「エデンシティの警備隊…!もうここまで来やがったのか…!仕方がねぇ!お前等、ここはズラかるぞ!」

 

 

アクシアの登場に目的を諦め、集団は洞窟の奥へと走り去っていった

 

 

「た、助かったぁ〜…」

 

 

窮地を脱してホッとしたリゼ達は力が抜けてその場にへたり込む

 

 

「皆さん、お怪我はありませんか?」

 

「はい…!助けていただきありがとうございました!」

 

 

駆け寄って安否を確認するアクシアに、リゼが代表してお礼を述べる

 

 

「いえいえ、それにお礼ならトンネルに戻ってからですよ」

 

「も〜!何やってるんですかアクシアく〜ん!遅いじゃないですか〜!」

 

 

リゼのお礼に丁寧に応えるアクシアに、"ヴィンさん"と呼ばれていた男が不満げに絡む

 

 

「これでも全速力で来たんだけど…。というかヴィンさん、そこの女の子達の後ろに隠れてなかった?」

 

「あ〜…。いや、これはですね〜…」

 

「…もしかして、モンスターボールを忘れてここに来てたの?」

 

「ギクゥ…ッ!」

 

「いや"ギクゥ…ッ!"じゃないでしょ!なに一般人に迷惑かけてんの!それも女の子に!パタさんが聞いたらカンカンだよ!?」

 

「そ、そこは内緒にしてもらうってことには…?」

 

「いや、ヴィンさんは今一度悔い改めるべきだと思う。情状酌量の余地なし」

 

「そ、そんな〜…!」

 

 

仲睦まじいやり取りをする2人に、リゼが声を掛ける

 

 

「あ、あの…お二人は知り合いなんですか?」

 

「ああ、すみません、置いてけぼりにしちゃって…!改めて自己紹介しますね。俺はアクシア・クローネ。エデンシティで警備隊をしています。そしてこっちの白衣のオッサンがレオス・ヴィンセント。エデンシティに住んでいる胡散臭いポケモンの研究者です」

 

「アクシア君?今聞き捨てならない虚偽の情報が幾つかあった気がするんだけど?」

 

「世間からの評価をそのまま言っただけっすよ」

 

 

アクシアの紹介にレオスが物申したその時…リゼ達の前にあるポケモンが姿を現す

 

 

「サァァイ…!」

 

「あいつは…!」

 

「あの時のサイホーン…!」

 

 

現れたのはリゼ達がスローンズトンネルを訪れた時に遭遇したサイホーン

 

サイホーンはアクシアのムーランドを睨み付け、バトルしようと今にも攻撃を仕掛けそうな雰囲気だった

 

 

「みんな退がって!すぐにこいつを…!」

 

「待ってください!」

 

 

サイホーンとバトルしようとするアクシアを、リゼが止める

 

 

「ここは私に任せてくれませんか?」

 

「…分かった。でも危険だと判断したら、その後は俺に任せてもらいます」

 

 

リゼの望みを汲み、アクシアはムーランドをボールに戻してひまわり達とその場から一歩引き退がる

 

 

「あの時やり切れなかったバトル…今度こそやり切ろう!サイホーン!」

 

 

リゼの戦う意志に、サイホーンは呼応するように咆哮する

 

 

「行くよ、ポッチャマ!"バブルこうせん"!」

 

 

ポッチャマが"バブルこうせん"を放とうとするが、それよりも早くサイホーンが"じならし"で先制する

 

"じならし"のダメージを受けるとともに地面が揺れることで足下が不安定になり、ポッチャマはよろめきながらも"バブルこうせん"を放つが狙いがズレてしまう

 

その隙にサイホーンはポッチャマへと突っ込み、"つのでつく"攻撃の態勢に入る

 

 

「来るよ、ポッチャマ!"つつく"で迎え撃って!」

 

 

それに対してポッチャマは"つつく"で迎え撃ち、サイホーンと互いの技がぶつかり合うが、パワーはサイホーンが勝り、押し負けたポッチャマは吹き飛ばされる

 

そしてポッチャマに反撃の隙を与えまいと、サイホーンは続けて"すてみタックル"を発動…吹き飛ばされて落下するポッチャマに炸裂させる

 

 

「ポチャァ…ッ!」

 

「ポッチャマ…!」

 

「これ以上は無理だ!残念だけど、後は俺に…!」

 

 

"すてみタックル"を食らい、倒れ伏すポッチャマを見てこれ以上のバトルは出来ないと判断したアクシアが前に出る

 

だが、リゼの隣まで進んだところでアクシアの足が止まる

 

横切ろうとした瞬間にチラリと見えたまだ勝負を諦めていないリゼの表情

 

そして、リゼの視線の先で立ち上がろうとするポッチャマの姿に圧倒された

 

 

「ポッチャマ…!まだやれる…!?」

 

「ポ…ポチャマ!」

 

「分かった…なら私も最後まで諦めない!あなたを信じる!」

 

 

リゼの想いを聞き届けた直後、ポッチャマの体が輝き出す

 

 

「あれは…!?」

 

「進化が始まったんですねぇ〜!」

 

 

後ろのひまわり達が声を上げるなか、ポッチャマの姿形は変わり、"ペンギンポケモン":ポッタイシへと進化する

 

 

「サァァァイ…!!」

 

 

そして目の前の相手が進化して強くなったからか、サイホーンは気合いを入れ直すように咆哮し、"つのでつく"を発動してポッタイシへと突っ込む

 

対するポッタイシは腕にはがねのエネルギーを込めた技…"メタルクロー"でサイホーンを迎え撃つ

 

互いの技がぶつかり合うが、今度はポッタイシのパワーが勝り、サイホーンを押し返す

 

こうかばつぐんの"メタルクロー"を受けたサイホーンは初めて体勢を崩し、大きな隙が生まれる

 

 

「今だよ!ポッタイシ!"バブルこうせん"!」

 

 

その隙を逃さず、リゼの指示とともにポッタイシは"バブルこうせん"を放ち、サイホーンに炸裂する

 

 

「今だ…!お願い!モンスターボール!」

 

 

サイホーンがダウンした瞬間に、リゼはモンスターボールを投げる

 

モンスターボールが当たったサイホーンはその中へと吸い込まれ、ボールはコロコロと左右に揺れる

 

そして"カチ…ッ!"という音とともにボールの揺れが収まる

 

 

「やった…!サイホーン、ゲットだ!よく頑張ったね!ポッタイシ!」

 

 

サイホーンのゲット…そして、進化して強くなったポッタイシへの嬉しさが込み上げ、リゼはポッタイシの下に駆け寄り抱き締める

 

 

「おめでとう!リゼちゃん!」

 

「リゼさんのバトル凄くて、あまみゃも見てて熱くなっちゃった…!」

 

 

ひまわりがサイホーンのゲットを祝福し、天宮がバトルの称賛を送る

 

その2人に続いて、アクシアとレオスもリゼに声を掛ける

 

 

「いやぁ〜、見事なバトルでしたよぉ。リゼ君」

 

「そうっすね。おめでとうございます、リゼさん」

 

「ありがとうございます!」

 

「それじゃあ、この喜びの余韻に浸かるのは一旦後にして、まずはここから出ましょう。ムーランド、運んであげてくれ!」

 

 

アクシアはそう言うと再びムーランドを出し、その背中にリゼ達を、レオスを口に咥えさせて出口に向かって走り出す

 

 

 

 

〜葛葉side〜

 

 

リゼ達がアクシアに救助されたその頃…葛葉と凛月はボスゴドラとのバトルを継続していた

 

 

「リザード!"りゅうのいぶき"!」

 

「チコリータ!"はっぱカッター"!」

 

 

ボスゴドラとの距離を取り、リザードとチコリータは射程のある技で攻撃する

 

2体の攻撃をボスゴドラは痛くも痒くもないといった様子で受け切り、"アイアンヘッド"を繰り出す

 

 

「リザード…!避けろ…!」

 

 

狙いはリザード…葛葉は回避を指示するが、リザードの回避する動きに合わせてボスゴドラも攻撃の軌道を変える

 

 

「チコリータ!"リフレクター"!」

 

 

リザードに技が当たる直前、凛月がチコリータに"リフレクター"を指示し、不思議な壁がリザードを包み込んでボスゴドラの攻撃によるダメージを軽減させる

 

 

「大丈夫か!?リザード!」

 

「ザァド…ッ!」

 

「よし…!りつきんさん、あざっす!」

 

「いいんよ!それより来るよ…!」

 

 

再びボスゴドラが攻撃に入り、がんせきふうじ"を仕掛けてくる

 

 

「リザード!"えんまく"しながら突っ込め!」

 

「チコリータ!"はっぱカッター"でリザードを援護して!」

 

 

迫り来る"がんせきふうじ"をチコリータが"はっぱカッター"で相殺しつつ、ボスゴドラから姿を隠して接近するべく、リザードは"えんまく"を放つ

 

 

「リザード!ボスゴドラに近付いたら背後に飛びついて"ひのこ"だ!」

 

 

煙幕を張ってからの指示を出す葛葉

 

だがその僅か数秒後、煙幕の中で白く光る何かに気付いて凛月に叫ぶ

 

 

「りつきんさん…!伏せて…!」

 

 

直後、煙幕の中にいるボスゴドラから"ラスターカノン"が放たれる

 

葛葉の警告を受けて咄嗟に伏した凛月は無事だったが、そのすぐ近くにいたチコリータは回避することが出来ず、"ラスターカノン"に吹き飛ばされて戦闘不能となる

 

 

「チコリータ…!」

 

 

傷ついたチコリータに凛月が駆け寄る

 

 

「くそ…っ!リザード!ぶちかませぇ!」

 

 

葛葉が激昂し、リザードは受けた指示通りにボスゴドラの背後に飛び付き、その顔面に向かって"ひのこ"を繰り出す

 

顔面への攻撃は流石に効いたか、ボスゴドラは苦悶な様子を見せる

 

 

「よし…!効いてる…!離すなよ、リザード…!そのまま押し切れ…!」

 

 

振り払おうと暴れるボスゴドラに、リザードは必死にしがみ付きながら"ひのこ"を繰り出し続ける

 

このままいけば勝てる…葛葉がそう思った矢先、ボスゴドラの体が銀色のオーラを纏い始める

 

 

「…!?リザード…!ボスゴドラから離れろ…!」

 

 

すぐにそれが危険だと感じた葛葉は慌ててリザードに指示を出す

 

だがリザードが離れる前に、ボスゴドラはこれまでに受けたダメージを大きくして返す技…"メタルバースト"を発動し、リザードに炸裂させる

 

 

「…っ!戻れ…!リザード…!」

 

 

自分の下にまで吹き飛ばされ、戦闘不能となったリザードを葛葉はすぐさまボールへと戻す

 

ボスゴドラに対して最も有効打のあるポケモンを失い、葛葉は苦悶の表情を浮かべる

 

それでも抗おうと最後の1体を繰り出そうとボールに手を伸ばすが、ボスゴドラは凛月に向けて攻撃しようと構える

 

 

「…っ!?りつきんさん…っ!」

 

 

それを見て思わず、葛葉は凛月へと走り出す

 

葛葉の叫び声を聞いてボスゴドラが自身に向かって来ていることを知った凛月はその場から逃げようとすることが出来ず、恐怖のあまりに目を瞑る

 

その凛月の盾となるように、葛葉はボスゴドラの前に大の字で立ちはだかり、彼もまた迫る恐怖に目を瞑る

 

ボスゴドラの迫る音がどんどん大きくなり、そして次の瞬間…

 

 

「ファイアロー!"フレアドライブ"!」

 

 

突如現れたファイアローの"フレアドライブ"が炸裂し、ボスゴドラが吹き飛ばされる

 

 

「…へ?」

 

 

突然の出来事に間抜けな声が漏れる葛葉

 

その直後、聞き覚えのある声に希望が湧き上がる

 

 

「葛葉…!大丈夫か…!?」

 

「叶…っ!」

 

 

洞窟の穴から叶、アンジュ、そしてローレンとレントラーが葛葉達の下に駆け寄る

 

 

「凛月さん…!大丈夫ですか…!?」

 

「アンジュさん…!はい、なんとか…!」

 

「よく持ち堪えたな、葛葉」

 

「お、おうよ…!これくらい当然だ…!」

 

 

葛葉達が言葉を交わすなか、ローレンが彼等の前に出る

 

 

「皆さん、俺の後ろに下がってください」

 

 

そう言ってローレンはファイアローの攻撃を受けてまだ立ち上がるボスゴドラと向かい合う

 

手痛い攻撃を受けて怒り心頭の様子のボスゴドラはその元凶となるファイアローのトレーナーであるローレンに向かって突っ込む

 

 

「来るぞ!ファイアロー!レントラー!」

 

 

2体に気を引き締めさせ、ボスゴドラの攻撃に構える

 

 

「ムーランド!"ギガインパクト"!」

 

 

そこへ更に、突如現れたムーランドがボスゴドラに"ギガインパクト"を炸裂させて吹き飛ばす

 

 

「来たか…!」

 

 

それにニヤリと笑ったローレンはムーランドが飛び出して来た方に視線を向ける

 

 

「アンジュ!葛葉さん!叶さん!凛月さん!」

 

「みんな無事かー!?」

 

 

ローレン達が来た穴とは別から、アクシア、リゼ、ひまわり、天宮、レオスが彼等の下に駆け寄る

 

 

「リゼ…!無事でよかった…!」

 

「アンジュこそ、怪我がないみたいでよかった…!」

 

「葛葉!兄やん!」

 

「姉ちゃん…!ふぅ…なんともないみてぇだな」

 

「無事でなによりだよ、ひまちゃん」

 

「りっちゃん!大丈夫!?」

 

「うん、なんともないよ」

 

 

リゼ達が互いの安否を確認し合うなか、アクシアとレオスはローレンの隣に寄る

 

 

「ごめん、ローレン!遅れた!」

 

「いいや、ナイスタイミングだ。アクシア!…っていうかレオス!?お前もいたのか!?」

 

「その話は後々。まずはアレをなんとかしないといけないですねぇ〜」

 

「んなこと分かってる!アクシア!やるぞ!」

 

「OK!」

 

 

ローレンとアクシアは更に1体ずつ、新たにポケモンを繰り出す

 

 

「プラァ!」「マァイ!」

 

 

2人が繰り出したのは"おうえんポケモン"のプラスルとマイナン

 

 

「プラスル!"わるだくみ"!」

 

「マイナン!"てだすけ"!」

 

「「そして…"かみなり"だ!」」

 

 

"わるだくみ"でとくこうを上げたプラスルを、更にマイナンが"てだすけ"で次に出す技の威力を底上げさせる

 

そして、2体は同時に最大火力の"かみなり"をボスゴドラに向けて放つ

 

 

「ボッゴォォォォ…ッ!!?」

 

 

プラスルとマイナン…2体の合わさった一撃を受けて、ボスゴドラはその場に倒れ込む

 

 

「す、凄ぇ…!」

 

「プラスルとマイナンの特性:"プラス"と"マイナス"は、互いにそれを持つポケモンが近くにいる時に特殊攻撃力が上がるんだよ」

 

「加えて、特殊攻撃力を上げる"わるだくみ"に味方の技の威力を上げる"てだすけ"…そしてでんき技でも屈指の威力を誇る"かみなり"。完璧な連携だからこそ成せる大技でしたね」

 

 

ローレンとアクシア…その相棒であるプラスルとマイナンの力をアンジュと叶が解説する

 

 

「よし、レオスも含めて救助する人達は全員見つけた。あのボスゴドラは一先ずゲットしておいて、後で本来の住処に戻してやろう」

 

「了解。それじゃあ、皆さん。ここからトンネルまでは俺とローレンが案内するので離れずついてきてください」

 

「分かりました」

 

「うっし、俺達も行くか」

 

アクシアの指示に従い、彼等について行くリゼ達。それに葛葉達も続くが、葛葉の裾を凛月が掴み、その足を止める

 

 

「りつきんさん…?」

 

「葛葉さん…さっきはありがとうございます…」

 

「さっき…?あぁ…っ!いやいや、アレはなんか体が勝手に動いたって言うか…!気付いてたらやってたってだけで…!」

 

 

思い返せば、まるでヒロインを守る主人公のような行動だったと思った葛葉は顔を真っ赤にして誤魔化そうとする

 

そんな葛葉に、凛月は優しい眼差しを向ける

 

 

「あの…余計なお世話かもしれないんやけど…。葛葉さんの優しさも、勇敢さも…全部葛葉さんだからこそのものだと思います。だから私は…葛葉さんは強い人なんだって思いました。ジムリーダーの息子だからとかじゃなく、葛葉さんだからこその強さなんだって思いました」

 

「りつきんさん…」

 

 

凛月からの言葉に、葛葉は呆然となる

 

 

「…さ、早く行きましょう!じゃないと置いてかれてまた迷子になっちゃいますよ!」

 

 

そう言って、凛月はみんなの下へ走り去る

 

 

「…俺だからこその強さ…か」

 

 

凛月からの言葉を反芻し、葛葉は先程まで自分がバトルしていた場所を一瞥してからみんなの後を追った

 

 

 

 

 

こうして、洞窟での危機を乗り越えたリゼ達はアクシアとローレンの案内を受け、スローンズトンネルへと戻る

 

リゼは新たな仲間を、そして葛葉は凛月との出会いで何かを得た

 

次なる街…エデンシティではどんな出会いが彼女達を待ち受けているのだろう

 





リゼ・ヘルエスタ
手持ち:ポッタイシ、イーブイ、トランセル
   サイホーン

アンジュ・カトリーナ
手持ち:ゴルーグ

葛葉
手持ち:リザード、ズバット、コイキング


手持ち:ニャルマー

ひまわり
手持ち:ケロマツ

桜凛月
手持ち:チコリータ、チェリンボ

天宮こころ
手持ち:ミニリュウ、チルット

ローレン・イロアス
手持ち:プラスル、ファイアロー、レントラー

アクシア・クローネ
手持ち:マイナン、ムーランド
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